フォースマジュール(不可抗力)条項

国際商業契約におけるフォースマジュール(force majeure不可抗力)法理の包括的展開と実務的適用の深層

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1. 序論:契約絶対の原則と予見不能事態の相克

契約法の歴史的かつ普遍的な基盤には、「合意は拘束する(pacta sunt servanda)」という極めて強固な大原則が存在する。契約当事者は、自らが自由意思に基づいて同意した義務の履行に対して絶対的な責任を負うものとされ、事後的に生じた困難や経済的損失を理由にその拘束から逃れることは原則として許されない 1。しかしながら、現実の複雑な商業取引、とりわけ長期にわたる国際サプライチェーンや大規模建設プロジェクトにおいては、当事者の統制や予測を完全に超えた異常事態が突発し、契約の履行を物理的、法的、あるいは経済的に著しく困難にする局面が不可避的に生じる。このような極限状況下において、当事者の一方または双方を契約上の厳格な責任から解放し、取引関係における法的な衡平性を回復させるための概念的装置が「フォースマジュール(不可抗力)」である 3

「フォースマジュール(force majeure)」という用語は、直訳すれば「優越する力(superior force)」を意味し、元来はフランスのナポレオン民法典に組み込まれた大陸法系の法概念に由来する 3。この概念は、戦争、暴動、ストライキ、犯罪行為、伝染病の蔓延、あるいは突然の法改正や禁輸措置といった、当事者の合理的なコントロールを超えた異常な事象を広く包含する 4。しばしば「不可抗力」は英米法における「不可抗力による天災(Acts of God)」と同義で扱われる傾向があるが、法的には明確に区別されるべき概念である。天災が地震、洪水、竜巻といった純粋な自然現象に限定されるのに対し、フォースマジュールは労働争議、サプライチェーンの崩壊、政府の公権力行使といった人為的・社会的・政治的要因をも広く取り込む柔軟性を有している 4

実務上の極めて重要なポイントは、フォースマジュール条項が発動された場合、ただちに契約全体が終了して当事者が完全に義務から解放されるとは限らないという事実である。多くの現代的な商業契約において、同条項の主要な機能は、不可抗力事象が継続している期間中、一時的に履行義務を「停止(suspend)」させることにある 3。当事者は、予期せぬ外部要因による不履行に対して債務不履行責任(損害賠償等)を問われるリスクから保護されると同時に、事象が終息した暁には履行を再開する余地を残すことで、長期的な商業関係の維持を図ることができる。したがって、フォースマジュールは単なる免責の法理にとどまらず、予見不能な危機に対する高度な「リスクの再分配メカニズム」として機能するのである 6

本報告は、国際商業契約におけるフォースマジュールの適用について、大陸法と英米法という法体系間の根源的差異、フラストレーション(契約目的の達成不能)やハードシップ(事情変更)といった近接法理との理論的境界、CISGやUNIDROIT原則における国際的統合の試み、そしてパンデミックや地政学的危機、急激なインフレーションといった現代的課題に対する法と実務の応答を、網羅的かつ多角的に分析するものである。

2. 法体系間におけるアプローチの根源的相違と解釈の断層

国際取引において最大の法的障壁となるのは、準拠法として指定される法体系の性質によって、フォースマジュールの解釈と適用要件が劇的に変化するという事実である。大陸法(シビルロー)体系と英米法(コモンロー)体系は、予見不能な事態に対するアプローチにおいて根本的に異なる法理的基盤を有しており、この相違を理解せずに国際契約を締結することは致命的なリスクを伴う。

2.1. 大陸法(シビルロー)における法定的免責の構造

フランス、アルゼンチン、そして日本を含むシビルロー体系においては、フォースマジュールは一般法理または民法典等の成文法に基づく「法的な免責事由」として強固に位置づけられている 4。すなわち、契約書の中にフォースマジュールに関する明示的な条項が欠落していたとしても、一定の客観的要件を満たす事象が発生した場合には、法律の規定そのものを根拠として債務不履行責任が免除される保護メカニズムが体系内に内包されている 4

伝統的なシビルローの法理において、ある事象がフォースマジュールとして認定されるためには、概ね以下の3つの厳格な要件を同時に満たす必要がある 4。 第一の要件は「外部性(Externality)」である。これは、当該事象の発生原因が債務者の内部統制や業務領域に起因するものではなく、債務者が直接的にも間接的にもその事象の発生に関与していないことを意味する。例えば、自社工場内の失火は外部性を満たさないが、外部からの延焼や第三者による放火、あるいは広範なストライキであれば要件を満たし得る 4。 第二の要件は「予見不可能性(Unpredictability)」である。契約締結時点において、平均的な注意力を有する当事者がその事象の発生を合理的に予測できなかったことが求められる 4。義務の発生原因が生じた後に事象が起源を持たなければならない。 第三の要件は「不可避性または抵抗不能性(Irresistibility)」である。事象が発生した際、被害者たる債務者がいかなる合理的手段を尽くしても、その影響を克服することが客観的に不可能であった状況を指す 4。アルゼンチン法における解釈が示唆するように、自然の脅威のいくつかは予測可能(例えば特定の季節における暴風雨など)かもしれないが、そのもたらす結果に対して人知を尽くしても抵抗することが完全に不可能であれば、例外的にフォースマジュールとして認められ得るという見解も存在する 4

日本法においても、債務不履行に基づく損害賠償責任の免責事由として不可抗力の概念が存在し、2024年の能登半島地震のような甚大な自然災害時において、納品遅絶等に対する免責の根拠として機能する 8。しかし、日本の民法体系には国際取引において極めて重要となる特則が存在する。民法第419条第3項は「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない」と明確に規定しており、金銭債務に関しては絶対的責任の原則が維持されている 9。このため、日本の実務では、感染症の蔓延や大規模災害が発生し、事業者が経済的困窮に陥った場合であっても、売買代金や賃料の支払いといった金銭債務自体は法律上当然には免責されず、契約上の特約がない限り債務者は履行遅滞の責任を負うことになる 8。したがって、日本法を準拠法とする契約の起案においては、金銭債務を不可抗力免責の対象から明示的に除外する旨を規定し、法典との整合性を図りつつ、他方で代替調達のルールや再交渉の枠組みを契約書内に確保することが強く推奨される 10

一方、フィリピンのような混合法体系(Hybrid Systems)では、民法第1174条において、予見不可能または不可避な事象について免責を認めるシビルロー的規定を有しつつも、戦争に起因するものを除き、経済危機のような人為的・社会的要因は原則としてフォースマジュールとはみなさないという独自の制限的解釈を発達させている 4

2.2. 英米法(コモンロー)における契約上の創造物としての不可抗力

これに対して、イギリス、アメリカ、香港、インドなどのコモンロー体系においては、一般的な制定法に基づく「フォースマジュール」という独立した包括的な免責法理は原則として存在しない 4。コモンローにおいて、フォースマジュールは純粋に「契約上の創造物(creature of contract)」として扱われる 12。すなわち、当事者が契約書内に具体的なフォースマジュール条項を起草し、合意した場合にのみ、その明文の範囲内において効力を発揮する 11。もし契約書に該当する条項が存在しない場合、後発的な異常事態によって履行が困難になったとしても、それは原則として厳格な「契約違反(breach of contract)」を構成することになり、後述する極めてハードルの高い「フラストレーションの法理」に依拠せざるを得なくなる 4。例えば香港法においては、特定の条項なしに履行を怠ることは明確な契約違反であり、それが契約から得られるはずであった利益の全体を無実の当事者から奪う性質のものであれば、重大な履行拒絶的違反(repudiatory breach)として扱われる 4

コモンローの裁判所は、フォースマジュール条項の解釈において極めて厳格かつ文言主義的(textualist)なアプローチを採用する。条項に明記されていない事象については、当事者が意図的に排除したものと推定し、安易な法の拡張を拒絶する傾向が強い 6。とりわけ米国のニューヨーク州裁判所はフォースマジュール条項を極めて狭く解釈することで知られており、特定の事象が条項内に明示的に記載されている場合にのみ免責を認める厳格な立場を崩さない(Kel Kim Corp. v. Central Markets, Inc.事件等) 6

さらに、「その他当事者の合理的なコントロールを超えるあらゆる事象」といった一般的な包括的条項(catch-all provisions)が契約末尾に付加されている場合であっても、コモンローの裁判所は「同種制限の原則(ejusdem generis)」を適用してその範囲を限定する 12。これは、包括的な文言は、その直前に具体的に列挙された事象と「同種の性質」を有するものにのみ適用されるという厳格な解釈原則である。したがって、例えば「火災、洪水、地震、その他当事者の統制を超える事象」と規定されている場合、この包括条項の適用範囲に「労働ストライキ」や「政府の禁輸措置」を含めることは、自然災害という同種の文脈から完全に逸脱していると判断され、裁判所によって否定される可能性が極めて高い 12

2.3. コモンローとシビルローの構造的比較

以下の表は、フォースマジュールに対する両法体系の根本的なアプローチの違いを整理したものである。

比較要素コモンロー(英、米、香港、インド等)シビルロー(仏、アルゼンチン、日本等)
法的根拠の源泉契約書の具体的文言に完全に依存する(契約上の創造物)。民法典等の制定法や一般法理そのものに依存する。
条項が欠如する場合原則として契約違反となる(フラストレーション法理が唯一の例外的な救済手段)。外部性・予見不可能性・抵抗不能性を満たせば、法律上当然に免責が認められる。
対象事象の解釈範囲契約で明示的に合意された範囲に限定。判例では明記されていればストライキ等も含まれ得る。伝統的に天災に限定される傾向が強く、契約に明示がない限り人為的要因は除外されやすい。
司法的解釈の手法厳格な文言解釈、同種制限の原則(ejusdem generis)が適用される。規定された法的要件(予見不可・回避不可)の客観的該当性が実質的に審査される。
表1:フォースマジュールにおけるコモンローとシビルローのアプローチ比較 4

3. 関連法理との理論的境界と交錯:フラストレーション、インプラクティカビリティ、事情変更

フォースマジュールを正確に適用するためには、これと近接し、時に激しく交錯する他の法理との境界を明確にしなければならない。特にコモンローにおける「フラストレーション(Frustration of Purpose)」や「商業的実行不能性(Commercial Impracticability)」、そして国際商法・大陸法において発展した「ハードシップ(Hardship / 事情変更)」は、契約の基盤を揺るがす事態に対処するという目的を共有しつつも、適用要件と法的効果において劇的な相違を有する。

3.1. フラストレーション(Frustration of Purpose)の峻厳なる法理

フラストレーションの法理は、コモンローにおいて、当事者双方に過失のない予見不可能な事象によって、契約の履行が「不可能(impossible)」、「違法(illegal)」、または当事者が契約締結時に想定していたものとは「根本的に異なるもの(radically different)」へと変質した場合に、契約を自動的に消滅させる法理である 13

この法理は、19世紀の英国におけるTaylor v Caldwell事件(1863年)において、音楽ホールの貸席契約がホールの全焼により物理的に履行不能となった事案を契機に確立された 16。それ以前のコモンローにおいては、Paradine v Jane事件(1647年)に代表される「絶対的責任(absolute liability)」の教義が支配的であり、いかなる不可抗力であっても自ら引き受けた契約違反の責任を免れないとされていたが、フラストレーション法理はこの過酷すぎる結果を回避するための例外として発展を遂げた 16

しかしながら、フラストレーションの適用ハードルは絶望的なまでに高い。単に契約の履行が以前より困難になった、調達費用がかさむようになった、あるいは経済的に不採算となったという事実だけでは、フラストレーションを主張することは断じて許されない 15。さらに致命的な制約として、契約内にフォースマジュール条項が既に存在し、かつ発生した異常事態がその条項の対象範囲に(たとえ部分的にであっても)含まれていると解釈される場合、裁判所は「当事者が既にリスク配分を行っていた」とみなし、フラストレーションの法理の適用を完全に排除する 13

フラストレーションが法的に認定された場合の効果は、当事者の主観的な意図に関わらず「契約の自動的かつ即時的な消滅(automatic termination)」である 16。これはフォースマジュールによる「履行の一時停止」や「将来に向けた調整」とは対極にある、極めて劇薬的な効果である。コモンローの下では、フラストレーション成立の時点から将来に向かって当事者の義務は消滅するが、原則として「損失はそれが落ちたところにとどまる(loss lies where it falls)」という非情な原則が適用され、契約に基づくそれ以上の履行の請求や精算は困難となる 16。この「無骨な手段(blunt instrument)」ゆえに、実務では柔軟な対応を可能とする緻密なフォースマジュール条項の設計が不可欠となる 18

3.2. ハードシップ(事情変更の原則:Clausula Rebus Sic Stantibus)と再交渉

フォースマジュールが履行の「物理的・法的な不能」を中核とするのに対し、ハードシップ(事情変更)の法理は、履行自体は物理的に可能であるものの、契約締結時には予見できなかった事象によって契約の経済的均衡が根本的に破壊され、一方の当事者にとって履行が「極めて過酷(excessively onerous)」となった事態に対処する法理である 7

ラテン語の格言「clausula rebus sic stantibus(事情が同じ状態にとどまる限り)」に由来するこの法理は、すべての契約は特定の暗黙の前提事項に基づいて締結されており、その前提が予期せぬ事態により崩壊した場合には、債務者の履行が免除または調整されるべきであるという衡平の認識に基づいている 7。フランス法における事情変更の原則(imprévision)や、ドイツ民法典(BGB)第313条における「行為基礎の喪失(interference with the basis of the agreement / Wegfall der Geschäftsgrundlage)」がこれに該当する 7

ハードシップの最大の特徴は、その主要な救済手段が「免責」や「契約の即時終了」ではなく、「契約条件の再交渉(renegotiation)」や「裁判所・仲裁廷による契約の適合的修正(adaptation)」にある点である 22。事態の発生により直ちに義務から解放されるのではなく、契約を生かしたまま新たな経済的現実に合わせて取引条件を再構築することが法的に促される 22

3.3. 米国統一商事法典(UCC)における商業的実行不能性(Commercial Impracticability)

米国においては、物品売買契約を規律する統一商事法典(UCC)第2-615条が、コモンローの厳格性を緩和する「商業的実行不能性(commercial impracticability)」という独自の概念を提供している 24。イリノイ州法などの判例(Smith v. Roberts事件やDowns v. Rosenthal事件等)によれば、この抗弁を援用する被告は、①妨げとなった事象が合理的に予見不可能であったこと、および②その事象によって相手方の反対給付の価値が完全に、あるいはほぼ完全に破壊されたこと、という厳格な二段階テストを満たさなければならない 25。UCCのこの規定は、純粋な物理的不能には至らないものの、極端なコスト増等の商業的阻害を救済する余地を残している点で注目されるが、裁判所はこれを極めて限定的かつ狭い状況にのみ適用する傾向がある 25

3.4. 救済手段と効果の比較マトリックス

比較項目フォースマジュール(不可抗力)フラストレーションハードシップ(事情変更)
履行の可否状態物理的または法的に履行が不可能(Impossible / Prevented)。履行不能、または義務が締結時の想定と根本的に別物に変質(Radically different)。履行自体は依然として可能だが、経済的均衡が著しく破壊され過酷(Excessively onerous)。
法的効果・結果契約で定められた条件に基づく免責。多くの場合、履行義務の一時停止や履行期間の延長をもたらす。契約の自動的・即時的な消滅(Automatic termination)。当事者の意思は介在しない。影響を受けた当事者に契約条件の再交渉義務を発生させ、不調時は裁判所が修正・終了を行う。
損失とリスクの配分事前に合意された契約の規定に基づき配分される。影響を受けた当事者は条項の範囲内で責任を免れる 18原則として事象発生時点で損失が固定される(Loss lies where it falls)。不当利得がある場合のみ例外 18当事者間の再交渉を通じて将来に向けて再配分されるか、裁判所が衡平の観点から適宜配分する。
表2:フォースマジュール、フラストレーション、ハードシップの機能的比較 18

4. 国際統一規範における不可抗力とハードシップの統合的アプローチ

国際商取引においては、前述した国内法体系間の断層による予測可能性の欠如を克服するため、国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)や私法統一国際協会(UNIDROIT)によって統一的な規範が形成されている。これらの国際文書における不可抗力とハードシップの取り扱いは、現代の国際法務実務において極めて重要な指標となっている。

4.1. ウィーン売買条約(CISG)第79条:「障害(Impediment)」の自律的解釈

1980年に採択された国連国際物品売買条約(CISG)は、国際商取引の憲法とも称され、第79条において独自の免責規定を設けている。CISG第79条第1項は、当事者が不履行について、「その不履行が自らの支配の及ばない障害(impediment beyond his control)に起因すること」、および「契約締結時にその障害を考慮に入れること、またはその障害もしくはその結果を回避・克服することが合理的に期待できなかったこと」を証明した場合、損害賠償責任から免除されると規定している 2

CISGの起草過程においては、「フォースマジュール」や「フラストレーション」といった各国の国内法に特有の色彩を持つ用語の意図的な使用が避けられ、中立的な概念である「障害(impediment)」という独自の用語が採用された 29。これにより、CISG加盟国の裁判所や仲裁廷は、国内法の先入観を排し、国際的見地に立った「自律的な解釈(autonomous interpretation)」を行うことが強く求められている 29

しかし、CISGの解釈において長らく最大の論争となってきたのは、第79条の「障害」という文言が、絶対的な履行不能(不可抗力)のみを指すのか、それとも経済的な著しい困難(ハードシップ)をも包含するのかという問題であった。フランス法のように両概念を厳格に区別する体系もあれば、米国法のように不可抗力に準ずる扱いをする体系もあり、国際的な見解は長らく分断されていた 5

この深い論争に対する最も権威ある見解として、CISG諮問評議会(CISG Advisory Council)が発出した「意見書第20号(Opinion No. 20)」が存在する。同意見書は、「ハードシップはCISG第79条における特別なタイプの『障害』とみなされるべきである」と明確に結論づけた。履行が単に以前より過酷になったという事実だけでは免責されないものの、契約の均衡が根本的に変更されるほどの著しい状況変化は、第79条の枠組みの中で免責事由として評価され得ると判示したのである 23。しかしながら、重大な限界も残されている。CISGの下ではハードシップを理由とする契約の「再交渉義務」や、裁判所・仲裁廷による「契約の適合的修正(adaptation)」の権限は明文上認められておらず、当事者は依然として法的な不安定性に晒されている 27

4.2. UNIDROIT国際商事契約原則(PICC)による精緻な機能分離

CISGの解釈上の隙間を完璧に補完し、より精緻なルールを提供するのが、UNIDROIT国際商事契約原則(PICC)である。PICCの最大の特徴であり功績は、フォースマジュールとハードシップを全く別個の章立てで規定し、その適用要件と法的効果を明確に分離している点にある 20

PICC第7.1.7条は「フォースマジュール」を規定し、当事者の支配の及ばない予見不可能な障害による不履行についての免責(損害賠償や特定履行請求権の排除)を定めている 1。ここでの非不履行当事者は、免責された不履行に対して損害賠償を請求することはできないが、契約を解除する権利は依然として保持される 31

一方、PICC第6.2.1条から第6.2.3条にかけては「ハードシップ」について詳細に規定されている。第6.2.2条によれば、ハードシップとは「契約の締結後に発生または判明した事象であって、不利益を受ける当事者が締結時に合理的に考慮できず、その支配が及ばず、かつ当該リスクを引き受けていない事象により、契約の均衡が根本的に変更された状況」と精緻に定義される 32。ハードシップが発生した場合、影響を受けた当事者は直ちに免責されるのではなく、まず相手方に対して「契約条件の再交渉(renegotiation)」を要求する権利を得る 23。再交渉が一定期間内に不調に終わった場合、当事者は裁判所または仲裁廷に対し、契約の終了、あるいは失われた均衡を回復するための「契約の適合的修正(adaptation)」を求める権限が明示的に付与されている 23

現代の国際仲裁実務において、当事者の契約にフォースマジュールやハードシップに関する条項が欠落していたり、記述が不十分であったりする場合、仲裁廷が国際商人の法(lex mercatoria)を反映する客観的基準としてPICCを適用し、契約の調整を図るケースが急増している。例えば、2009年のベルギー最高裁の画期的判決においては、国内法の抜け穴を塞ぐためにUNIDROIT原則が適用されたことは、その機能的有用性を力強く裏付けている 20。もし当事者が同一の事実関係の下で両方の主張が可能な場合、責任の免除を目的とするならばフォースマジュール(第7.1.7条)を、契約を維持したまま条件を見直したいのであればハードシップ(第6.2.2条)を援用するという、極めて高度で戦略的な選択が可能となるのである 22

5. 現代的危機の波状的発生とフォースマジュールの実務的変容

近年、世界規模での異常事態が連鎖的に発生し、フォースマジュール条項の実務的適用において前例のない緊張と法廷闘争がもたらされている。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行、ウクライナ紛争等に起因する地政学的緊張、それに伴う急激なインフレーションとサプライチェーンの分断は、既存の契約実務に根本的な見直しを迫っている。

5.1. COVID-19パンデミックと国家権力の介入

COVID-19のパンデミックは、世界のサプライチェーンを寸断し、無数の企業にとって不可抗力宣言の引き金(トリガー)となったが、法的な免責が実際に認められるか否かは、事象と不履行との「直接的な因果関係」の立証に大きく依存した 34。危機の初期段階において、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)が数千件規模の「不可抗力証明書」を乱発し、現地企業の免責を一方的に支援する動きを見せた。しかし、西側のカウンターパーティ、とりわけCNOOCやTotal、Shellなどが関与するエネルギー業界においては、これらの不可抗力の宣言を激しく拒絶する事態が相次ぎ、国際法務における対立が先鋭化した 5。また、米国等において2020年内に着工・完了しなければ税額控除の対象外となる再生可能エネルギー開発業者も、ソーラーモジュールの調達遅延に対して不可抗力による保護を強く求めた 35

法的分析において決定的に重要となったのは、「パンデミックという疾病そのもの」が物理的に履行を不可能にしたのか、それとも感染拡大を防ぐための「政府によるロックダウン命令や強制的な移動制限」が真の障害(impediment)となったのかという冷徹な区別である 36。例えば、工場の従業員が実際に集団罹患して操業停止に追い込まれたケースと、経営者が自主的な判断で感染拡大防止のために工場を閉鎖したケース、あるいは代替の労働者を高い賃金で雇えば操業可能であったケースとでは、法的な評価は天と地ほどに分かれる 26。また、企業が保有する事業保険の約款においても、単なる「疫病」は免責事由としてカバーされていないことが多い一方で、「政府の命令」や「国家の非常事態宣言」であればカバーされる可能性があり、原因の法的構成が極めて重要となった 3

ニューヨーク州裁判所の判例によれば、明暗がはっきりと分かれている。JN Contemporary Art LLC v. Phillips Auctioneers LLC事件においては、契約のフォースマジュール条項に「自然災害(natural disaster)」という文言が明記されていたことを根拠に、COVID-19パンデミックとそれに伴う非必須ビジネスの禁止措置は、履行を免除するのに十分な自然災害に該当すると認定された 6。他方で、同じくCOVID-19に関連する事案であっても、Rudolph v. United Airlines Holdings, Inc.事件においては、条項が「予見不能または制御不能なあらゆる変化」といった過度に広範で曖昧な記述にとどまっており、不履行の直接的な原因がパンデミックそのものというよりは、航空会社の単なる「経済的考慮(採算悪化)」に過ぎないと判断され、裁判所は免責の適用を冷酷に拒絶した 6

5.2. 地政学的危機、経済制裁、および関税(Tariffs)の波紋

国家間の摩擦に伴う新たな関税の賦課や、ロシア・ウクライナ紛争等に起因する経済制裁の導入もまた、グローバル・サプライチェーン契約において深刻な障害となっている。しかし、米国をはじめとするコモンローの裁判所は、関税の引き上げや通商政策の変更を理由とするフォースマジュールの主張に対しては極めて冷淡な態度をとる傾向がある 14

米国における判例法理は、政府の規制や行動がフォースマジュールを構成するためには、それが単に履行のコストを増大させるだけでなく、「不履行または契約違反を直接的に引き起こす、あるいは禁止する行為」でなければならないと厳格に解釈している(N. Ill. Gas Co. v. Energy Co-op., Inc. 事件) 37。例えば、米国大統領が国家非常事態を根拠に特定の国に対して高額な追加関税を課した場合、対象となる部材の調達コストが数倍に跳ね上がることは事実であるが、税さえ支払えば物理的な輸入自体は可能である。この場合、裁判所は「履行が不可能(prevented)になったわけではなく、単に不採算になったに過ぎない」として免責を否定する可能性が極めて高い 14

ただし、Mieco, L.L.C. v. Pioneer Natural Resources USA, Inc. 事件(2024年、米国第5巡回区控訴裁)のように、フォースマジュールの事象が当事者の履行を「文字通り不可能(literally impossible)」にする必要はなく、商業的に「実行不可能(impracticable)」にすれば足りると判断された事例も存在し、米国においてすら裁判管轄によって解釈の振れ幅がある点には高度な注意を要する 37

5.3. インフレーションの急伸と経済的フォースマジュール

2021年から2023年にかけて発生した世界的なインフレの急伸は、建設業や製造業における固定価格契約(Fixed-price contracts)の経済的前提を根底から破壊した 4。原材料費や輸送費が劇的に跳ね上がる中、世界中の多くの企業がコスト増を理由にフォースマジュールを主張した。

しかし、英米法において確立された揺るぎない原則として、「価格の高騰や経済的困難(economic hardship)のみをもってしては、フォースマジュールの成立は認められない」というルールが存在する 12。契約締結時において、市場価格の変動という経済的リスクは通常、当事者が当然に引き受けるべき商業的リスク(固定価格契約であれば供給者側が負うべきリスク)として位置づけられているためである。これはドイツ法においても同様であり、固定価格契約下での供給者の資材費高騰は原則として供給者のリスク領域に属すると解され、BGB第313条に基づく事情変更(契約の調整)は極めて例外的な場合にしか認められない 21

裁判所が例外的に耳を傾けるのは、価格の上昇が「極端かつ予期せぬものであり、それ自体が正当なフォースマジュール事象と直接的に結びついている場合」のみである 12。例えば、米国の判例(LNG Americas, Inc. v. Chevron Nat. Gas 事件、2023年)では、テキサス州を襲った記録的な冬の嵐(Winter storm)という明確な自然災害が発生し、その期間中にスポット市場から天然ガスを代替調達するコストが契約価格に対して「完全に不釣り合い(totally disproportionate)」な水準にまで暴騰した事案において、例外的に契約履行が妨げられたと認定された 37。また、COVID-19による重要な製造工場の完全閉鎖を直接の原因として、塩化ビニル(PVC)管の価格が500%高騰したような極端なケースにおいては、経済的要因が不可抗力の一部として複合的に考慮される余地がある 12。しかし、これらはあくまで「事象と結果の直接的リンク」が存在する場合の例外的な位置づけにとどまる。

6. ポスト・クライシス時代における高度なドラフティング戦略

ポスト・コロナ時代および地政学的変動の時代を迎え、国際商業契約におけるフォースマジュール条項のドラフティングは、もはや契約書の末尾に漫然と配置される単なる「ボイラープレート(定型条項)」としての役割を終えた。近年の激しい紛争事例や判例の蓄積を踏まえ、専門的な弁護士や法務担当者は以下のような高度な視点をもって条項を緻密に設計する必要がある 38

6.1. 「事象(Event)」と「結果(Consequence)」の連鎖的定義

現代のドラフティングにおける最も決定的なベストプラクティスは、単なる地政学的・公衆衛生的な「事象」の列挙にとどまらず、それが当事者の履行義務に及ぼす「具体的な結果」を明確にリンクさせることである 36。 過去の怠惰な実務では、「戦争、暴動、パンデミック、ストライキ」といった特定の事象をひたすら羅列するアプローチ(List Approach)が主流であった。しかし、この手法には、リストに記載された15の事象が起きず、記載から漏れた16番目の予期せぬ事象が発生するという「マーフィーの法則(Sod’s law)」に陥る危険性が常に伴う 36。実際、2020年以前に「パンデミック」という語を明記していた契約は極めて稀であった。

さらに重要なことは、不履行を引き起こす真の原因は、パンデミックや戦争という抽象的な事象そのものではなく、そこから派生する政府の行動や市場の物理的混乱であるという点である。したがって、現代の条項は、「パンデミック」という単語を置くだけではなく、「パンデミックに起因するロックダウンの実施や渡航制限の賦課」、あるいは「ロシアのウクライナ侵攻に伴う各国政府の経済制裁の賦課、またはそれに起因するサプライチェーンの物理的分断」といった形で、原因と直接的結果をセットで定義すべきである 36。また、米国の関税リスクに備える場合、関税が一定の閾値を超えた場合に何が起きるか(誰がコストを負担するか、どの段階で契約を見直すか)を事前に指定するなど、経済的混乱のリスク配分を明示的に行うことが強く推奨される 14

6.2. 履行障害の閾値設定:Prevented vs. Hindered

事象が発生した際に、どの程度の障害が生じればフォースマジュールを合法的に宣言できるのかという「ベンチマーク(基準)」の設定は、紛争の帰趨を決定的に左右する 36。 英国法の解釈において、条項が「履行を『妨げられる』または『不可能にする』(prevented / rendered unable to perform)」という基準を採用している場合、これは履行が物理的または法的に「完全に不可能(impossible)」となったことを意味する極めて高いハードルとなる 36。他方で、「履行を『困難にする』または『遅延させる』(hindered / delayed)」というより緩やかな表現を採用すれば、完全な不能に至らずとも、履行が著しく阻害された段階で免責を主張する戦略的余地が大きく広がる 36。 ドラフト起案者は、このベンチマークを不用意に引き下げる(willy-nillyに下げる)べきではなく、定義された事象と、履行能力に対する特定の制限との間に「明確な因果関係(cause or link)」が設定されていることを確認しなければならない 36

6.3. 損害軽減義務(Mitigation)と「最善の努力(Best Endeavours)」

現代のドラフティングにおいて不可欠な要素が、不可抗力事態を克服するための「損害軽減(Mitigation)」のプロセスに関する合意である 36。 英国最高裁による近年の画期的な判決(RTI and Mur事件)により、明文の規定がなくとも、コモンローの下ではフォースマジュールの影響を軽減する義務が暗黙のうちに適用される可能性が高いことが明確になった 36。したがって、実務上は免責を主張する当事者に対し、障害を回避または克服するために「合理的な努力(reasonable endeavours)」または「最善の努力(best endeavours)」を尽くすことを明示的に義務付けるのが通例となっている。 ただし、この「努力」の限界点も深く理解しておく必要がある。例えば、契約上の支払通貨が米ドルで指定されている場合に、経済制裁によりドル決済が不可能となった際、「制裁を回避するために、契約外の通貨(例えばロシア・ルーブル)での代替的な支払いを強制的に受け入れさせること」までは、原則として合理的な努力義務の範疇には含まれないと解されている 36。また、免責を主張する企業は、自らが事態を克服するためにどのような代替手段を模索し、なぜそれが不可能であったのかを示す詳細な「証拠書類の軌跡(paper trail)」を構築・保存しておくことが、後の訴訟や仲裁において極めて重要となる 36

6.4. 通知要件の厳格性と「意図せぬ解除(Unintended Termination)」のリスク

フォースマジュールを援用する際の手続き的要件、特に「通知(Notice)」の規定は、単なる形式的要件ではなく、実体的な権利に直結するトラップである。コモンローの裁判例が示す通り、規定された形式や期限に従わない「不適切な通知(Improper notice)」は、それ自体がフォースマジュールを援用する権利の喪失という致命的な結果を招く 13。多くの洗練された条項は、事象発生後「速やかに(promptly)」または特定の期間内に通知を発すること、さらには事象が継続している間の「定期的な状況報告(regular updates)」を厳格に要求している 14

さらに、重大な落とし穴となるのが「意図せぬ契約解除(Unintended Termination Consequences)」のリスクである 36。多くのフォースマジュール条項には、「不可抗力事象が一定期間(例えば90日間や180日間)継続した場合、いずれの当事者もペナルティなしに契約を解除(terminate)できる」という規定が組み込まれている 36。 ある当事者が、単に一時的な納入遅延を正当化する(プレッシャーの解放を求める)意図でフォースマジュールの通知を行ったところ、その事象が規定期間を超えて長期化してしまった結果、相手方に自動的な契約解除権を与えるトリガーを自ら引いてしまうという事態がしばしば発生する 36。特に、製造委託などにおいて供給者が長期的な独占的地位を維持したい場合には、このような長期間継続による解除権を制限する、あるいは解除権を自社のみに留保するといった高度なドラフティングの工夫が求められる 10。加えて、労働争議や委託先の不履行など、ある程度自社の統制が及ぶ可能性のある事由については、相手方との交渉を通じて適用対象から削除(制御可能な事由は削除交渉)しておくことも、日本企業が留意すべき重要な視点である 10

7. 結論

国際商業契約におけるフォースマジュール(不可抗力)の法理は、伝統的な「天災地変に対する絶対的免責の教義」から、複雑化するグローバル経済における「高度なリスク配分と契約調整のための戦略的法的装置」へと劇的な進化を遂げている。

コモンローにおける厳格な文言主義と、シビルローにおける法定免責という根源的なアプローチの相違は、現在もなお国際取引における法的予測可能性に対する最大の脅威である。フラストレーションによる契約の劇的な消滅や、ハードシップによる事後的な再交渉義務といった隣接する法理との境界を見極めることは、紛争発生時において自社の権利を防御するための生命線となる。CISGの「障害(Impediment)」概念やUNIDROIT原則による国際的調和の試みは着実に進展しているものの、依然として最終的なリスクの所在を決定づけるのは、当事者が契約書上に刻み込んだ「条項の精緻さ」に他ならない。

COVID-19パンデミックがもたらした世界的混乱や、近年の地政学的危機に伴う関税の乱高下およびインフレーションの進行は、「予見不能な事態とは何か」という根源的な問いを実務家に突きつけた。単なる経済的苦境は免責の理由とならず、政府の介入といった直接的な阻害要因のみが法的に評価されるという冷徹な現実は、契約書起案時における想像力の限界をテストしていると言える。

今後の国際ビジネスにおいて、企業は「事象の羅列」に依存する旧来のボイラープレート条項から完全に脱却しなければならない。事象と履行阻害結果の因果関係を明確に定義し、ベンチマークを意図的に設定し、合理的な損害軽減義務の範囲を画定し、意図せぬ契約終了の罠を回避するための周到なプロセスを組み込むこと。これこそが、激動する世界情勢の中であらゆる未知のリスクに耐え得る、強靭なグローバル・サプライチェーンを構築するための不可欠な法的基盤となるのである。

引用文献

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