忖度は、判断基準を見えにくくする

ステークホルダーへの忖度は、意思決定を歪めます。なぜなら、本来の判断基準よりも、「誰がどう受け取るか」が優先されてしまうからです。

組織の意思決定では、顧客、上司、株主、取引先、現場など、さまざまな関係者の影響を受けます。もちろん利害を無視してよいわけではありません。しかし、配慮と忖度は違います。配慮は判断材料を増やすことですが、忖度は言うべきことを言わず、選ぶべき選択肢を最初から外してしまうことです。

たとえば赤字事業の撤退を検討する場面で、「創業者の思いがある」「大口取引先が嫌がる」「責任者の顔をつぶせない」と考えすぎると、事業性や将来リスクの評価が後回しになります。その結果、続ける理由が合理性ではなく、人間関係の維持にすり替わります。

大切なのは、誰に配慮しているのかを明確にすることです。そのうえで、顧客価値、収益性、継続可能性、信頼への影響を分けて評価します。忖度をなくすとは、人を無視することではありません。関係者の影響を見える化し、判断基準を取り戻すことなのです。

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