LLMにおけるエンコーダは、Transformerと呼ばれるニューラルネットワークアーキテクチャの一部です。Transformerは、エンコーダとデコーダという2つの主要な部分から構成されます。
エンコーダの役割
エンコーダは、入力シーケンス(文章など)を処理し、その意味を抽象的な表現に変換します。具体的には、以下の処理を行います。
- 入力シーケンスを単語に分割し、それぞれの単語をベクトルに変換します。
- 各単語のベクトルに、その単語の位置情報などを加えます。
- Self-Attentionと呼ばれる機構を用いて、各単語のベクトル間の関係性を計算します。
- Feed-Forwardと呼ばれる機構を用いて、各単語のベクトルを更新します。
これらの処理を繰り返すことで、エンコーダは入力シーケンス全体の意味を捉えた抽象的な表現を生成します。
エンコーダの構成
エンコーダは、複数のレイヤーと呼ばれる層が積み重なって構成されます。各レイヤーは、Self-Attention層とFeed-Forward層から構成されます。
- Self-Attention層: 各単語のベクトル間の関係性を計算し、各単語の重要性を判断します。
- Feed-Forward層: 各単語のベクトルを更新し、より抽象的な表現に変換します。
レイヤーの数は、エンコーダの複雑さを決定します。レイヤー数が多いほど、エンコーダは複雑な表現を生成することができます。
エンコーダの応用例
エンコーダは、LLMの様々なタスクで使用されています。
- 翻訳: 入力文の意味を抽象的な表現に変換し、それを元にデコーダで出力言語に翻訳します。
- 要約: 入力文の意味を抽象的な表現に変換し、それを元にデコーダで重要な部分のみを抽出します。
- 質問応答: 入力文の意味を抽象的な表現に変換し、それを元にデコーダで質問に対する回答を生成します。
エンコーダは、LLMの性能を向上させる重要な役割を果たしています。
エンコーダについてもっと詳しく知りたい場合は、以下の情報をご覧ください。
- Transformerの論文: Attention Is All You Need: https://arxiv.org/abs/1706.03762
- Transformerの解説: Transformer アーキテクチャの仕組みをわかりやすく解説: [無効な URL を削除しました]
- エンコーダのコード例: Transformers with TensorFlow: https://www.tensorflow.org/tutorials/text/transformer