優先順位の設計

中国製ロボットを禁じる米国の動きは、安全保障の強化であると同時に、自国の中国依存を直視する選択です。2026年3月に提出されたAmerican Security Robotics Actは、連邦政府による中国など「外国の敵対勢力」由来の無人地上車両の購入・運用を禁じる内容です。(コットン senator)

ただし問題は、完成品を締め出しても、部品や製造工程への依存がすぐ消えるわけではない点にあります。安価な中国製プラットフォームは、研究機関や警察、現場の実験環境にすでに入り込んでいます。そこには「安く、早く、使えるなら採用する」という判断基準がありました。

今回の法案は、その基準を「便利さ」から「管理できるリスク」へ変える意思決定です。しかし、代替供給網を育てないまま禁止だけを急げば、米国企業自身の開発や導入も遅れます。

大事なのは、中国製か否かの線引きだけではありません。どの部品を国内化し、どのリスクを許容し、どの分野から置き換えるのかを決めることです。安全保障とは、排除の判断で終わらず、依存を減らす順番を設計することなのです。いわば優先順位設計です。

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