OAuthは、Open Authorizationの略称で、インターネット上で複数のサービス間での認証や情報共有を安全かつ簡単に実現するためのオープンスタンダードプロトコルです。
従来、異なるサービス間でユーザー情報を共有するには、ユーザーが各サービスに個別にユーザー名とパスワードを入力する必要がありました。しかし、OAuthを使用することで、ユーザーは各サービスに個別にログインすることなく、安全に情報を共有することができます。
OAuthの仕組み
OAuthは、以下の3つの主要な役割を持つエンティティで構成されます。
- リソースオーナー: 情報やリソースの所有者であるユーザー
- クライアント: ユーザーの情報を必要とするアプリケーション
- リソースサーバー: ユーザーの情報を保存しているサーバー
OAuthの認証フローは、主に以下の4つのステップで構成されます。
- ユーザーはクライアントアプリケーションを起動します。
- クライアントアプリケーションは、リソースサーバーに認可リクエストを送信します。
- リソースサーバーは、ユーザーに認可画面を表示し、クライアントアプリケーションへのアクセス許可を求めます。
- ユーザーが許可した場合、リソースサーバーはクライアントアプリケーションにアクセストークンを発行します。
クライアントアプリケーションは、アクセストークンを使用して、リソースサーバーからユーザー情報やリソースにアクセスすることができます。
OAuthのメリット
- ユーザーにとっての利便性向上: ユーザーは各サービスに個別にログインすることなく、複数のサービス間で情報を共有することができます。
- セキュリティの向上: ユーザーはパスワードを各サービスに共有する必要がなくなり、パスワード漏洩のリスクを軽減することができます。
- 開発者の利便性向上: 開発者は、OAuthを利用することで、ユーザー認証や情報共有の機能を簡単に実装することができます。
OAuthの種類
OAuthには、いくつかのバージョンのプロトコルがあります。
- OAuth 1.0: 初めて公開されたバージョン。現在では非推奨
- OAuth 2.0: 現在最も広く利用されているバージョン。より安全で柔軟な仕様
- OAuth 2.1: OAuth 2.0の拡張バージョン。追加のセキュリティ機能を提供
OAuthの利用例
OAuthは、さまざまなサービスで利用されています。
- ソーシャルログイン: Facebook、Twitter(X)、Googleなどのソーシャルアカウントを使用して、他のサービスにログインする機能
- API連携: 異なるサービス間でデータを共有する機能
- シングルサインオン: 複数のサービスに一度ログインすれば、他のサービスにも自動的にログインできる機能
参考資料
- OAuth: https://www.wikipedia.org/
- OAuth 2.0とは何か、どのように役立つのか? – Auth0: https://auth0.com/docs/authenticate/protocols/oauth
- OAuthとは?概要からメリット・デメリット、具体的な仕組みやOpenIDとの違いまで徹底解説: https://trustlogin.com/