古典論理の三大原理(Aristotelian Laws of Thought)

古典論理では、以下の三大原理が基礎となっています:

1. 同一律(Law of Identity)

  • 命題はそれ自体と同一である。
  • AはAである。
  • 記号的には:A ⇒ A
  • ➤ 何かを述べるためには、それが何であるかをはっきりさせる必要があるという原理。

2. 無矛盾律(Law of Non-Contradiction)

  • AでありかつAでないということはあり得ない。
  • ¬(A ∧ ¬A)
  • ➤ 一つの命題が同時に真であり偽であることはない。

3. 排中律(Law of the Excluded Middle)

  • 命題Aについて、「Aが真」か「Aが偽」かのいずれかである。
  • A ∨ ¬A
  • ➤ 真理値は「真」か「偽」の2値のみ(2値論理)。

◆ 形式体系での公理や推論規則(命題論理の例)

古典命題論理(Classical Propositional Logic)を構築する際には、
以下のような「原理」(=公理 + 推論規則)を定めます。

◉ よく使われる公理スキーマ(Hilbert系など)

  1. A → (B → A)
  2. (A → (B → C)) → ((A → B) → (A → C))
  3. (¬A → ¬B) → ((¬A → B) → A)
    ※ これらは公理スキーマであり、A, B, C には任意の命題が入る

◉ 基本的な推論規則(Modus Ponens など)

  • Modus Ponens(肯定的三段論法) A, A → B ⊢ B
  • Double Negation(否定の否定) ¬¬A ⊢ A

◆ 古典論理の特性

特性説明
2値性命題の真理値は「真」か「偽」のみ
真理関数性複合命題の真理値は構成要素の真理値から決まる
演繹的整合性無矛盾な体系であれば、偽を導くことはできない
完全性すべての論理的に真な命題は証明可能である(ゲーデル以前の前提)

◆ 補足:非古典論理との違い

項目古典論理非古典論理の例
排中律採用する拒否する(直観主義論理など)
真理値2値(true/false)3値・多値・確率的など
対象数学的命題全般実世界・不確実性・時間などを扱う拡張論理

◆ まとめ

✅ 古典論理は、**「同一律」「無矛盾律」「排中律」**という三大原理を土台とし、
それらに基づいた公理と推論規則で命題体系を構築します。