はじめに:地図の本質と進化
地図の定義:紙の上の線以上のもの
地図とは、地球表面の全部または一部を一定の割合で縮小し、記号や文字などを用いて平面上に表した図である 1。それは、調査、計画、行政、教育、レクリエーションなど、我々の活動や日常生活に不可欠な、複雑に分布する土地の情報を伝える優れた手段となっている 1。地図作成の基本原則には、「平面化」(通常は鳥瞰的な視点で、三次元の表面を二次元平面に表現する)、「縮尺化」(現実の空間を管理可能な比率に縮小する)、そして「記号化」(地物を表すために記号を使用する。これが地図を写真と区別する重要な点である)が含まれる 2。この記号化は、地図作成において最も重要な側面の一つであり、地図は現実をありのままに描き出すのではなく、分かりやすい記号に置き換えて表現するため、意図的な取捨選択が含まれる。これにより、地図は極めて恣意的な表現となり、作成者にとって都合の良い表現となる可能性がある 2。
これらの核となる定義と原則を理解することは、地図作成の歴史を通じて探求される複雑さとニュアンスを評価するための基礎となる。それは、地図が現実の単なる受動的な鏡ではなく、構築された人工物であることを強調する。地図は、縮尺と投影法を通じて客観的な表現を目指すが、記号化と選択のプロセスは本質的に主観性と作成者の視点を導入する。このため、地図の歴史における中心的なテーマの一つは、科学的な道具としての機能と、文化的、しばしば偏ったテキストとしての機能という、この二重性である。
時間を超える旅:地図作成史概観
本報告書は、原始的なスケッチから洗練されたデジタルシステムに至るまでの地図作成の継続的な進化を概説し、その広大な年代的および地理的範囲を網羅する 3。地図が、人類の環境を理解し、航行し、制御しようとする試みを一貫して反映してきたことを示す 4。この概観は、以下に続く詳細な探求の舞台を設定し、読者のためのロードマップを提供し、地図を作成するという永続的な人間の衝動を強調する。地図の進化は、平らな地球から球体へ、既知の地域から地球規模の探査へと、世界の理解における人類の進歩と、それを測定し表現するための道具の開発を直接反映している。この進歩は、知的探求心と実用的な必要性の両方によって推進されてきた。
I. 地図作成の夜明け:古代世界の概念
A. 初期の印:洞窟壁画から粘土板まで
既知の最古の地図のような表現のいくつかは、地球ではなく夜空を描いたもので、紀元前16,500年にまで遡る。古代の洞窟壁画や岩刻画もまた、丘や山のような景観特徴を示しており、これらは航行と訪れた場所の描写の両方に使われたと考えられている 7。
トルコのチャタル・ヒュユクで発見された壁画(アナトリア、紀元前約6200年)は、一部の研究者によって最古の地図の一つと考えられている。それは都市計画を描写し、家々を鳥瞰的に示し、近くのハサン山が噴火している可能性を示唆している 8。壁画の放射性炭素年代測定(紀元前約6300年~6100年)とハサン山の火山岩(紀元前約7200年~6300年に噴火)は、この解釈を支持している 8。しかしながら、最近の研究では、それは野生動物の描写である可能性が示唆されており、最初の発掘者の発見に関する問題から、地図としての解釈は疑問視されている 9。チャタル・ヒュユクの壁画が地図であるかどうかにかかわらず、それは空間関係と重要な環境特徴を表現しようとする初期の人類の試みを浮き彫りにしている。この議論自体が、古代の人工物を解釈する際の課題を強調している。
イタリアのヴァルカモニカにある「ベドリーナ地図」(岩絵、紀元前約1500年)は、家、道、耕作地、川を幾何学的な様式で描いた岩刻画である 10。現存する最古の地形図の一つと見なされている。これは、共同体または土地管理の目的で、その人間的および自然の特徴とともに地域を表現しようとする明確な試みを示している。
フランスのフィニステールで発見されたサン・ベレクの石板(紀元前約1900年~1640年)は、フランスのフィニステールにあるオデ川流域の三次元表現である。世界最古の既知の領域地図と見なされている。その目的はおそらく航行ではなく、初期青銅器時代の地元の支配者の政治的権力と領土範囲を示すことであった 12。この遺物は、初期の地図作成と権力および領土支配の表現とを明確に結びつけており、これは地図作成の歴史を通じて繰り返されるテーマである。
B. メソポタミアとバビロニアのビジョン:イマゴ・ムンディと宇宙秩序
メソポタミアは、地図作成における初期の革新で評価されている 13。バビロニアの世界地図(イマゴ・ムンディ、紀元前約6世紀)は、最古の既知の世界地図である 10。この粘土板は、ユーフラテス川沿いのバビロンを中心とし、アッシリアやウラルトゥを含む円形の陸地に囲まれ、さらに「苦い川」(オケアノス)に囲まれ、その向こうに8つの三角形の地域(ナグ)が配置されている様子を描いている 10。付随するテキストはこれらの地域を説明している。イマゴ・ムンディは、バビロニアの世界観へのユニークな垣間見を提供し、既知の地理と神話的要素を組み合わせ、首都を中心とした宇宙誌を示している。それは、純粋に実用的な航行道具というよりは、世界の概念化を反映している。メソポタミアの楔形文字地図は、家屋計画、都市地図、世界地図など様々な主題を網羅しており、「行政的および経済的権力が地図の作成を支援し、あるいは要求さえする」ことを示唆している 17。地籍調査や都市計画を含むメソポタミアの地図は、しばしば行政的および経済的目的を果たし、権力と資源の組織化を反映していた 13。
C. エジプトの地図作成:帝国のための実用的な地図
古代エジプト人は地理学の基本的な理解を持ち、「地形リスト」(宗教的または葬送の行列のためにランドマーク、都市、寺院、自然の特徴、距離、方向を記録したもの)や「土地登記簿」または「不動産地図」(課税や土地管理のような行政目的のために農地、境界、運河を描写したもの)のような視覚的表現を利用した 18。
トリノ・パピルス地図(紀元前約1150年)は、古代世界から現存する最古の地形的および地質的地図と見なされている 3。ワディ・ハンママートの15kmに及ぶ区間を描写し、丘、ベケン石の採石場、金鉱、ビル・ウンム・ファワキールの集落を示している。地物、距離、金鉱床、岩石の種類(色で区別される)を特定する注釈が含まれており、驚くべき精度と図式的および絵画的表現の融合を示している 17。それは鉱山探検のために準備された。トリノ・パピルス地図は、エジプトの地図作成における高度な洗練を示しており、資源開発と国家主催の遠征のための実用的な応用を強調している。そのような初期の時代におけるその地質学的詳細は特に注目に値する。
D. ギリシャの知的飛躍:哲学から数学的地図作成へ
古代ギリシャ人は、航行や地球の特定の領域を描写するために使用された最古の紙の地図を作成した 7。彼らの地図は、探検家の観察と数学的計算に基づいていた 7。
アナクシマンドロス(紀元前約610年~546年)は、既知の世界の最初の地図の一つを作成したとされ、円形で、中央のエーゲ海を中心に陸地がグループ化され、海に囲まれていた 7。失われたものの、再現図が存在する。アナクシマンドロスは、世界を理解し表現するためのより体系的で哲学的なアプローチへの移行を代表している。
ミレトスのヘカタイオス(紀元前約550年~476年)は、「ペリオドス・ゲス」(地球一周旅行)という著作で評価されており、アナクシマンドロスの地図に基づいて修正・拡大した地図が付随していた 7。彼の著作には、点から点への沿岸調査(ペリプルス)が含まれていた。
エラトステネス(紀元前276年~194年)は、アレクサンダー大王の遠征からの情報を取り入れた改良された世界地図を描いた。彼は、地球の球形的性質の理解を証明するように、地図描写に平行線(緯線)と子午線(経線)を組み込んだ最初の地理学者であった 7。彼はまた、地球の円周を驚くほど正確に計算した。エラトステネスによる座標系の導入は、科学的地図作成に向けた記念碑的な一歩であり、体系的で数学に基づいた地図作成の基礎を築いた。
プトレマイオス(クラウディオス・プトレマイオス、紀元約100年~170年)の著作「ゲオグラフィア」は、千年以上もの間、地図作成の基礎であった 7。彼は何千もの場所の緯度と経度のシステムを確立し、地図投影法について議論し、既知の世界(ヨーロッパ、アジア、北アフリカ)を描写した 7。彼の元の地図は失われているが、彼のデータにより再構築が可能になった 15。彼は地球を球体として扱った 12。プトレマイオスは地理的知識を体系化し、何世紀にもわたって西洋およびイスラムの地図作成に深く影響を与えた地図作成の枠組みを提供した。座標と投影法の使用は革命的であった。
E. ローマの地図作成:帝国のインフラストラクチャのマッピング
ローマの地図作成は、特に広大な帝国の軍事的および行政的支配のために、実用的な目的を果たした。
タブラ・ペウティンゲリアナ(ペウティンガー図)は、失われた4世紀のローマのオリジナルの中世の写し(12世紀/13世紀)である 25。スペインとイギリスからインドとスリランカまで広がるローマの道路網を描写した旅程図である 16。それは非常に細長い巻物であり、現代的な意味での地理的正確さはないが、ルート、集落間の距離(555の町がビネットで描かれている)、停車駅の快適さを示すのに優れていた 26。ローマが中心として描かれている 26。タブラ・ペウティンゲリアナは、旅行、行政、軍事ロジスティクスのための実用性に焦点を当てたローマの地図作成を例示しており、正確な地理的表現よりも接続性とインフラストラクチャを強調している。「旅行者のマニュアル」であった 26。
アグリッパの地図は、プリニウス・エルダーによって「都市が見るべき地球の土地」(orbis terrarum urbi spectandus)を含むものとして記述されており、帝国と地図作成に関連する記念碑的な地図を示唆しているが、痕跡は残っていない 17。
F. 古代中国の地図作成:東洋における並行した発展
中国の地図作成は、戦国時代の紀元前5世紀に始まった 27。中国史における地図への最古の言及は紀元前227年からである 27。秦国の木版地図7枚(紀元前4世紀)が甘粛省の方馬灘で発見され、河川系を描写している 27。前漢初期(紀元前2世紀初頭)の紙の地図断片も方馬灘で発見された 27。
馬王堆地図(紀元前2世紀)は、漢代の古墳から発見された3枚の絹の地図であり、長沙地域の地形図、軍用地図、県地図である 27。これらは高度な地図作成技術を示しており、地形図の縮尺は約1:180,000であった 27。これらの地図は、中国における洗練された独立した地図作成の伝統を示しており、地形描写の正確さを強調し、行政的および軍事的ニーズに応えていた。
裴秀(224年~271年)は、「中国科学的地図作成の父」として知られている 27。彼は地図作成の6原則を提案し、目盛りのついた縮尺、長方形の格子、距離と標高の正確な測定の使用を強調した 28。彼は「禹貢地域図」と「地形方丈図」の完成を監督した 28。裴秀の原則は、中国における地図作成への体系的かつ科学的なアプローチを表しており、特に格子の使用において、ギリシャの地図作成で見られる数学的厳密さのいくつかと類似している。
禹跡図(禹貢の軌跡の地図、1137年の石刻)は、目盛りのついた縮尺(100里四方の格子)を特徴とし、中国の海岸線と河川系を正確に描写している。中国の地図に見られる格子地図作成格子の現存する最古の例である 27。これは、中国の地図作成における格子システムの長寿と洗練を示しており、正確さを強調している。
古代の地図作成は、実用主義と宇宙論という異なる動機から発展した。エジプトの土地測量、ローマの道路地図、中国の行政地図のような古代の地図は非常に実用的な目的を果たした 18。対照的に、バビロニアのイマゴ・ムンディや、権力の誇示を目的とした可能性のあるサン・ベレクの石板のようなものは、深く象徴的で宇宙論的な目的を持っていた 10。この対比は、「地図」が単一の概念ではなかったことを示している。機能が形式と内容を大きく左右したのである。したがって、初期の地図作成は単に「正確さ」への直線的な進歩ではなく、多様な社会的ニーズと信念を反映した多面的な発展であった。
さらに、初期の形態においてさえ、地図は本質的に権力の行使と結びついていた。それは、領土主張(サン・ベレクの石板) 12、帝国にとって重要な資源管理(トリノ・パピルス) 18、または広大な領土の組織化(ローマおよび中国の行政的地図作成) 17のためであった。この繰り返されるテーマは、地図と権力の間のつながりが現代の現象ではなく、最も初期の複雑な社会にルーツを持つことを示している。地図は、支配者がその領域を理解し、組織し、制御するのに役立った。
注目すべきことに、様式や直接的な文化的文脈は異なるものの、グレコローマンと古代中国の地図作成は、地図作成のための格子の使用や数学的原則のような洗練された概念を独立して発展させた 7。この事実は、空間表現に対する普遍的な人間の衝動を示唆している。これらの発展は、異なる文化圏で生じたにもかかわらず、どちらもより正確で体系的な空間表現を作成することを目的としていた。これは、社会が複雑な行政的および知的ニーズを発展させるにつれて、空間的な問題解決に対する共通の認知的アプローチを強調する、地図作成のための同様の基本的な原則に独立して到達したことを示唆している。
表1:極めて重要な初期の地図とその意義
| 地図の名称/概念 | おおよその年代/時代 | 発祥文化/地域 | 素材/媒体 | 主な地図作成上の特徴/革新 | 主な目的 | 歴史的重要性 |
| チャタル・ヒュユク壁画(地図と見なされる場合) | 紀元前約6200年 | アナトリア | 壁画 | 都市計画、鳥瞰図、火山描写の可能性 | 共同体の空間認識、重要な環境事象の記録 | 初期人類の空間表現の試みと解釈の課題を示す 8 |
| ベドリーナ地図 | 紀元前約1500年 | 北イタリア | 岩刻画 | 家、道、畑、川の幾何学的描写 | 地域社会の描写、土地利用 | 現存する最古の地形図の一つであり、地域社会の空間構成を示す 10 |
| サン・ベレクの石板 | 紀元前約1900年~1640年 | フランス | 石板 | オデ川流域の三次元表現 | 政治的権力と領土範囲の表示 | 世界最古の既知の領域地図であり、地図と権力の初期の関連性を示す 12 |
| イマゴ・ムンディ(バビロニアの世界地図) | 紀元前約6世紀 | メソポタミア | 粘土板 | バビロン中心の円盤状の世界、既知の地理と神話の融合 | 世界観の表現、宇宙論 | 最古の既知の世界地図であり、バビロニアの宇宙観と地理的概念を示す 10 |
| トリノ・パピルス地図 | 紀元前約1150年 | エジプト | パピルス | 地形図、地質図(岩石の種類を色分け)、鉱山と採石場の詳細な描写 | 資源管理、鉱山探検 | 現存する最古の地形的・地質的地図であり、エジプトの実用的地図作成の高度さを示す 18 |
| アナクシマンドロスの地図(概念) | 紀元前約610年~546年 | 古代ギリシャ | (失われた) | エーゲ海中心の円形の世界、海に囲まれた既知の陸地 | 哲学的世界理解、体系的表現 | 世界の体系的・哲学的表現への移行を示す 7 |
| エラトステネスの地図(概念) | 紀元前276年~194年 | 古代ギリシャ | (失われた) | 緯線と経線の導入、地球の球体性の理解 | 科学的地理表現、地球規模の理解 | 座標系の導入により科学的地図作成の基礎を築いた 7 |
| プトレマイオスの「ゲオグラフィア」(データ/再構築) | 紀元約100年~170年 | ローマ領エジプト | (写本/再構築) | 緯度経度座標系、地図投影法、既知世界の包括的記述 | 地理知識の体系化、科学的地図作成の枠組み | 西洋およびイスラムの地図作成に長期間影響を与えた地理知識と地図作成法の集大成 7 |
| タブラ・ペウティンゲリアナ | 4世紀(原作)、12/13世紀(写本) | ローマ帝国 | 羊皮紙巻物 | ローマの道路網、都市、距離、宿泊施設の詳細な描写、旅程図 | 旅行、行政、軍事ロジスティクス | ローマの地図作成の実用性とインフラ管理への焦点を例証する 25 |
| 馬王堆地図 | 紀元前2世紀 | 中国(漢王朝) | 絹 | 地形図、軍用地図、県地図、高度な地図作成技術、縮尺の使用 | 行政、軍事、地形理解 | 中国における高度な独立した地図作成の伝統を示す 27 |
| 裴秀の地図(概念) | 224年~271年 | 中国(晋王朝) | (失われた/記述) | 地図作成の6原則(目盛り、格子、正確な測定) | 科学的地図作成、行政 | 中国における体系的・科学的地図作成アプローチを確立 27 |
II. 中世世界の地図作成:信仰、貿易、航海
A. ヨーロッパのマッパ・ムンディ:キリスト教化された世界の象徴的地理学
中世ヨーロッパの地図(マッパ・ムンディ)は多様で、小さな概略図から大きく精巧な壁掛け地図まであった 29。これらは主に航海のためではなく、原理や知識を図解するために意図されていた 29。
T-O図(Orbis Terrarum)は一般的なタイプで、既知の居住世界(北半球)を円(O)として表現し、T字型の水域(地中海、ナイル川、ドン川)がアジア、ヨーロッパ、アフリカを分割していた 29。アジアはしばしば最大に描かれた。東が通常上部にあり、そこには楽園/エデンの園があると信じられていた 15。エルサレムは、特に第一次十字軍以降、普遍的ではないものの、しばしば中心に置かれた 15。これらの地図は象徴的であり、キリスト教の宇宙観と古典的な学問を伝えていた 15。現存する最古のT-O図は、7世紀後半または8世紀初頭のセビーリャのイシドールスの「事物の本性について」の写本に見られる 31。T-O図は、宗教的信念と継承された古典的知識がヨーロッパの世界観とその地図作成表現をどのように形成したかを鮮やかに示しており、地理的正確さよりも神学的および象徴的表現を優先していた。
帯状地図(マクロビウス図)は、地球を5つの緯度気候帯(2つの寒帯、2つの温帯、1つの熱帯)を持つ球体として図示し、温帯のみが居住可能と考えられていた。既知の世界は北半球の温帯にあった 29。これらの地図は、しばしばマクロビウスの「スキピオの夢注解」を図示しており、中世の学者が地球の球体性を理解していたことを示している。これは一般的な誤解とは対照的である。
複雑なマッパ・ムンディ(例:ヘレフォード図、エブストルフ図)は、大きく詳細な地図であり、しばしば修正されたT-O図式を使用したが、沿岸の詳細、都市、河川、歴史的出来事、聖書の物語、古典神話、異国の動植物や人種に関する情報で満たされていた 23。これらは中世の知識の百科事典として機能した 29。ヘレフォード図(約1300年)は、一枚の動物の皮に描かれた巨大な地図で、エルサレムを中心とし、東を上にして、聖書の場面、古典神話、現代の知識を描写している 23。エブストルフ図(約1235年、破壊された)は、現存する最大の既知のマッパ・ムンディであり、同様にT-O図に基づいてエルサレムを中心とし、宗教的および民族誌的情報が豊富であった 29。これらの複雑な地図は、宗教的、歴史的、神話的、地理的といったあらゆる形態の知識を単一の視覚的枠組みに統合しようとする中世の努力を示しており、神の計画によって秩序づけられた世界を反映している。
B. ポルトラノ海図の隆盛:海の航行
13世紀後半/14世紀初頭から現れたポルトラノ海図は、実用的な航海地図であり、主に地中海と黒海、後に他の地域にも拡大した 3。現存する最古の日付のある海図は、ペトルス・ヴェスコンテによるもの(1311年)である 24。
これらの海図は羊皮紙に描かれ、羅針盤のバラから風向に放射状に伸びる航程線(ラムライン)ネットワークを特徴とし、船乗りが航路を引くために使用された 24。海岸線は非常に正確であったが、内陸の詳細はほとんどなかった 33。船乗りをある場所から別の場所へ安全に導くために作られた 33。その起源は不明確で、既知の直接的な前身はない。船乗りの精神的地図から進化したという説や、メルカトル図法に似た初期の海図から発展したという説がある(ただしこれは議論の余地がある) 34。マヨルカ(カタルーニャ)とイタリア(ジェノヴァ、ヴェネツィア)が主要な生産センターであった 24。カタルーニャ海図、例えばカタルーニャアトラス(1375年、アブラハム・クレスケス作)は、時にはより多くの内陸の詳細と世界地図の特徴を含んでいた 30。ポルトラノ海図は、象徴的なマッパ・ムンディからの大きな分岐を表している。海上貿易と航海の実用的なニーズに動かされ、沿岸表現の正確さと羅針盤の使用を強調し、より経験的で機能的な地図作成への移行を示した。それらはマッパ・ムンディと共存し、異なる目的を果たした。
C. イスラム地図作成の黄金時代:知識の統合と科学の進歩
イスラムの地図作成は8世紀から16世紀にかけて繁栄し、グレコローマン(プトレマイオス)とペルシャの伝統に基づいて構築され、広範な貿易と探検から得られた知識を統合した 21。プトレマイオスの「ゲオグラフィア」は9世紀にアラビア語に翻訳され、地理学の研究を刺激した 21。イスラムの学者はプトレマイオスと批判的に関わり、誤り(例:アル・フワーリズミーとアル・ザルカーリーによる地中海の長さ)を修正し、特にイスラム、アフリカ、極東のような地域に関する彼のデータを改善した 37。彼らは長方形投影法を採用し、プトレマイオスの本初子午線を東に数度移動させた 36。
主要な人物と作品には、アル・フワーリズミー(9世紀)の「キターブ・スーラト・アル=アルド」(地球の姿に関する書)があり、これはプトレマイオスの著作を改訂し、2,402箇所の座標を提供し、大西洋とインド洋を開かれた水域として描写した 37。アル・バルヒー(10世紀)は、イスラム世界に焦点を当てた世界地図と地域地図を作成する「バルヒー派」地図作成を設立し、しばしばメッカとアラビアを強調した簡略化された概略図を使用した 38。アル・ビールーニー(973年~1048年)は、地球の半径と経緯度差を正確に計算した。彼の「マスウード法典」には多くの場所の座標が含まれ、ヨーロッパとアジアの間の海に大陸が存在することを理論化した 37。アル・イドリースィー(1100年~1165年)は、シチリア王ルッジェーロ2世のために「タブラ・ロジェリアナ」(1154年)を作成し、これは前近代で最も正確な世界地図の一つであった 3。それは古典的な知識とアラブの商人や探検家からの情報を組み合わせ、アフリカ、インド洋、極東を網羅した。世界は7つの気候帯(プトレマイオスに基づく)と経度による10の区分に分けられた 35。彼の著作は何世紀にもわたってヨーロッパの地図製作者に影響を与えた。ピーリー・レイース(16世紀初頭)はオスマン帝国の提督で、彼の1513年の世界地図断片は、当時のヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸の一部を驚くべき詳細さで示している 41。それはコロンブスの地図を含む多様な情報源に基づいており、視覚的にはヨーロッパのポルトラノ海図とは異なり、イスラムの細密画の伝統の影響を示し、多くの非イスラム情報源を取り入れた点で珍しかった 42。
革新には、アストロラーベ(航海、計時、キブラの発見に使用)や羅針盤(最初のアラビア語の言及は1282年、13世紀後半にはキブラ指示器として使用)のような計器の開発と改良が含まれた 35。球面三角法と地図投影法も進歩した 38。イスラムの地図作成は、ヨーロッパの地図作成がしばしばより象徴的であった時期に、古典的な地理的知識を保存、批判、進歩させる上で重要な役割を果たした。それは探検と貿易からの経験的データを統合し、より正確で包括的な世界地図をもたらし、航海と地理学における科学的進歩を促進した。
中世ヨーロッパでは、宗教的宇宙観を反映した高度に象徴的なマッパ・ムンディと、海上航行のための非常に実用的なポルトラノ海図が同時に作成された 29。これは、「地図」が多様な機能と対象者に役立ち、一方の形式が他方を即座に取って代わるものではなかったことを示している。この時間的重複と明確な目的は、異なる種類の地図が異なる社会的ニーズを満たしたことを示している。一つは精神的および知的な意味で世界を理解するためのものであり、もう一つは物理的および経済的に世界と相互作用するためのものであった。この二重性は、地図作成の進歩が「正確さ」だけに向かう直線的な見方に挑戦し、代わりに地図作成形式の多様化を示している。
イスラム世界は、古典ギリシャの地理的知識(特にプトレマイオス)を保存し翻訳しただけでなく、広範な貿易と探検からの新しい経験的データでそれを批判的に評価、修正、増補し、科学的地図作成に重要な独自の貢献をした 21。したがって、イスラムの地図作成は、古代の知識の単なる受動的な導管ではなく、革新と統合の活発な中心であり、後のヨーロッパルネサンスにとって極めて重要であった。
ヨーロッパのマッパ・ムンディのキリスト教中心の世界観であれ、その伝統から生まれた地図でしばしば中心に描かれたイスラム世界であれ、中世の地図作成は、作成者の支配的な宗教的、文化的、知的枠組みを強く反映していた 15。これらの地図の「真実」は、地理的な真実であると同時に、しばしば文化的または宗教的な真実でもあった。
表2:中世の地図作成伝統の比較概要
| 地図作成の伝統 | 主な時代 | 主な目的 | 主な特徴 | 影響力のある資料源 | 主な例/人物 | 地理的焦点 |
| ヨーロッパのマッパ・ムンディ(T-O図、帯状図、複雑図) | 7世紀~15世紀頃 | 神学的図解、教育、世界の象徴的表現、知識の百科事典的集成 | しばしば東向き、エルサレム中心(特に後期)、円形または帯状、聖書的・神話的・古典的内容、象徴的表現重視、芸術的様式 | 聖書、古典的著者(例:プリニウス、ソリヌス)、イシドールス・デ・セビーリャ、マクロビウス | イシドールス・デ・セビーリャ、ヘレフォード図、エブストルフ図、プサルターマップ | 既知の居住世界(ヨーロッパ、アジア、アフリカ北部) |
| ポルトラノ海図 | 13世紀後半~16世紀 | 海上航行、貿易、沿岸測位 | 羅針盤のバラと航程線(ラムライン)、非常に正確な海岸線、内陸の詳細は少ない、実用的、羊皮紙に手描き | 船乗りの経験的知識、羅針盤の使用 | ペトルス・ヴェスコンテ、アンジェリーノ・ドゥルチェルト、アブラハム・クレスケス(カタルーニャアトラス) | 地中海、黒海、後に大西洋岸 |
| イスラムの地図作成 | 8世紀~16世紀 | 科学的探求、地理知識の集成と修正、行政、貿易、航海 | プトレマイオスの影響と批判的発展、長方形投影法の使用、メッカ中心またはイスラム世界中心の場合あり、探検からの経験的データ統合、天文学的測定、数学的原理の応用、しばしば南向き(アル・イドリースィー) | プトレマイオス、ペルシャの伝統、ギリシャ科学、探検家の報告、イスラム学者の測定 | アル・フワーリズミー、アル・バルヒー、アル・ビールーニー、アル・イドリースィー(タブラ・ロジェリアナ)、ピーリー・レイース | イスラム世界、アフリカ、インド洋、極東、既知世界全体 |
III. ルネサンスと大航海時代:新世界の地図作成
A. 世界的航海の影響:既知の世界の再描画
大航海時代(15世紀~17世紀)は、ヨーロッパの地図を劇的に変容させた。コロンブス、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼランのような探検家による航海は、新大陸(アメリカ大陸、アフリカの一部、インドへの航路)の「発見」をもたらし、それらを地図に含める必要性を生じさせた 43。当初、新大陸の形状と大きさは推測的で不正確であったが、さらなる探検によってより正確になった 43。この時代は地理的知識の大規模な拡大を見た 3。新世界の発見は、曲面を平面に表現するための新しい地図作成技術の必要性をもたらした 24。この時代は、主に継承され象徴的な世界観から、膨大な新しい地理情報によって強制された経験に基づく地図作成への極めて重要な転換を示している。地図は、これらの新しい領土を理解し主張するための重要な道具となった。
B. 印刷革命と地図の普及
ヨハネス・グーテンベルクによる印刷機の発明(約1440年)は、地図製作に革命をもたらした 3。修道院はもはや製作を独占しなくなった 3。印刷(木版および銅版画)により、地図をより迅速かつ安価に大量に複製できるようになり、より多くの人々が地図を入手しやすくなった 44。1500年代後半には、ヴェネツィアの家の約10%が何らかの地図を所有していた 45。印刷技術により、地図製作者は探検や測量からの最新データを取り込み、正確性のために海図を更新することができた 44。印刷は地理情報へのアクセスを民主化し、新しい発見の迅速な普及を促進し、さらなる探検と知的交流を促進した。また、ある程度地図の外観を標準化した。
C. 画期的な地図製作者と地図帳
マルティン・ベハイム(1492年)は、現存する最古の地球儀を作成した 45。
ヴァルトゼーミュラー図(Universalis Cosmographia、1507年)は、ドイツの地図製作者マルティン・ヴァルトゼーミュラーによって作成された 46。アメリゴ・ヴェスプッチ(新世界を新大陸と認識した)に敬意を表して「アメリカ」という名前を(南アメリカに)初めて使用した地図である 46。アメリカ大陸をアジアから隔てる太平洋を別の水域として持つ西半球を初めて描いた地図でもあった 46。これはバルボアによる太平洋の最初のヨーロッパ人による目撃の数年前であった 46。最近の発見に基づいて地理的知識を更新することを意図した、修正プトレマイオス図法を使用した大きな12枚組の壁掛け地図であった 46。初版のコピーは1つしか現存していない 48。ヴァルトゼーミュラー図は、ヨーロッパの地球地理学の理解における記念碑的な概念的転換を表し、「新世界」の存在を視覚的に成文化し、世界地図を根本的に変えた。
ジェラルドゥス・メルカトル(1512年~1594年)は、1569年にメルカトル図法を用いた画期的な世界地図を出版した 39。メルカトル図法により、航海士は一定のコンパス方位(航程線)の航路を地図上で直線としてプロットすることができた 44。これは大洋航海にとって非常に貴重であった。その特性は、子午線が等間隔の平行な垂直線であり、緯度の平行線が赤道からの距離が増すにつれて間隔が広がる平行な水平線であることである 50。しかし、高緯度の大陸塊の大きさと形状を著しく歪め、グリーンランドのような地域を実際よりもはるかに大きく見せるという欠点があった 43。メルカトル図法は航海に革命をもたらし、何世紀にもわたって航海図の標準となった。しかし、その固有の歪みは、国の相対的な大きさと重要性に関する地政学的な誤解にもつながった。
アブラハム・オルテリウス(1527年~1598年)は、1570年に「Theatrum Orbis Terrarum」(世界の劇場)を出版し、最初の真の近代的地図帳と見なされている 45。それは、本文を伴う統一された地図シートのコレクションであり、本として製本され、そのために銅版が特別に彫られた 51。Theatrumは16世紀の地図作成を要約し、現在は希少または失われた情報源を利用していた。オルテリウスは、情報源となった地図製作者をリストアップした「Catalogus Auctorum」を独自に含んでいた 52。それは非常に成功し、頻繁に改訂・拡張され(1570年の70図から1612年の167図へ)、その正確さで賞賛された 52。オルテリウスの地図帳は地図帳の形式を標準化し、包括的な地理的知識を体系的かつ一貫した形でアクセス可能にし、地理情報がどのように整理され消費されるかに深く影響を与えた。
ディエップ派の地図製作者(1540年代~1560年代)は、裕福なパトロン(例:フランスのアンリ2世、イギリスのヘンリー8世)のために、手作りの大きな世界地図や地図帳を作成した 54。著名な人物には、ピエール・デセリエ、ジャン・ロッツ、ギヨーム・ル・テストゥなどがいる。彼らの作品は、ポルトラノ様式(羅針盤のバラ、航程線)と装飾的要素、神話的言及、最新の発見に関する情報(例:カナダにおけるフランスの植民地化、ペルーにおけるスペインの征服、ポルトガルの貿易)を、架空の特徴(例:ジャワ・ラ・グランド、大きな南の大陸)とともに融合させていた 54。彼らは経度の知識を示さず、メルカトルの投影法よりも先行していた 54。ディエップの地図は、実用的な航海要素と芸術的な装飾、推測的な地理学を組み合わせた過渡期を表しており、大航海時代の興奮と不確実性を反映している。それらは情報ツールであると同時に高級品でもあった。
バッティスタ・アグネーゼ(16世紀)は、少なくとも71冊の海図の写本アトラスを作成した 45。
この時代の探検と地図作成の共生関係は注目に値する。新しい発見は新しい地図の必要性を促進し、地図作成の進歩(メルカトルの投影法など)と地図の入手可能性(印刷による)は、さらなる探検を可能にし奨励した 43。これは、探検が地図のデータを提供し、より良い地図がより効果的な探検を促進するというフィードバックループを生み出した。したがって、大航海時代と「地図作成の黄金時代」は単に同時期であっただけでなく、深く絡み合い、相互に強化し合っていた。
さらに、地図は「認知的征服」と新たな地球意識の道具となった。ヴァルトゼーミュラーの地図における「アメリカ」のような命名行為や、ヨーロッパの地図に新しい土地を描写することは、それらをヨーロッパの世界観に組み込む強力な行為であり、しばしば物理的な征服と植民地化の先駆けまたは正当化となった 45。この時代は、真に地球規模の、ただしヨーロッパ中心の地図作成ビジョンの誕生を見た。メルカトルのような世界地図やオルテリウスのような地図帳の作成は、ヨーロッパ人に知られている地球全体の包括的な視点を提供することを目的とし、地球意識を育んだ。このように、しばしばヨーロッパの視点から地図上に世界を認知的に組み込むことは、地球規模の権力関係と植民地拡大のための知的枠組みを築いた。地図は世界を「知り」、それゆえに「所有する」方法となった。
最後に、メルカトルやオルテリウスのような人物が著名になり、彼らの作品が商業的に成功したことは、「地図製作者」が熟練した専門家として、また地図が価値ある商品としての地位を高めていることを示している 44。これは、主に修道院や王室の写字室で作られていた地図から、急成長する商業市場へと移行し、地図製作者が個人的な評価と経済的成功を得るようになったことを示している。
表3:主要な地図作成の革新と人物(ルネサンスから18世紀)
| 革新/概念 | 主要人物 | おおよその年代/時代 | 主要な成果物/例 | 地図作成への影響 |
| 地図の印刷 | (グーテンベルクによる間接的影響) | 15世紀後半 | 地図の大量普及、知識の拡散 44 | |
| 地球儀製作 | マルティン・ベハイム | 1492年 | ベハイムの地球儀 | 地球の三次元的理解の視覚化 45 |
| 「アメリカ」の命名と新世界の描写 | マルティン・ヴァルトゼーミュラー | 1507年 | ヴァルトゼーミュラーの1507年世界地図 | アメリカ大陸の命名、西半球と太平洋の独立した描写、世界観の変革 46 |
| メルカトル図法 | ジェラルドゥス・メルカトル | 1569年 | メルカトルの1569年世界地図 | 航海術の革命(航程線を直線で表示)、ただし高緯度での面積歪み 44 |
| 近代的地図帳の概念 | アブラハム・オルテリウス | 1570年 | Theatrum Orbis Terrarum | 標準化された地理的概観、地図帳形式の確立、知識の体系化 51 |
| ディエップ派の地図 | ピエール・デセリエ、ジャン・ロッツ他 | 1540年代~1560年代 | ディエップ諸地図 | 芸術性と新発見の融合、ポルトラノ様式と装飾の組み合わせ、パトロン向けの豪華な地図 54 |
| 体系的三斜測量 | ヴィレブロルト・スネル、ジャン・ピカール | 17世紀 | スネルの測量、ピカールのパリ子午線測量 | 測地学的精度の飛躍的向上、国土の正確な地図作成を可能に 56 |
| 国土調査 | カッシーニ家(特にセザール=フランソワ) | 17世紀後半~18世紀 | カッシーニのフランス地図 | 国家規模での初の体系的科学的測量、国土管理と計画の基礎 59 |
| 海洋クロノメーター | ジョン・ハリソン | 18世紀半ば | ハリソンのH4クロノメーター | 海上での経度問題の解決、航海図と世界地図の精度向上 62 |
IV. 科学革命と啓蒙主義:精度の追求(17~18世紀)
A. 測量技術の進歩:三辺測量と精度
三辺測量は、広大な地域を正確に地図化することを可能にする測量方法であり、オランダの数学者であり測量士でもあったヴィレブロルト・スネルによって1615年に初めて導入された 56。ジェンマ・フリシウスは16世紀初頭にそのアイデアを概説しており、ヤコブ・ファン・デヴェンテルはそれを体系的に使用した最初の一人であった 58。スネルは、アルクマールからベルヘン・オプ・ゾームまでの距離(約110km)を33個の三角形を含む四辺形の連鎖を用いて測量した 58。ジャン・ピカールは、1669年から1670年にかけて、パリ子午線に沿った緯度1度を三辺測量で測量し、これは地球の大きさを決定する上で極めて重要であった 58。三辺測量は、基線を設定し、遠方の点への角度を測定して三角形のネットワークを作成することを含む。これにより、距離と位置を正確に計算することができる 57。補助基線と「ラプラス点」での天文観測は、誤差を制御するのに役立った 57。この技術は測地測量に革命をもたらし、より正確な国家地図と地球の形状のより良い理解につながった 56。望遠鏡(緯度/経度のための天文観測を改善)、六分儀、四分儀、バーニヤスケールのような計器の開発と改良は、測量測定の精度を高めた 45。科学的原理としての三辺測量の適用とより精密な計器の使用は、より体系的でない観測への依存から離れ、近代的で科学に基づいた地図作成への根本的な転換を示した。
B. 国家調査:カッシーニのフランス地図
カッシーニ家は、4世代にわたり、三辺測量を用いたフランス初の国家的かつ体系的な調査を実施した 59。このプロジェクトは、ルイ14世の下でジョヴァンニ・ドメニコ・カッシーニ(カッシーニ1世)によって開始され、主にセザール=フランソワ・カッシーニ・ド・チュリー(カッシーニ3世)によって実行され、息子のジャン=ドミニク・カッシーニ(カッシーニ4世)によって完成された 59。「カッシーニ図」または「フランス図」は、縮尺1:86,400で作成され、180枚のシートで構成されていた 59。パリ地域は1678年までに地図化され、完全な調査は1733年に再開され、地図シリーズは1744年/1756年から出版が開始され、1793年/1815年まで続いた 59。それは当時としては記念碑的な偉業であり、国全体に対して前例のないレベルの詳細さと平面的な正確さを提供した 60。この地図は後に革命家によってフランスの行政区画を83の県に再定義するために使用された 59。カッシーニ図は画期的な成果であり、国家的地図作成のための体系的かつ科学的な測量の力を実証した。それは正確さと詳細さの新しい基準を設定し、他の国家的地図作成努力に影響を与え、行政と計画のための不可欠な道具となった。
C. 経度問題の解決:ハリソンのクロノメーター
海上での経度を正確に決定することは、何世紀にもわたる主要な科学的課題であった。緯度(天体から決定可能)とは異なり、経度は正確な計時を必要とする 62。地球は24時間で360度回転するため、時間の1時間の差は経度15度に相当する 63。経度を決定できないことは、航行上の誤り、難破、経済的損失につながった 62。
イギリスの時計職人ジョン・ハリソン(1693年~1776年)は、船の動きや温度・湿度の変化にもかかわらず、海上で正確な時間を保つことができる一連の海洋クロノメーター(H1からH4)を開発した 62。彼のH4(1759年)は特に成功した。ハリソンのクロノメーターにより、船員は現地の正午(太陽によって決定される)を既知の基準点(例:グリニッジ)の時間と比較することができ、経度を正確に計算することが可能になった 62。これにより海上航行に革命が起こり、航海がより安全かつ効率的になった 62。それは海洋航路のより正確な地図作成と科学としての地図作成の進歩につながった 62。1815年までに、約5,000個の海洋クロノメーターが使用されていた 63。ジョヴァンニ・ドメニコ・カッシーニは以前、木星の衛星を観測することによって経度を決定する方法を完成させていたが、これは陸上での方が実用的であった 58。経度問題の解決は、海事史と地図作成における極めて重要な瞬間であった。それは航海図と世界地図の精度を劇的に向上させ、より安全で予測可能な世界貿易と探検を促進した。
17世紀と18世紀には、国家(例:ルイ14世以降のフランス)が大規模な科学的地図作成プロジェクト(カッシーニ調査など)の主要な後援者および創始者となったことが注目される 59。これは、改善された行政、資源管理、軍事準備、国家の威信の必要性によって推進された。これは、国家が正確な地図の戦略的および経済的価値を認識し、その作成に多額の投資を行い、地図作成が国家権力と政策の手段となるという転換を示している。
この時期の地図作成の進歩は孤立したものではなく、数学(三角法)、天文学(緯度/経度のため)、物理学(望遠鏡の光学)、時計学(クロノメーター)の進歩の相互作用から生じた 56。これは、地図作成がますます学際的な科学的努力となり、より広範な科学革命と啓蒙主義から恩恵を受け、それに貢献していることを示している。
カッシーニのフランス地図のようなプロジェクトは、一貫した方法論と高度な精度で国全体を体系的に地図化するという点で、新たなレベルの野心を表しており、現代の国家地図作成機関の基礎を築いた 59。この体系的で包括的な国家地図作成へのアプローチは、19世紀の陸地測量部のような組織の仕事の先駆けであった。
V. 19世紀:工業化、ナショナリズム、そして新しい地図作成形式
A. 主題図作成:データと社会現象の視覚化
19世紀初頭から半ばにかけては、主題図作成の「黄金時代」と見なされており、国勢調査などの大量の統計データが利用可能になるにつれて、現在の多くの技法が発明または開発された 66。主題図は、一般的な地形だけでなく、特定の主題やテーマ(例:人口密度、病気の発生、貿易の流れ、地質)の空間分布を示すことに焦点を当てている 66。
初期の例としては、ヨドクス・ホンディウス(1607年)による、記号を用いて主要宗教の分布を示した初期の主題図がある(19世紀以前だが、初期の先駆者である) 66。シャルル・デュパン(1826年)は、既知の最古のコロプレス図(統計的変動を表すために所定の領域に陰影やパターンを使用する)を作成した 66。ヘンリー・ドゥルーリー・ハーネス(1837年)は、アイルランドの鉄道に関する報告書のために影響力のある地図を作成し、これには初期の等値線図(色分けされた領域)、流線図、そしておそらく最初の比例記号図とダシメトリック図が含まれていた 66。ジョン・スノー(1854年)のロンドンのコレラ死亡者に関する有名な地図は、発生源(ブロードストリートの汚染された給水ポンプ)を特定するために点分布を使用し、公衆衛生における主題図の分析力を実証した 66。彼の方法論はGISの原理を先取りしていた 66。シャルル・ジョセフ・ミナール(1850年代~1860年代)は、主題図作成と情報視覚化の達人であった。彼の1869年のナポレオンのロシア戦役の地図は、地理的な動きと統計データ(軍隊の規模、気温)を効果的に組み合わせた流線図の有名な例である 66。主題図の種類には、コロプレス図、等値線図、等値線図(等高線)、等値線図(領域クラス)、点分布図、流線図、比例記号図、カルトグラム、ダシメトリック図がある 66。主題図作成の隆盛は、地理的記述と航海を超えた地図の機能における大きな拡大を示した。地図は、複雑な統計的、社会的、科学的情報を分析し伝達するための強力なツールとなり、政策と国民の理解に影響を与えた。
B. 国家地図作成機関:地図作成の体系化
19世紀には、それぞれの国の体系的で大規模な測量と地図製作を担当する国家地図作成機関が設立され、拡大した。
イギリス陸地測量部(Ordnance Survey)は、1791年に正式に設立され、その起源は1745年のジャコバイト蜂起後のスコットランド高地の軍事測量にある 69。ウィリアム・ロイが主要な創設者であった 69。当初は軍事的ニーズに焦点を当てていたが、その範囲は19世紀を通じてイギリス全土の詳細で統一された地図を作成するために拡大した 69。最初の1インチ対1マイルの地図は1801年に出版された(ケント) 70。イギリスの主要三角測量(1783年~1853年)を実施した 70。様々な縮尺の地図(例:6インチ対1マイル、1:2500)を作成した 70。アイルランドの6インチ測量は1846年に完了した 70。1841年からは公的境界アーカイブを担当した 71。体系的な地名収集(「ネームブック」)を利用した 70。安価な地図製作のために写真亜鉛版印刷を採用した 70。陸地測量部は、行政、インフラ開発、資源管理、軍事目的に不可欠な、非常に正確で詳細な地図を作成する、国家主導の体系的な国家地図作成の傾向を例示している。それは国家地図作成の基準を設定した。
アメリカ地質調査所(USGS)は、1879年に設立され、アメリカ合衆国の主要な民間地図作成機関となった 72。その2番目の所長であるジョン・ウェズリー・パウエルは、地形図作成の強力な支持者であった 72。「アメリカ地形図作成の父」と見なされるヘンリー・ガネットは、多くのUSGS地図作成方法と基準を開発した 72。地形の標高と形状を示す等高線、ならびに自然および人工の地物を特徴とする地形図を作成した 73。アメリカ合衆国の完全で大規模な地形図被覆を目指した 74。USGSは、広大で多様なアメリカの風景を地図化し、西漸、資源評価、国家地理の科学的理解を支援する上で不可欠な役割を果たした。
フランス国立地理院(IGN)は、1887年に設立された陸軍地理局(SGA)の後継として1940年に正式に設立されたが、フランス国家はカッシーニ調査以来、国家地図作成に関与してきた 75。SGAは19世紀後半から20世紀初頭にかけて、体系的な国家地図作成の遺産を引き継いだ。フランスにおける国家後援の地図作成の継続性は、国家地図作成事業に長年にわたって置かれてきた重要性を浮き彫りにしている。
C. リソグラフィーと地図の大量生産
1796年にアロイス・ゼネフェルダーによって発明されたリソグラフィーは、元々石灰岩を使用して、油と水の不混和性に基づいた平版印刷法である 78。特に1852年頃以降の商業用地図において、彫刻よりも迅速かつ安価なプロセスを提供することで、地図印刷に革命をもたらした 78。これにより、入手可能性が高まり、価格が低下した 78。クロモリソグラフィー(各色に別々の石版を使用する多色印刷)は、1837年にゴドフロイ・エンゲルマンによって開発された 78。転写プロセス、ジンコグラフィー(亜鉛版を使用し、輪転蒸気印刷機に適応可能)、セログラフィー(ワックス彫刻、1870年代からアメリカで人気)のような技術的進歩は、地図製作をさらに加速させた 79。フォトリソグラフィーとオフセット印刷も大量生産に貢献した 79。商業用リソグラフィー地図は、より精巧な彫刻作品と比較して「魅力的ではないが、十分に正確」であることが多かったが 78、このプロセスは、鉄道地図作成を含む様々な目的のための地図の増大する需要を満たす上で極めて重要であった 79。リソグラフィーは、初期の印刷よりもさらに地図へのアクセスを民主化し、地図をより手頃な価格で広く普及させた。これは、産業開発、教育、地理情報への国民の関与を支援した。
19世紀には、地図は工業化、都市化、ナショナリズムの複雑さに取り組むために進化した。主題図は社会問題(コレラ、人口)の分析に役立ち、国家調査はインフラ(鉄道)、資源管理、国家領土の定義に必要な詳細なデータを提供した 66。したがって、19世紀の地図作成は、物理的な空間だけでなく、近代化する世界の社会的、経済的、政治的風景を航行するための重要な手段となった。
リソグラフィーやその他の新しい印刷技術により、地図はかつてないほど安価でアクセスしやすくなり、地理的リテラシーが広まった 78。しかし、この大量生産は、少なくとも商業分野では、初期のより手間のかかる彫刻のような方法と比較して、商業用地図の美的または知覚される品質の低下につながることがあった 78。この広範な入手可能性と職人的品質の間の緊張は、新しい生産技術が確立された工芸品を混乱させるときに繰り返されるテーマである。
政府や機関による統計データ収集(例:国勢調査)の急増は、主題図作成の発展を直接促進し、地図を定量的情報を視覚化し解釈するための分析ツールへと変貌させた 66。この「データ駆動型」アプローチは、GISのような後の開発のための概念的基礎を築いた。
表4:19世紀および20世紀の地図作成における変革的技術
| 技術/概念 | 開発/導入時期 | 主要人物/団体(該当する場合) | 革命的影響 |
| リソグラフィー | 19世紀初頭~半ば | アロイス・ゼネフェルダー | 地図の大量生産、低コスト化、普及促進 78 |
| 主題図作成(概念として) | 19世紀初頭~半ば | シャルル・デュパン、ジョン・スノー、シャルル・ジョセフ・ミナール | 統計データ・社会現象の視覚化、分析ツールの登場 66 |
| 国家地図作成機関 | 19世紀 | 陸地測量部(英)、USGS(米) | 国土の体系的・高精度マッピング、行政・開発の基盤 69 |
| 世界地図(IMW) | 20世紀初頭 | アルブレヒト・ペンク | 地球規模の標準化の試み、国際協力の先駆け 80 |
| 航空写真/写真測量 | 20世紀初頭~半ば | ライト兄弟、USGS | 地形図作成の迅速化・詳細化、広範囲のデータ収集 82 |
| 衛星画像(ランドサット、SPOT) | 20世紀半ば~後半 | NASA/USGS、CNES(SPOT) | 地球規模の反復的観測、環境監視、資源管理 85 |
| GIS(地理情報システム) | 20世紀後半 | ロジャー・トムリンソン、Esri | 空間分析能力の飛躍的向上、多様な分野での応用 68 |
| GPS(全地球測位システム) | 20世紀後半 | アメリカ軍 | 精密な地球規模測位、ナビゲーションと測量の革命 90 |
| ウェブマッピング(OpenStreetMap、Google Maps) | 20世紀末~21世紀初頭 | スティーブ・コースト(OSM)、Google | 地図の民主化、双方向性、リアルタイム情報提供 92 |
VI. 20世紀以降:航空写真からデジタル世界へ
A. 初期の国際的取り組み:国際100万分の1地形図(IMW)
1891年にアルブレヒト・ペンクによって提案されたIMW(または「100万分の1図」)は、国際的に合意された基準、記号、投影法(多円錐図法)を用いて、縮尺1:1,000,000の完全な世界地図を作成することを目的としていた 80。その目標は、地球物理学的データと人文地理学的データの両方を含む、統一された科学的に作成された地図シリーズを提供し、国際協力を促進することであった(道路は赤、町/鉄道は黒、ローマ字ラベル) 80。プロジェクトは、基準(例:グリニッジ子午線、メートルの使用)に関する合意の後、1913年に正式に開始された 80。地図索引システム(経度6度×緯度4度のシート)が開発され、現在も影響力を持っている 80。中央局はロンドンに置かれた。1939年までに計画された約1000枚の陸地シートのうち350枚が完成し、1953年(国連の監督下)までには約400枚が完成した。しかし、シートは時代遅れになり、被覆範囲は不完全であり(特に海洋と当初の北米)、1960年代には実用的でないと批判された(アーサー・H・ロビンソンによる「地図作成の壁紙」) 80。ユネスコは1989年に監視を中止した 80。IMWは、地球規模の地図作成の標準化と協力における野心的な初期の試みであった。完全には実現しなかったものの、地図作成における国際協力の重要な先例を確立し、永続的な索引システムを作成した。その苦闘はまた、高度な技術以前のそのような地球規模プロジェクトの計り知れない課題を浮き彫りにした。
B. 航空写真の視点:写真測量の影響
写真測量とは、写真、特に航空写真から信頼できる測定値を取得し、地図を作成する科学である 84。航空写真は、1858年にガスパール=フェリックス・トゥルナションが気球から撮影したのが始まりである 83。ライト兄弟の飛行は新たな可能性を開いた 83。第一次世界大戦は、航空偵察と写真測量技術を著しく進歩させた 83。
写真測量は、航空写真から詳細な情報を抽出することで地形図作成に革命をもたらし、手間のかかる地上測量を削減した 84。USGSは主導的な役割を果たし、1904年からアラスカでパノラマカメラを使用した(C.W. & F.E.ライト、J.W.バグリー) 84。彼らは1920年に航空測量に3眼カメラを使用し、1921年に写真地図作成部門を設立した 84。航空写真の地図作成への最初の本格的な試験は、1930年代にUSGSがテネシー川流域開発公社を支援したことであった 73。重複する画像を撮影する複数のレンズを備えた航空測量カメラと地上測量を組み合わせることで、正確な地形図の作成が可能になった 74。写真ペアの立体視は、地図製作者のための3Dモデルを作成する 74。航空写真は、特定の時点での物理的および文化的景観を直接的に描写する 82。航空写真と写真測量は、地理データを取得するための全く新しい、効率的で包括的な方法を提供し、より正確で詳細な、迅速に作成される地図、特に地形図につながった。それは地図作成のワークフローを根本的に変えた。
C. 宇宙時代:衛星画像(例:ランドサット、SPOT)
最初の衛星画像は、1960年にNASAのTIROS-1気象衛星から得られた 86。NASA/USGSのランドサット計画は、1972年に打ち上げられたERTS-1(後のランドサット1)から始まり、地球の陸地の最長の連続的な宇宙ベースの記録を提供している 85。太陽同期の近極軌道用に設計され、地球全体を(約18日ごとに)完全にカバーする 87。ランドサットデータ(多波長スキャナ – MSS)は、森林伐採、都市化、農業の健全性などの変化を追跡し、資源と環境に関する情報に基づいた意思決定に不可欠である 40。天然資源衛星画像の「ゴールドスタンダード」と見なされており、データは2008年に無料で公開された 85。
フランスの衛星計画であるSPOT(Satellite Pour l’Observation de la Terre)は、1986年にSPOT 1が打ち上げられ、プッシュブルームスキャナ(高速画像処理のための線形アレイセンサ)を使用して10m解像度のパンクロマティック画像を提供した 86。合成開口レーダー(SAR)は、1978年のSeasatミッションで展開され、マイクロ波を使用して光や天候条件に関係なく(例:夜間、雲量)画像化を可能にした 86。衛星画像は、地球表面の地球規模の、反復的で多波長的な視点を提供することで地図作成に革命をもたらした。それは、大規模な環境監視、資源管理、前例のない頻度での地図の更新、新しい種類の主題図作成(例:土地被覆分類)を可能にした。衛星リモートセンシングは、真に地球規模で動的な視点を提供し、地図作成を静的な表現から地球システムを継続的に監視し理解するためのツールへと変貌させた。
D. デジタル革命:GIS、GPS、ウェブマッピング
地理情報システム(GIS)は、地球表面の位置に関連するデータを取得、保存、チェック、統合、操作、分析、表示するためのシステムである 68。地理的特徴と表形式の属性データを組み合わせる 89。その概念的ルーツは19世紀の空間分析(例:ジョン・スノーのコレラ地図)にある 68。最初のコンピュータ化されたGISであるカナダ地理情報システム(CGIS)は、天然資源目録のために1963年にロジャー・トムリンソン(「GISの父」)によって開発された 68。Esri(環境システム研究所として設立)は初期のパイオニアであり、1980年代初頭に商用GISソフトウェアであるARC/INFOをリリースした 68。ArcView(Windowsベース)はGISの普及に貢献した 89。GISは、地図作成を純粋な表現タスクから強力な分析タスクへと変貌させた。それは、都市計画、環境管理、緊急対応、ビジネスなど多様な分野で複雑な空間クエリ、モデリング、意思決定支援を可能にする 68。
全地球測位システム(GPS)は、位置と時間情報を提供する米国所有の衛星ベースの無線航法システムである 90。その起源はスプートニクの追跡(ドップラー効果)と1960年代の海軍の実験にある 91。最初のNAVSTAR衛星は1978年に打ち上げられ、24衛星システムは1993年に完全に運用可能になった 90。当初は軍事用であったが、民間利用に開放された(2000年から完全な精度) 90。GPSは、個人、車両、航空機の航法に革命をもたらした。測量やGISデータ収集における正確な現地調査に不可欠である。無数のデバイスやアプリケーションに統合され、日常生活や様々な産業に深く影響を与えている 3。
ウェブマッピングは、主にウェブGISを通じて、ワールドワイドウェブ上で地図を使用、作成、配布することである 94。初期の例には、Xerox PARC Map Viewer(1993年)、Mapquest(1996年)、UMN MapServer(1997年)、Terraserver USA(1998年)がある 94。主要なマイルストーンは、2004年にスティーブ・コーストによって設立されたオープンソースの共同世界地図プロジェクトであるOpenStreetMap(OSM)である 92。Google Mapsは2005年に開始され、タイル状のラスターマップと簡単な統合を普及させた 92。Google Earth(2005年)は3D仮想地球体験を提供した 94。ウェブマッピングは、地図のアクセシビリティとインタラクティブ性を劇的に向上させた。リアルタイムの情報配信(交通、天気)、パーソナライズ、共同マッピング、他の情報へのハイパーリンクを可能にした 94。OSMは、近年、企業の関与が著しい、無料で編集可能な世界地図を提供している 92。
GIS、GPS、ウェブマッピングは、総称してパラダイムシフトを表しており、洗練された地図作成と空間分析ツールを広くアクセス可能にし、地理情報を日常生活と専門的なワークフローに深く統合している。これにより、地図の使用と作成が前例のない範囲で民主化された。20世紀の技術は、地球をより包括的、詳細、かつ頻繁に更新された視点から徐々に見ることを可能にした。航空写真は地域的な視点を提供し、衛星は地球規模の被覆を提供し、GIS/GPS/ウェブマッピングは複数の縮尺での動的な相互作用と分析を可能にした。この進歩は、情報のアクセシビリティの点で地球を効果的に縮小し、我々の観測能力を拡大する、絶え間ない能力の増大を示している。
国家機関が大規模な地図作成を続ける一方で、新しい技術(特にGIS、GPS、ウェブマッピング)は、より広範なユーザーや組織が専門的な目的のために地図を作成、分析、配布することを可能にし、地図の種類と用途の急増につながった 89。これは、国家地図作成機関の従来の領域を超えて、個人のナビゲーションからコミュニティ計画、専門的な研究まで、ニッチなアプリケーションのための地図の爆発的な増加をもたらした。
IMWのようなプロジェクトは国際的に合意された地図作成基準を目指していたが 80、後のデジタル革命では、特定の商用(例:Google Maps)およびコミュニティ主導(例:OpenStreetMap)プラットフォームが、正式な国際協定ではなく、使いやすさとアクセシビリティによって推進され、多くのユーザーにとって事実上の標準となった 92。これは、デジタル時代においては、市場の力とコミュニティの協力が、特定の技術分野で公式基準が依然として重要な役割を果たしているものの、広く採用される「標準」を確立する上で、時には正式な政府間プロセスよりも影響力を持つ可能性があることを示唆している。
VII. 地図の権力と政治:批判的視点
A. 権力、プロパガンダ、統制の手段としての地図
地図は歴史的に、支配を主張し、国境を戦略的に定義し、政治的メッセージを伝えるための権力の道具として使用されてきた 6。それらは中立的な表現ではなく、政治的、社会的、または文化的アジェンダを推進するために操作される可能性がある 6。
プロパガンダ地図の例としては、第一次世界大戦と第二次世界大戦中に、恐怖を植え付け、敵を誇張された形で描写するためにデザインされた地図(例:ドイツ/プロイセンを表すタコ 97、チャーチルをタコとして描いたもの 97)がある。また、事実と数字を用いて支持を動員する地図(例:米海軍の「我々は世界戦争を戦う」は、レンドリース輸出と補給線を示した 98)や、ジョン・ファルターの「そこが撃つべき場所だ!」のような動員ポスターも作成された 98。ルネサンス期のイタリアでは、都市国家が軍事的および戦略的目的、要塞や運河の計画のために地図を使用した 97。1527年には、イギリスの攻城戦の勝利を描いた地図が、フランス大使のために特別に建てられたグリニッジのパビリオンの壁を飾った 97。エリザベス1世の国家地図帳は統一を主張し 97、フラ・マウロの世界地図(1450年)はポルトガルの発見を示し、後に東インド会社によって帝国の継承を暗示するために模写された 97。ディエゴ・グティエレスの1562年の「アメリカ大陸」地図は、スペイン帝国の権力を称賛した 97。メルカトル図法は、北部の陸塊(ヨーロッパ、北アメリカ)のサイズを誇張することにより、歴史的にヨーロッパ中心の世界観と認識された優位性を強化した 6。地図は、軍事的優位性や課税と統制のための知識を提供することによって権力を付与することができる 23。プロパガンダと権力の潜在的な道具としての地図を認識することは、批判的な地図リテラシーにとって極めて重要である。それは、地図デザインの選択(投影法、象徴、何が含まれ/除外されるか)がしばしば中立ではなく、特定の議題に役立つことを浮き彫りにする。
B. 地図作成と植民地主義:領土の定義と分割
地図は、統治、監視、資源採掘、領土征服の正当化のための帝国の不可欠な道具であった 97。植民地地図は、しばしば先住民の存在と人間性を否定または消去することによって、地理空間を帝国の目にとって馴染み深く制御可能に見えるように変容させた 101。領土に西洋キリスト教の名前を付けることは、それらを西洋のシステムと互換性があり、したがって征服可能で制御可能であるとして確立するのに役立った 103。例えば、イギリスの植民者は、ポウハタンインディアンがツェナコモコと呼んだ地域をバージニアと改名した 103。朝鮮における日本の地籍調査は、朝鮮の耕作者からの土地収奪と日本の手への集中につながった 100。地図は植民地世界の組織化と格付けに役立った(例:エドワード・クインの1830年の地図帳は、「文明」レベルを描写するために色を使用した 97)。パレスチナのイギリス植民地当局は、地元の土地利用慣行を置き換えるために財産地図作成体制を強制し、農民から植民地機関へと権力を移行させた 103。アフリカ内陸部を「空っぽ」として示す西洋の地図(ヨーロッパの知識の欠如による)は、これらの土地を主張する帝国の野心を煽った 23。先住民コミュニティなどは、植民地的物語に挑戦し、土地の権利を主張し、独自の空間的理解を表現するためにカウンターマップを作成している 102。この分析は、地図作成が植民地主義において果たした深く、しばしば破壊的な役割を明らかにしており、そこでは地図は単なる領土の記録ではなく、その収奪と征服における積極的な主体であった。この遺産を理解することは、ポストコロニアル研究と現代の土地権利問題にとって不可欠である。
C. 地図の脱構築:J.B.ハーレイと批判的地図作成
批判的地図作成は、批判理論、具体的には地図が権力関係を反映し永続させ、通常は社会の支配的集団に有利に働くというテーゼに基づいた、一連の地図作成の実践と分析方法である 103。それは、客観的で中立的な現実の反映としての地図の伝統的な見方に反対する 103。J.B.ハーレイ(1932年~1991年)は、批判的地図作成の発展における重要人物であった 105。彼は、地図は歴史的および社会的文脈の中で理解されなければならない社会文書であると主張した 103。
ハーレイの核となる考えには、地図は価値中立ではないこと、「科学的」地図でさえ、幾何学と理性だけでなく、社会規範と価値観の産物であること 103、すべての地図知識には権力が内在し、地図作成は土地に権力を刻み込むこと 103、地図は比喩的および修辞的性質を持つ「テキスト」であり、特定の世界観を説得し正常化するのに役立つこと 105、そして課題は地図作成を構造化する社会的勢力を探し、すべての地図知識における権力の存在とその影響を特定することである、というものがある 105。彼はフーコー(権力/知識)とデリダ(脱構築)を利用した 105。地図作成における検閲は、防衛上の利益のために情報(軍事基地の省略など)を検閲したり、社会的/政治的価値観を強制したりすることができる 103。批判的地図製作者は、Googleマップのような現代のシステムが占領地をどのように表現しているか(時には関連する国名が省略される)を検証する 103。ハーレイの著作と批判的地図作成は、地図の研究方法を根本的に変え、学者や利用者に地図の表面を超えてその「隠された議題」を明らかにし、社会的および政治的現実を構築する上での積極的な主体としての役割を理解するよう促した。
地図が示すものだけでなく、示さないもの(省略、消去、検閲)も、それと同じくらい強力で政治的に重要であり得る 6。この「沈黙」は、しばしば代替的な視点や不都合な真実を疎外したり見えなくしたりすることによって、支配的集団の利益に役立つ。メルカトル図法や北向きの向きのような地図作成の慣習は、一度確立されると何世紀にもわたって存続し、元の技術的正当性が取って代わられたり、偏見が認識されたりした後も長く地球規模の認識を形成し続ける可能性がある 6。これらの慣習の永続性は、これらの世界の視覚的表現が集合意識にいかに深く根付いているか、そしてそれらが地政学的認識に微妙に影響を与え続けているかを示している。特に先住民や疎外された集団によるカウンターマッピングの台頭は、伝統的な、しばしば植民地的な地図作成の覇権的権力に対する直接的な挑戦を表している 6。それは、以前は支配的な権力によってその地図作成を通じて定義され制御されていた空間における、代替的な空間知識、歴史、領土権を再主張する試みである。
VIII. 文化遺産としての地図:世界観と価値観の反映
A. 文化と時代を超えた地図作成における象徴性
地図は象徴性に富み、単なる地理的表現を超えた意味を伝える。これらの象徴は、それらが作られた時代の文化的価値観、信念、芸術的慣習を反映している 108。古代の地図製作者は、即座の認識、普遍的な理解(文化的文脈内)、文化的関連性に基づいて象徴を使用した(例:都市の円、水の波線) 112。
宗教的象徴性においては、中世ヨーロッパのマッパ・ムンディはしばしばエルサレムを中心に置き、十字架を使用し、聖書の場面を描写し、キリスト教の宇宙観を反映していた 30。イスラムの地図は幾何学模様、天文学的マーカーを取り入れ、時にはメッカを向いていた 112。イスラム文化の星図には、神話的および宗教的価値観を表す星座の図があった 113。仏教の地図は、寺院を様式化された塔として示したり、仏教の宇宙観を反映したりすることがあった 112。
政治的象徴性では、王室の地図製作者は、紋章、ライオン、ドラゴン、王冠のような紋章を使用して、君主の権力と領土主張を表した 112。色分けは政治的実体を区別した(例:イギリス領の赤、スペイン領の黄色) 112。中世の地図上の海の怪物や神話上の獣は、未踏/危険な領域を示したり、装飾として機能したりすることがあった 112。集落の描写は文体的から幾何学的に進化し 110、中世の地図上の都市の象徴は単純な円から重要性を示す階層システムへと進化した(大きな集落の城や教会) 112。
記号論的アプローチでは、地図は記号のシステム(記号表現+記号内容=記号)である。地図作成の記号は、地図作成の発展と社会の要求とともに変化し、徐々に(パースの記号論的意味での)より抽象的な「象徴的記号」になった 110。地図自体が地域の換喩的描写である 110。地図の象徴性を分析することは、それらを作成した社会の文化的、宗教的、政治的関心事への深い洞察を提供する。それは、地図が文化的なテキストとしてどのように機能し、世界観と価値観を符号化するかを明らかにする。
B. 先住民および非西洋の地図作成の伝統
先住民および非西洋の地図作成は、目的、様式、世界観において西洋の伝統とは著しく異なることが多く、空間を知り、空間と関わる代替的な方法を表している 107。地図情報は心の中に存在し、物語、ことわざ、歌、踊りを通じて世代から世代へと口頭で伝えられることがある(例:マオリの自然システムに関する精神的説明、星のパターンと精神的物語を用いたポリネシアの天体航法) 116。先住民の地図は、しばしば人間、動物、土地、宇宙の関係を強調し、抽象的な格子や方位ではなく、自己中心的(個人または重要なランドマークに対して空間を方向付ける)である場合がある(ただし、グーグ・イミディルのように方位を広範囲に使用するものもある) 116。それらは歴史的出来事を保存し、資源管理を導き、若い世代を教え、領土権を主張する 115。紙に限定されず、岩絵(アボリジニの星図)、織物、または一時的な構造物を含むことがある 107。
例としては、豊かな口承伝統と航行のための自然知識のために物理的な地図をほとんど必要としなかったマオリ(ニュージーランド) 116、しばしば精神的な物語に埋め込まれた洗練された天体航法技術を持つ太平洋諸島民 116、岩絵の星図と深い空間認識を持つアボリジニのオーストラリア人 107、ナイル川の流れを反映している可能性のある南向きのエジプトの地図 107、しばしば南向きで中国の地図の影響を受け、バグダッドまたはジェジラを中心とした中世アラブの地図作成 107、歴史的に中国中心または仏教の宇宙観を反映した中国と日本の地図 114(リッチの世界地図はアメリカ大陸を示した初期の中国の地図であった 39)がある。先住民コミュニティは、彼らの信念体系を支持し、伝統的知識を文書化し、土地の権利を主張するために、GISやその他の現代的な地図作成ツールをますます使用しており、これらの技術を文化的認識論に適応させている 116。非西洋および先住民の地図作成を研究することは、地図作成に関するヨーロッパ中心の見方に挑戦し、空間を概念化し表現する多様な人間の方法を明らかにし、多くのコミュニティが環境と持つ深い文化的および精神的なつながりを浮き彫りにする。それは、「地図」が単一の概念ではなく、文化的に多様な実践であることを強調している。
文化や時代を超えて、地図は単に領土を表すだけでなく、作成者の宇宙、その中での彼らの位置、そして彼らが世界を形作ると信じる力(神聖、自然、政治)の根本的な理解を具現化してきた 10。これは、地図が単なる道具ではなく、深い文化的共鳴を持つ強力な象徴的システムであることを示している。
IX. 地図の経済的影響:貿易、資源、インフラ
地図は歴史を通じて経済活動と発展において極めて重要な役割を果たしてきた。正確な地図は、貿易を促進し、資源管理を可能にし、インフラ開発を導く上で不可欠であった。
A. 貿易と航海
古代から、地図は貿易ルートの確立と維持に役立ってきた。例えば、タブラ・ペウティンゲリアナはローマ帝国内の広範な交易路を示し 16、アラブの商人たちはインド洋の香辛料ルートを詳述した地図を利用した 40。中世のポルトラノ海図は、地中海貿易において船乗りが安全に航行するために不可欠であり、正確な海岸線と港の位置を示していた 24。
大航海時代には、地図作成の進歩が世界貿易の拡大と密接に結びついていた。ジェラルドゥス・メルカトルの1569年の投影法は、大洋航海に革命をもたらし、より直接的な航路計画を可能にした 39。18世紀にジョン・ハリソンのクロノメーターによって経度問題が解決されると、海上での位置決定の精度が飛躍的に向上し、長距離貿易のリスクとコストが削減され、海上保険のような金融商品の発展にも寄与した 62。これらの進歩は、ヨーロッパの商業帝国が世界的な貿易ネットワークを確立し、維持することを可能にした。
B. 資源管理と開発
地図は、天然資源の特定、評価、管理において常に重要なツールであった。古代エジプトのトリノ・パピルス地図は、金鉱と採石場の位置を示しており、国家による資源開発の初期の例である 18。中世には、経済地図は鉱山や森林などの資源の場所を記録するために使用された 117。
植民地時代には、地図は植民地勢力による資源開発に不可欠であった。綿、ゴム、鉱物などの資源が豊富な地域を特定し、それらを抽出するためのインフラ(鉄道、港湾)を計画するために地図が作成された 118。これらの地図はしばしば、植民地の経済を宗主国のニーズを満たすように再構築する上で中心的な役割を果たした。
近代では、地質図や土壌図のような主題図が、鉱物探査、農業計画、水資源管理に不可欠となっている。米国地質調査所(USGS)のような国家地図作成機関による体系的な地質マッピングは、資源評価と土地利用計画に大きな経済的利益をもたらすことが示されている 119。例えば、米国における地質マッピングの経済分析では、投資に対して大きなリターンと重要な社会的便益が実証されている 119。
C. インフラ開発
正確な地図は、道路、運河、鉄道、都市などのインフラの計画と建設に不可欠である。ローマ人は広大な道路網を建設し、タブラ・ペウティンゲリアナのような地図がその管理に役立った 16。カッシーニ家による18世紀のフランスの体系的な地図作成は、その後のインフラ計画と行政区画の再編の基礎となった 59。
19世紀の産業革命は、鉄道や運河の建設ブームを引き起こし、これには詳細な地形図が必要であった 118。陸地測量部のような国家地図作成機関によって作成された地図は、これらのプロジェクトに不可欠なデータを提供した 69。都市の成長と拡大もまた、都市計画、公共事業、住宅開発のための正確な地図を必要とした 40。経済地図は、都市計画者が新しい開発を計画し、インフラ改善が必要な地域を特定するのに役立つ 117。
現代では、地理情報システム(GIS)と詳細なデジタルマップが、交通網の計画、公益事業の管理、災害対応インフラの展開など、あらゆる種類のインフラプロジェクトの基盤となっている。
地図は、単に経済活動を記録するだけでなく、経済的機会を創出し、効率を高め、リスクを軽減することによって、経済発展の触媒として機能してきた。資源の発見から貿易ルートの最適化、都市の成長の計画に至るまで、正確な空間情報は常に経済的進歩の基本的な推進力であった。国家による体系的な地図作成プログラムへの投資は、資源管理の改善、インフラの効率化、民間部門のイノベーションの促進を通じて、大きな経済的利益を生み出すことが繰り返し示されている 119。
結論:地図の永続的な遺産と未来
地図の歴史は、人類の知、技術、文化、そして権力との関わりの物語である。洞窟の壁に描かれた原始的なスケッチから、今日のインタラクティブなデジタルインターフェースに至るまで、地図は我々の世界を理解し、航行し、組織し、そして時には支配しようとする永続的な人間の衝動を反映してきた。
初期の文明では、地図は実用的な必要性(エジプトの土地測量やローマの道路網など)と宇宙論的表現(バビロニアのイマゴ・ムンディなど)の両方に応えた。ギリシャの知的飛躍は、プトレマイオスの著作で頂点に達し、数学的原理と座標系を導入し、何世紀にもわたって地図作成の基礎を築いた。中世には、ヨーロッパの象徴的なマッパ・ムンディがキリスト教の世界観を反映する一方で、実用的なポルトラノ海図が地中海の貿易と航海を支え、イスラム世界の学者は古典的な知識を保存し、革新し、経験的な観察でそれを拡張した。
ルネサンスと大航海時代は、新しい大陸の「発見」と印刷機の発明によって地図作成に革命をもたらした。ヴァルトゼーミュラー、メルカトル、オルテリウスのような人物は、世界地図と地図帳の概念を再定義し、世界に対するヨーロッパの認識を永遠に変えた。科学革命と啓蒙主義の時代には、三辺測量やクロノメーターのような技術の進歩により、前例のない精度が追求され、カッシーニのフランス地図のような国家的調査が行われた。
19世紀には、主題図の台頭により、地図は社会経済データを分析するための強力なツールとなり、陸地測量部やUSGSのような国家地図作成機関が国土の体系的な地図作成を標準化した。リソグラフィーは地図の大量生産を可能にし、地理情報へのアクセスを民主化した。20世紀から21世紀にかけては、航空写真、衛星画像、そしてGIS、GPS、ウェブマッピングのデジタル革命によって、変化のペースが加速した。これらの技術は、地図作成を静的な表現から動的な分析とリアルタイムの情報提供へと変貌させ、専門家と一般市民の両方に力を与えた。
しかし、地図の歴史はまた、その権力と政治的含意を明らかにする。地図は、領土を主張し、植民地支配を正当化し、プロパガンダを広めるための道具として機能してきた。J.B.ハーレイのような批判的地図作成の学者は、地図が客観的な現実の描写ではなく、しばしば支配的な権力構造を反映し永続させる社会的構成物であることを強調している。地図の「沈黙」や慣習の永続性は、この権力の微妙な働きを露呈する。
同時に、地図は深い文化的意義を持つ遺物であり、それらを作成した社会の価値観、信念、宇宙観、芸術的表現を反映している。先住民および非西洋の地図作成の伝統は、空間を理解し表現するための多様な方法を示しており、西洋中心の視点に挑戦している。
経済的には、正確な地図は貿易、資源管理、インフラ開発を促進する上で常に不可欠であり、経済成長と効率性の基本的な推進力として機能してきた。
結論として、地図は単なる地理的道具以上のものである。それらは歴史の鏡であり、文化の表現であり、権力の手段であり、経済的進歩の触媒である。技術が進化し続けるにつれて、地図の形式と機能も進化するだろうが、我々の世界を理解し、意味を与えようとする基本的な人間の探求におけるそれらの中心的な役割は、永続的な遺産として残るだろう。未来の地図作成は、人工知能、リアルタイムデータ統合、そしてますます没入型の視覚化によって、空間情報をどのように認識し、相互作用するかをさらに再定義することを約束している。しかし、地図の力を批判的に理解し、その作成と解釈に固有のバイアスと視点を認識することは、これまで以上に重要になるだろう。
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