サーベイ論文(レビュー論文) vs メタ解析論文:違いの比較

「サーベイ論文(レビュー論文)」と「メタ解析論文」は、どちらも複数の先行研究をまとめるタイプの論文ですが、目的・手法・成果物が明確に異なります。

項目サーベイ論文(レビュー)メタ解析論文
目的分野全体の研究動向を把握・分類・俯瞰すること複数の定量研究の結果を統計的に統合すること
対象主に理論・方法論・実験の特徴を持つ論文群統計的データ(例:効果量、平均差)を持つ研究群
手法定性的・記述的な分析(比較・分類・傾向分析など)数学的・統計的な解析(平均、分散、回帰など)
成果物の形式研究分類表、図解、テーマの整理統合された効果量、信頼区間、フォレストプロット等
分野の例コンピュータ科学、社会学、教育学など幅広い医学、心理学、教育研究など(統計データが多い分野)
典型的な見せ方研究の系譜図、技術比較表、研究分類マップなどフォレストプロット、バイアス分析グラフなど
論文名によくある語survey, review, overviewmeta-analysis, systematic review

🔬 もう少し具体的に

● サーベイ論文(Survey / Review)

  • :「大規模言語モデルにおける安全性に関するサーベイ」
  • → 「誰がどのような安全性アプローチを取っているか」「分類すると何パターンあるか」「未解決の課題は何か」などをまとめる。

📌 分析は主観を含みやすいが、全体像を素早く把握するのに便利。


● メタ解析論文(Meta-Analysis)

  • :「オンライン授業の学力効果に関するメタ解析(n=28研究)」
  • → 各研究の**効果量(Cohen’s dなど)**を収集し、統計的に平均をとって「本当に有効か?」を評価。

📌 客観性が高く、科学的エビデンスの重みづけにも用いられる。


🧠 使い分けのコツ

知りたいこと適した論文の種類
どんな研究があるかを俯瞰したいサーベイ論文
ある手法や介入が有効か確かめたいメタ解析論文
研究の分類・系統・傾向を把握したいサーベイ論文
エビデンスの重みを知りたいメタ解析論文

✍️ 応用例:AI分野では?

AI・情報科学では サーベイ論文が主流 ですが、近年は「ベンチマークの横断解析(準メタ解析的な手法)」も登場しています。

  • 例:多様なLLMの性能比較(性能指標を統合して可視化)
  • ただし、医学や心理学のような介入効果を扱うメタ解析とは異なり、厳密な統計的統合よりも傾向の視覚化が中心