定義が曖昧なままでは、正しく選べない

意思決定の出発点は、定義です。何を決めようとしているのかが曖昧なままでは、どれだけ情報を集めても判断はぶれます。

多くの失敗は、選択肢の比較ではなく、そもそもの言葉の定義がずれていることから起こります。「成功」とは売上を伸ばすことなのか、利益を守ることなのか、顧客満足を高めることなのか。この定義が決まっていなければ、関係者は同じ議題を話しているようで、実は別々の基準で判断していることになります。

たとえば新規事業を始めるかどうかを考える場面でも、「成長性」を重視する人と、「短期収益」を重視する人では結論が変わります。どちらが正しいかを争う前に、今回の意思決定でいう成長とは何か、許容できる赤字期間はどこまでかを定義する必要があります。定義が定まれば、選ぶべき情報も、捨てるべき選択肢も明確になります。

意思決定は、最後に答えを選ぶ作業ではありません。最初に言葉を定義し、判断の土台をそろえる作業です。定義を急がず、しかし曖昧に放置しないことが、納得できる結論への近道なのです。

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