中前提

論理学の三段論法では、通常以下の三つのステップで推論を行います。

  1. 大前提(Major Premise)
    「一般的・普遍的な事実や原理」を示す。
    例:すべての人間は死すべき存在である。
  2. 小前提(Minor Premise)
    「特定の事例や条件」を示す。
    例:ソクラテスは人間である。
  3. 結論(Conclusion)
    大前提と小前提を組み合わせて導く結論。
    例:よって、ソクラテスは死すべき存在である。

「中前提」という言葉が使われる背景

本来、三段論法は「大前提」「小前提」「結論」の3つで完結します。しかし、現代のビジネスや議論の場面では、三段論法をそのまま適用すると説明不足に感じられる場合があり、大前提と結論の間を補強する“追加の根拠”や“背景説明”を示すことがよくあります。

このとき、便宜的に「中前提」と呼んでいるケースがあります。これは厳密には形式論理の「小前提」とは異なる、補強的・段階的な根拠を示すためのものです。日本語のロジック解説やビジネス資料などで、

  • 大前提(全体の方針・一般論)
  • 中前提(根拠の補強、状況説明、理由づけ など)
  • 結論
    という形で説明されることがあるのはそのためです。

「中前提」と「小前提」の違い

  • 小前提(Minor Premise)
    三段論法の枠組み内で、「大前提が適用される具体的な事実・条件」を示すもの。
    例:
    • 大前提:すべてのAはBである
    • 小前提:XはAである
    • 結論:よって、XはBである
  • 中前提
    厳密に形式論理上の概念ではなく、大前提と結論の間にある“根拠の補足”や“段階的説明”を提供するために用いられる。
    • 例:大前提「AするとBになる」と結論「Cすべきだ」をつなぐ際に、「Aするときに注意すべきリスクや条件」「より詳細な仕組みの説明」などを補足として入れる場合、「中前提」と呼んで段階的に論を進めることがある。

つまり、「中前提」は

  1. ビジネスや実務の議論で、単に「大前提→小前提→結論」だけでは説明しきれない部分を補うために使われる。
  2. フォーマルな論理(形式論理)というよりも、「説得」や「わかりやすい説明」のために導入されるケースが多い。

まとめ

  • 小前提(Minor Premise)は、形式的な三段論法の中で「大前提を個別の事例に適用するための具体的条件」を示す必須要素です。
  • 一方で、ビジネスロジックなどで使われる**「中前提」**は、本来の三段論法にはない「追加の根拠や条件の詳細説明」を挟むためのものです。
  • そのため、「中前提」は三段論法というよりも「プレゼンテーション論法」や「説得技法」の中で、論拠をわかりやすく整理する手法として用いられることが多い、と考えると理解しやすいでしょう。