アクターネットワーク理論

異質な要素の連関による社会の再構築と存在論的政治

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1. 序論:社会理論における唯物論的記号論の転回

1980年代初頭、科学技術社会論(Science and Technology Studies: STS)の領域において、従来の社会学的な説明様式を根本から覆す理論的枠組みが胎動し始めた。パリ国立高等鉱業学校(École des Mines de Paris)の社会学イノベーションセンター(CSI)を拠点とするミシェル・カロン(Michel Callon)、ブルーノ・ラトゥール(Bruno Latour)、そして英国のジョン・ロー(John Law)らによって提唱された「アクターネットワーク理論(Actor-Network Theory: ANT)」は、社会的なもの(the social)の実体視を拒絶し、人間と非人間(non-human)が織りなす異質なネットワークの効果として世界を記述しようとする急進的な試みであった1

本報告書は、ANTの生成から現代的な展開、そしてポストANTと呼ばれる複雑性の理論に至るまでを包括的に分析するものである。ANTは単なる「ネットワーク分析」の一種ではない。それは「唯物論的記号論(material-semiotic)」と形容されるように、意味(記号)と物質(モノ)が不可分に結びつき、互いを定義し合うプロセスを追跡する方法論である3。構造主義記号論が、言葉の意味を差異の体系の中に見出したように、ANTはあらゆる実体(エージェント、技術、制度、自然)のアイデンティティや性質が、それを取り巻く関係の網の目(ネットワーク)によってのみ決定されると説く。ここには、あらかじめ確固とした性質を持って存在する主体(アクター)はいない。存在するのは、絶えず変化し、結びつき、翻訳し合う「連関(associations)」のプロセスのみである4

本論では、ANTの核心概念である「翻訳(translation)」や「一般化された対称性(generalized symmetry)」の詳細な解剖から始め、古典的なケーススタディ(ホタテ貝、パスツールの微生物)の再読を通じてその実践的威力を検証する。さらに、ANTが直面した批判(認識論的論争、批判的経営学からの告発)を検討し、それがいかにしてジョン・ローやアンヌマリー・モル(Annemarie Mol)による「ポストANT」の存在論的政治(ontological politics)へと発展したかを詳述する。最後に、AIやスマートシティといった現代の社会技術的課題に対し、ANTがいかなる新たな洞察を提供しうるかを論じる。

2. アクタントの存在論:人間中心主義を超えて

ANTの最も顕著な特徴であり、同時に最も多くの誤解と反発を招いてきたのが、「アクター(actor)」あるいは「アクタント(actant)」の定義である。伝統的な社会学において、行為主体(エージェンシー)は人間に固有の属性——意図、意識、道徳性——と結び付けられてきた。しかし、ANTはこの人間中心主義的な前提を「社会学的な偏見」として棄却する。

2.1 非人間アクターの市民権

ANTにおいて、アクターとは「行為を引き起こすもの」「状況に差異をもたらすもの」すべてを指す3。これには人間だけでなく、微生物、ホタテ貝、ドアクローザー、安全ベルト、法律、数式、地図などが含まれる。これら非人間(non-human)は、単なる受動的な客体や、人間が意味を投影するスクリーンではない。それらは能動的にネットワークに参加し、他のアクター(人間を含む)の行動を促し、禁じ、変容させる力を持つ1

ラトゥールは、技術的オブジェクトが持つエージェンシーを説明するために「委任(delegation)」と「処方(prescription)」という概念を用いている。例えば、重いホテルの鍵に付けられた大きな重りは、客に対して「鍵をフロントに返却する」という行動を「処方」している。ホテルの支配人(人間)が口頭で注意する代わりに、重り(非人間)がその規律維持の役割を「委任」されているのである3。ここで、規律を守らせるという行為主体性は、支配人という人間に還元されるものでも、重りという物質に還元されるものでもなく、「重り付きの鍵+支配人+客」というハイブリッドな連関の中に分散している。

2.2 一般化された対称性(Generalized Symmetry)

この「人間と非人間を同列に扱う」という態度は、ミシェル・カロンによって「一般化された対称性」という方法論的原則として定式化された2。科学社会学における「ストロング・プログラム(Strong Program)」が、科学的知識の真偽(成功した科学と失敗した科学)を対称的に説明しようとしたのに対し、ANTはこの対称性をさらに拡張し、社会と自然、人間と物質といった二分法そのものを分析の「結果」として扱うことを要請する8

分析対象の二分法伝統的社会学のアプローチANT(一般化された対称性)のアプローチ
人間 vs 非人間人間のみが意図を持つ主体であり、非人間は客体・資源である。両者を「アクタント」として同一の語彙で記述する。区別はネットワークの効果である。
社会 vs 自然社会的要因で自然科学の受容を説明する(社会構築主義)。「自然」も「社会」も、異質な要素の結びつきによって事後的に安定化された領域に過ぎない。
真理 vs 虚偽真理は自然の実在を反映し、虚偽は社会的バイアスによるとする。両者を同盟形成の強固さの違いとして説明する。

この原則は、分析者が研究を開始する時点で「これは技術的な問題」「あれは社会的な問題」と分類することを禁じる。むしろ、アクター自身がその境界線をどのように引き、どのように安定化させているかを追跡することが求められる。ラトゥールが述べたように、ANTは社会的な力で現象を説明するのではなく、社会的なものが結び合わされるプロセスそのものを記述する(describe)ことに徹するのである3

2.3 ブラックボックス化と脱収束

安定化したネットワークは、その内部の複雑さを隠蔽し、一つの単一な実体として振る舞うようになる。これを「ブラックボックス化(black boxing)」と呼ぶ2。サイバネティクスに由来するこの概念は、入力と出力のみが重要で、内部構造が問われない状態を指す。

例えば、機能している「自動車」はブラックボックスである。運転手は、エンジンの燃焼プロセスや電子制御ユニットのアルゴリズムを意識することなく、「車を運転する」という行為を行う。この時、無数の部品と技術者たちの労働は「車」という一つの点(punctualisation)に収束している。しかし、エンジンが故障した瞬間、ブラックボックスは開く。運転手は突然、ピストン、点火プラグ、バッテリーといった個々の部品(アクター)の存在と、それらの関係性の破綻に直面する。これを「脱収束(depunctualisation)」と呼び、ANTの研究者はしばしば、論争や事故、故障といった脱収束の局面に注目することで、普段は見えないネットワークの広がりを可視化しようとする2

3. 翻訳の社会学:ネットワーク構築の力学

ANTにおいて、社会秩序や権力関係は固定的な構造ではなく、絶えざる「翻訳(translation)」のプロセスとして理解される。翻訳とは、あるアクターが他のアクターたちの関心、アイデンティティ、行動の可能性を定義し直し、自らのプロジェクトやシナリオの中に組み込んでいく(enroll)政治的な作業である1。ミシェル・カロンは、サン=ブリュー湾のホタテ貝研究を通じて、この翻訳プロセスを4つの劇的な「局面(moments)」としてモデル化した3

3.1 局面1:問題化(Problematisation)と通過必須点(OPP)

翻訳の最初のステップは、主要なアクターたちを特定し、彼らのアイデンティティと問題を定義することである。カロンの事例では、3人の海洋生物学者が、以下の3つのアクターを定義した8

  1. ホタテ貝(Pecten maximus): 個体数が減少しており、生き残るためには人間の保護を必要としている存在。
  2. 漁師: 長期的な利益を求めているが、乱獲によって自らの生活基盤を脅かしている存在。
  3. 科学コミュニティ: ホタテ貝の生態に関する知識を求めている存在。

研究者たちは、これら全てのアクターにとっての解決策(生存、利益、知識)が、自分たちの提案する「ホタテ貝の養殖実験プログラム」に参加することによってのみ得られるというシナリオを描いた。これにより、研究者のプログラムは、全アクターが通らなければならない「通過必須点(Obligatory Passage Point: OPP)」として設定される。問題化とは、アクターたちにとって「不可欠な存在」として自らを位置づける戦略的行為である。

3.2 局面2:関心付け(Interessement)

問題化で提案された同盟関係は、まだ仮説に過ぎない。他の競合するアクターや慣習が、定義されたアクターたちを誘惑し、別の方向へ連れ去ろうとするかもしれない。例えば、漁師は「目先の利益」という誘惑に負けて乱獲を続けるかもしれないし、ホタテ貝は海流や捕食者によって流出してしまうかもしれない。

「関心付け(interessement)」とは、アクターと他のエンティティとの関係を物理的・制度的に遮断し、提案された役割に「ロックイン(lock-in)」させるためのデバイスや装置を導入するプロセスである8

  • 物理的デバイス: 研究者たちは、ホタテの幼生(spat)を捕食者や海流から守り、採集器(コレクター)に固定するために、「網袋(towline bags)」という物理的なデバイスを用いた。これは、幼生を「自然のままの予測不可能な海」から切り離し、「研究対象としての管理可能な海」へと関心付けする装置であった。
  • 制度的デバイス: 漁師に対しては、行政的な規制や会議を通じて、彼らの行動を科学的プログラムへとつなぎ留めようとした。

関心付けが成功すれば、アクターたちのアイデンティティは固定され、ネットワークの構築が可能になる。フランス語の「inter-esse(間に存在する)」が示唆するように、関心付けとは、アクターとその以前の文脈との「間に入り込む」ことによって、関係を再構築する作業なのである10

3.3 局面3:登録(Enrollment)

関心付けが成功しても、アクターたちが実際に期待された役割を演じるとは限らない。「登録(Enrollment)」は、多種多様な交渉、説得、あるいは暴力的な強制を通じて、アクターたちが指定された役割を受け入れ、ネットワークに参加することを正式に合意するプロセスである3

ホタテ貝の事例において、登録は「幼生が採集器に付着する」という物理的な現象として現れるはずであった。これは、人間と非人間の間の交渉である。研究者たちは、ホタテ貝が好む水深、水流、素材などを試行錯誤し、彼らが「同意(付着)」してくれる条件を探った。登録は、単方的な命令ではなく、アクター間の調整と適応の連続である。ホタテ貝が採集器を拒絶すれば、登録は失敗し、ネットワークは形成されない。

3.4 局面4:動員(Mobilisation)とスポークスパーソン

最後に、ネットワークが巨大な社会的・物理的力を発揮するためには、数少ない代表者(スポークスパーソン)が、背後にいる無数のアクターたちを正当に代表していると見なされなければならない。これを「動員(Mobilisation)」と呼ぶ8

  • 代表の連鎖: 選出された少数の漁師代表は、サン=ブリュー湾の全ての漁師を代表して会議で発言する。科学論文上の数枚のグラフや図表は、湾内の何百万というホタテ貝の挙動を代表する。
  • 裏切り(Betrayal): 動員が成功している限り、研究者は「ホタテ貝と漁師の代弁者」として強大な権力を行使できる。しかし、この代表関係は常に不安定である。カロンの報告によれば、最終的にホタテ貝は採集器に付着せず(物理的な裏切り)、漁師たちはクリスマスの需要期に禁漁を破って採集器周辺のホタテを乱獲した(社会的な裏切り)。「翻訳」は「反逆(treason)」へと転じ、ネットワークは崩壊した8

この「翻訳」モデルは、権力が実体ではなく、異質な要素を整列させ続ける(aligning)絶え間ない労働の産物であることを鮮やかに描き出した。

4. 社会的なものの再構築:「社会の社会学」から「連関の社会学」へ

ブルーノ・ラトゥールは、主著『社会的なものを組み直す(Reassembling the Social)』において、ANTの立場をより広範な社会理論の文脈に位置づけ直した。彼は既存の社会学を「社会の社会学(Sociology of the Social)」と呼び、ANTが目指す「連関の社会学(Sociology of Associations)」と対比させた4

4.1 「社会的なもの」の定義をめぐる闘争

社会の社会学(従来の社会学)連関の社会学(ANT)
「社会」の定義特殊な種類の素材、実体、あるいは文脈。他の現象(経済、法、科学)を説明するための「接着剤」として機能する。要素間の「結びつき」のタイプ。それ自体は実体ではなく、異質なもの(人間とモノ)を結びつける運動そのもの。
説明の方向性社会的要因(階級、文化、規範)を用いて、個別の現象を説明する。社会的要因とされるもの(例:階級構造)がいかにして形成されたかを、アクターの活動を通じて説明する。
アクターの扱いアクターは社会構造や文脈の中に「埋め込まれて」おり、構造の影響を受ける。アクター(人間・非人間)がネットワークを作り出し、その結果として構造が浮かび上がる。

ラトゥールによれば、「社会的なもの」は説明の「リソース(資源)」ではなく、説明されるべき「結果」である。例えば、「IBMが強大なのは、それが巨大な組織(社会的事実)だからだ」という説明は、ANTではトートロジーと見なされる。ANTは問う。「いかなる電話回線、法的契約、コンピュータ・アーキテクチャ、人事評価制度、顧客リストといった異質な要素の連鎖が、IBMという巨大な効果を生み出し、維持しているのか?」。社会構造は、これらの物質的・記号的なネットワークが安定化し、耐久性を持った結果として現れるのであり、原因ではない4

4.2 ガブリエル・タルドの復権

この理論的立場の歴史的根拠として、ラトゥールはエミール・デュルケームの同時代人でありながら忘却された社会学者、ガブリエル・タルド(Gabriel Tarde)を再評価する。デュルケームが「社会的事実(social facts)」を個人の外部に存在する拘束力として実体化したのに対し14、タルドは「模倣(imitation)」の流れや微細な相互作用の集積として社会を捉えた。ANTは、タルドの微視社会学的な直観を、現代の科学技術ネットワークの分析へと拡張するものである。タルドにとって、またANTにとって、「マクロ」な構造と「ミクロ」な相互作用の間に本質的な断絶はない。マクロなものとは、単により長く、より広く拡張されたミクロなネットワークに他ならないからである5

5. 古典的ケーススタディ詳解:科学と社会のハイブリッド

ANTの抽象的な概念は、具体的な経験的研究を通じて練り上げられてきた。ここでは、カロンのホタテ貝研究に加え、ラトゥールによるパスツールの研究を詳細に分析し、ANTがいかにして科学史やイノベーション研究を書き換えたかを示す。

5.1 フランスのパストゥール化:微生物というアクターの政治学

ラトゥールの『フランスのパストゥール化(The Pasteurization of France)』(原題『微生物:戦争と平和』)は、19世紀後半のフランス社会がいかにしてルイ・パスツールの細菌学を受け入れたかを描いた記念碑的作品である16

偉人伝の解体と同盟のネットワーク

従来の科学史は、パスツールの「天才的な発見」が迷信を打ち破ったという啓蒙的な物語を語ってきた。しかしラトゥールは、パスツールの成功を「同盟の構築(association)」として分析する。パスツール主義が勝利したのは、科学的真理が自律的に輝いたからではなく、当時のフランス社会の多様な勢力が「微生物」という新しいアクターを自らの目的のために利用できると判断したからである16

  • 衛生学者(Hygienists): 当時、都市の過密化や不潔さに警鐘を鳴らしていた衛生学者たちは、自らの主張を科学的に裏付ける根拠を欠いていた。パスツールの「微生物説」は、彼らに「目に見えない敵」という強力な武器を与えた。衛生学者はパスツール主義の最初の強力な同盟者となった18
  • 軍隊と産業界: 炭疽病による家畜の損失に悩む農民、ビールの醸造失敗に苦しむ産業界、兵士の伝染病死を防ぎたい軍隊。これらの異なる利害を持つ集団が、「微生物の制御」という一点においてパスツールの実験室と結びついた。

実験室という劇場:力の移動

ラトゥールは、実験室を「力を逆転させる場所」として描く。自然界(牧場)において、獣医は炭疽菌に対して無力である(菌は目に見えず、予測不能である)。しかし、パスツールは菌を実験室に持ち込み、培養し、顕微鏡で可視化し、弱毒化することに成功した。実験室という管理された環境内においてのみ、人間(科学者)は微生物よりも強くなることができる16

パスツールの政治的な手腕は、この実験室での力関係を、社会全体へと拡張した点にある。彼はプイイ=ル=フォール(Pouilly-le-Fort)での有名な公開実験において、牧場を一時的な「実験室」へと作り変えた。ワクチンを接種した羊とそうでない羊を公衆の面前で対決させ、実験室の勝利を劇的に実演したのである。これにより、「社会」そのものがパスツール化され、実験室の論理(消毒、滅菌、ワクチン)が農場、病院、家庭へと浸透していった。このプロセスにおいて、微生物は単なる生物学的存在から、フランス社会を構成する完全な「社会的アクター」となったのである17

6. アクターネットワーク理論と他のアプローチの比較:対称性と非対称性

ANTの独自性を明確にするために、関連する他のアプローチ、特に社会ネットワーク分析(SNA)や伝統的な社会学との比較を行うことは有益である。

6.1 社会ネットワーク分析(SNA)との対比

「ネットワーク」という用語を共有しているため、ANTはしばしばSNAと混同される。しかし、両者の存在論的・方法論的基盤は決定的に異なる20

特徴社会ネットワーク分析 (SNA)アクターネットワーク理論 (ANT)
ノード(アクター)の性質主に人間、あるいは組織(法人)。ノードは安定的で、事前に定義されていることが多い。人間と非人間(技術、自然、テキスト)が等しくノードとなる。ノードの性質はネットワークによって定義される。
関係性(エッジ)の性質友人関係、信頼、情報伝達など、人間的な社会的紐帯が中心。定量化・視覚化が志向される。翻訳、媒介、委任、処方といった、異質な要素を変形・連結させるプロセス。定性的な記述(追跡)が中心。
非人間の扱い非人間(技術など)は背景やツールとして扱われ、ネットワークの構成要素とは見なされない傾向がある。非人間はネットワークを安定化させ、持続させるための不可欠なアクターとして扱われる。
目的ネットワークの構造的特性(中心性、密度、クラスター)を測定し、社会的帰結を説明する。ネットワークがいかにして構築され、維持され、あるいは崩壊するかというプロセスそのものを記述する。

SNAが「人間同士の関係」を地図化するのに対し、ANTは「人間関係がいかにして物質的要素(電話、会議室、書類)によって媒介され、耐久性を与えられているか」を問う。ANTにとって、純粋に人間だけの社会関係(例えばサル山のような)は複雑な現代社会を維持するにはあまりにも脆弱である。社会が大規模かつ安定的であるためには、非人間アクターの介入が不可欠なのである20

6.2 デュルケームとウェーバーの狭間で

ANTは、デュルケーム的な「社会的事実」の実在論と、ウェーバー的な「社会的行為」の解釈学的アプローチの双方に対して批判的継承を試みている。

  • 対デュルケーム: 社会構造の拘束力(社会的事実)を認めるが、それは個人の外部に超越的に存在するのではなく、モノとの連関によって局所的に生産され続けていると考える5
  • 対ウェーバー: 行為の意味理解(了解)を重視するが、意味は人間の主観内部にあるのではなく、モノや記号との相互作用の中に分散していると考える5

7. 批判的検討:認識論的チキンと批判の不在

ANTの影響力の拡大に伴い、多くの批判もまた提起されてきた。これらの論争は、ANTの限界と可能性を浮き彫りにしている。

7.1 「認識論的チキン」論争

STS内部から提起された最も有名な批判の一つが、ハリー・コリンズ(Harry Collins)とスティーブン・ヤーレイ(Steven Yearley)による「認識論的チキン(Epistemological Chicken)」である3。彼らは、ANT(特にカロンとラトゥール)が非人間にエージェンシーを与えることで、人間特有の意図性や道徳的責任を希薄化させ、相対主義の悪循環(チキンゲーム)に陥っていると批判した。彼らによれば、自然や技術を「アクター」と呼ぶことは、人間中心的なカテゴリーの擬人化に過ぎず、社会学的分析の精度を下げるものである。

これに対し、ラトゥールとカロンは、人間と非人間を区別する境界線自体が政治的・歴史的に構築されたものであり、その境界線をアプリオリに設定することこそが分析を妨げると反論した。彼らは、非人間を排除することは、近代社会のハイブリッドな性質(オゾンホール、遺伝子組み換え、AIなど)を理解することを不可能にすると主張した2

7.2 記述的であり、批判的ではない?(Whittle & Spicer論争)

経営学や組織研究(Critical Management Studies: CMS)の分野では、WhittleとSpicerらが「ANTは批判的か?」という問いを投げかけた21

  • 批判: ANTは、ネットワークがいかに形成されたかを詳細に記述することに長けているが、その背後にある権力構造の不平等、搾取、支配のメカニズムを批判的に問う視点を欠いている。勝者(成功したネットワーク)の記述に偏り、敗者や周縁化されたものの声を無視する「マキャベリズム的」なアプローチである。
  • 反論: これに対し、Alcadipaniらは、ANTが「自然化された存在論(naturalized ontology)」を解体すること自体が批判的な営みであると反論した24。ANTは、「効率性」や「市場原理」といった概念が、絶対的な真理ではなく、特定のネットワークによって構築された効果に過ぎないことを暴くことで、別のあり方の可能性(オルタナティブ)を開くのである21

8. ポストANT:複雑性、トポロジー、多重の身体

1990年代後半以降、ANTは自己批判を経て「ポストANT(Post-ANT)」あるいは「ANT以降(After ANT)」と呼ばれるフェーズに移行した。ここでは、初期ANTが強調した「安定化」や「秩序」よりも、「複雑性」「流動性」「多重性」といった概念が焦点となる5

8.1 ジョン・ローの社会トポロジー:地域、ネットワーク、流体、炎

ジョン・ローとアンヌマリー・モルは、オブジェクトが存在し、機能する空間(トポロジー)には、従来の「地域」や「ネットワーク」以外にも種類があることを示した26

  1. 地域のトポロジー(Regional Topology): オブジェクトが物理的な境界線や領域(国境、壁)によって定義される空間。ユークリッド空間に近い。
  2. ネットワークのトポロジー(Network Topology): ANTが伝統的に扱ってきた空間。距離は物理的な近さではなく、関係の近さで定義される(例:東京とNYのトレーダーは、隣人よりも近い)。ここでは「不変の可動物(Immutable Mobile)」が、形を変えずに移動することで空間を構成する。
  3. 流体のトポロジー(Fluid Topology): オブジェクトが移動する際に、その内部要素や形状を徐々に変化させながらも、アイデンティティを維持する空間27
  • 事例: ジンバブエのブッシュポンプ(井戸ポンプ)の研究(ド・ラエとモル)。ポンプは村ごとに異なる部品で修理され、使い方も微妙に異なるが、依然として「ブッシュポンプ」として機能する。これは、固定されたネットワークではなく、環境に適応して形を変える「流体」のようなオブジェクトである。
  1. 炎のトポロジー(Fire Topology): オブジェクトの存在が、ある要素の「不在」や「消費」に依存しているような、揺らぎのある空間。炎が燃え続けるには燃料を消費し続けなければならないように、ある種の現実は、断続的な消失と生成のパターンによって維持されている29

8.2 アンヌマリー・モルと『多重の身体』:存在論的政治

ポストANTの金字塔であるモルの『多重の身体(The Body Multiple)』は、医療人類学とSTSの交差点において、病気の存在論を書き換えた31

  • 行為としての病気(Enactment): モルは、病気(動脈硬化)が身体の内部に隠された受動的な実体ではなく、病院での多様な実践(診察、検査、手術)を通じて能動的に「行為(enact)」されるものであると論じた33
  • 多重性(Multiplicity): 病理学検査室での顕微鏡下の「動脈硬化」(血管壁の肥厚)と、外来診察室での「動脈硬化」(歩行時の痛み)は、異なる実践において立ち現れる異なるオブジェクトである。しかし、これらはバラバラ(多元的)にあるのではなく、カルテやカンファレンスといった調整作業(coordination)を通じて、一つ(単一)の病気としてつなぎ合わされている。現実は「多重」なのである。
  • 存在論的政治: 現実が実践によって行為されるものであるならば、異なる実践を行えば、異なる現実が立ち現れる可能性がある。したがって、「どの現実を行為するか」という選択は、事実の問題ではなく政治的な問題となる。これをモルは「存在論的政治(Ontological Politics)」と呼んだ32

9. 現代的絡まり合い:スマートシティ、AI、人新世におけるANT

21世紀において、デジタル技術の遍在化と環境危機の深化は、ANTの洞察をかつてないほど重要にしている。

9.1 アルゴリズム的アクターとスマートシティ

AIやアルゴリズムは、現代における最も強力な非人間アクターの一つである。ANTの視点は、これらを中立的な計算ツールとしてではなく、独自のバイアスとエージェンシーを持ち、社会秩序を再編するアクタントとして分析する35

  • ブラックボックスとしてのAI: ディープラーニングのアルゴリズムは、入力と出力の関係が人間には解釈不能な場合が多く、文字通りの「ブラックボックス」として機能する。ANTの研究は、このブラックボックスがいかにして「客観性」や「効率性」という社会的権威を獲得し(翻訳)、信用スコアや監視システムを通じて人々の行動を規定(処方)しているかを明らかにする36
  • スマートシティ: スマートシティの構築において、ANTは都市を「政府・企業・市民・センサー・データ」の異種混交的なアッサンブラージュ(集合体)として捉える。例えば、中国の「健康コード(Health Code)」アプリの研究では、このアプリが単なる追跡ツールではなく、市民の移動の自由を物理的に制御し、新たな規律権力を行使する「関心付け」のデバイスとして機能したことが示されている37。都市のインフラストラクチャー自体が、政治的なエージェンシーを行使するのである35

9.2 教育と学習のネットワーク

教育分野においてもANTの応用が進んでいる。学習は、教師と生徒という人間間の相互作用だけでなく、教科書、黒板、試験用紙、そして現代ではタブレット端末やLMS(学習管理システム)といった非人間アクターによって媒介されるネットワーク的達成である6。例えば、カリキュラムの導入は、新しい知識を生徒に「翻訳」し、特定の学習行動へと「関心付け」するプロセスとして分析できる。

9.3 開発研究と地理学:空間の生産

開発研究(Development Studies)において、ANTは「先進国から途上国への技術移転」という単純なモデルを批判する。技術は文脈を超えてそのまま移動するのではなく、現地の社会的・物質的ネットワークとの再交渉(再翻訳)を通じて変容する。ハイアール(Haier)の事例研究に見られるように、イノベーションのエコシステムは、企業が多様なアクター(標準化機関、ユーザー、競合)を巻き込み、自らのネットワークを拡大していく動的なプロセスである39。地理学においても、ANTは空間を「活動のコンテナ」としてではなく、ネットワークの結びつきによって生成される効果として捉える「関係論的地理学」の展開を促している40

10. 結論:終わりのない連関の労働

アクターネットワーク理論は、社会科学に対して、安易な説明原理に頼ることを禁じ、泥臭い「追跡(tracing)」の労働を課す理論である。それは、「資本主義」「家父長制」「社会規範」といったマクロな概念で説明を終わらせるのではなく、それらの構造がいかにして日々の無数の相互作用、物質的配置、文書の循環によって維持され、あるいはほころびを見せているかを記述することを求める。

本報告書の包括的な分析から導き出される結論は以下の通りである。

  1. 存在論的フラット化の徹底: ANTは、世界を「人間」と「モノ」、「社会」と「自然」に分ける近代の憲法を停止させる。我々は常に、ハイブリッドなネットワークの中でのみ存在する。
  2. プロセスの重視と不安定性: いかに強固に見える制度や科学的真理も、絶えざる「翻訳」と「動員」のプロセスによって支えられている。ネットワークは常に裏切りの可能性を孕んでおり、その維持にはコストがかかる。
  3. 技術と政治の不可分性: 技術的選択は、社会関係のあり方を規定する政治的選択である。AIや環境技術の設計において、どのようなアクターをネットワークに招き入れ、どのような役割を処方するかは、未来の社会秩序を決定する倫理的な問いである。

ポストANTの潮流が示すように、世界はネットワークだけで記述できるほど単純ではないかもしれない。「流体」や「炎」のような、より複雑で捉えどころのない存在様式もまた、我々の現実を構成している。しかし、ANTが提供した「人間以上のもの(more-than-human)への感度」は、人新世という危機と技術的激変の時代において、我々が自らの置かれた状況を理解し、新たな「連関」を模索するための、最も強力な知的ツールの一つであり続けるだろう。

アクターネットワーク理論は、理論(Theory)というよりも、アクターたちが世界を構築する終わりのない旅に同行するための、移動可能な方法論的ツールキットなのである。

引用文献

  1. Latour’s Actor Network Theory – Simply Psychology, 2月 1, 2026にアクセス、 https://www.simplypsychology.org/actor-network-theory.html
  2. 1 A Brief Overview of Actor-Network Theory … – SFU Summit, 2月 1, 2026にアクセス、 https://summit.sfu.ca/_flysystem/fedora/sfu_migrate/13593/0901.pdf
  3. Actor–network theory – Wikipedia, 2月 1, 2026にアクセス、 https://en.wikipedia.org/wiki/Actor%E2%80%93network_theory
  4. Bruno Latour’s Reassembling the Social Summary – Study.com, 2月 1, 2026にアクセス、 https://study.com/academy/lesson/bruno-latours-reassembling-the-social-summary.html
  5. ACTOR NETWORK THEORY – Sage Publishing, 2月 1, 2026にアクセス、 https://us.sagepub.com/sites/default/files/upm-binaries/5222_Ritzer__Entries_beginning_with_A__%5B1%5D.pdf
  6. Combining social network analysis and actor-network theory into a more comprehensive method to study complex classroom interactions between human and non-human actors – Taylor & Francis, 2月 1, 2026にアクセス、 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1743727X.2025.2503712
  7. Actor–Network Theory | Oxford Research Encyclopedia of Education, 2月 1, 2026にアクセス、 https://oxfordre.com/education/abstract/10.1093/acrefore/9780190264093.001.0001/acrefore-9780190264093-e-526?d=%2F10.1093%2Facrefore%2F9780190264093.001.0001%2Facrefore-9780190264093-e-526&p=emailAi0VQ1qA6IMKA
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