カスタマージャーニー分析(Customer Journey Analysis)

1. カスタマージャーニー分析とは何か

1.1 定義と目的

  • 定義
    カスタマージャーニー分析(Customer Journey Analysis)とは、顧客が特定の商品・サービス・ブランド・組織と関わりを持ちはじめてから購入後あるいは利用後に至るまでの、一連の体験・行動・思考・感情の流れを視覚化し、理解し、評価するためのフレームワークです。
    “ジャーニー(旅)”と呼ばれるのは、顧客がブランドと出会う前から購入・利用の最中、購入後のサポート・リピート購入やロイヤルティ形成まで、時系列で「旅」をたどるように変化していくからです。この「旅」がどのようなステップを経て、どこにペインポイント(不満・課題)があり、逆にどこに感動体験があるのかを理解することがカスタマージャーニー分析の狙いです。
  • 目的
    1. 顧客視点の把握: 顧客がどのようにブランドを発見し、比較検討し、購入や利用に至るかを顧客視点で理解する。
    2. ペインポイント(不満ポイント)の特定: 顧客がどこでつまずいたり、負担を感じたりしているのかを明らかにし、プロセスやタッチポイントの改善に生かす。
    3. ブランドの提供価値向上: 顧客が欲する情報やタイミングを理解し、ブランド全体の提供価値を最適化する。
    4. リピート・ロイヤルティ向上: どのようにすれば顧客をリピーターにできるのか、そのためのカギとなる体験ポイントを見つける。

こうした目的を達成するために、顧客の「行動」「思考」「感情」「接点(タッチポイント)」を段階ごとに可視化したのがカスタマージャーニーマップであり、その作成・運用・分析プロセスが「カスタマージャーニー分析」に該当します。

1.2 歴史的背景と関連概念

  • 歴史的背景
    顧客体験(CX: Customer Experience)の概念が注目されるようになったのは、1980年代〜1990年代のアメリカを中心としたマーケティング研究の中で、「製品中心」から「顧客中心」へのパラダイムシフトが起こったことに端を発します。たとえばシアーズ(Sears)やP&Gなどが顧客視点での購買プロセス調査に乗り出し、そこで「顧客は購入前から購入後まで、一貫したストーリーを生きている」という見解が着目されました。
    2000年代以降はデジタルチャネルの多様化(ウェブ、SNS、モバイルアプリなど)に伴い、カスタマージャーニーの複雑性が増し、さらに緻密な分析が必要になりました。大手コンサルティングファーム(McKinsey, BCG, Bainなど)やデザインファーム(IDEO, Frogなど)がカスタマージャーニーマップというビジュアルツールを活用し始めたことで、ビジネス界では一気に普及が進みました。
  • 関連概念
    • 顧客体験(CX: Customer Experience)
      企業やブランドと顧客が接触する全てのプロセスにおいて、顧客が得る経験や感情の総体を指します。カスタマージャーニー分析は、このCXを向上させるための実行手段と言えます。
    • タッチポイント分析(Touchpoint Analysis)
      カスタマージャーニー分析では必ず「顧客がいつ・どこでブランドと接触するか」を見ますが、それらの接触点(タッチポイント)単体の評価や最適化を狙ったのがタッチポイント分析です。
    • パーソナライズ/セグメンテーション(Segmentation)
      特定顧客属性や購買行動を共有する顧客グループ(セグメント)ごとにジャーニーマップを作ることが多いです。BtoBでも、組織規模や業種別、意思決定権者の属性によってジャーニーが異なります。

2. カスタマージャーニー分析の基本ステップ

カスタマージャーニー分析を実施する際には、大きく分けて以下のステップが一般的に推奨されています。

  1. 顧客の明確化(Persona / セグメンテーションの設定)
  2. ジャーニーのフェーズを定義する(Awareness, Consideration, Purchase, Usage, Loyaltyなど)
  3. 各フェーズでの顧客の行動・思考・感情を洗い出す
  4. タッチポイントとチャネルを特定する(オンライン、オフライン含む)
  5. ペインポイントとエンゲージメント要素の抽出
  6. 原因・背景要因(インサイト)の分析と改善施策の策定
  7. KPIの設定およびモニタリングと継続的なアップデート

ここでは通常解説されるよりもはるかに詳細な視点で、それぞれのステップについて深掘りして解説します。

2.1 顧客の明確化(Persona / セグメンテーションの設定)

  • ペルソナの作成
    • ペルソナ(Persona)は「代表的な顧客像」を具体的なプロフィール(名前、年齢、職業、家族構成、趣味、行動特性など)として設定したものです。
    • 効果的なペルソナを作成するためには、**定量調査(アンケート、購買データ分析など)定性調査(インタビュー、エスノグラフィ、デプスインタビューなど)**の両面で顧客の深い理解が必須となります。
    • 多言語文献(たとえば米国のHarvard Business Review、欧州のJournal of Marketingなど)では「ペルソナは人間中心設計(HCD: Human-Centered Design)の起点となる」と繰り返し強調されています。
  • セグメンテーションの設定
    • 顧客全体を大きな属性や購買行動で区分する手法。伝統的には【地理・人口統計・心理統計・行動特性】などの切り口で分けます。
    • デジタル時代においては、RFM分析(Recency, Frequency, Monetary)やライフタイムバリュー(LTV)評価、さらにはカスタマーアナリティクスを用いたクラスタリング手法(機械学習によるK-meansクラスタリングや階層的クラスタリングなど)も活用可能。
    • ひとたびセグメンテーションが決まれば、その各セグメントに対応する「ペルソナ」を細かく設定していく方法が有効です。

2.2 ジャーニーのフェーズ定義

  • 一般的なBtoCのフェーズ例
    1. Awareness(認知・気づき)
    2. Consideration(検討)
    3. Purchase(購買)
    4. Usage(使用)
    5. Retention / Loyalty(継続・ロイヤルティ)
    6. Advocacy(推奨・紹介)
  • BtoBやサービス業のフェーズ例
    • Awareness → Research → Proposal → Purchase → Deployment → Renewal → Advocacy
    • ただし、社内稟議や複数ステークホルダーの調整などが入るため、BtoBのカスタマージャーニーはしばしばループや逆戻りが多く、もっと複雑なプロセスとなる。
  • 設定ポイント
    • 自社の事業特性や顧客行動に合わせて、フェーズの名称や数を調整する。
    • フェーズ数が多すぎても運用が煩雑になるため、3〜6段階程度に要約することが多い。
    • 大切なのは「フェーズ間で顧客の思考や行動、期待値、評価基準が明確に変化するかどうか」です。

2.3 行動・思考・感情の洗い出し

  • 行動(Behavior)
    • どんなチャネル(オンライン:Webサイト、SNS、アプリ、オフライン:店舗、コールセンターなど)を利用しているか
    • どのような行動順序(例:比較サイト閲覧 → 口コミ検索 → 実店舗訪問 → 購入など)を踏んでいるのか
  • 思考(Thoughts / Cognition)
    • その時点で顧客が何を疑問に思っているのか、どんな情報を求めているのか
    • 競合製品と比較している場合、どんな評価ポイントを軸に比較しているのか
  • 感情(Emotions)
    • 欲しい・試したいといったポジティブな感情か、不安・疑念といったネガティブな感情か
    • 感情の起伏がどのタイミングで発生するのか(興奮、期待、後悔、満足など)
  • 具体的なリサーチ手法
    • インタビュー調査(オンライン・オフライン双方で詳しくヒアリング)
    • デジタル行動データ(Google Analytics、SNSアクティビティ、クリックストリーム分析など)
    • NPS(Net Promoter Score)CSAT(Customer Satisfaction Score) の定点観測
    • 観察調査:実店舗での顧客動線観察、ユーザビリティテストなど

これらの情報をもとに、「顧客の頭の中」と「顧客の実際の行動」のギャップを可視化することで、真のペインポイントや改善機会を発見できます。

2.4 タッチポイントとチャネルの特定

  • タッチポイント(Touchpoint)
    • ブランド・企業と顧客が関わる接点すべてを指します。商品パッケージ、Webサイト、広告、SNS投稿、コールセンター、店舗スタッフとの会話、配送箱や請求書など、多岐にわたります。
    • 顧客は必ずしも一つのタッチポイントだけを利用するわけではなく、複数のタッチポイントを自由に行き来する「マルチチャネル」「オムニチャネル」の時代です。
  • チャネル(Channel)
    • オンライン:Webサイト、モバイルアプリ、SNS、メール、チャットボットなど
    • オフライン:店舗、ショールーム、イベント、訪問販売、電話問い合わせなど
    • OMO(Online Merges with Offline):オンラインとオフラインの垣根をなくす概念であり、顧客はオンラインの情報を参照しながら店舗で商品を体験し、店員の助言を受けつつオンラインで注文を完了する、といった複雑な行動を取ります。
  • 分析上のポイント
    • どのチャネルで顧客が最初に接触し、最終的にはどのチャネルで購買完了に至るのか?
    • 途中で離脱が多いチャネルはどこか? その理由はユーザビリティか価格要因か、それとも心理的障壁か?

2.5 ペインポイントとエンゲージメント要素の抽出

  • ペインポイント(Pain Points)
    • 例: ログインが複雑、配送が遅延、問い合わせ対応が遅い、サイトの情報が分かりにくい、など。
    • ペインポイントがどのジャーニーフェーズで最も顕在化しているかを見極めると同時に、感情面の落胆(例:「せっかく興味を持ったのに、サイトが重くて離脱してしまった」)を把握する。
  • エンゲージメント要素(Engagement Drivers)
    • ポジティブな顧客体験を促進し、ロイヤルティや推奨意向(NPS向上)に貢献する要素。
    • 例: パーソナライズされた提案、分かりやすいUI/UX、信頼できるサポート担当者など。
    • 特に購入直前・購入直後のフォローアップが顧客ロイヤルティに大きく影響することが多く、顧客と長期的な関係を築く上で重要視されます。

2.6 原因・背景要因(インサイト)の分析と改善施策の策定

  • インサイト抽出
    • ペインポイントの根本原因や、顧客が求めている本質的なニーズを掘り下げる。
    • データ分析だけでは得られない定性情報(感情や文脈)を照合し、「なぜこの段階で離脱が起こるのか?」「実は価格ではなく手続きの簡便さが決め手だったのでは?」などの仮説を検証する。
  • 改善施策
    • 一般的には、KPI(Key Performance Indicator)を設定し、施策とセットで検証する。
    • 例:
      • WebサイトのUI/UX改善 → 離脱率(バウンスレート)低減
      • お問い合わせのオムニチャネル対応強化 → 顧客満足度(CSAT)向上
      • 購入後フォローアップメールの自動送信 → クロスセル率またはリピート率向上
  • 各部門との連携
    • カスタマージャーニー分析の成果を現場で活かすには、マーケティング部門だけでなく、営業、商品開発、カスタマーサポート、IT部門など、横断的な連携が必須となる。
    • 大企業においてはサイロ化(部門間連携不足)が起きやすく、統合的視点での改善が難しいとされる。このような場合、**CXM(Customer Experience Management)**専門チームを社内に新設し、全社的な取り組みとして推進する事例が多い。

2.7 KPIの設定およびモニタリングと継続的なアップデート

  • KPI設定
    • フェーズごとに「認知度」「コンバージョン率」「離脱率」「NPS」「顧客満足度」など適切な指標を設定する。
    • スマートフォンアプリの場合は「インストール後の継続利用率(リテンション率)」や「アプリ内課金率」などの指標も用いられる。
  • モニタリングと改善サイクル
    • PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回しながら、ジャーニーマップを定期的に更新する。
    • 競合環境の変化や消費者行動のトレンド変化(たとえばコロナ禍以降のオンライン需要増など)に応じて、顧客のジャーニーも変化していくため、定期的なアップデートが必須。

3. カスタマージャーニーマップの具体的事例

ここでは、抽象論にとどまらず、カスタマージャーニーマップをどのようにビジュアル化し、どのように活用するのかを一例として示します。

  1. フェーズ(横軸)
    Awareness → Consideration → Purchase → Onboarding → Usage → Loyalty → Advocacy
  2. 項目(縦軸)
    1. 顧客の「行動」
    2. 顧客の「思考・感情」
    3. タッチポイント(Web/SNS/店舗など)
    4. チャネル別のエンゲージメント状況
    5. ペインポイント・ボトルネック
    6. 可能な改善施策例
  3. マッピング例(イメージ)
    • Awareness:
      • 行動: 広告をSNSで目にする → 興味がある人に口コミを聞く
      • 感情: 好奇心、しかし具体的メリットが不透明
      • ペインポイント: 情報が少なく、信頼できるソースを見つけにくい
    • Consideration:
      • 行動: 公式サイトや比較サイトで詳細を調べる、競合製品とも比較
      • 感情: 期待と不安が混在、他社と何が違うかを検証
      • ペインポイント: 決め手となる情報(価格、品質、レビュー)が分かりづらい
    • Purchase:
      • 行動: オンラインストアで決済、または店舗訪問して購入
      • 感情: やっと買えたという安心感、しかし実際に手元に届くまでは不安
      • ペインポイント: 決済方法が限定的、配送オプションが少ない
    • Usage:
      • 行動: 商品・サービスを利用開始、アプリをダウンロード
      • 感情: 初期設定の面倒さ、期待どおり動作しなかったらどうしようという不安
      • ペインポイント: マニュアルやヘルプが不親切、問い合わせ先が分かりにくい
    • Loyalty / Advocacy:
      • 行動: リピート購入を検討、SNSで共有や口コミレビュー投稿
      • 感情: 信頼感が高まればロイヤルティに繋がる、トラブルがあればマイナス評価
      • ペインポイント: カスタマーサポート対応の遅延、特典不足により再購入意欲が湧かない

このようなマッピングを行うことで、顧客の感情や行動がリアルタイムに変化していく様子が可視化され、どこにボトルネックがあるか、どの部分の体験価値が低いのかが一目瞭然となります。


4. 分析を成功に導くための鍵

4.1 組織文化と顧客中心主義

  • カスタマージャーニー分析は「手法」ではなく「顧客中心の思考様式」を根付かせる取り組みでもあります。
  • 現場スタッフから経営層まで、「顧客の視点で考える」マインドセットが共有されていなければ、分析結果だけが浮いた存在になりがちです。

4.2 データの多様性と活用レベル

  • 定量データ(ビッグデータ、アクセスログ、購買履歴など)と定性データ(インタビュー、観察など)を組み合わせることで、真に意味のあるインサイトが得られます。
  • 現場の販売員やコールセンタースタッフなど、顧客と直接接する従業員が持つ暗黙知を吸い上げる仕組みも必要です。

4.3 継続的な改善プロセス

  • ジャーニーマップは一度作って終わりではありません。定期的な更新こそが顧客体験向上の鍵となります。
  • 社内のKPIモニタリング・報告の場でジャーニーマップを参照し、改善タスクに優先度をつけて取り組むことが重要です。

5. 先進事例

5.1 スターバックス(Starbucks)の顧客体験

  • Starbucksは店舗体験だけでなく、モバイルアプリでの決済やロイヤルティプログラム(Starbucks Rewards)を連動させることで、オンライン・オフラインの垣根を感じさせないジャーニーを提供しています。
  • 顧客の行動や利用時間帯を分析し、プッシュ通知でクーポンを送るなど、一人ひとりにカスタマイズされたエンゲージメントを実施。顧客は店舗に並ばず事前注文が可能なため、忙しい時間帯でもスムーズに受け取れるというメリットが大きい。

5.2 Disney Parks(ディズニーのテーマパーク)

  • ディズニーリゾートでは、My Disney ExperienceアプリやMagicBandを活用し、パーク内のアトラクション待ち時間や予約状況を顧客ごとに最適化します。
  • 「顧客体験」は来園前(ホテル予約やパークチケット手配)から始まっており、来園後もファストパスやフォトパスなど多彩なタッチポイントで顧客満足を高め、来園後にもメールで感想を求めるなど、アフターフォローが徹底されています。
  • こうした一連の流れをすべて分析し、常に改善・進化させているのがディズニーのカスタマージャーニーの強みです。

5.3 AmazonのEC体験

  • Amazonでは、購入履歴や閲覧履歴、レコメンデーションエンジンなどを駆使し、顧客ごとに商品提案がパーソナライズされています。
  • 購入前から購入後まで、チャットボットやカスタマーサポート(返品対応など)でシームレスな対応を行うことで、結果として顧客ロイヤルティが高まります。
  • 「1-Click購入」など、なるべく顧客にストレスを与えない操作導線を考えること自体が、カスタマージャーニーの視点から導かれた典型的な成功例です。

6. BtoBのケースにおける特有のポイント

  • 複数の意思決定者(DMU: Decision Making Unit)の存在
    • BtoB取引では購買担当者以外にも経営層、現場担当者、技術者など複数のステークホルダーを説得する必要がある。
    • それぞれのステークホルダーが異なるペルソナ(ニーズ、KPI)を持っており、多段階の検討プロセスが必要となる。
  • リレーションシップ志向と長期契約
    • 一度契約を締結すると更新や追加導入が長期にわたるため、導入・運用サポート、アフターサービスが重要。
    • 途中での顧客満足低下がそのまま大きな解約リスクに繋がることもあり、より細かいフェーズ管理が求められる。
  • カスタマイズ要件
    • BtoBでは顧客それぞれが異なる要望を持つことが多く、標準製品だけでなくカスタムソリューションの提供が多くなる。
    • ジャーニー上でのペインポイントが顧客ごとに変化しやすく、セグメントやペルソナの設計がより複雑になる。

7. 今後のトレンド・発展可能性

7.1 カスタマー・ジャーニーとAI/機械学習

  • AIや機械学習を活用したカスタマージャーニー分析が拡大中。チャットボットやレコメンデーションシステム、感情解析などで顧客接点を強化し、ペインポイントをリアルタイムで特定する動きが進んでいます。
  • 自然言語処理(NLP)によるレビュー解析やSNS解析から、顧客のセンチメント(感情傾向)を自動抽出し、ジャーニーマップに反映させるケースも増えています。

7.2 カスタマー・ジャーニーとプライバシー

  • 一方で、顧客データを収集・活用するにあたってはGDPR(EU一般データ保護規則)や各国の個人情報保護法への対応がますます厳しくなっています。
  • プライバシー保護とパーソナライズはトレードオフの関係にもなりうるため、ジャーニー分析を行う際にはデータ取得の許諾(オプトイン)と透明性を確保することが必須となります。

7.3 マルチデバイス・クロスプラットフォーム化

  • 顧客はスマホ、タブレット、PC、スマートスピーカー、IoTデバイスなど多様なデバイスを経由し、アプリもSNSも複数を並行して利用します。
  • この複雑な行動を「どのデバイスからでも一貫したジャーニーとして体験させるか?」が、今後の大きな課題であり、差別化要因にもなります。

8. まとめ

「カスタマージャーニー分析」は、現代のマーケティングにおける最重要フレームワークの一つであり、ただの理論ではなく企業価値を左右する実践的手法です。顧客がどのようにブランドと出会い、情報を集め、比較し、購入・利用に至るかを「旅」として捉えることで、これまで見過ごされてきた顧客の思考・感情・行動を詳細に可視化できます。

  • 顧客視点で考え抜くことで、商品やサービスの提供価値を高める糸口が得られます。
  • 顧客とブランドの接点(タッチポイント)を網羅することで、真のペインポイントを突き止め、競合に差をつける顧客体験の設計が可能になります。
  • BtoBにおいてもBtoCにおいても、オンライン・オフラインにわたるオムニチャネル戦略を描きやすくし、長期的な顧客ロイヤルティやLTV向上につながります。

参考文献・参考リソース

  • Pine, B. J. & Gilmore, J. H. (1998). The Experience Economy. Harvard Business Review.
  • Meyer, C. & Schwager, A. (2007). Understanding Customer Experience. Harvard Business Review.
  • Lemon, K. N. & Verhoef, P. C. (2016). Understanding Customer Experience Throughout the Customer Journey. Journal of Marketing.
  • McKinsey & Company, Customer Journey Mapping関連レポート
  • IDEO, Frog Design, Nielsen Norman Groupのカスタマージャーニーガイドライン
  • デジタルマーケティング専門ブログ / 海外マーケティング関連媒体