活性化関数とは
活性化関数は、ニューラルネットワークのニューロンにおいて、入力のなんらかの合計から出力を決定するための関数です。多くの場合、非線形な関数が用いられます。
役割
活性化関数は、ニューラルネットワークに以下の役割をもたらします。
- 非線形性を導入する: ニューラルネットワークは、線形な組み合わせだけで構成されていると、どんなに入力層に複雑なデータを 입력해도、出力層は線形な変換しか行えません。活性化関数を用いることで、ニューラルネットワークは複雑な非線形な関係を表現することができます。
- 出力範囲を制限する: 活性化関数によって、ニューロンの出力を特定の範囲に制限することができます。例えば、シグモイド関数は0から1までの値を出力し、ReLU関数は0以上の値を出力します。
- ニューロンの発火を制御する: 活性化関数の値によって、ニューロンが発火するかどうかが決まります。活性化関数の値が閾値を超えると、ニューロンが発火し、次の層へ信号を伝達します。
代表的な活性化関数
以下は、代表的な活性化関数とその特徴です。
- シグモイド関数: 入力に対して0から1までの値を出力します。生物の神経細胞の活性化を模倣した関数です。
- tanh関数: 入力に対して-1から1までの値を出力します。シグモイド関数と似ていますが、出力が0を中心とした対称な範囲になります。
- ReLU関数: 入力に対して0以下の値は0に、それ以外の値はその値を出力します。計算が速く、勾配消失問題が発生しにくいという利点があります。
- Leaky ReLU関数: ReLU関数の改良版で、入力に対して0以下の値は小さな値(リークと呼ばれる)を出力します。ReLU関数の利点を残しつつ、勾配消失問題を緩和することができます。
- Softmax関数: 入力に対して、合計が1になるような確率分布を出力します。多クラス分類などのタスクでよく用いられます。
活性化関数の選択
活性化関数の選択は、ニューラルネットワークの性能に大きく影響します。適切な活性化関数を選択することで、学習速度の向上や精度向上が期待できます。
近年では、上記のような代表的な活性化関数に加え、様々な種類の活性化関数が提案されています。
まとめ
活性化関数は、ニューラルネットワークにとって非常に重要な要素です。活性化関数の役割と代表的な関数について理解することで、より効果的なニューラルネットワークを構築することができます。