人工無能

人工無能(じんこうむのう)は、人工知能(AI)と対比される概念で、知的な判断をすることを目的とするAIとは異なり、単純な受け答えを行うプログラムやシステムのことを指します。人工無能は、ユーザーからの入力に対してあらかじめ決められたルールやデータベースをもとに応答しますが、その応答には深い理解や推論が伴わないため、知的な判断を下すことができません。

代表的な人工無能の例として、チャットボットの初期のバージョンや、特定のキーワードに反応するだけの簡単な対話プログラムが挙げられます。たとえば、ユーザーが「こんにちは」と言ったら「こんにちは」と返すといった単純なやり取りができるものです。

人工無能は、特に高度な推論や学習能力を持たないため、「無能」という言葉が使われていますが、ユーモラスな意味合いで使われることが多いです。人工知能とは違い、意図的にシンプルで限られた能力を持つものとしてデザインされています。

特徴

  • 単純な対話システム: 人工無能は複雑なアルゴリズムや深い学習を行わず、シンプルなパターン認識やルールベースの応答を行う。
  • ユーザーとのコミュニケーション: 主にユーザーとのコミュニケーションを楽しませる目的で作られ、しばしばエンターテインメント的な役割を果たす。
  • 学習機能の欠如: データから学ぶことはなく、あらかじめプログラムされた応答に頼る。

歴史的には、1990年代に流行した日本のチャットボット「ニンジャ君」などが人工無能の一例として知られています。

人工知能と人工無能を説明する名著「マッチ箱の脳」