アブダクションとレトロダクションの差異

インフォグラフィックサイトへ
Contents

はじめに:推論方式をめぐる概念的混乱と明確化の必要性

科学的発見や社会科学的説明において、既存の演繹法(Deduction)および帰納法(Induction)だけでは捉えきれない「新たな仮説の生成」や「背後にあるメカニズムの特定」を可能にする推論様式として、「アブダクション(Abduction)」および「レトロダクション(Retroduction)」が極めて重要な位置を占めている1。演繹法が与えられた前提から必然的な結論を論理的に導き出すものであり、帰納法が蓄積された観察事例から一般的な法則や規則性を抽出するものであるのに対し、アブダクションとレトロダクションは、未知の現象や驚くべき事実に対して新たな説明原理を導入する「発見の推論(Reasoning of discovery)」として機能する1

しかしながら、これら二つの概念は、依拠する哲学的パラダイムや歴史的文脈によって、完全に同義語として扱われることもあれば、明確に異なる知的操作として厳密に区別されることもあるという、複雑な概念的状況に置かれている1。特に、アメリカの哲学者チャールズ・サンダース・パース(Charles Sanders Peirce)に端を発するプラグマティズムの系譜と、ロイ・バスカー(Roy Bhaskar)が創始し、バース・ダンマーク(Berth Danermark)らが社会科学の領域で実践的に展開した批判的実在論(Critical Realism)の系譜とでは、これらの概念に与えられる存在論的および認識論的位相が決定的に異なる1

現代の学際的・理論的研究において、これら二つの概念を無批判に混同することは、研究における「意味の解釈(認識論的次元)」と「因果的メカニズムの特定(存在論的次元)」を混同する「認識論的誤謬(Epistemic Fallacy)」を招く危険性を孕んでいる3。本報告書は、科学哲学、論理学、および理論社会学の観点から、アブダクションとレトロダクションの概念的差異を徹底的に比較分析する。パースの論理学における原義とその哲学的背景から出発し、日本における独自の受容史(米盛裕二の解釈など)を検証したうえで、批判的実在論がなぜこの二つの概念を分離し、異なる次元の推論として再定義したのかを、存在論的基盤と具体的な研究方法論の適用例を交えて網羅的に解明する。

パースのプラグマティズムにおける推論の統合:アブダクションとレトロダクションの同義性

アリストテレスからの系譜と仮説形成の論理

C.S. パースは、既存の知識体系を機械的に適用するだけの演繹や、単なる事例の蓄積から一般法則を導き出す帰納だけでは、科学における「真に新しい発見」や「革新的な概念の創出」を説明できないと考えた1。パースの探求によれば、科学には演繹、帰納に並ぶ第三の根本的に異なる推論が存在する。彼はこの推論の起源をアリストテレスの著作に見出したが、アリストテレスのテキストにおける「アパゴーゲー(apagōgē)」が歴史的に誤訳され、誤解されてきたという仮説を立てた7。パースはこれを再解釈し、「アブダクション(Abduction)」または「レトロダクション(Retroduction)」として定式化した2

パースが定式化したアブダクションの論理形式は、次のような構造を持つ。第一に、ある驚くべき事実、あるいは既存の知識では予期し得なかった異常な現象(C)が観察される。第二に、「もしある仮説(A)が真であるならば、その驚くべき事実(C)は当然のこととして説明されるだろう」という思考プロセスを経る。第三に、それゆえに「その仮説(A)が真であると疑う(推量する)十分な理由がある」と結論づける1

この推論は、論理的な確実性や絶対的な真理を担保するものではない。しかし、前提の中に元々含まれていなかった新しい情報や知識を導き出すことができる唯一の「拡張的推論(Ampliative Reasoning)」であり、科学的探求の第一歩を形成する不可欠なプロセスである2。パースの探求の論理において、科学はアブダクションによって新たな説明仮説を形成し、演繹によってその仮説から経験的にテスト可能な必然的帰結を引き出し、最後に帰納によってその帰結を実験や観察を通じて検証するという三段階の連続したプロセスを経る10

用語の互換性と「研究の経済(Economy of Research)」

注目すべきは、パース自身が「アブダクション」という用語と「レトロダクション」という用語を、ほぼ同義語として互換的に使用していた点である1。アブダクションはラテン語の「abductio(ab:引き離す + ducere:導く)」に由来し、レトロダクションは「retroduction(retro:後ろへ、遡って + ducere:導く)」に由来する1。パースがこれらを同義とした理由は、彼の認識論的焦点が「結果(観察された現象)から、それを説明しうる原因または前提(仮説)へと論理的推論を遡らせる」という推論の方向性そのものにあったからである1

さらに、パースのアブダクション/レトロダクションの理解においては、「研究の経済(Economy of Research)」という概念が重要な役割を果たす2。無数に存在する可能性のある仮説の中から、どの仮説を優先して検証すべきかを決定する基準は、その仮説が事実を説明できるか、実験的に検証可能か、そして経済的(労力や資源の観点から効率的)であるかに依存する2。科学哲学における解釈(例えば McKaughan や Psillos の議論)によれば、パースの初期の思想は仮説の真理値に焦点を当てる「正当化の解釈(Justificatory Interpretation)」に傾いていたが、後期には、その仮説がさらなる探求や検証に値するかどうかという「追求の価値(Pursuitworthiness Interpretation)」へとシフトしていったとされる4。つまり、アブダクションは「真理の証明」ではなく、「有望な仮説の選択と探求の正当化」を目的とする推論として位置づけられたのである4

「放置された神の証明」に見る思索と推論の拡張

パースのアブダクション/レトロダクションの概念が、単なる狭義の科学的方法論にとどまらないことを如実に示しているのが、彼の晩年の論文「神の実在に対する放置された議論(A Neglected Argument for the Reality of God)」である2。この論文においてパースは、伝統的な形而上学的・神学的な存在論的証明(演繹的な論証)とは全く異なる、宗教的かつ科学的な推論を展開した11

パースは、人間の経験を三つの宇宙に分類する。第一の宇宙は「可能性やアイデアの経験(Firstness:第一性)」、第二の宇宙は「事実や事物の暴力的な現実(Secondness:第二性)」、そして第三の宇宙は「異なる宇宙の対象間の関係を確立する一般的な法則や習慣(Thirdness:第三性)」である11。パースは、これらの宇宙の間に見られる多様性、均質性、相互のつながり、そして美しさといった「驚くべき事実」に対して、心が自由に思索を巡らせる「ミューズメント(Musement:遊び心のある瞑想)」という活動を提唱した2

このミューズメントの過程において、人間の心は自然界の驚異に対する説明として「神の実在(Reality of God)」という仮説に自然と到達する。パースは、このプロセスが科学的探求の第一段階であるアブダクション(あるいはレトロダクション)と全く同じ論理構造を持っていると主張した2。興味深いことに、パースは神が時空間的な対象として「存在する(exist)」と言うのは物神崇拝に等しいとし、時空間に依存せずに識別可能な属性を持つ「実在(reality)」として神を捉えた11。ここでのレトロダクションは、厳密な演繹的展開や帰納的評価が困難であるという点で典型的な科学的仮説とは異なるものの、人間の心が自然の秩序に対して正確な推測を行うという「本能的な推量(guessing instinct)」あるいは「自然の光(el lume naturale)」への訴えとして、正当な科学的推論の範疇に含められている2

パースにとって、探偵が断片的な手がかりから犯罪の構造を再構築する直感も、理論物理学者が新たな法則を直感する閃きも、そして人間が宇宙の秩序から神の実在を導き出す思索も、すべては「アブダクション=レトロダクション」という同一の地平にある推論であった1

日本の文脈における受容と「遡及推論」としての定着

プラグマティズムにおけるこの推論様式が日本に導入され、広く認知される過程において、哲学者・米盛裕二の業績は決定的な役割を果たした9。米盛の著書『アブダクション:仮説と発見の論理』(初版2007年、新装版2024年)は、日本の学術界のみならずビジネスやクリエイティブの領域においても、アブダクションの標準的な解釈基盤となっている9

帰納的飛躍と仮説的飛躍の差異

米盛は、推論を分析的推論(演繹)と拡張的推論に大別し、拡張的推論をさらに「帰納」と「アブダクション」に分割した14。彼のアプローチの特徴は、アブダクションの別名であるレトロダクションを「遡及推論(Retrospective inference)」と訳し、その本質を「結果から原因へと逆向きに推論を仕上げる」プロセスとして極めて明確に説明した点にある9

米盛は、帰納とアブダクションの違いを、「帰納的飛躍」と「仮説的飛躍」という概念を用いて鮮明に対比させている14。帰納法は、観察された範囲内で「事象Aが常に事象Bを伴う」という事実から、「すべてのAはBである」という一般的な規則を推論する8。例えば、複数のリンゴが木から落ちるのを見て「すべての物体は地球に向けて落ちる」と推論するのは帰納である14。ここでの飛躍は、単なる「量の拡張(観察された一部から全体へ)」に過ぎない14

対照的にアブダクション(遡及推論)は、直接観察することが不可能な「超越的な何か(新たな概念や法則)」を導き出す推論である14。リンゴの落下から「すべての物体同士には互いに引きつけ合う力(万有引力)が働く」と推論するニュートンの思考プロセスがこれに該当する14。万有引力という目に見えないメカニズムを仮定することで、リンゴの落下という結果を、大前提の範囲内で矛盾なく説明可能にするのである15

また、米盛はティコ・ブラーエの膨大な天体観測データから、ヨハネス・ケプラーが惑星の楕円軌道の法則を導き出したプロセスも遡及推論の典型として挙げている15。ケプラーは、ブラーエの観測結果が正しいとしたうえで、「それらを完全に説明しうるためには、惑星はどのように運動していなければならないか」を逆向きに推論し、楕円軌道という新たな説明仮説に到達した15

日本における概念の融合的理解

米盛の解釈や、その後の松岡正剛らによる編集工学的な文脈での応用(「あたかも戻ってくるように推論を仕上げる」「いったん仮想した概念のほうに推論を行ってから戻る」という解釈)は、アブダクションとレトロダクションを「完全に不可分な一つの推論様式の表裏」として日本の知的風土に定着させた9

この日本独自の受容史が生み出す洞察は極めて重要である。日本の研究者や実務家にとって、「後退する論理(レトロダクション)」そのものが、「新しい意味や仮説の創造(アブダクション)」と同一視される傾向が強い。これはパースの本来の意図に忠実であるがゆえに、後述する批判的実在論が社会科学に持ち込んだ「アブダクションとレトロダクションの厳密な分離と次元の相違」を理解する上で、一種の認識論的な障壁あるいはパラダイムの摩擦を生み出す要因となり得るのである。

批判的実在論の転回:認識論的誤謬の克服と存在論的成層化

パースのプラグマティズムが「探求の論理と仮説形成」に焦点を当てていたのに対し、1970年代に英国の哲学者ロイ・バスカーが提唱した「批判的実在論(Critical Realism: CR)」は、科学的知識がいかにして可能かという存在論的(Ontological)な問いから出発した3。批判的実在論の枠組みに移行することで、アブダクションとレトロダクションは同義語から脱却し、世界の異なる次元を解き明かすための明確に異なる二つの推論様式として再定義されることになる1

認識論的誤謬(Epistemic Fallacy)の批判

バスカーの思想の中核にあるのは「認識論的誤謬(Epistemic Fallacy)」に対する鋭い批判である3。認識論的誤謬とは、存在論(世界に何が存在するか)を認識論(我々が世界をどのように知るか、あるいは信じるか)に還元してしまう傾向を指す3

バスカーによれば、実証主義(経験的データを至上とする客観主義)も、構築主義やポストモダニズム(すべては人間の解釈や言語によって構築されているとする主観主義)も、この認識論的誤謬に陥っている3。実証主義は「観察可能なもの」だけが実在すると信じ、構築主義は「我々が構築した意味」だけが現実であると信じることで、いずれも「人間の知識や経験から独立して存在する実在」を無視している6

自存的次元と意存的次元の分離

この誤謬を克服するため、CRは世界を「自存的次元(Intransitive dimension)」と「意存的次元(Transitive dimension)」に明確に分離する22

  • 自存的次元(Intransitive dimension): 人間がそれをどのように認識し、観察し、理論化しているかに関わらず、独立して存在する実在(自然界の法則、社会構造、生成メカニズムなど)の領域22
  • 意存的次元(Transitive dimension): 人間が自存的次元を理解するために構築する、歴史的・社会的に変化しうる知識、理論、概念、パラダイムの領域22

科学の仕事とは、意存的次元(理論や概念)を用いて、自存的次元(独立した実在)の真の姿に漸近していくことであるとされる6

深層存在論:経験・現実・実在の三層構造

さらにバスカーは、自存的次元そのものがフラットではなく、「深層存在論(Depth Ontology)」に基づく三つの成層化された領域(Stratified levels of reality)から構成されていると主張した3

  1. 経験的領域(The Empirical): 人間が直接経験し、観察・測定できる現象や出来事の領域。主観的な構築物や言説もここに含まれる3
  2. 現実的領域(The Actual): 人間が観察しているか否かに関わらず、実際に生起しているすべての出来事やプロセスの領域6
  3. 実在的領域(The Real): 出来事を引き起こす(あるいは阻害する)根本的な「因果力(Causal powers)」や「生成メカニズム(Generative mechanisms)」が存在する深層の領域3

実証主義者は経験的領域における現象の「恒常的連接(Constant conjunctions)」のみを探求し、法則を見出そうとするが、CRはそれらを単なる表面的な事象と見なす3。CRの目的は、経験的な表面の下に潜む「実在的領域」のメカニズムを発見し、それが特定の条件下でどのように相互作用し、創発(Emergence)を起こして「現実的領域」の出来事を作り出しているかを理解することにある3

この哲学体系は、自然科学を対象とした「超越論的実在論(Transcendental Realism)」から始まり、社会構造もまた(自然現象とは異なり人間の活動に依存するものの)実在的な因果力を持つとする「批判的自然主義(Critical Naturalism)」へと展開した3。さらに後年には、ヘーゲルやマルクスの弁証法を統合し、不在(Absence)や自由への脈動を取り入れた「弁証法的批判的実在論(Dialectical Critical Realism: DCR)」へと進化を遂げ、イスラム教徒、カトリック、マルクス主義者など多様な学派による社会科学研究の強力な基盤となっている24

アブダクションとレトロダクションの概念的分離と再定義

批判的実在論が持つこの成層化された深層存在論を前提とする時、事象を説明するための推論は、もはや単一の論理的跳躍(パースのアブダクション/レトロダクション)では対応できなくなる1。スウェーデンの社会学者バース・ダンマーク(Berth Danermark)らは、その共著『社会を説明する(Explaining Society: Critical Realism in the Social Sciences)』(2002年)において、これら二つの概念を異なる認識論的・存在論的レベルの操作として厳密に分離し、より高い精度で再定義した1

意味の次元:再記述と再文脈化としてのアブダクション

CRの枠組みにおいて、アブダクションは専ら「意存的次元(人間の知識や理論の領域)」に関わる操作として位置づけられる1。ダンマークらはアブダクションを「再記述(Re-description)」または「再文脈化(Re-contextualization)」の行為として定義した1

ここでのアブダクションは、ある個別の現象を、既存の日常的な理解から引き離し、「全く異なる理論的・概念的枠組み」の中に置いて解釈し直すプロセスを指す1。例えば、ある経済的な消費現象を「合理的な効用最大化」として記述するのではなく、心理学的な「承認欲求の表出」のレンズを通して読み解いたり、あるいは個人の逸脱行動を単なる「個人の道徳的欠如」としてではなく、「制度的・文化的な力の反映」として再解釈したりすることがこれに該当する1

アブダクションは「意味のレベル」にとどまり、事象を別の意味体系へと移行させることで、観察された現象の新しい理解を提示する1。この推論を遂行するために研究者に要求される知的徳性は「創造性(Creativity)」と「想像力(Imaginative power)」である1。複雑な社会世界の中に深く身を置き(マイケル・ポランニーの言う「内省的居住/Indwelling」に近い)、慣れ親しんだ事象に対して異なる概念的レンズを当てはめ、突如として新しい配置を知覚する探偵のような直感力である1。構築主義(Constructivism)がアブダクションと親和性が高いとされるのも、これが多重な現実の解釈と、意味の共同構築を中心とする推論だからである5

存在論の次元:生成メカニズムへの超越論的降下としてのレトロダクション

一方で、批判的実在論におけるレトロダクションは、意味の世界や理論的な記述のレベルにはとどまらない1。それは、観察された現象から出発し、「この現象が生じるためには、世界にどのような基底的な実在(The Real)が存在しなければならないか?」を問う、存在論的レベルへの降下である1

レトロダクションは、接頭辞の「retro-(遡る)」が示す通り、経験的に観察可能な出来事の背後にある「構造的因果性」や「生成メカニズム」に向かって論理を遡及させるプロセスである1。社会の表面的な現象を別の言葉で言い換える(アブダクション)だけでなく、その現象を物理的、社会的、心理的に引き起こしている見えない構造(例えば、資本主義の構造、家父長制のメカニズム、物理的な制約など)を特定する1

レトロダクションの強力な哲学的基盤は「超越論的推論(Transcendental Argument)」にある1。イマヌエル・カントが人間の経験を可能にするアプリオリな条件(認識の形式)を問い「超越論的観念論」を打ち立てたのに対し、バスカーはこの遡及的推論を人間の精神ではなく外部世界そのものへと適用した1。バスカーは「科学の実験が実際に機能し、自然に介入できているという事実が成立するためには、世界はどのような存在でなければならないか?」と問い、経験を超えた「生成メカニズム」の実在を論証した(超越論的実在論)1

この推論に要求される知的徳性は、アブダクションの創造性とは対照的な「抽象化(Abstraction)」の能力である1。表面的な現象の複雑性を削ぎ落とし、事象を生成している核となる因果力を分離・抽出する理論家の緻密な作業に等しい1。アブダクションが事象の「解釈」を変える操作であるならば、レトロダクションは事象の「存在の条件」を暴き出す操作なのである1

対比の要約

以下の表は、パースのプラグマティズムと批判的実在論における、これら二つの推論の認識論的および存在論的位相の決定的な相違を整理したものである。

比較次元パースのプラグマティズム(Peircean Pragmatism)批判的実在論(Critical Realism: CR)
用語の関係性アブダクションとレトロダクションは基本的に同義語であり、互換的に使用される1アブダクションとレトロダクションは厳密に区別され、探求の異なる次元の段階として位置づけられる1
推論の焦点「発見の論理」。驚くべき事実を矛盾なく説明しうる仮説を導き出すプロセス1アブダクションは意味次元での「再記述」、レトロダクションは存在論的次元での「生成メカニズムへの遡及」1
対象の領域経験、現実、法則の統合的理解。実用性と将来の検証可能性を持つ仮説の生成2意存的次元(人間の理論枠組み)での再構築と、自存的次元(独立した実在的構造)の同定の切り分け6
必要な知的徳性本能的な直感、自然の光(el lume naturale)への訴え2アブダクションには創造性と想像力。レトロダクションには高度な抽象化能力1
論理構造「仮説Aが真なら事実Cは当然となる。ゆえにAは真かもしれない」1「現象Xが存在する。Xが可能となるためには、世界にどのような基底的メカニズムYが実在しなければならないか?」1

批判的実在論の具体的な方法論モデル:実践への応用

理論的枠組みとしての区別を実際の研究方法論に落とし込むため、批判的実在論はアブダクションとレトロダクションを組み込んだ複数の体系的モデルを提示している。これらは社会学、疫学、経営学、社会福祉学など多岐にわたる分野で応用されている。

純粋科学と応用科学におけるDREICモデルとRRREICモデル

ロイ・バスカーは、純粋科学における探求のサイクルとして「DREICモデル」を提唱した31。これは以下の5つのステップから構成され、あるレベルの構造からより深層のレベルへと科学が進展するメカニズムを示している31

ステップ略称プロセスの詳細(純粋科学向け:DREIC)
DDescription(記述)研究対象となる現象や規則性をできるだけ正確に記述する。
RRetroduction(レトロダクション)創造的想像力を働かせ、もしそれが実在すれば記述された現象を説明できるような構造やメカニズムを想像・推論する。
EElimination(排除)複数提示されたメカニズムの仮説の中から、経験的データや合理的な判断基準(Judgemental rationality)を用いて、不適切なものを排除する。
IIdentification(同定)現象の生成に実際に寄与している正しいメカニズムを特定・同定する。
CCorrection(修正)獲得された新たな知識によって、既存の理論や知識体系を修正・補正する。

さらに、複雑な社会問題の解決や政策評価に向けた応用科学(Applied Science)の領域では、これを拡張した「RRREICモデル」が用いられる27。このモデルは、複雑な開鎖系(Open System:実験室のように条件統制されていない現実社会)において、複数のメカニズムがいかに絡み合っているかを解明するためのものである27

ステッププロセスの詳細(応用科学向け:RRREIC)
Resolution(解像)複雑な出来事や問題を、それを構成している複数の要素に分解・解像する。
Redescription(再記述)アブダクションの手法を用い、分解された要素を理論的な枠組みで再記述・再文脈化する。
Retrodiction(遡源推論)既知の法則や因果力を適用し、複数のメカニズムが「過去においてどのように相互作用し、その特定の出来事を生み出したか」を歴史的・水平的に遡る(後述)。
Elimination(排除)代替となる説明を比較し、最も説明力の低いものを排除する。
Identification(同定)複合的な因果の連鎖と、決定的な役割を果たしたメカニズムを同定する。
Correction(修正)応用分野の知識体系や実践手法を修正する。

ダンマークの「社会を説明するための6段階モデル」

社会科学の研究において最も広く参照されているのが、ダンマークらが著書『Explaining Society』で提示した、アブダクションとレトロダクションの両方を統合的に包含する「6段階モデル(Six-stage model)」である39。このモデルは厳密な時系列に従う必要はなく、反復的(Iterative)に行き来することが推奨されている42

  1. 具体的記述(Concrete Description): 研究対象となる複雑な出来事や状況を、日常的な概念を用いて記述する。ここでは事象に関わる人々の主観的解釈や語り(質的データ)が重視される23
  2. 分析的解像(Analytical Resolution): 出来事を構成している様々な要素、関係性、局面に分解する23
  3. アブダクション/再記述(Abduction / Redescription): この段階で「アブダクション」が適用される。経験的データを理論的概念を用いて再記述し、研究対象の元々の観念を新しい文脈の中に置く。例えば、移住者の経験を「トランスミグレーション(Transmigration)」という新たな理論的枠組みで再解釈し、一時的な移動がサービス提供に与える影響として捉え直す3
  4. レトロダクション(Retroduction): 再記述された現象を基に、「この現象を可能にしている構造や関係性は何か?」「その必要十分条件は何か?」という問いに向き合う6。社会的条件、制度的制約、権力関係といった、経験の表面下に実在する生成メカニズムを特定する6
  5. 異なる理論・メカニズムの比較(Comparison of Theories and Mechanisms): レトロダクションによって導き出された複数の理論的メカニズムを比較し、どれが最も強力な「説明力(Explanatory Power)」を持っているかを判断的合理性(Judgemental rationality)に基づいて評価し、絞り込む23
  6. 具体的適用と実践(Concrete Application): 特定されたメカニズムが、特定の文脈や偶然の状況とどのように相互作用し、現実の出来事を引き起こしているかを説明する。応用研究において、実践的介入の根拠を提供する23

このモデルから導出される深層の洞察は、アブダクションとレトロダクションが決して対立するものではなく、高度に相互補完的(Complementary)なプロセスであるという事実である4。アブダクションによる大胆な「再文脈化」が行われなければ、研究者は日常的で自明な枠組みに囚われたままとなり、レトロダクションの深掘りが皮相的なものに終わる1。逆に、レトロダクションによる「構造的な裏付け(存在論的根拠)」がなければ、アブダクションによって生成された仮説は、数ある解釈の一つに過ぎないという相対主義の罠(ポストモダニズムの限界)に陥る3。アブダクティブな結論はレトロダクティブな推論の出発点を提供し、後者が前者の保持可能性(Tenability)を裏付けるのである4

実践領域への応用:社会疫学と専門職間クリエイティビティ

これらの方法は、社会科学の様々な分野で強力なフレームワークとして機能している。例えば社会疫学(Social Epidemiology)の分野では、健康の社会的決定要因を解明するためにCRの階層的オントロジー(Ontological and Hierarchical Stratification)が採用されている3。研究者は、個人の経験から出発しつつ、社会経済的階層、社会的ネットワーク、差別、労働要求といった変数が単なる統計的相関(経験的領域)ではなく、どのように基底的なメカニズム(実在的領域)として結合・創発して健康格差を生み出しているかを、アブダクションとレトロダクションを用いて解明しようと試みている3

また、臨床・社会福祉の専門職間スーパービジョン(Interprofessional Supervision)の分野では、ダンマークのモデルを応用した「6-Frame Model(6フレームモデル)」が開発されている39。この実践的モデルは、「Invite(招待)」「Initiate(開始)」という構築主義的な段階から始まり、「Engage(従事)」「Reflect(省察)」という解釈主義的(アブダクティブ)な段階を経由し、最終的に「Explore(探求)」「Apply(適用)」という批判的実在論的(レトロダクティブ)な段階へと至る39。スーパーバイザーは、このフレームを流動的に移行することで、支援者の主観的経験に寄り添いつつも、実践に影響を与えている背後にある客観的な社会構造や制度的現実を批判的に特定することを可能にしている39

複雑な因果の解明:レトロダクションとレトロディクション(遡源)の差異

批判的実在論の方法論を議論する上で、レトロダクションと並んでしばしば言及され、理論社会学において重要な議論の的となるのが「レトロディクション(Retrodiction:遡源推論)」である27。この二つの概念の対比は、CRが社会事象を「多重決定(Multiply Determined)されたもの」として捉える存在論的立場から必然的に生じる47

垂直的推論と水平的推論

  • レトロダクション(遡及推論:Retroduction): 事象の背後にある個々の「因果力(Causal Powers)」やそれを生み出す「生成メカニズム単体」を特定するための推論である48。経験的現象から実在的深層へと潜り込む垂直的(Vertical)な推論であり、「どのような力や性質がこの種の実在に備わっているか」という抽象的・理論的な問いに向き合う1
  • レトロディクション(遡源推論:Retrodiction): 複数の因果力やメカニズムが、開鎖系(Open System)である現実社会の特定の歴史的・具体的文脈において、「どのように相互作用し、阻害し合い、あるいは複合的に結びついて(複合決定:Overdetermination)その特定の出来事を生み出したか」を過去に向かってたどる推論である27。これは既知の因果力を組み合わせる水平的(Horizontal)な推論である47

これら二つのプロセスは、「鶏と卵」の関係に似ている48。特定の事象をレトロディクション(遡源)するためには、事前にレトロダクションによって特定された個別の因果力のリスト(理論的ツールキット)が必要となる48。一方で、個別の因果力をレトロダクションで抽出するためには、現実の複雑な事象をレトロディクション的に解きほぐし、他の干渉要因を排除する分析的作業が不可欠である27。CRに基づく研究(例えば事例研究のクロス分析など)では、この垂直と水平の推論を反復的かつ同時に行うことが求められる27

マルクスの『資本論』の方法と社会的質(Social Quality)研究の交差

このCRの推論法は、他の古典的あるいは現代的な社会理論との比較においても極めて有益な枠組みを提供している。木田融男による研究は、批判的実在論のレトロダクション/レトロディクションの方法と、カール・マルクスの『資本論』における方法論(MMC: Marx’s Method in Capital)とを比較検討している47

木田の分析によれば、マルクスが資本主義の表層的な交換現象(商品と貨幣の流通)から、その背後に潜む「剰余価値の生産」という本質的な生成メカニズムを抽象化・特定したプロセスは、まさにCRにおける「レトロダクション」の卓越した実践に他ならない27。マルクスは経験的な事象を突き抜け、実在的領域の構造的条件を透視したのである27。さらに、資本主義の基本法則が、現実の歴史的過程において様々な対抗要因や副次的メカニズムと複合的に結びついて発現するプロセスを描き出した手法は、CRにおける「複合決定(Overdetermination)」と「レトロディクション」の視点と深く共鳴している47

また、福士正博が指摘するように、1990年代後半からヨーロッパで展開されている「社会的質(Social Quality)」研究においても、批判的実在論は強力な理論的基礎を提供している24。方法論的個人主義に陥りがちな従来の「生活の質(Quality of Life)」研究に対し、社会的質研究はCRの「方法論的実在主義」を採用した24。社会構造とエイジェンシー(行為主体)をそれぞれ自存的な実在として捉え、個人の自己実現過程と集団の編成過程との弁証法的な相互依存性を、アブダクションとレトロダクションの推論サイクルを通じて解明しようとする試みは、CRの枠組みが社会政策や評価実践において極めて有効であることを証明している24

結論:複雑な社会事象に対する統合的推論の展望

本稿での詳細かつ多角的な分析が示す通り、アブダクションとレトロダクションは、依拠する哲学体系によってその存在論的輪郭と認識論的機能とを大きく変える極めて奥深い概念である。

パースのプラグマティズムにおいては、両者は、科学が未知の事象に直面した際に、それを矛盾なく説明しうる仮説へと跳躍する「発見の論理」という同一のダイナミックな営みを指し示す互換的な言葉であった1。そこでの推論は、最終的な真理の獲得ではなく、探求を継続するための合理的な出発点と実践的な有用性を提供することに重きが置かれていた2。そして日本においては、米盛裕二らの翻訳と解釈を通じて、結果から原因へ遡る「遡及推論」として、帰納とは本質的に異なる創造的な仮説形成の論理として広く定着してきた9

しかし、現代の社会科学においてより強靭で説明力の高い枠組みを志向する批判的実在論(CR)のパラダイムにおいては、事象の表面的な観察(経験的領域)と背後にある構造(実在的領域)とを明確に分かつ「深層存在論」が導入された3。この認識論的誤謬を克服するアプローチにより、アブダクションは「既存の事象を異なる理論的文脈で再記述する意味の次元の操作」として再定義され、レトロダクションは「事象を生成している不可視のメカニズムそのものを抽出する存在論的次元の操作」として厳格に区別されるに至った1

この区別は、決して学究的な言葉遊びや衒学的な分類ではない。現代の高度に複雑化した社会事象——例えば、グローバル化に伴う格差構造の再生産、制度化された差別、あるいは技術革新の波及効果など——を解明する上で、事象の意味を多角的に捉え直すこと(アブダクションの創造性)と、その事象を必然化している構造的因果力を突き止めること(レトロダクションの抽象力)は、全く次元の異なる分析的労力と視座を要求するからである1

ダンマークらの6段階モデルやバスカーのDREIC/RRREICモデルが実証しているように、これら二つの推論は対立するものではなく、不可分に結びついた補完的サイクルを形成している4。豊かなアブダクションによる大胆な再記述がなければ、研究者は日常的な常識や既存パラダイムに縛られ、レトロダクションは既存の自明な因果関係の再確認に陥る危険がある1。逆に、レトロダクションによる構造的かつ存在論的な裏付けがなければ、アブダクションによって生成された仮説は、数ある解釈のバリエーションの一つに過ぎないという相対主義の罠に埋没してしまう3

優れた学術研究や政策的介入の論理とは、事象の意味論的ネットワークを創造的に再構築するアブダクションの「想像力」と、深層に実在する超越論的条件を厳密に切り出すレトロダクションの「抽象力」、そしてそれらが現実の歴史的文脈でどのように複合的に作用したかを紐解くレトロディクション(遡源)の「歴史的分析力」を、一連の方法論的プロセスの中で意識的かつ往復的に駆使することに他ならない1。これら推論機能の微細な差異と役割を精確に理解し、適切に連動・統合させることこそが、表層的なデータの集積と記述を超克し、現実の構造的変革に資する深淵かつ実践的な科学的知識を生成するための、最も確実な道程である。

引用文献

  1. Abduction and Retroduction: The Forms of Reasoning That Underpin Critical Realism | by Ryusuke Koyama | May, 2026 | Medium, 6月 7, 2026にアクセス、 https://medium.com/@ryu2net/abduction-and-retroduction-the-forms-of-reasoning-that-underpin-critical-realism-48484884bfeb
  2. Charles S. Peirce, Scientific Method, and God, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.asa3.org/ASA/PSCF/1997/PSCF9-97Pence.html
  3. Realist explanatory theory building method for social epidemiology: a protocol for a mixed method multilevel study of neighbourhood context and postnatal depression – PMC, 6月 7, 2026にアクセス、 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3888492/
  4. Comparing abduction and retroduction in Peircean pragmatism and critical realism – Taylor & Francis, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/14767430.2020.1831817
  5. Comparing abduction and retroduction in Peircean pragmatism and critical realism, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/346344460_Comparing_abduction_and_retroduction_in_Peircean_pragmatism_and_critical_realism
  6. Two case studies of critical realism informing social work doctoral research – Semantic Scholar, 6月 7, 2026にアクセス、 https://pdfs.semanticscholar.org/9dc2/c4447d245c51a02ed61c5b5cf5a135187ff8.pdf
  7. AN EXPLORER UPON UNTRODDEN GROUND: PEIRCE ON ABDUCTION, 6月 7, 2026にアクセス、 http://users.uoa.gr/~psillos/PapersI/11-Peirce-Abduction.pdf
  8. アブダクション – Wikipedia, 6月 7, 2026にアクセス、 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
  9. 1566夜 『アブダクション』 米盛裕二 – 松岡正剛の千夜千冊, 6月 7, 2026にアクセス、 https://1000ya.isis.ne.jp/1566.html
  10. A Neglected Argument for the Reality of God – Wikisource, the free online library, 6月 7, 2026にアクセス、 https://en.wikisource.org/wiki/A_Neglected_Argument_for_the_Reality_of_God
  11. 20th WCP: A Neglected Argument, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.bu.edu/wcp/Papers/Reli/ReliKess.htm
  12. The “Neglected Argument” Revisited: From C. S. Peirce to Peter Berger – Project MUSE, 6月 7, 2026にアクセス、 https://muse.jhu.edu/article/639255/summary
  13. A Neglected Additament: Peirce on Logic, Cosmology, and the Reality of God – Tidsskrift.dk, 6月 7, 2026にアクセス、 https://tidsskrift.dk/signs/article/download/103187/152244/211867
  14. 『新装版 アブダクション: 仮説と発見の論理』の感想|yonekubo – note, 6月 7, 2026にアクセス、 https://note.com/yonekubo/n/n2da8af4cf7a7
  15. 井庭崇のConcept Walk | パターン・ランゲージ – 慶應義塾, 6月 7, 2026にアクセス、 http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/sb.cgi?page=1&cid=54
  16. 創造性の因果律 – RAD-IT21, 6月 7, 2026にアクセス、 https://rad-it21.com/society/daisuke_harashima_20200807/
  17. アーキテクチャを設計するといふこと 2025年版 | ドクセル, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.docswell.com/s/tyonekubo/ZX63WR-architecting-2025
  18. アブダクション―仮説と発見の論理 – 紀伊國屋書店, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784326153930
  19. アブダクション – 株式会社 勁草書房, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.keisoshobo.co.jp/book/b26950.html
  20. 『アブダクション: 仮説と発見の論理』|感想・レビュー – 読書メーター, 6月 7, 2026にアクセス、 https://bookmeter.com/books/69801
  21. 【AIDA考04】持たざる水戸の皇国史観:片山杜秀 – 遊刊エディスト, 6月 7, 2026にアクセス、 https://edist.ne.jp/past/aida01_04/
  22. What is Critical Realism? – University of Warwick, 6月 7, 2026にアクセス、 https://warwick.ac.uk/fac/soc/ces/research/current/socialtheory/maps/criticalrealism/
  23. 批判的実在論の方法論, 6月 7, 2026にアクセス、 https://niigata-u.repo.nii.ac.jp/record/26695/files/5(1)_37-48.pdf
  24. 社会的質研究の理論的基礎:批判的実在論(1), 6月 7, 2026にアクセス、 https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/11781/1/keizai315-10.pdf
  25. Conceptual Architecture for a Critical Realist Synthesis of a Universal School-based Mindfulness Intervention – The University of Aberdeen Research Portal, 6月 7, 2026にアクセス、 https://abdn.elsevierpure.com/en/publications/conceptual-architecture-for-a-critical-realist-synthesis-of-a-uni/
  26. Founding transdisciplinary knowledge production in critical realism: implications and benefits – Diva-Portal.org, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.diva-portal.org/smash/get/diva2:1398399/FULLTEXT01.pdf
  27. Introduction to the special issue: applied critical realism in the social sciences, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14767430.2018.1468148
  28. Dialectic: Pulse of Freedom by Roy Bhaskar, 6月 7, 2026にアクセス、 https://content.csbs.utah.edu/~ehrbar/dpf.htm
  29. Dialectic Critical Realism: Grounded Values and Reflexivity in Social Science Research, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.preprints.org/manuscript/201609.0052
  30. Dialectic Critical Realism: Grounded Values and Reflexivity in Social Science Research, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.scirp.org/journal/paperinformation?paperid=72612
  31. Roy Bhaskar A Theory of Education – National Academic Digital Library of Ethiopia, 6月 7, 2026にアクセス、 http://ndl.ethernet.edu.et/bitstream/123456789/19037/1/11.pdf.pdf
  32. 「不在」から始めるイノベーション――ロイ・バスカーの批判的実在論がひらく新たな変革の思想|宮木俊明 – note, 6月 7, 2026にアクセス、 https://note.com/miyakitoshiaki/n/n2046e7e20623
  33. Full article: Reclaiming Rational Theory Choice as Central: A Critique of Methodological Applications of Critical Realism – Taylor & Francis, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14767430.2016.1169369
  34. Critical realism: An alternative conceptual framework for framing economic problems, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/365787724_Critical_realism_An_alternative_conceptual_framework_for_framing_economic_problems
  35. Why things happen – Developing the critical realist view of causal mechanisms – University of Kent, 6月 7, 2026にアクセス、 https://kar.kent.ac.uk/62468/1/Making%20Things%20Happen%20IO%20R1.pdf
  36. 4 Object-relations – research into learning – DOI, 6月 7, 2026にアクセス、 https://doi.org/10.2307/j.ctv1b0fvk2.9
  37. Rethinking multi-organisational network effectiveness from a social complexity perspective – Emerald Publishing, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.emerald.com/joepp/article/13/3/618/1278909/Rethinking-multi-organisational-network
  38. User involvement in housing recovery Cases from Haiyan affected areas in the Philippines Arroyo, Ivette, 6月 7, 2026にアクセス、 https://lup.lub.lu.se/search/files/63093007/Ivette_Arroyo_doctoral_thesis_kappa.pdf
  39. The 6-Frame Model: Transforming Supervision with Creative Interprofessional Methodologies – Arrow@TU Dublin, 6月 7, 2026にアクセス、 https://arrow.tudublin.ie/cgi/viewcontent.cgi?article=1084&context=jsoc
  40. The Application of Abductive and Retroductive Inference for the Design and Analysis of Theory-Driven Sociological Research: – SciSpace, 6月 7, 2026にアクセス、 https://scispace.com/pdf/the-application-of-abductive-and-retroductive-inference-for-2655tvkwhp.pdf
  41. CRITICAL REALISM IN INFORMATION SYSTEMS RESEARCH – MIS Quarterly, 6月 7, 2026にアクセス、 https://misq.umn.edu/misq/article-pdf/37/3/795/5509/6_si_cr_mingersintro.pdf
  42. Teacher data agency and the mediation of new ways of knowing in schools: A socio-cultural perspective of professional learning, relationships and – UQ eSpace – The University of Queensland, 6月 7, 2026にアクセス、 https://espace.library.uq.edu.au/view/UQ:ba91517/s4311646_final_thesis.pdf
  43. A Sheffield Hallam University thesis, 6月 7, 2026にアクセス、 https://shura.shu.ac.uk/4991/2/10694275.pdf
  44. Methodology in Critical Realist Research: The Mediating Role of Domain Specific Theory., 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.researchgate.net/publication/220890324_Methodology_in_Critical_Realist_Research_The_Mediating_Role_of_Domain_Specific_Theory
  45. Adapting health interventions for local fit when scaling-up: a realist review protocol – PMC, 6月 7, 2026にアクセス、 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6347947/
  46. Retroduction and Retrodiction: Abductive Inference in Realist Practice. – WRaP – Worcester Research and Publications, 6月 7, 2026にアクセス、 https://eprints.worc.ac.uk/3963/
  47. 批判的実在論とリトロダクション/リトロディクション – 立命館大学, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=346129
  48. Developing Social Theory Using Critical Realism – Dave Elder-Vass, 6月 7, 2026にアクセス、 https://eldervass.com/wp-content/uploads/2020/12/Elder-Vass-2015b-Developing-Social-Theory-Using-CR-JCR-PPV.pdf
  49. CAUSAL FRAMEWORK THROUGH RETRODUCTION AND RETRODICTION – CORA, 6月 7, 2026にアクセス、 https://cora.ucc.ie/bitstreams/bfd82da4-a79b-48ef-88bb-3d4ea731340a/download
  50. 赤井正二教授・石倉康次教授・小川栄二教授・唐鎌直義教授・坂本利子教授退職記念号 – 立命館大学, 6月 7, 2026にアクセス、 https://www.ritsumei.ac.jp/ss/sansharonshu/2017/531j.html
  51. 木田 融男 (Akio Kida) – マイポータル – researchmap, 6月 7, 2026にアクセス、 https://researchmap.jp/read0175758

Contents