グラウンディング(記号接地問題)

1. 序論:人工知能における意味の探求

人工システム、特に人工知能(AI)が記号をどのようにして意味を持つものとして扱うことができるのかという問いは、AI研究と認知科学における根源的な課題である。計算システムは記号の操作、すなわち構文処理には長けているが、それらの記号が実世界や概念と結びつき、真の理解、すなわち意味論を獲得するプロセスは自明ではない。この課題の中心に位置するのが「記号接地問題(Symbol Grounding Problem, SGP)」である。

記号接地問題は、AIが単なる記号処理機械を超え、人間のように環境を理解し、意味のある形で対話するために解決されなければならない核心的な問題と広く認識されている 1。この問題は、「記号(言葉)がどのようにしてその意味を獲得するのか、そして意味そのものが一体何であるのか」という問いと密接に関連しており、AI開発における技術的なハードルであると同時に、心の哲学や言語哲学における深遠な問いでもある 2。AIシステム、特に初期の記号主義AIは、記号を操作することによって機能する 2。これらの記号は多くの場合、その形状が任意であり、その操作は規則に基づいている(構文的である)2。記号接地問題は、これらの記号が人間の解釈者を介さずに、どのようにしてそれらが指示する対象(世界における参照対象)と結びつくのかを問う 3。この問いは、「意味」とは何かという問題、すなわち、意味とは単に記号間の関係なのか、それとも経験や世界とのつながりを必要とするのかという問題に直接的に我々を向き合わせる。したがって、記号接地問題の解決は、人工システムに適用可能な意味の理論を持つことを含意し、それは翻って人間の意味理解についての我々の理解をも深める。この問題が長らく未解決であることは、意味を自然化することの困難さを示唆している。本稿では、この記号接地問題の定義、歴史的背景、哲学的含意、提案されてきた解決策、そして現代AI、特に大規模言語モデル(LLM)におけるその重要性と課題について、包括的に論じる。

2. 記号接地問題の解明

記号接地問題は、認知科学者スティーブン・ハルナッドによって1990年に明確に定式化された。彼の問いかけは、「形式的記号システムの意味解釈を、我々の頭の中にある意味に寄生するのではなく、システムに内在的なものにするにはどうすればよいか? (恣意的な)形状のみに基づいて操作される、意味のない記号トークンの意味は、他の意味のない記号以外の何かにどのようにして接地され得るのか?」というものであった 3

この問題の核心は、ハルナッドが「記号のメリーゴーラウンド」と呼んだ状況に集約される 1。これは、ある記号の意味を別の記号で説明し、その説明に使われた記号の意味をさらに別の記号で説明するというように、記号による定義が無限に続き、決して記号的でない基盤、すなわち実世界経験や知覚に到達しない状態を指す。この状況は、中国語を知らない人が中国語-中国語辞書だけを使って中国語を学ぼうとする困難さに例えられる 3。ハルナッドは「記号」を、記号の形状に基づいてそれらを操作するための記号と統語規則のセットである「記号システム」の一部である任意のオブジェクトと定義している。記号は形状において任意であり、意味と指示対象を持つものとして体系的に解釈可能であるが、その形状は意味や指示対象の形状とは任意の関係にある 2

記号接地問題は、計算システムが得意とする構文(形式的な規則に基づく記号の形状に基づいた操作)と、システムが真に「理解」するために必要な意味論(記号とその指示対象や概念との関係)との間の溝を浮き彫りにする 2。問題が強調するのは、意味が外部の人間解釈者によって単に「帰属」されるのではなく、システムにとって「内在的」である必要性である 3

さらに、記号接地問題は、意味そのものの本質、精神状態がどのようにして意味を持つのか、そして意識の問題といった、より広範な哲学的問題群と深く結びついている 2。ハルナッド自身、接地は意味と同じではなく、意味のためには意識(感覚・感情)の因果的説明も必要になるだろうが、それは「絶望的」であると述べている 7。このことは、記号接地問題が、純粋に計算的な心のモデル(計算主義やGOFAI:Good Old-Fashioned Artificial Intelligence)の十分性に対して暗黙の挑戦を突きつけていることを示唆する。記号が世界と、そして拡張的には主観的経験と結びつくためのミッシングリンクを強調することで、たとえ意識の問題を直接解決することを目指していなくても、その重要性を示しているのである。計算主義は認知を記号上の計算として捉える 2。記号接地問題は、そのような記号が、もし接地されていなければ、システム自体にとっては無意味であることを示す 1。もし記号が内在的な意味を欠いているならば、それらを操作するシステムは、理解を伴う形で「思考」しているとは言えない。ハルナッドは、記号が接地された(参照対象に接続された)としても、それが自動的に意識的な意味と等価になるわけではないと示唆している 7。これは、記号操作から接地された記号、そして意味のある(意識的な)状態へと至る階層を示唆しているのかもしれない。記号接地問題は主に最初の矢印に取り組むが、その解決は第二の矢印にさえ取り組み始めるための前提条件となる。記号接地問題の困難さは、計算「だけ」で後者の段階を達成できるかどうかについて疑問を投げかける。

記号の形状の恣意性は、接地を自明でないものにする重要な特徴である。もし記号がその参照対象を本質的に(完全なアイコンのように)類似していれば、問題はより単純だったかもしれないが、言語やほとんどの記号システムはそのようにはできていない。ハルナッドは、記号がその「恣意的な形状」に基づいて操作されることを強調している 3。この恣意性は、記号の意味への本質的な、形状に基づく手がかりがないことを意味する 8。もし記号が非恣意的(例えば、記号「猫」に対する猫の絵)であれば、参照対象への接続はより直接的であったかもしれないが、それでも解釈は必要である。恣意性は、この任意の形状を世界の特定の参照対象のカテゴリーに橋渡しする、学習された、あるいは進化した接続を必要とする。ここに困難があり、この非恣意的な接続を確立することにある。

3. 中国語の部屋の論証:強いAIへの根源的挑戦

記号接地問題と密接に関連し、しばしばその議論の出発点となるのが、哲学者ジョン・サールが1980年に提示した「中国語の部屋」という思考実験である 6。この実験は、ルールに基づいた記号操作が真の理解と等価であるかという問いを鋭く投げかける。

実験の概要は以下の通りである。中国語を全く理解できない英語話者が部屋の中に閉じ込められる。部屋には、中国語の質問が書かれた紙片を外部から受け取り、それに対して中国語で書かれた回答を返すためのマニュアル(ルールブック)が備えられている。この人物は、マニュアルの指示に従って、入力された記号列(質問)に対応する記号列(回答)を機械的に生成し、外部に返す。部屋の外の観察者から見れば、部屋はまるで中国語を理解しているかのように振る舞う。しかし、部屋の中の人物は中国語の意味を全く理解しておらず、単に記号の形状に従って形式的な操作を行っているに過ぎない 6

サールの核心的な主張は、この部屋の中の人物(コンピュータのCPUに相当)がルールブック(プログラムに相当)に従って記号を操作していても、中国語の「意味」(意味論)を理解しているわけではなく、記号の「形式」(構文)を処理しているだけであるという点にある。ここからサールは、いかに洗練されたプログラムを実行したとしても、それ自体が理解や意識を生み出すには不十分であると結論づけ、「強いAI」(Strong AI)、すなわち適切にプログラムされたコンピュータは人間と同様の心を持つという立場を批判する 6

中国語の部屋の論証は、記号接地問題と直接的に関連している。部屋の中の人物にとって、中国語の記号は接地されておらず、意味を持たない。その人物は、ハルナッドの言う「記号のメリーゴーラウンド」の中に閉じ込められているのである 1。実際、ハルナッドは、記号接地問題が「サールの中国語の部屋の論証に触発され、動機づけられた」と明言している 7。両者ともに、記号操作と意味との間のギャップを強調している。

この論証に対しては、長年にわたり多くの批判が寄せられてきた。代表的なものに「システム応答」があり、部屋の中の人物は理解していないかもしれないが、人物、部屋、マニュアル全体からなる「システム」としては中国語を理解していると主張する。サールは、システム全体を人物が内面化する(マニュアルを暗記し、部屋なしで作業する)場合を想定することでこれに反論するが、それでも理解は生じないと主張する 6。また、「ロボット応答」は、システムが現実世界と相互作用する能力(例えばロボットの身体を持つこと)を持てば理解が生まれると示唆する。この応答は、接地のための身体化されたアプローチを直接的に指し示している。他にも「脳シミュレータ応答」などがある。これらの批判にもかかわらず、中国語の部屋の論証は、AIの哲学における中心的な議論点であり続け、人工システムにとって「理解」が真に何を意味するのかを研究者に問い続けている 6

中国語の部屋の論証と記号接地問題は、いわば同じコインの裏表の関係にある。サールは純粋に記号的なシステムにおける「理解の欠如」に焦点を当てるのに対し、ハルナッドは欠けている「意味への接続をいかにして達成するか」に焦点を当てる。サールの論証は、理解のための行動テスト(中国語会話のチューリングテスト)に合格するシステムが、実際の理解なしに存在し得ることを示す 6。この理解の欠如の理由は、記号が純粋に構文的に操作され、操作者にとって意味内容を欠いているためである。記号接地問題は、まさに、記号が他の記号を超えた何かと接続される(接地される)ことによって、この欠けている意味内容をどのように獲得できるかを問う 3。したがって、記号接地問題の解決策は、理論的には、中国語の部屋に欠けているものを提供するだろう。もし記号がシステムにとって「接地」されていれば、サールの論証(その元の形では)はその力を失うかもしれない。

中国語の部屋に対する批判、特に「ロボット応答」は、記号接地問題を解決するための身体的および感覚運動的アプローチを予示している。ロボット応答は、もし中国語の部屋システムが世界を知覚し行動できるロボットに組み込まれれば、その記号はそれらの相互作用において接地され得ると示唆する(6は身体と意味について議論することでロボット応答に暗黙的に言及している)。これはまさに、ハルナッドらが後に記号接地問題の解決策を提案する際に取った方向性であり、感覚運動能力を強調している 7。元の中国語の部屋の認識された弱点(世界からの孤立)が、記号接地問題の一群の解決策の出発点となるのである。

4. 接地への道筋:理論的枠組みと提案された解決策

記号接地問題の提起以来、その解決を目指して様々な理論的枠組みと具体的なアプローチが提案されてきた。これらは主に、記号システムを何らかの非記号的な基盤、特に実世界の経験や身体的相互作用に結びつけることを目指している。

4.1 ハルナッドのハイブリッドアプローチ:感覚運動経験から派生するアイコン的表現とカテゴリー的表現による接地

ハルナッドは、記号表現が非記号的表現にボトムアップで接地される必要があるとするハイブリッドアプローチを提案した 3。このアプローチでは、以下の2種類の非記号的表現が中心的な役割を果たす。

  1. アイコン的表現(Iconic representations): これらは、物体や出来事の感覚器への投影像(例えば、網膜に映る馬の像)のアナログである。これらは具体的で感覚に基づいた表現であり、識別(同じか異なるかの判断)を可能にする 3
  2. カテゴリー的表現(Categorical representations): これらは、感覚投影像から物体や出来事のカテゴリーに共通する不変の特徴を抽出する、学習された、あるいは生得的な特徴検出器である(例えば、様々な馬のアイコン的表現から「馬らしさ」というカテゴリーを識別する)。これにより、同定(カテゴリーへの所属判断)が可能になる 3

これらの非記号的表現に基づいて、「初歩的な記号」としてカテゴリー名が割り当てられる。そして、これらの初歩的な記号に接地された「高次の記号表現」は、カテゴリー間の所属関係を記述する記号列(例:「XはYでありZである」)として構成される 3。ハルナッドは、カテゴリー的表現の根底にある不変の特徴を学習するメカニズムとして、コネクショニズム(ニューラルネットワーク)が自然な候補であるとしている 3。このアプローチにより、記号システムは自律的なものではなく「専用化」され、記号操作は記号トークンの恣意的な形状だけでなく、それらが接地されているアイコンやカテゴリー不変量の非恣意的な形状によっても制御されるようになる 3

ハルナッドの提案は本質的に発達的であり学習指向である。接地は静的なマッピングではなく、経験からカテゴリーを抽象化するプロセスである。アイコン的表現は生の、あるいは最小限に処理された感覚データである 3。カテゴリー的表現は、これらのアイコンから不変の特徴を「学習」することを含む 3。この学習プロセスは、世界との相互作用と時間経過に伴う適応を意味する。したがって、ハルナッドの見解では、接地とは、事前にプログラムされた固定的な意味ではなく、システムが感覚運動経験と特徴抽出を通じて意味のあるカテゴリーを「発達」させることを可能にすることである。これは人間や動物の学習方法と調和する。

4.2 身体性認知とロボティクス:知覚と行動における記号を接地するための環境との物理的相互作用の必要性

身体性認知(Embodied Cognition)は、認知プロセスが感覚運動経験に深く根ざしており、心は身体全体に分散し、環境との相互作用によって形成されると主張する 11。このアプローチは、意味が行為、身体、および/または状況に埋め込まれた経験に接地されると提案することで、記号接地問題に直接的に取り組む 12

ロボティクスは、身体化された接地を検証するための実践的なプラットフォームを提供する。感覚運動能力を持つ接地されたロボットは、記号を参照対象に接続することができる 2。接地性の必要性は、純粋に記号的なチューリングテストから、ロボティックなチューリングテストへと我々を導く 2。身体化されたAIは、エージェントの身体とその環境との相互作用を強調することで、記号接地問題や関連する問題(例えば、内部表現を世界と一致させ続けるフレーム問題)を解決することを目指す 13。ロドニー・ブルックスの「世界それ自身をモデルとして使う」という考え方は、この極端な形である 13。ロボットの物理的な形態(身体の形状、センサー、アクチュエータ)は、制御と知覚を単純化し、接地を促進することができる 13。谷口忠大氏のような研究者は、「記号創発ロボティクス」に取り組み、身体化された相互作用や「集合的予測符号化」といった概念を通じて言語と認知を結びつけている 14

身体性は、意味の問題を抽象的な記号操作から、環境内での成功した相互作用と適応の問題へと転換させる。意味は機能的になる。伝統的な記号接地問題は、抽象記号が抽象的な意味や参照対象にどのように接続するかに焦点を当てる 3。身体性認知は、記号/概念が物理的環境における知覚と行動を導く役割から意味を引き出すと主張する 11。自身の世界を首尾よく航行し、タスクのために物体を識別し、命令に応答するロボットは、その物理的能力と環境ニッチに本質的に接地された理解の一形態を示す 7。したがって、身体化されたエージェントにとって、記号は、エージェントがその世界とより効果的に相互作用することを可能にするならば意味がある。これにより、意味は静的な辞書のような定義ではなく、動的で文脈依存的な能力となる。

「フレーム問題」と記号接地問題は深く絡み合っており、身体性は潜在的な同時解決経路を提供する。フレーム問題は、AIが変化する世界に合わせて内部の世界モデルを効率的に最新の状態に保つ方法に関するものである 13。記号接地問題は、その内部モデルの記号が世界からどのように意味を得るかに関するものである 13。もし記号が接地されていなければ、システムがモデルの「何」が世界の「何」に対応するのかを知ることは難しく、モデルを正しく更新すること(フレーム問題への対処)も困難になる。身体化されたAIは、エージェントが世界と直接相互作用し、「世界それ自身をモデルとして使う」(ブルックス、13で引用)か、あるいは緊密な感覚運動ループを持つことによって、常に更新と接地を必要とする複雑で明示的な内部記号モデルの必要性を潜在的に回避することができる。接地は継続的な相互作用を通じて起こる。

4.3 マルチモーダル学習:複数の感覚入力(例:視覚、言語)を活用して、より豊かで接地された表現を生成

このアプローチは、言語(および他の記号)を他のモダリティ、特に知覚(例:視覚)に接続することによって接地することを目指す。

例えば、VLG-BERTは、Vision Transformer(ViT)からの視覚的潜在表現を使用して単語埋め込みを初期化し、より強力な意味的基盤を提供する 15。これは、純粋にテキスト的な空間を超えて、現実世界の意味論を学習プロセスに関与させることを目指している。VisualBERTやLXMERTのような他のモデルも、視覚データとテキストデータを接続することを目指している 15。Yichi Zhangの博士論文(26)は、「マルチモーダルAIアシスタントモデリングのための状況的言語接地」を探求し、視覚的知覚、身体化された計画(3D環境において)、および状況に応じたコミュニケーション(例:一人称視点ビデオから)における言語の接地に焦点を当てている。これには、Groundhog MLLMによる包括的な視覚セグメンテーションや、3D環境で指示に従うためのニューロシンボリックアプローチ(HiTUT、DANLI)などのタスクが含まれる。マルチメディア情報分析における「セマンティックギャップ」の課題 16 も関連しており、低レベルの特徴と高レベルの意味内容との間の橋渡しを目指している。

マルチモーダル接地は、記号に対してより「厚い」関連性の網を作り出すことを試みる。テキスト間の関係を超えて、非記号的経験により近いと推定される知覚データにそれらを結びつけることによってである。記号接地問題は、記号が他の記号のみを参照するという問題を強調する 1。テキストのみで訓練された言語モデルは、この罠に陥る危険性がある。マルチモーダル学習は、非テキストデータ(例:画像、15)を導入する。「リンゴ」のような単語を、「果物」「赤い」「木」といった他の単語だけでなく、リンゴの視覚的表現とも関連付けることによって、記号「リンゴ」は感覚入力に近い異なる種類の表現への接続を獲得する。これにより、より複雑な意味のネットワークが作成され、記号が「浮遊」しにくくなり、たとえロボット的な意味で完全に身体化されていなくても、より固定される可能性がある。

有望ではあるが、マルチモーダル学習は依然として、行われた接続が単に異なるデータストリームのパターン間の統計的相関ではなく、真に意味論的であることを保証するという課題に直面している。もしシステムがモダリティで表現される根底にある概念を理解していなければ、「接地」は依然として浅いかもしれない。マルチモーダルモデルは、例えば画像特徴とテキストトークン間の相関を学習する 15。記号接地問題は「内在的」な意味解釈を必要とする 3。「猫の形」を形成するピクセルがしばしばトークン「猫」と共起することをモデルが学習した場合、それは「猫らしさ」を理解しているのか、それとも単に統計的な共起を学習しているだけなのか?これは記号接地問題の中心的な議論を反映している。Zhang(26)による状況的言語接地に関する研究、特に身体化された計画とコミュニケーションにおける研究は、AIにシミュレートされた環境または実環境でのタスクのためにこれらのマルチモーダル表現を使用させることにより、単純な相関を超えて、より深く、より機能的な接地をテストしようと試みている。

表1:主要な接地理論の比較概要

理論/アプローチ接地の核となるメカニズム主要な提唱者/例主な強み主な批判/課題
ハルナッドのハイブリッドモデル感覚運動データからのアイコン的/カテゴリー的表現ハルナッド感覚へのボトムアップ接続スケーラビリティ、「不変の特徴」の定義の困難さ
身体性認知/ロボティクス物理的相互作用と環境からのフィードバックブルックス/谷口忠大直接的な世界との相互作用、フレーム問題解決の可能性抽象的概念には必ずしも物理性が必要ではない、身体性の定義の曖昧さ
マルチモーダル学習複数の感覚からの知覚データへの記号の結合VLG-BERT/Zhang多様なデータからのより豊かな意味ネットワーク浅い統計的相関のリスク、真の理解 vs. パターンマッチング、異なるモダリティ間の意味的一貫性の保証

この表は、記号接地問題に対する様々な提案された解決策を比較することで、読者が各アプローチの主要なアイデア、長所、短所を迅速に把握し、記号接地問題研究の状況についてのより微妙な理解を促進することを目的としている。

5. 大規模言語モデル時代における記号接地問題

近年の大規模言語モデル(LLM)の目覚ましい性能は、記号接地問題に関する議論を再燃させている。LLMは、実世界との直接的な相互作用なしに、膨大なテキストデータのみから言語を学習するにもかかわらず、多様なトピックについて一見意味のあるテキストを生成する 17。この達成は、古典的な「記号接地問題」、すなわち記号的AIシステムの内部表現と出力が、外部解釈に寄生しない内在的な意味を持つことができるかという問いへの関心を新たにした 17

LLMにおける接地可能性を支持する議論も存在する。一部の研究者は、内部状態と出力を世界に接地する問題は、LLMおよび関連モデルにとって原理的には解決可能であり、場合によってはすでに実践的に解決されていると主張している 17。LLMは、特に言語外的基準が最適化目標に影響を与える場合、世界の特性を追跡する内部状態を優先する選択圧を受ける可能性がある 17。この「言語外的基準」とは、人間のフィードバック、アライメント、あるいは世界の構造を反映するテキスト内の暗黙的な構造などであり得る。また、「ベクトル接地」という概念も登場しており、LLM内の高密度なベクトル埋め込みが、ある種の接地を構成する方法で意味関係を捉えている可能性を示唆している(17は「ベクトル接地問題」に言及)。

しかし、これらの主張に対しては強力な反論や批判が存在する。最も根本的な批判は、LLMが直接的な世界の相互作用を欠いているという点である。人間の認知は感覚運動経験と主観的感情に接地されており、言語は共有された経験に基づいて接地されている 18。LLMはこの種の経験を欠いている。

エミリー・ベンダーらによる「確率的オウム(Stochastic Parrots)」という批判は、LLMが言語形式の模倣には長けているものの、意味や伝達意図の真の理解を欠いている可能性を示唆する。この考えは、ベンダーとコラーによる「タコの思考実験」にも反映されている 17。この実験では、超知的なタコが海底ケーブルを盗聴して人間の会話を高い精度で予測することを学習するが、地上の世界に不慣れなため、人間の言語の意味を把握することは決してないとされる 19。これは、統計モデルに合わせて調整された、現代版の中国語の部屋と言える。

また、LLMの文脈における「接地」は、しばしばLLMの回答を正しく最新の情報源に接続すること(例:RAG – Retrieval Augmented Generation)と定義され、これは「ソース接地」と呼ばれる 18。しかし、これは人間の脳における接地とは異なり、経験から派生した内部世界モデル内での妥当性評価を含む、はるかに複雑なプロセスとは大きく異なる 18。LLMは、人間のフィードバックを通じて記号接地問題のある側面を克服したとしても、常識的推論や抽象的思考に苦労し、真の意味論的理解を欠いている可能性がある 21。感覚入力や身体性を追加することで記号と実世界の意味との接続が強化されるかもしれないが、これだけでは構文と意味論の間のギャップを完全に埋めることはできないだろう 21。LLMは、真の世界モデルというよりは、トークンを予測するための「ヒューリスティックの袋」を学習している可能性が高く、それが現実に対する表層的な理解につながり、その知能に対する誤った印象を与えている 22

LLMの接地をめぐる議論は、「接地」が何を意味するのかを再評価することを我々に強いる。もしLLMが「リンゴ」について説得力を持って会話し、その特性や文脈を引用できるが、リンゴを多モーダルに「経験」したり、相互作用したりしたことがない場合、その記号「リンゴ」は接地されていると言えるだろうか。これは伝統的な接地の定義の境界を押し広げる。伝統的な接地(ハルナッド、身体性)は、参照対象への感覚運動的接続を強調する 3。LLMはこの直接的な感覚運動的接続を欠いている 17。にもかかわらず、LLMは「リンゴ」のような概念に関連する洗練された言語行動を示す 17。これは緊張を生む:LLMは接地されていない(そしてその性能は幻想的な理解である)か、あるいは我々の接地の定義が、世界の構造を間接的に反映する膨大な言語パターンへの暴露を通じて意味が獲得される方法を包含するように拡張される必要があるかのどちらかである。「ソース接地」の概念 18 は、LLMに適用可能な「接地の一種」を定義しようとする試みであるが、それは人間の認知接地とは異なると認識されている。これは、潜在的なスペクトルまたは接地の階層を示唆している。

LLMの最適化に影響を与える「言語外的基準」17(RLHFなど)は、古典的な意味での接地プロセスが内部で行われていなくても、LLMの出力を意味のあるものとしての人間の期待に合わせる形で、接地の「代理」として機能する可能性がある。LLMはテキストで訓練される 17。RLHFや他のアライメント技術は、人間のフィードバックを使用してLLMの行動を望ましい出力(例:役立つ、無害、正直)へと導く。この人間のフィードバックは、人間の経験と世界の理解に本質的に接地されている。したがって、このフィードバックのために最適化することにより、LLMは間接的に接地された人間の知性によって形成される。これは、LLM自体がハルナッド流の接地を発達させることを意味するわけではないが、その出力は人間に「接地されているように見える」ように制約される。これは、記号接地問題が元々「内在的」な意味のために避けようとした、人間の解釈者に寄生する「間接的な」接地の一形態である。

表2:大規模言語モデルにおける接地論争

LLMの接地(またはその側面)を支持する議論支持する証拠/概念主要な提唱者/情報源(該当する場合)LLMの接地(またはその限界)に反対する議論支持する証拠/概念主要な提唱者/情報源
テキストからの創発的な世界モデルの可能性ベクトル表現が意味的類似性を捉える、複雑な言語タスクでの成功17における一部の解釈直接的な感覚運動経験の欠如「確率的オウム」/「タコの思考実験」の類推ベンダー&コラー 19
訓練における「言語外的基準」の影響人間のフィードバックが出力を形成する「ソース接地」は認知接地ではない新規の常識、抽象化、因果関係における困難18における議論
現実の表層的な理解

この表は、LLMの接地という現代的で複雑な議論における主要な論点を明確に対比させることを目的としている。

6. 批判的視点と未解決の課題

記号接地問題の解決策として提案されてきた様々な理論やアプローチも、それ自体が批判の対象となり、多くの未解決の課題を抱えている。

著名な記号接地問題の解決策に対する批判として、Krystyna BieleckaによるTaddeoとFloridiの理論に対する分析が挙げられる 23。TaddeoとFloridiの「行為に基づく意味論(Action-based Semantics, AbS)」は、「抽象化のレベル」を介した「記号とエージェントの内部状態との間の過度に自由な関係」のために批判されている。これにより、あらゆる記号があらゆるものに関連付け可能となり、より大きな矮小化問題(trivialization problem)が生じるとされる。また、「行為」の概念が目的論を欠いているため、「容易な分離問題(easy disjunction problem)」が解決不可能になると指摘される。さらに決定的なのは、記号が「誤表現(misrepresent)」する可能性の欠如であり、これにより接地された記号は認知システム自体にとって無用なものとなり、学習は単なる相関関係に還元されてしまう。Bieleckaは、彼らの解決策が、彼ら自身が提唱した「ゼロ意味論的コミットメント条件(Zero Semantic Commitment Condition, ZSCC)」をも満たしていないと主張する。ZSCCは、満足のいく非派生的な記号接地理論が、生得主義(意味論的資源が事前にインストールされていると仮定すること)や外在主義(意味論的に熟練した「デウス・エクス・マキナ」によって外部から意味論的資源がアップロードされること)に依存してはならないと規定するが、AbSは社会的な調整や進化のプロセスに依存している点で、これを満たしていないとされる 23

より一般的に、因果的参照理論や記号接地問題の解決策は、いくつかの共通の批判に直面する 23。一つは「矮小化問題」であり、表現の定義が広すぎると、あらゆるものが表現と見なされ、表現という概念の持つ説明力が弱まる。もう一つは、「誤表現」や「システムが検知可能なエラー」を説明できないという問題である。自身の誤りを検知したり、誤表現したりできないシステムは、真に表現しているとは言えない。誤表現の能力は、意味を自然化する上で鍵となる。

多くの接地理論は具体的な物体や行為に焦点を当てているが、「正義」「真実」といった抽象的概念や、複雑な数学的概念がどのように接地されるのかという問題は依然として困難である。また、「私」「ここ」「今」といった指示詞(indexicals)は、その意味が文脈に依存する。これらがどのように接地されるのかも大きな課題である 24。感覚経験なしに「私」という意識が持続するという主張は問題があり、自己意識は他者との相互作用を必要とする可能性が高い(ウィトゲンシュタイン、ヘーゲル)。カントの「内感」も言及されるが、それさえも自己の現象を与えるに過ぎない。「私」は感覚対象ではなく、感覚経験を持つ主体を指すため、感覚ベースの接地理論がこれをどう説明するかは未解決である 24

直接的な感覚運動接地を超えた意味獲得に関する代替的な理論的立場も存在する。ハルナッドは、直接的な接地である「誠実な労働(honest toil)」と、既に接地された言語を介した間接的な接地である「盗用(theft)」(例えば、既知の言語を手がかりに古代文字を解読する暗号解読者のように)を区別している 5。これは、接地の階層や異なる種類の存在を示唆している。TaddeoとFloridi 8 は、記号接地問題に対する8つの戦略をレビューし、それらを表現主義、半表現主義、非表現主義に分類しており、多様な理論的展望を示している。

「システムが検知可能なエラー」または「誤表現」の基準 23 は、限られた文脈での単なる相関やタスクの成功よりも、真の接地と表現のためのより堅牢なテストを提供する。自分が間違っているかもしれないと「知っている」システムは、異なる地位を持つ。多くの記号接地問題の解決策は、記号とその参照対象との間の信頼できるリンクを確立することに焦点を当てている(例:ロボットが「カップ」を正しく識別する)。しかし、このリンクが純粋に因果的または相関的である場合、条件がわずかに変化したり、センサーがノイズを含んでいたりするとどうなるだろうか。もしシステムが現在の表現が不正確(誤表現)である可能性を認識できなければ、理解の重要な側面を欠いていることになる。それは深い意味で自身の過ちから学ぶことができない。Bieleckaの批判 23 は、もし記号が誤表現できなければ、その接地は自明であり、学習や適応のためにシステム自体にとって有用ではないことを強調している。したがって、誤表現とエラー検出の能力は、システムが本当にその記号を接地したかどうかを評価するための、より厳格で意味のあるベンチマークとなり得る。

「私」のような指示詞の接地という課題 24 は、純粋に外在主義的で感覚運動的な接地理論の潜在的な限界を明らかにする。それは、主観的視点や意味の相互主観的構成を説明する必要性を示唆している。感覚運動接地は通常、記号を感覚によって知覚される外部の物体や行為に結びつける 3。単語「私」は、話者、経験の場を指し、「リンゴ」がそうであるように外部の物体を指すわけではない 24。もし意味が、一部の接地論者が主張するように、「もっぱら」物理的世界との相互作用から生じるのであれば、特に物理的に同一の環境にいる2つの物理的に同一の存在が両方とも自身を指すために「私」を使用する場合(パトナムの双子地球のようなシナリオを指示詞に適用した場合、24)、どのようにして「私」はそのユニークで自己言及的な意味を得るのだろうか。これは、(a) 接地が内部状態/自己モデルをより洗練された方法で組み込む必要があるか、あるいは (b) 特に指示詞や主観的経験に関する意味のいくつかの側面が、外部参照対象への単純な感覚運動マッピングを超えた原理を必要とする可能性があり、おそらくウィトゲンシュタイン的な議論で示唆されるような社会的相互作用と自己意識の発達を含むことを示唆している 24

7. 接地、抽象化、そして汎用人工知能(AGI)の地平

記号接地問題は、AIがより高度な認知能力、特に抽象化能力を獲得し、最終的に汎用人工知能(AGI)へと至る道筋において、中心的な役割を果たす。

AIにおける「抽象化の障壁」は、記号接地問題と密接に関連している 25。現在のAI、特に深層学習は、本質的な特徴を特定し、一般的な概念を形成し、根底にある原則を理解し、新しい状況に知識を柔軟に適用するという、堅牢な抽象化に苦慮している 25。これは、モデルがしばしばデータ駆動型の相関エンジンであり、表面的な特徴に依存し、狭いタスクに特化し、生得的な常識や世界モデルを欠いているためである 25。記号接地問題はこの状況に寄与する。もし記号(あるいはニューラルネットワークにおけるベクトル表現)が意味に堅牢に接地されていなければ、それらの上に信頼できる抽象化を構築することは困難である。「ギャップを埋めること – 記号的な意味をネットワークの分散表現に堅牢かつ柔軟な方法で接地させること – は、依然として大きな課題である」25

堅牢で一般化可能な知能(AGI)の達成は、記号接地問題の解決をほぼ間違いなく必要とする。AGIは、物理的現実から生じる問題解決を含む、あらゆるドメインで汎用的でなければならない 22。これには、単なる記号操作ではなく、世界の物理的な理解が必要である。あらゆるタスクに適応し、効率的に学習し、常識を持つ人間のような汎用知能を達成することは、記号接地問題と関連する抽象化の障壁を克服することなしには不可能であるように思われる 25。もしAGIがその内部表現をそれが動作する世界に接地できなければ、その「理解」は表層的で脆く、訓練分布外の新しい状況に直面したときに予測不可能な失敗を犯しやすくなるだろう 25

将来のAGI開発においては、身体性と相互作用が重要な役割を果たすと多くの研究者が主張している。AGIは世界の物理的理解を必要とし、モダリティを寄せ集めるのではなく、身体性と環境との相互作用を主要なものとして扱うアプローチがより有望であるとされる 22。モダリティ中心の処理ではなく、AGIは相互作用的で身体化された認知プロセスから出現するかもしれない 22

AGIの追求は、記号接地問題を哲学的/認知科学的問題から、重要な工学的課題へと押し上げる。接地なしでは、AGIシステムは強力であっても根本的に信頼性が低く、安全ではない可能性がある。AGIは、物理的世界を含む多様なドメインにわたる適応性、堅牢性、常識的推論を意味する 22。記号接地問題やLLMの批判が示すように、接地されていないシステムは表層的な理解しか持たず、脆い傾向がある 22。もしAGIが実世界で自律的かつ安全に動作する(例えば、汎用ロボット)のであれば、その表現は遭遇する物事や状況に確実に接続されていなければならない。そうでなければ、その行動は無意味であったり危険であったりする可能性がある。したがって、記号接地問題の解決は、抽象的な意味での「理解」を達成することだけではなく、複雑でオープンエンドな環境で信頼性高く予測可能に機能できるAIシステムを構築することでもある。

「抽象化の障壁」25 は、記号接地問題の高次の結果と見なすことができる。もし初歩的な記号が十分に接地されていなければ、それらの初歩的な記号の上に構築された抽象化を表す記号はさらに接地されにくく、現実からより乖離したものになるだろう。ハルナッドのモデルは、初歩的な記号(カテゴリー名)をアイコン的およびカテゴリー的表現に接地することを提案している 3。高次の記号表現(例:命題)は、これらの初歩的な記号から構築される。抽象化は、直接的な感覚経験からさらに離れた概念(例:「道具」→「てこ」→「正義」)を形成することを含む。もし初歩的な記号の基礎層が経験にしっかりと接地されていなければ、その上に構築されたいかなる抽象化もこの「非接地性」を受け継ぎ、ますます空中の楼閣のようになるだろう。したがって、AIが堅牢な抽象化に苦労していること 25 は、基本的なレベルで記号接地問題を解決していないことの直接的な兆候である。基本的な概念が世界との安定した意味のある接続を欠いていれば、システムは信頼できる一般原則を形成できない。

8. 結論:意味のあるAIへの航海

記号接地問題は、数十年にわたる研究にもかかわらず、AIと認知科学における未解決の中心課題であり続けている。それは単なる技術的な障害ではなく、意味、理解、そして知能そのものの本質に触れる深遠な問いである。記号的アプローチ、身体化されたアプローチ、マルチモーダルアプローチなど、様々な解決策が提案されてきたが、特にLLMのようなAIが急速に進歩する現代において、普遍的に受け入れられる解決策は依然として見出されていない。

今後の研究方向としては、ニューロシンボリックAIのようなハイブリッドアーキテクチャ、身体化されたAI、そしてより深い意味論的統合を伴うマルチモーダル接地の継続的な探求が挙げられる。また、洗練された模倣と真の理解とを区別するためのより良いベンチマークや基準の開発も重要であり、これには誤表現やエラー検出の能力を組み込むことが考えられる。抽象的概念の接地や、意味構築における社会的相互作用と発達の役割に取り組むことも不可欠である。AIがパターンマッチングを超えて因果推論や堅牢な世界モデルへと進む必要性 25、そして単にスケールに頼るのではなく知能の構造について深く考えることの重要性 22 も強調されるべきである。

最終的に、記号接地問題はAIに対する重要な「リアリティチェック」として機能する。モデルがより強力になり、印象的な能力を示すようになるにつれて、記号接地問題は我々に「しかし、それは『理解』しているのか?」という難しい問いを絶えず突きつける。この問いは、科学的進歩のためだけでなく、AIの責任ある開発と展開のためにも極めて重要である。AIの進歩は、しばしば特定のタスクにおける性能指標(例:テキスト生成におけるLLMの性能、17)に焦点が当てられる。記号接地問題は、性能が理解から切り離され得ることを我々に思い出させる(中国語の部屋のように、6)。もし性能を理解と同一視すれば、AIの能力を過大評価し、新しい状況において真に堅牢でも信頼できもしないシステムを展開するリスクを冒すことになる 25。したがって、記号接地問題は継続的な批判的機能を果たす。それは、この分野を、単に有能であるだけでなく、真に知的で意味のあるAIへと押し進める。これは、特にAGIレベルのシステムに近づくにつれて、信頼でき有益なAIを構築するために不可欠である。意味のあるAIへの航海は、記号接地という灯台の光に導かれながら、今後も続いていくであろう。

引用文献

  1. 「沈黙」を知らないChatGPT 紋切り型と記号接地問題 – IT批評 https://it-hihyou.com/recommended/%E3%80%8C%E6%B2%88%E9%BB%99%E3%80%8D%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84chatgpt%E3%80%80%E7%B4%8B%E5%88%87%E3%82%8A%E5%9E%8B%E3%81%A8%E8%A8%98%E5%8F%B7%E6%8E%A5%E5%9C%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C/
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  6. 中国語の部屋 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%B1%8B
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  9. 中国語の部屋:知能の謎を問う – AI用語解説 AIコンパス https://ai-compass.weeybrid.co.jp/others/the-chinese-room-questioning-the-nature-of-intelligence/
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  20. Grounding the Vector Space of an Octopus: Word Meaning from Raw Text – ResearchGate https://www.researchgate.net/publication/367359035_Grounding_the_Vector_Space_of_an_Octopus_Word_Meaning_from_Raw_Text
  21. No Consciousness? No Meaning (and no AGI) – PhilArchive https://philarchive.org/archive/MASNQNv2
  22. AGI Is Not Multimodal – The Gradient https://thegradient.pub/agi-is-not-multimodal/
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