Manifest V3(MV3)は、GoogleがChrome拡張機能のセキュリティ、プライバシー、パフォーマンスを向上させることを目的として導入した新しい拡張機能プラットフォームの仕様です。従来のManifest V2(MV2)からの大幅な変更が含まれており、拡張機能の開発者やユーザーにとって重要な転換点となっています。
MV3導入の背景と目的
Chrome拡張機能の数が増加する中で、悪意のある拡張機能によるセキュリティリスクや、過剰なリソース消費、ユーザーのプライバシー侵害といった問題が顕在化してきました。これらの課題に対応するため、GoogleはMV3を導入し、拡張機能の動作をより制限・管理可能なものとすることで、ブラウザ全体の健全性を保とうとしています。
主な変更点
1. Service Workerの導入
MV3では、従来の常駐型のbackground pageが廃止され、代わりに必要時に起動するService Workerが採用されました。これにより、拡張機能のリソース使用が効率化され、ブラウザのパフォーマンス向上が期待されています。Wikipedia
2. webRequest APIの制限とdeclarativeNetRequest APIの導入
MV2で広く使用されていたwebRequest APIは、MV3では読み取り専用となり、リクエストのブロックや変更ができなくなりました。代替として、事前に定義されたルールに基づいてリクエストを処理するdeclarativeNetRequest APIが導入されました。これにより、拡張機能の動作がより予測可能で安全になる一方、柔軟性が制限されるとの指摘もあります。The Verge
3. 外部ホストコードの禁止
MV3では、拡張機能が外部サーバーからコードを読み込むことが禁止されました。これにより、拡張機能のコードがChrome Web Storeでの審査を受けたものに限定され、セキュリティが強化されます。
開発者コミュニティの反応
MV3の導入に対して、開発者コミュニティからは賛否両論の声が上がっています。特に、広告ブロッカーなどの拡張機能開発者からは、declarativeNetRequest APIの制限により、従来のような柔軟なフィルタリングが難しくなるとの懸念が示されています。一方で、GoogleはMV3が拡張機能の安全性とパフォーマンスを向上させると主張しています。The Verge
移行スケジュール
Googleは、MV2のサポートを段階的に終了し、MV3への移行を進めています。2025年初頭には、MV2の拡張機能が完全に無効化される予定です。これに伴い、開発者はMV3への対応を急ぐ必要があります。
まとめ
Manifest V3は、Chrome拡張機能のセキュリティ、プライバシー、パフォーマンスを向上させるための大きな変更です。開発者にとっては、新しいAPIや制限への対応が求められますが、ユーザーにとっては、より安全で効率的なブラウジング体験が期待されます。今後の拡張機能開発において、MV3への理解と対応が不可欠となるでしょう。
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