仕事を後回しにしてしまう(先延ばし・プロクラステイネーション)には、主に以下のような要因が考えられます。
1. タスクの性質・受け止め方
- 大きすぎる・漠然としている
どこから手をつけていいかわからないと、人は自然と後回しにしがちです。 - 興味・価値の低さ
自分にとって重要度や面白みを感じられないタスクは、モチベーションが湧きにくいです。 - 難易度への不安
「自分にできるだろうか」「失敗したらどうしよう」という恐れから躊躇してしまう場合があります。
2. 感情・気分の影響
- 気分依存
気分が乗らないときに始めようとすると、「今日は調子が悪いから後でやろう」と言い訳が生まれます。 - 完璧主義
“完璧にやらねば”というプレッシャーが強いと、ハードルが高く感じられ着手しづらくなります。
3. 自己効力感の不足
- 自己評価の低さ
「自分には難しすぎる」「時間がかかりすぎる」と感じると、最初から諦めモードに入りやすいです。 - 経験不足
同じような経験がないタスクは、成功イメージが描きづらく、自信を持てません。
4. 環境・習慣の問題
- 誘惑・雑事の多さ
スマホ通知や別の簡単な作業に気を取られ、つい手がそちらに流れてしまいます。 - タイムマネジメントの甘さ
締切までの時間に余裕があると、「まだ大丈夫」という慢心が生まれ、後回しに。
改善に向けた具体的アプローチ
- タスクの「見える化・分割化」
- やるべきことを細かく書き出し、最小単位(例えば5分〜15分で終わる作業)に分解する。
- 「1つずつクリアしていく」感覚を持つことで、心理的負担が軽減します。
- 期限・時間枠の設定
- 「〇月〇日までに」「今日の午後2–3時に30分だけ」など、具体的なタイムボックスを設ける。
- タイマー(Pomodoroテクニック)を使って短時間集中を習慣化する。
- 動機づけの強化
- タスクの意義を再確認し、「これが終わると得られる利益(成果・安心感)」を意識する。
- 小さな報酬(コーヒーブレイク、お菓子など)をルールとして用意し、達成時に自分をねぎらう。
- 環境整備
- 作業スペースの片づけや、スマホの通知オフなど、集中しやすい環境を作る。
- 集中できるBGMやホワイトノイズを活用して「作業モード」に切り替える。
- 自己効力感の醸成
- 過去にうまくいった小さな成功体験を振り返り、自信を取り戻す。
- 必要なら誰かにサポートをお願いしたり、進捗を報告する「伴走者」を設定する。
- 思考の切り替え
- 「今やりたいかどうか」ではなく「今やるべきかどうか」で判断する。
- “好き嫌い”よりも“必要性”を優先する自己対話を習慣づける。
自己チェック用の質問例
- このタスクを先延ばししている一番の理由は?(不安?面倒?興味の欠如?)
- 小さく始めるとしたら、最初に何ができるか?
- やり終えたら、どんなメリットがあるか?
これらをもとに、ご自身で「原因」と「対策」を書き出してみると、より具体的なアクションプランが描きやすくなります。まずは「最小単位の一歩」を決めて、今日すぐに着手してみてください。


