マイクロソフトとOpenAI:変容する関係とその未来

エグゼクティブサマリー

マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップは、その発足以来、AI業界における最も注目すべき提携の一つとして進化を続けている。初期の数十億ドル規模の投資から、OpenAIの技術をマイクロソフト製品全体に深く統合する段階を経て、両社の関係は相互依存と戦略的連携を特徴としてきた。OpenAIが非営利団体傘下の公益法人(PBC)へと組織構造を転換する中で、マイクロソフトはその出資比率や影響力について交渉を継続しており、この動きは両社の力学に新たな複雑性をもたらしている。

本レポートでは、このパートナーシップの変遷を初期の投資段階から紐解き、OpenAIの組織再編が関係性に与える影響、マイクロソフト独自のAI戦略(自社モデル開発やAIパートナーの多様化を含む)がOpenAIとの連携にどう作用するかを分析する。さらに、野心的な「スターゲイト」プロジェクトのような共同事業、進行中の規制当局による精査、そしてOpenAIの使命と商業的圧力との間の微妙なバランスなど、両社の未来を形作るであろう重要な要素を考察する。このダイナミックな関係性は、AI技術の進歩、市場競争、そして広範な経済への影響という観点から、今後も注視が必要である。

I. 共生関係の萌芽と進化

マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップは、AI技術の急速な発展と普及を目指す共通の野心から生まれた。初期の投資と技術協力は、両社にとって相互に利益をもたらす強固な基盤を築き、今日のAI業界における最も重要な提携関係の一つへと発展した。

A. 初期エンゲージメントとマイクロソフトの初期投資(2019年~2022年)

2019年7月、マイクロソフトはOpenAIに対し、「有益なAGI(汎用人工知能)の構築」を支援するため、最初の10億ドルを投資した 1。この foundational な投資は、両社の深い戦略的連携の正式な始まりを印し、マイクロソフトをOpenAIの野心的な研究アジェンダの主要な推進者として位置づけた。当時、元々非営利団体であったOpenAIは、資本集約的なAI研究分野で競争するために、実質的な計算資源と資金調達を模索していた。一方、マイクロソフトは、急成長するAIプラットフォーム戦争で主導的な地位を確保することを目指していた 1

この初期投資の重要な要素として、AzureがOpenAIの排他的クラウドプロバイダーとして確立されたことがある 1。この排他性は初期のパートナーシップの礎であり、OpenAIにマイクロソフトのスーパーコンピューティングインフラへの比類なきアクセスを提供し、これは大規模AIモデルのトレーニングに不可欠であった。その見返りとして、マイクロソフトはAzureの主要なAIワークロードを獲得し、AIクラウドプラットフォームとしての信頼性と魅力を高めた。

2021年にはマイクロソフトによる追加投資が行われ、一部情報源によれば追加で20億ドルが投じられたとされる 3。これは、OpenAIの技術的軌道とその商業化の可能性に対するマイクロソフトの自信の増大と、コミットメントの深化を示している。

この時期のOpenAI側の重要な動きとして、2019年に「上限付き利益(capped-profit)」モデルへの移行があった 4。この構造変化は極めて重要であり、OpenAIが元々の非営利ミッションに繋がりを保ちつつ、民間からの大規模な投資(マイクロソフトからの投資など)を呼び込むことを可能にした。投資家へのリターン上限(報道によれば最大100倍)は、利益動機と公益のバランスを取るために設計されたユニークな特徴であった。このハイブリッド構造は、AI開発の莫大な資本要件とミッション主導の倫理観を両立させる試みであり、後のガバナンスに関する複雑な議論や組織再編の伏線となった。

初期のパートナーシップは、単なる金融取引ではなく、深い相互依存関係の構築であったと分析できる。OpenAIは、当時AI研究の大きなボトルネックであったAzureの計算能力を必要としていた 1。マイクロソフトは、AzureのAI能力と市場認知度を向上させるために、主要なAIイノベーターを必要としていた 6。これにより、両社の成功が互いに絡み合う共生関係が即座に形成された。排他条項 1 は、この依存関係を確固たるものにした。また、OpenAIが資本の必要性から上限付き利益モデルへ早期に移行したこと 4 は、非営利ミッションとマイクロソフトのような巨大テクノロジー企業との提携という商業的現実との間に内在する緊張感を既に示唆していた。これは、後に繰り返され、激化するテーマの舞台を設定したと言える。

B. 連携深化:数十億ドル規模の拡大とAzureの排他性(2023年1月)

2023年1月、マイクロソフトはOpenAIとのパートナーシップ「第3フェーズ」として、複数年にわたる数十億ドル規模(報道によれば最大100億ドル)の投資を発表した 1。この画期的な投資はパートナーシップを大幅に増幅させ、マイクロソフトがOpenAIの技術を自社製品エコシステム全体に深く統合し、Azureを主要なAIクラウドとしての地位を固める意図を示した。この投資は、ChatGPTが世界的な注目を集め、大規模言語モデルの変革的可能性を世界に示した直後に行われた。

このフェーズでは、研究、製品、APIサービスを含む全てのOpenAIワークロードに対する計算能力提供におけるAzureの排他的役割が再強化された 1。この排他性は、マイクロソフトが投資を最大限に活用し、Azureを通じて差別化されたAIサービスを提供するために不可欠であった。さらに、マイクロソフトはOpenAIのモデルを自社製品に展開する権利を獲得し、Microsoft 365 Copilotや新しいBingの機能といったイノベーションにつながった 1。これはマイクロソフトにとって重要な戦略的勝利であり、最先端のAIを広範なソフトウェアポートフォリオに迅速に導入することを可能にした。この段階は、明確な排他性と技術的な絡み合いの頂点を示しており、マイクロソフトは単なるクラウドプロバイダーではなく、AGIを除きOpenAIの技術に深くアクセスできるパートナーとなった。

2023年1月の投資は、マイクロソフトが生成AI競争で競合他社を飛び越えるための決定的な一手であった。当時最先端であったOpenAIのモデルへの優先的アクセスを確保することで、マイクロソフトは競合他社がまだ開発中であったAI機能を迅速に展開できた 6。ChatGPTの成功を受け、マイクロソフトはこの技術統合の即時の競争優位性を認識し 6、100億ドルの投資により深いアクセスと排他性を確保した 1。これにより、CopilotなどのAI搭載製品を迅速に市場投入し、Googleなどの競合他社に圧力をかけることができた。一方で、この大規模投資はOpenAIの自律性に関する潜在的な問題を増幅させた。マイクロソフトの大きな財政的影響力と深い技術統合は、明示的なガバナンス権は伴わないものの 1、OpenAIの方向性に対する事実上の影響力について懸念を生じさせ、これは後に規制当局の精査を引き起こすことになる 1。OpenAIの独立性と広範な利益を重視するミッション 11 と、マイクロソフトの商業的利益(Azureの優位性、製品統合など)は、必ずしも完全に一致するわけではなく、この内在する緊張は、両社が進化する戦略目標を追求する中で、将来的な摩擦の可能性を示唆していた。

C. 激動期の航行:リーダーシップの変遷と力学の変化(2023年後半~2024年初頭)

2023年11月、OpenAIはリーダーシップ危機に見舞われた。サム・アルトマンCEOが解任され、その後復帰するという事態が発生し、マイクロソフトはこの過程で重要な役割を果たした 1。マイクロソフトは当初、アルトマン氏と他の退職する従業員を雇用することを申し出たが、その後、彼の復帰を後押ししたと報じられている。この出来事はOpenAI内部のガバナンス闘争を露呈させるとともに、OpenAIの安定性とリーダーシップの継続性に対するマイクロソフトの既得権益を浮き彫りにした。サティア・ナデラCEOの直接的な関与も注目された 1

アルトマン氏の復帰後、マイクロソフトはOpenAIの取締役会に議決権のないオブザーバー議席を獲得した 1。これにより、マイクロソフトは正式な議決権なしにOpenAIの取締役会の審議に直接的な洞察を得ることができた。これはマイクロソフトにとって戦術的な利益であり、重要な局面でOpenAIのガバナンスに対する可視性を高めたが、同時にマイクロソフトの影響力に関する規制当局の懸念も高めた。

このリーダーシップ危機とマイクロソフトの役割は、英国の競争・市場庁(CMA)や米国の連邦取引委員会(FTC)などの規制当局による、パートナーシップが事実上の合併に相当するか、あるいはOpenAIの独立性を損なうかどうかの調査を引き起こした 1。規制当局は、マイクロソフトの既存の市場支配力とOpenAIの基盤AIモデルにおける主導的地位を考慮し、潜在的な市場歪曲を懸念した。

2023年11月の危機は、OpenAIがいかにマイクロソフトのAI戦略にとって重要になったかを明らかにした。マイクロソフトの迅速な行動(アルトマン氏の雇用申し出、復帰の後押し)は、単に投資を保護するためだけでなく、中核的な技術的支柱を守るためのものであった。OpenAIのモデルはマイクロソフト製品(Copilot、Bing)に深く統合されており 10、OpenAIの突然のリーダーシップ変更はこの統合と将来の開発に混乱をもたらす恐れがあった 1。マイクロソフトの反応は、OpenAIの安定性を確保する必要性を示し、典型的な投資家とスタートアップの関係を超える依存度を浮き彫りにした。また、規制当局からの監視の目は、パートナーシップの公的側面、そしてある程度は私的側面の再調整を加速させた可能性が高い。マイクロソフトが後に取締役会オブザーバー議席を放棄したこと 1 などの動きは、不当な支配に関する懸念に積極的に対処しようとする試みと見ることができる。

表1:マイクロソフトによるOpenAIへの主要投資とパートナーシップのマイルストーン年表

日付イベント/マイルストーン投資額(該当する場合)主要な戦略的意味合い
2019年7月初期投資、Azureが排他的クラウドプロバイダーに10億ドルOpenAIの研究開発を支援、AzureのAI基盤としての地位確立
2019年OpenAIが「上限付き利益」子会社を設立該当なし非営利ミッションと大規模投資誘致の両立を目指す
2021年マイクロソフトによる追加投資(報道)20億ドル(報道)OpenAIへのコミットメント深化
2022年11月OpenAIがChatGPTを発表該当なし大規模言語モデルの可能性を世界に提示
2023年1月マイクロソフトによる「第3フェーズ」投資、Azureの排他性強化、OpenAIモデルの自社製品展開権利獲得最大100億ドルマイクロソフト製品へのAI統合加速、AzureのAIクラウドとしての優位性強化
2023年2月OpenAI技術を搭載したBing Chat(現Copilot)発表該当なしマイクロソフトの検索エンジンへのAI統合
2023年11月OpenAIリーダーシップ危機、マイクロソフトが取締役会に議決権のないオブザーバー議席獲得該当なしOpenAIのガバナンスへの関与強化、マイクロソフトの戦略的安定性の確保
2023年12月英国CMAがパートナーシップに関する調査開始該当なし独占禁止法上の懸念の高まり
2024年6月OpenAIがOracleとの提携を発表、コンピューティング能力の多様化該当なしマイクロソフトへの計算資源依存度の低下開始
2024年7月マイクロソフトがOpenAI取締役会のオブザーバー議席を放棄該当なし規制当局の懸念への対応、OpenAIの独立性アピール
2025年1月マイクロソフトとOpenAIがパートナーシップの「次期フェーズ」を発表、新規計算能力の排他性変更(マイクロソフトの優先拒否権へ)該当なしOpenAIの計算資源調達の柔軟性向上、マイクロソフトの独占的地位の緩和
2025年1月22日OpenAI、マイクロソフト、Oracleなどが5000億ドル規模の「スターゲイト」AIプロジェクトを発表(報道)該当なしOpenAIの将来的な大規模計算需要への対応、クラウドプロバイダーのさらなる多様化
2025年5月OpenAIが非営利団体管理下の公益法人(PBC)への移行を発表、マイクロソフトとの交渉は継続中該当なしOpenAIの資金調達能力向上とミッション維持の両立模索、マイクロソフトとの関係性の再定義

この年表は、パートナーシップの進化を明確に時系列で示し、マイクロソフトのコミットメントの増大と関係性の重要な転換点を読者が容易に把握できるようにすることを目的としている。

II. OpenAIの構造変革:ミッション、利益、そして支配

OpenAIの組織構造は、その野心的なミッションとAI開発の莫大な資金需要との間で、常に緊張関係を抱えながら進化してきた。非営利団体としての理想から、現実的な資金調達のための上限付き利益モデルへ、そしてさらなる成長と使命の両立を目指す公益法人(PBC)への移行は、マイクロソフトとの関係性にも大きな影響を与えている。

A. 非営利の理想から上限付き利益の現実へ

OpenAIは2015年、「汎用人工知能(AGI)が全人類に利益をもたらすようにする」という使命を掲げて設立された 4。この使命は、私的利益よりも広範な社会的利益を優先し、AGIの安全な開発に関する懸念に根ざしていた。当初の非営利構造は、AGI開発における安全性と倫理的配慮を、商業的圧力に左右されずに優先する意図を反映していた。

しかし、AI研究と人材獲得のための莫大な資本要件に直面し、2019年にOpenAIは「上限付き利益(capped-profit)」子会社(OpenAI LP)を設立する方向に転換した 4。非営利の親団体(OpenAI, Inc.)はこの子会社に対する支配権を維持した。このモデルの重要な特徴は、投資家へのリターンに上限が設けられていたことである(報道によれば、投資額の最大100倍 5、あるいは年間リターン15-20% 18)。この上限を超える利益は非営利団体に還元されることになっていた。この構造は、非営利の使命と営利企業の世界の資本を融合させる斬新な試みであった。これによりOpenAIは、特にマイクロソフトから数十億ドル規模の資金調達が可能になったが、同時にその究極的な忠誠対象(使命か利益か)に関する複雑さと緊張の種も蒔いた。この構造は「特注の」「複雑な」ものと評された 19

この上限付き利益モデルとマイクロソフトとの緊密なパートナーシップは、OpenAIが当初の使命から逸脱しているのではないかという懸念を引き起こし、イーロン・マスク氏による創設合意違反を主張する訴訟などの事態に至った 4。安全性重視のスタッフの退社も、これらの緊張を浮き彫りにした 22

OpenAIの上限付き利益モデルは、極度の資本ニーズと変革的技術に直面した際の、ユニークで大部分が未検証のガバナンス構造であった。その進化は、大規模な商業的パートナーシップや市場の圧力と絡み合った場合に、利他的な目標を維持することの根本的な難しさを露呈している。AGI開発は非常に高コストであり 5、従来の非営利団体の資金調達ではこの規模に対応できなかった 5。上限付き利益モデルはこのギャップを埋める試みであったが 4、マイクロソフトからの巨額投資と競争環境は必然的にOpenAIをより商業的な考慮へと引き寄せ、内外の摩擦を生んだ 5。OpenAIの強力なミッションステートメントは人材と初期の好意を引き寄せたが 11、その商業的行動がミッションから逸脱していると見なされた際には批判の焦点ともなった。これにより、マイクロソフトのような利益主導型企業とのパートナーシップは特に精査の対象となりやすかった。

B. 公益法人(PBC)への移行:理論的根拠と影響(2025年5月発表)

2025年5月、OpenAIは営利部門を公益法人(PBC)に転換し、非営利の親団体(OpenAI, Inc.)が全体の支配権を維持する計画を発表した 5。これは、営利団体により大きな独立性を与える可能性があった以前の検討事項からの転換であった。この決定の理論的根拠としては、構造の簡素化、「より理解しやすい」ものにすること 24、「従来の条件」と「標準的な株式」で大規模な投資を誘致すること 4、そして必要な資金を確保しつつ使命との整合性を高めること 12 が挙げられた。この決定は、市民リーダーやカリフォルニア州およびデラウェア州の司法長官との協議を経て行われた 5

新しいPBC構造では、「上限付き利益」モデルが廃止され、伝統的な株式所有と上限なしの投資家リターンが可能になる 18。これは大きな変更であり、OpenAIをソフトバンクのような大規模機関投資家にとってより魅力的なものにすることを目的としている 19。非営利団体(OpenAI, Inc.)はPBCの取締役を任命し、主要株主となる 12。非営利団体の正確な持ち分と議決権は、独立した財務アドバイザーによる評価と進行中の議論の対象となる 5。非営利団体の受託者責任は、安全で有益なAGIという使命に対して引き続き負う 30。法的に、PBC構造は株主利益と公益使命のバランスを取ることが求められる 5。しかし、非営利団体が利益分配とミッションへの再投資のバランスをどのように財政的にコントロールするかは、まだ最終決定されていない 5。非営利団体は、譲渡される資産に対して公正市場価値を受け取らなければならない 32

営利団体を完全に独立させるのではなく、非営利団体がPBCを管理するという決定は、イーロン・マスク氏の訴訟 4 や規制当局からの圧力 5 といった、公的、法的、規制上の強い圧力に対する戦略的譲歩であるように見える。これは、批判者をなだめつつ、依然として重要な資本を誘致するための中間点を見つける試みである。利益上限の撤廃は、ソフトバンクのような大規模な新規投資を誘致するために設計された重要な変更点である 19。これは、マイクロソフトが最初に投資した上限付き利益モデルと比較して、新規投資家に対する財務的インセンティブ構造を根本的に変える。これにより、期待値の異なる投資家層が生まれる可能性がある。

C. 新PBC構造におけるマイクロソフトの出資と影響力(2025年5月時点での交渉継続と懸念)

マイクロソフトはOpenAIに総額約130億~140億ドルを投資しており [8 (130億ドルは投資であり所有ではないと明記), 19]、OpenAIの営利部門の利益の大きな割合(例えば、投資回収まで49%、その後はより低い割合、あるいは投資額の10倍を上限とするなど)を得る権利を有すると報じられている 35。一部の情報源は、マイクロソフトは直接的な株式を保有せず、「少数経済的利害」を持つとしている 35。2025年4月時点で、Wikipedia 36 は、マイクロソフトがOpenAI Global, LLCの利益の49%(投資額の約10倍を上限とする)を得る権利があると記載している。新しいPBC構造下での正確な形態(株式か利益分配か)と割合は、現在進行中の交渉の主要なポイントである。

主要な利害関係者として、マイクロソフトの同意はPBCへの移行に不可欠である 19。2025年5月時点で、マイクロソフトは自社の投資が適切に保護されるよう、OpenAIのPBC提案の詳細について積極的に交渉している 5。これには、株式持ち分/利益分配、ライセンス供与、収益分配契約が含まれる 19。OpenAIは、詳細を最終決定するために「マイクロソフトと緊密に協力し続けている」と述べている 19。一部報道では、マイクロソフトが組織再編に対する拒否権を持つことが示唆されており 41、これはマイクロソフトに大きな影響力を与える。

2025年5月下旬/6月/7月時点での最終合意に関する情報は、提供された資料には見当たらない。2025年5月初旬の最新情報では、交渉は依然として進行中であることが示されている 5。2025年5月31日発効のOpenAIサービス契約 48 は、API/ビジネスサービスの条件に焦点を当てており、PBCにおけるマイクロソフトの具体的な投資構造については触れていない。

マイクロソフトは、OpenAIへの巨額の財政的・戦略的投資を保護することと、OpenAIが規制当局を満足させ、独自のイノベーション文化を維持するのに十分な独立性を保つこととの間で、微妙なバランスを取らなければならない。過度に積極的な条件は裏目に出る可能性がある。マイクロソフトは約130億ドルを投資し、重要なIP/収益分配契約を結んでおり 8、これを保護する必要がある。しかし、規制当局はマイクロソフトのOpenAIに対する支配力を精査している 1。OpenAIの価値は、その独立性とミッション主導型アプローチにも結びついており、これが人材と一般の関心を引き付けている 4。したがって、マイクロソフトの交渉は、規制措置を引き起こしたりOpenAIの運営精神を損なったりする可能性のある明白な支配権を主張することなく、強固な財政的保護とIP権を求めることを含意している可能性が高い。過去のOpenAIのコミュニケーションにおける「少数株主」から「少数経済的利害」への変更 35 は、この慎重な位置づけの一例である。また、PBCへの移行は妥協案である一方、OpenAIとマイクロソフト双方に新たな交渉のテコを提供する。OpenAIは新規投資家にとって魅力的な構造(上限なしリターン)が必要だと主張でき、マイクロソフトはその重要な承認をテコにして、既存および将来の出資に関する有利な条件を確保できる。

D. 「AGI条項」:汎用人工知能の定義とその契約上の影響

マイクロソフトとOpenAI間の契約には、OpenAIがAGIを達成した場合、マイクロソフトのOpenAI技術(AGI以前のもの)へのアクセスが無効になるか、大幅に変更される可能性があるという重要な条項が含まれていると報じられている 8。重要なのは、OpenAIの取締役会(歴史的には非営利団体の取締役会)がAGIがいつ達成されたかを決定する権限を持っていることであり 8、これはOpenAIに大きな影響力を与える。

「The Information」が報じたリーク文書によると、OpenAIが少なくとも1000億ドルの利益を生み出すことができるAIシステムを開発した時点でAGIが達成されたとみなす合意があるという 58。この利益中心の定義は、純粋に技術的または哲学的な定義とは一線を画す。この財務的トリガーは、マイクロソフトや他の初期投資家が、OpenAIの最も先進的な(AGIレベルの)技術が既存の商業契約から潜在的に切り離される前に、実質的なリターン(報道によればマイクロソフトと他の投資家合わせて最大1000億ドルの上限 58)を確実に回収することを目的としている。

AGI条項の影響は大きい。AGIが宣言されれば、マイクロソフトはOpenAIの最先端技術へのアクセスを失い、製品統合やAzureの提供に影響が出る可能性がある 8。1000億ドルの利益定義が正確であれば、OpenAIの現在の収益と損失の数値(OpenAIは1年間で50億ドルの損失を計上すると予測され 8、2029年まで利益を上げないとされる 59)を考えると、AGIの正式な宣言は大幅に遅れる可能性がある。OpenAIがこのAGI条項を廃止または修正しようとしているとの報道もあり 59、これはマイクロソフトの資金調達とリソースへの継続的なアクセスを確保するため、あるいはより大きな柔軟性を得るためかもしれない。AGI条項は、パートナーシップの中で最もユニークで、潜在的に論争の的となる側面の一つである。これは、OpenAIの広範な利益をもたらすAGIという長期的な使命と、マイクロソフトの巨額投資に対する商業的なリターンへのニーズを調和させようとする試みを反映している。AGI決定の二重性(取締役会の裁量対財務的トリガー)は、曖昧さと将来の意見の不一致の可能性を生み出している。

OpenAIにとって、AGI条項(特に取締役会の裁量)は、マイクロソフトへの以前の商業的義務から解放され、最も強力な技術を自社の使命のために取り戻すための「脱出口」となる可能性がある。一方、マイクロソフトにとって、報道されている1000億ドルの利益定義は「黄金の手錠」として機能し、非常に高い財務的閾値が満たされるまで継続的なアクセスと収益分配を保証し、事実上「脱出」を遅らせる。OpenAIの憲章はAGIの広範な利益配分を優先しており 11、一企業(マイクロソフト)によるAGIへの自由な商業アクセスはこれと矛盾すると見なされる可能性がある 58。OpenAI取締役会がAGIを宣言し、マイクロソフトのアクセスを無効にすることを可能にする条項は、この使命を保護する 8。しかし、マイクロソフトの投資はリスク回避される必要があり、1000億ドルの利益トリガーは、この潜在的な打ち切り前にマイクロソフトが実質的に利益を得ることを保証する 58。これにより、OpenAIは技術的/倫理的根拠に基づいてAGIを宣言するインセンティブを持つ可能性がある一方、マイクロソフトの利益は財務的定義に結びついているという力学が生まれる。AGIの定義自体の曖昧さと二重性(取締役会の裁量対1000億ドルの利益)は、「AGI達成」という概念自体を将来の交渉と潜在的な影響力のポイントにしている。

表2:OpenAIの上限付き利益モデルと公益法人(PBC)構造の比較

特徴上限付き利益モデル(2019年~2025年)公益法人(PBC)(2025年5月~)
主な目標AGIの安全な開発と広範な利益の確保、資金調達AGIの安全な開発と広範な利益の確保、大規模な資金調達、株主利益と公益の両立
投資家リターン構造上限あり(例:100倍、年間15-20%) 5上限なし、伝統的な株式所有 18
大口投資家への魅力限定的(上限のため) 18高い(上限なし、標準的株式のため) 19
非営利団体の管理メカニズム非営利親会社が子会社を完全支配 5非営利親会社がPBCの取締役を任命し、主要株主として支配権を維持 12
非営利団体への利益配分上限超過利益は非営利団体へ 37非営利団体はPBCの主要株主として配当等を受け取る。PBCの成長に伴い非営利団体のリソースも増大 12
構造の複雑性複雑、特注 12より簡素化、標準的な資本構造へ 12
マイクロソフトの潜在的リターン/影響力(PBC以前の理解とPBCでの交渉状況)上限付き利益分配、Azure独占契約による影響力 35株式保有または利益分配(交渉中)、IPライセンス、収益分配契約(交渉中) 19

この表は、OpenAIの過去と現在の運営モデル間の構造的および財務的な違いを明確に示し、変更の動機とその利害関係者、特にマイクロソフトへの影響を読者が理解するのに役立つ。

III. マイクロソフトの戦略的必須事項:Azure、Copilot、そしてその先へ

マイクロソフトは、OpenAIとのパートナーシップを自社の広範なAI戦略の中核に据えつつも、Azureプラットフォームの強化、Copilotエコシステムの拡大、そして独自のAIモデル開発という多角的なアプローチを推進している。これらの動きは、AI分野におけるリーダーシップを確立し、将来の技術的自立性を確保するための戦略的必須事項と言える。

A. Azure OpenAI Service:高度なAIへのアクセス民主化

Azure OpenAI Serviceは、OpenAIの強力な言語モデル(GPT-4シリーズ、GPT-3.5-Turbo、DALL-Eなど)へのREST APIアクセスをAzure環境内で提供する 64。エンタープライズグレードのセキュリティ、プライベートネットワーキング、リージョン別の可用性、責任あるAIコンテンツフィルタリングといった特徴を持つ 64。Azure OpenAIはOpenAIとAPIを共同開発し、互換性を確保している 64。このサービスは、マイクロソフトがAzureをAI開発・展開の主要クラウドプラットフォームとする戦略の礎であり、OpenAIのモデルを主要な差別化要因として活用している。

マイクロソフトの顧客は、AzureのセキュリティとエンタープライズプロミスのもとでOpenAIモデルを利用できる 64。コンテンツ生成、要約、インテリジェントコンタクトセンター、ワークフロー自動化など、様々なユースケースをサポートする 65。データプライバシーとガバナンスに関して、マイクロソフトは、Azure OpenAI Service内の顧客データ(プロンプト、補完、トレーニングデータ)が他の顧客やOpenAIに利用可能になったり、OpenAIモデルやマイクロソフト/第三者の製品改善に許可なく使用されたりすることはないと強調している 64。ファインチューニングされたモデルは顧客専用であり 68、データは転送中も保存時も暗号化される 69。強力なデータガバナンスはエンタープライズ採用にとって不可欠であり、マイクロソフトはAzure OpenAIをこれらの強力なモデルにアクセスするための安全な方法として位置づけ、OpenAIの公開APIを直接使用する場合とは区別している。これは主要なエンタープライズの懸念に対処し、Azureの提供を差別化する。

マイクロソフトは、Azure OpenAI Serviceという管理された環境を効果的に構築し、企業がOpenAIの最先端モデルにアクセスできるようにした。これは、専有データを用いたトレーニングやファインチューニングに関連するデータプライバシー懸念なしに実現されており、リスク回避的な企業にとって大きな採用促進要因となっている。企業はOpenAIのような高度なAIモデルの利用に熱心であるが 65、特に機密性の高い企業データを使用する場合、第三者のAIサービス利用時のデータプライバシー、セキュリティ、IPに関する重大な懸念を抱えている 71。Azure OpenAI Serviceは、顧客データがOpenAIと共有されたり、OpenAIの公開モデルのトレーニングに使用されたりしないことを明示しており 66、これにより使い慣れたAzureエコシステム内に「安全な」環境が生まれ、企業がマイクロソフト経由でOpenAIの技術を採用することを奨励し、結果としてAzureの消費を押し上げている。一方で、Azure OpenAI ServiceはOpenAIモデルを提供するが、最先端またはカスタマイズされたバージョンは依然として最初にOpenAIが保有する可能性がある。マイクロソフトがAPIの共同開発に取り組むことで互換性は保証されるが 64、OpenAIの直接提供とAzure OpenAI Serviceの間でモデルの可用性/機能に遅れや差別化が生じる可能性があり、アクセス提供という協力と、最新機能という微妙な競争の力学が生まれる。

B. Copilotエコシステム:マイクロソフト製品全体へのOpenAIモデル統合

マイクロソフトは、GPT-4のようなOpenAIのモデルを、Microsoft 365(Word、Excel、PowerPoint、Teams)、Bing(Bing Chat、現Copilot)、Windows、GitHub Copilotといった自社の主力製品に深く統合している 1。この動きは、2023年初頭の大規模投資以降、顕著になった 10。Bing Chatは2023年2月に開始され 16、その後Copilotブランドが製品間で統一された 16

Microsoft Copilot Studioは、Azure OpenAI Serviceを介したデータ接続を可能にし、生成的な回答のカスタマイズを実現する 74。この戦略的根拠は、ユーザーの生産性向上、より「スマートな」機能の創出、そしてAI搭載ソフトウェア市場での競争優位性の獲得にある 6。マイクロソフトは、OpenAIの先進モデルに「便乗」することで迅速に動き、エンタープライズ市場での足場を確保することを目指した 10。この広範な統合は、AIを自社の提供製品全体に浸透させるというマイクロソフトのコミットメントを示しており、OpenAIを主要な技術的イネーブラーとしている。これにより、ユーザーエクスペリエンスは急速に変革され、生産性ソフトウェアの新たな基準が設定された。

Copilotのブランド化と統合戦略は、マイクロソフトがAIをエコシステム全体に組み込み、OpenAIの技術(または類似のAI機能)をスタンドアロン製品ではなく普遍的な機能とするための主要な手段である。これによりAI利用が常態化し、マイクロソフトのAI製品がユーザーのワークフローに深く定着する。マイクロソフトはWindows、Office、Bingなどに広大な既存ユーザーベースを持ち 10、これらの使い慣れたツールにAIを直接統合することで 1、AI導入の障壁を低くしている。「Copilot」ブランドはこれらの体験を統一する 16。この戦略は、OpenAIの技術を初期エンジンとして活用し、AI拡張ワークプレイスにおいてマイクロソフトを不可欠な存在にすることを目指している。しかし、OpenAIを活用することでマイクロソフトは迅速な先行者利益を得たものの、コア製品機能におけるOpenAIモデルへの過度な依存は、「ブランド従属」のリスクを生み出した 10。ユーザーがその「魔法」をOpenAI由来のものとのみ認識した場合、マイクロソフトを迂回する可能性がある。これは、マイクロソフトが独自の同等モデル(MAIなど)を開発する動機となっている可能性が高い。

C. マイクロソフトの内部AI開発:MAIの台頭と多様化戦略

マイクロソフトは、OpenAIへの依存を減らし、潜在的には競合するために、独自の社内AI推論モデル(MAI、Phiシリーズなど)を開発している 6。マイクロソフトAIのCEOであるムスタファ・スレイマン氏がこれらの取り組みを主導していると報じられている 6。MAIモデルは、一部のベンチマークでOpenAIのo1およびo3-miniに匹敵するとされ 76、マイクロソフトのAIモデル性能は「6ヶ月ごとに倍増」していると主張されている 78

この戦略は、技術的独立性の向上、長期的なコスト削減、直接競争、そして単一パートナーへの依存からの多様化を目的としている 6。マイクロソフトは、Meta、xAI、DeepSeekのモデルを代替としてテストしている 6。Copilotへの影響として、マイクロソフトはOpenAIモデルを自社のMAIモデルに置き換える実験を行っている 6。一部報道では、Microsoft 365 Copilotはセキュリティとコンプライアンスのためにマイクロソフト独自のモデルで機能するように主に設計されていることが示唆されている 10。OpenAIとの緊張関係として、OpenAIがマイクロソフトに技術詳細(例えば思考連鎖について)を保留したとの報道や 76、マイクロソフトが収益報告書でOpenAIを競合他社として記載していること 8 が挙げられる。この二重戦略(OpenAIと深く提携しつつ、積極的に自社能力を構築し代替案を模索する)は、戦略的依存関係を管理し、市場の変化やパートナーシップの破綻に備えるための、大手テクノロジー企業の典型的な戦略である。

マイクロソフトの内部AI開発とOpenAI競合他社の模索は、純粋な共生関係からより複雑な「フレネミー」関係への明確な移行を示している。マイクロソフトは、OpenAIにそれほど依存しない未来、あるいはより激しく直接競争する可能性のある未来に備えている。当初のパートナーシップはOpenAIのモデルに大きく依存していたが 6、マイクロソフトは現在、自社モデル(MAI、Phi)に多額の投資を行っており 6、OpenAIの直接の競合他社(Meta、xAI、DeepSeek)のモデルもテストしている 6。この多様化戦略 6 は、パートナーシップが継続しているにもかかわらず、本質的にOpenAIとの競争的緊張を生み出す。マイクロソフトAIのCEO、ムスタファ・スレイマン氏の、フロンティアモデル構築者の「僅差の2番手」を演じ、彼らの成功の上に築くというコメント 80 は、この点を明確に示している。戦略的独立性を超えて、外部フロンティアモデルへの依存に伴う莫大なコストと、技術スタックに対するより大きな管理権への欲求が、マイクロソフトの内部AI推進の主要な推進力である可能性が高い。

D. パートナーシップと競争的独立性の両立

サティア・ナデラCEOは、OpenAIが消滅した場合でも、IP、人材、計算資源、データへの権利を理由にマイクロソフトが独立してイノベーションを継続できる能力を強調しつつ 81、同時にOpenAIとのパートナーシップへのコミットメントも再確認している 78。一方、サム・アルトマンCEOも、マイクロソフトとのパートナーシップの重要性を認めつつ、OpenAIの独立性を強調している 28。OpenAIの憲章自体が、AGIはマイクロソフトとのIPライセンスから除外されると規定している 37

Azureの排他性から新規計算能力に対する「優先拒否権(right of first refusal)」への移行 1 は、このバランスを象徴している。緊密な連携を維持しつつ、OpenAIにより大きな柔軟性を与えるものだ。両リーダーは、それぞれの自律性と戦略的選択肢を主張しつつ、パートナーシップの価値を認めることで、慎重に世間の認識を管理している。これは、彼らの共存共栄の複雑な現実を反映している。

ナデラ氏とアルトマン氏双方の、それぞれの独立性と能力に関する公的な発言は、単なる事実宣言としてだけでなく、互い、競合他社、規制当局に向けた戦略的メッセージングとしても解釈でき、それぞれの交渉上の立場を強化している。計算資源に関する「優先拒否権」への移行は重要な進展である。OpenAIが代替案をどの程度頻繁に模索し、マイクロソフトがこれらの要求にどう対応するかが、今後のパートナーシップの真の健全性と協調的意思を示す重要な指標となるだろう。

表3:OpenAI技術を活用したマイクロソフトAI製品統合の概要

マイクロソフト製品/サービス活用されるOpenAIモデル(例)主要なAI搭載機能提供開始/統合時期
Microsoft 365 Copilot (Word, Excel, PowerPoint, Outlook, Teams)GPT-4ベースのモデルコンテンツ生成、要約、データ分析、会議支援2023年初頭以降 1
Bing (Copilot in Bing)GPT-4, DALL-E 3対話型検索、画像生成2023年2月 16
Windows CopilotGPT-4ベースのモデルOSレベルのAIアシスタンスBuild 2023 / 2023年12月 16
GitHub CopilotCodex, GPTベースのモデルコード補完、生成(より初期の統合だが広範な戦略の一部) 6
Azure OpenAI Service各種OpenAIモデル (GPTシリーズ, DALL-E等)カスタムエンタープライズソリューション向けAPIアクセス継続中 64
Microsoft DesignerDALL-E画像生成9

この表は、マイクロソフトのエコシステム全体におけるOpenAI技術の統合の幅広さと深さを示し、現在のAI製品群におけるマイクロソフトのOpenAIへの戦略的依存と、パートナーシップの具体的な成果を強調する。

IV. 主要な共同事業と戦略的緩和

マイクロソフトとOpenAIの関係は、排他的な依存から、より柔軟で多角的な協力体制へと移行しつつある。その象徴的な動きが、巨額の投資を伴う「スターゲイト」プロジェクトであり、OpenAIの計算資源確保戦略の転換点を示している。

A. プロジェクト・スターゲイト:野心、役割(マイクロソフト、OpenAI、Oracle)、クラウドダイナミクス

OpenAI、Oracle、ソフトバンクがトランプ大統領(当時)と共に発表した、米国における新たなAIインフラ構築を目指す野心的なプロジェクト「スターゲイト」は、初期投資1000億ドル、総額5000億ドル規模に達するとされる 1。この巨大プロジェクトは、OpenAIがマイクロソフト単独では提供しきれない、あるいは優先順位付けされない可能性のある計算能力の膨大な需要を抱えていること、そしてインフラ依存関係を多様化する戦略的な動きを示している。

OpenAIはこの構想を主導し、スターゲイト事業において株式持ち分、ガバナンス権、運営管理権を持つ 86。マイクロソフトは技術パートナーとして名を連ねるが 86、スターゲイトの排他的クラウドプロバイダーではない点は注目に値する。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、自社のAIインフラに対する800億ドルの設備投資コミットメントを明言しており 86、スターゲイトの発表は既存のパートナーシップを「補完するもの」であると述べている 49

Oracleは、クラウドインフラ(OCI)を提供する主要パートナーとして参加する 1。これはOracle Cloud Infrastructureにとって大きな勝利であり、OpenAIのマルチクラウド戦略の明確な兆候である。スターゲイトは根本的な変化を意味する。マイクロソフトはパートナーであり続けるものの、OpenAIは将来の計算需要確保において主導権を握り、Oracleやソフトバンクといった他の主要プレイヤーを巻き込んでいる。これは本質的にAzureへの排他的依存を緩和するものである。プロジェクトの規模自体も、将来のAIモデル開発に予想される莫大な計算需要を浮き彫りにしている。

スターゲイトプロジェクトは、OpenAIがマイクロソフトとのパートナーシップの枠を超えて長期的な計算需要を確保するための明確な戦略的動きである。OpenAIが主導的役割を果たし、Oracleが主要なインフラプロバイダーとなることで、OpenAIはインフラロードマップに対するより大きな管理権を持ち、サプライヤーを多様化する。これは、AI開発における重要なインプットである計算資源の運用自律性への大きな一歩である。マイクロソフトの新規計算能力に対する「優先拒否権(ROFR)」契約 14 のタイミングは、OpenAIのスターゲイトのような大規模で多様なインフラプロジェクト計画への対応として行われた可能性が高い。これは、OpenAIの増大する影響力を反映した妥協案であり、マイクロソフトが完全な排他性なしに特権的な地位を維持する方法である。

B. クラウド排他性の緩和と取締役会オブザーバー議席の放棄

2024年6月までに、OpenAIはコンピューティング能力のさらなる確保のためOracleと提携し、マイクロソフトとの排他条項に例外が設けられた 1。これは、OpenAIがマイクロソフトへの依存度を徐々に低下させていることを示す初期の兆候であった。さらに2025年1月21日、マイクロソフトはOpenAIとのパートナーシップの「次期フェーズ」を発表し、新規計算能力に関する排他性が変更され、マイクロソフトが優先拒否権を持つモデルへと移行した 1。これにより、OpenAIは追加の計算能力についてまずマイクロソフトに相談することを条件に、他の場所で計算能力を求めることが可能になった。

これに先立ち、2024年7月、マイクロソフトはOpenAIの取締役会におけるオブザーバー議席を放棄した 1。マイクロソフトは、OpenAIのガバナンスが過去8ヶ月で改善されたため、オブザーバーとしての限定的な役割はもはや不要であるとの見解を示した 17。この動きは、FTCやEUによる独占禁止法関連の調査が報告された直後であり 17、規制当局の懸念を和らげる意図があった可能性が示唆される。これらの措置は、OpenAIがマイクロソフトとの関係を徐々に緩め、より大きな運営上の自律性を追求していることを示している。

英国CMAは、これらの進展、特にOpenAIのマイクロソフトへの計算資源依存度の低下とマイクロソフトの取締役会オブザーバー議席放棄を理由に、このパートナーシップは合併には当たらないと結論付けた 1。CMAは、マイクロソフトがOpenAIの商業方針を現在支配しているとは考えていないと述べた 14。しかし、これは全ての競争上の懸念が払拭されたことを意味するものではない 1

取締役会オブザーバー議席の放棄と計算能力の排他性緩和は、両社が規制当局の監視の目と、進化する戦略的ニーズとの間でバランスを取ろうとしていることを示している。マイクロソフトにとって、オブザーバー議席の放棄は、OpenAIに対する不当な支配力を行使しているとの認識を軽減するのに役立つ一方、優先拒否権は、OpenAIの主要な計算パートナーとしての地位をある程度維持することを可能にする。OpenAIにとっては、これらの変更は、より大きな自律性と、将来の成長に必要なリソースを多様なソースから確保する能力を意味する。この「戦略的緩和」は、両社が依然として深く結びついているものの、その関係がより成熟し、互いの独立性をより尊重する段階に入ったことを示唆している。

C. 知的財産権とデータガバナンス:Azureの壁とAGIの例外

マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップにおける知的財産(IP)権とデータガバナンスは、特にAzure OpenAI Serviceと共同開発される技術に関して、複雑かつ重要な側面である。マイクロソフトは、Copilotのような自社製品内で使用するために、モデルやインフラを含むOpenAIのIPに対する権利を有している 9。OpenAI APIはAzure上で排他的に提供され、Azure OpenAI Serviceを通じても利用可能である 9。両社間には双方向の収益分配契約が存在する 9

Azure OpenAI Serviceを利用する顧客のデータプライバシーとセキュリティは、マイクロソフトにとって最優先事項である。顧客が提供するプロンプト、生成されるコンテンツ、埋め込み、トレーニングデータは、他の顧客やOpenAIには利用できず、OpenAIモデルの改善やマイクロソフトまたは第三者の製品・サービスの改善にも使用されない(顧客の許可または指示がない限り)64。顧客がファインチューニングしたAzure OpenAIモデルは顧客専用であり、いつでも削除可能である 68。Azure OpenAI ServiceはマイクロソフトがAzureサービスとして運営しており、OpenAIが運営するサービス(ChatGPTやOpenAI APIなど)とは対話しない 66。データは転送中も保存時も暗号化され 69、マイクロソフトは顧客データに対する所有権を主張しない 71

OpenAIの規約では、顧客がインプットの所有権を保持し、アウトプットを所有するとされている(適用法で許可される範囲で)99。OpenAIは、サービス提供、適用法の遵守、OpenAIポリシーの施行に必要な範囲でのみ顧客コンテンツを使用し、サービスの開発や改善には使用しない 48

重要な点として、OpenAIの憲章およびマイクロソフトとの契約において、AGI(汎用人工知能)はIPライセンスやその他の商業条件から明示的に除外されている 37。これは、AGIが達成された場合、その技術の取り扱いが既存の商業的枠組みとは異なるレベルで決定されることを意味し、OpenAIの非営利的な使命と整合性を保つための重要な保護措置となっている。

マイクロソフトのAzure OpenAI Serviceにおける厳格なデータ分離ポリシーは、エンタープライズ顧客がOpenAIの強力なモデルを自社の機密データと共に利用する際の大きな安心材料となっている。これは、OpenAI自身のプラットフォームで直接モデルを利用する場合と比較して、データガバナンスとIP保護の観点から明確な利点を提供する。この「Azureの壁」とも言える保護措置が、多くの企業にとってAzure経由でのOpenAI技術採用を後押ししている。一方で、AGIに関するIPの例外規定は、両社のパートナーシップの根底にあるOpenAIの独自ミッションを反映しており、将来的にAGIが実現した際の権利関係が、現在の商業的取り決めとは根本的に異なる可能性を示唆している。これは、マイクロソフトにとって長期的なリスク要因であると同時に、OpenAIがその究極的な目標に対してある程度の自律性を保持するための重要なメカニズムである。

V. 緊張、相違、そして未来のシナリオ

マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップは、その戦略的重要性にもかかわらず、いくつかの緊張と意見の相違を内包している。これらは主に、OpenAIのミッションと商業的利益のバランス、AIの安全性と倫理、そして両社の独立性と相互依存関係を巡って顕在化している。

A. ミッションと商業化の狭間:OpenAIの理想とマイクロソフトの利益

OpenAIの根源的な使命は「AGIが全人類に利益をもたらすこと」であり 11、これはしばしばマイクロソフトの商業的利益と緊張関係を生む可能性を秘めている。マイクロソフトはOpenAIへの巨額投資を通じて、AzureのAI能力強化、Copilot製品群の市場投入、そして最終的には収益拡大を目指している 6。OpenAIがPBC構造へ移行し、上限なしの利益追求が可能になったことは、この緊張をさらに複雑にしている 19

サム・アルトマンCEOは、OpenAIが「普通の会社ではないし、これからもそうなることはない」と述べ、AGIを全人類に力を与えるツールとして位置づけ、その利益が不利益を大きく上回ると信じていると語っている 12。彼は、数十億ドル、将来的には数兆ドル規模のリソースが必要であると認識しつつも、この使命を追求する姿勢を崩していない 12。一方、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、AIの成功を世界経済の成長で測るべきだとし、AIの恩恵が世界中に広がる可能性に期待を示している 84。これはOpenAIのミッションと部分的に重なるものの、株主価値最大化という企業目標も同時に追求する必要がある。

OpenAIの構造変更に関するマイクロソフトの交渉は、この緊張関係を反映している。マイクロソフトは投資保護を確実にしたいと考えており 5、OpenAIのPBC構造における自社の株式持ち分や収益分配契約について交渉を続けている 19。OpenAIの非営利理事会がPBCの財務決定(利益の再投資と株主への分配のバランスなど)をどのように管理するかは、この緊張関係の核心であり、依然として詳細が詰められている段階である 5

OpenAIの「全人類への利益」という理想と、マイクロソフトの商業的成功という現実との間には、本質的な隔たりが存在する。OpenAIがAGI開発という壮大な目標を追求するためには莫大な資金が必要であり、その主要な供給源がマイクロソフトであるという事実は、両者の力関係に影響を与える。マイクロソフトは投資に対するリターンを最大化するインセンティブを持つ一方で、OpenAIはそのリソースをミッション達成のために最適化しようとする。PBC構造への移行と利益上限の撤廃は、このバランスをさらに商業的な方向へシフトさせる可能性があるが、非営利理事会の最終的な管理権が、その歯止めとして機能することが期待されている。この構造的な緊張は、両社の関係が続く限り、常に存在し続けるだろう。

B. AIの安全性と倫理:アプローチの相違点

マイクロソフトとOpenAIは共に責任あるAI開発を公言しているが、その具体的なアプローチや優先順位において、潜在的な相違点や緊張関係が指摘されている。マイクロソフトは「責任あるAI標準」を策定し、公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、包括性、透明性、説明責任という6つの原則を掲げている 107。Azure OpenAI Serviceでは、顧客データがOpenAIモデルのトレーニングに使用されないことや、コンテンツフィルタリングなどの安全対策が強調されている 64

一方、OpenAIも安全なAGI開発をミッションの中心に据えているが 11、その製品展開の速さについては「AI軍拡競争」を引き起こしているとの批判があり 112、安全性への懸念からOpenAIを去った研究者もいる 22。特に、元リサーチ担当副社長のダリオ・アモデイ氏らは、マイクロソフトとの提携後、OpenAIの方向性が商業化に傾き、安全性よりもモデルの規模拡大を優先するようになったとしてOpenAIを離れ、安全性重視のAIスタートアップAnthropicを設立した 22。OpenAI内部でも、安全性に関する文化やプロセスが「輝かしい製品」の陰に隠れてしまったとの声が元スタッフから上がっている 54。マイクロソフト自身も、自社のチャットボットのリリース速度を「熱狂的」と表現しており 112、迅速な展開と徹底した安全確保との間の緊張を内部的に認識している可能性が示唆される。

具体的な事例として、OpenAIの研究者エリック・ウォレス氏らが、モデルのトレーニングデータセットを汚染して特定の予測を引き起こす「ポイズニング攻撃」の可能性を示した研究や 112、GPT-4が巧妙に虚偽のテキストを生成したり、禁止されているはずの違法なアドバイスを提供したりするのを防ぐことの限界に関するOpenAI自身の報告 112 は、フロンティアモデルの安全性確保の難しさを物語っている。

両社はAI倫理に関する原則を共有しているように見えるが、その原則を実際の製品開発サイクルや市場投入のスピード感にどのように落とし込むかという点で、実践的なアプローチに違いが生じている可能性がある。マイクロソフトはエンタープライズ向けのAzure OpenAI Serviceにおいて、セキュリティとコンプライアンスを前面に出し、顧客データの保護を徹底する姿勢を見せている。これは、規制の厳しい業界の顧客を獲得するための戦略とも言える。対照的に、OpenAI本体は、より広範なユーザー層に向けた製品(ChatGPTなど)を迅速に展開し、イノベーションのペースを維持することを重視しているように見える。この戦略の違いが、安全性へのリソース配分やリスク許容度に関する内部的な意見の相違につながっている可能性は否定できない。元OpenAIの安全担当スタッフの離脱は、この内部的な緊張が表面化した例と考えられる。

C. 将来のシナリオ:専門家による予測と分析

マイクロソフトとOpenAIの将来の関係については、アナリストの間でも様々な見方が出ている。一つのシナリオは、パートナーシップの継続と進化である。両社は2030年までの契約を結んでおり 49、マイクロソフトはOpenAIのIPへのアクセス権や収益分配、APIの排他性を維持している 9。サティア・ナデラCEOはパートナーシップへのコミットメントを繰り返し表明している 78。しかし、その条件は変化しており、Azureの排他性が緩和され、マイクロソフトが新規計算能力に対する優先拒否権を持つ形になっている 1。アナリストは、マイクロソフトのAI戦略にとってOpenAIとのパートナーシップは依然として重要であると指摘する一方で、OpenAIの収益化への道のりや関係性の変化が不確実性をもたらすとも分析している 113

もう一つのシナリオは、関係の希薄化と競争激化である。マイクロソフトは自社AIモデル(MAI、Phiなど)の開発を強化し 6、OpenAIへの依存度を低減しようとしている 6。マイクロソフトAIのCEO、ムスタファ・スレイマン氏は、フロンティアモデル構築者の3~6ヶ月後を追随し、その成功の上に構築する方が費用対効果が高いと述べており、これはOpenAIとの直接競争を避けつつも、技術的独立性を高める戦略を示唆している 80。一部のアナリストは、マイクロソフトがOpenAIの技術への依存から脱却し、将来的にはCopilotを自社モデルで完全に動作させる可能性を指摘している 10。OpenAIがソフトバンクからの大規模な資金調達を通じてマイクロソフトへの依存を減らそうとしているとの報道もあり 79、OpenAIがマイクロソフトの最大の顧客チャネルの一つを失う可能性も示唆されている 10

さらに極端なシナリオとして、マイクロソフトによるOpenAIの買収を予測するアナリストもいる(今後3年以内など)63。これは、AIの誇大宣伝が沈静化し、投資家が他の事業に資金を振り向けるようになった場合に起こりうるとされる。

アナリストの多くは、短期的には課題があるものの、AIとクラウドコンピューティングにおけるマイクロソフトの強力な地位を背景に、長期的な成長の可能性については楽観的である 113。Gartnerの予測では、2025年の世界の生成AI支出は6440億ドルに達するとされ、その大部分(80%)がハードウェアに費やされる見込みである 119。IDCの調査によれば、生成AIへの1ドルの投資に対し平均3.70ドルのリターンがあり 121、AI関連の収益が25%以上のパートナーは、そうでないパートナーの2倍の収益成長を遂げているという 123。これらの市場予測は、マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップが展開されるAI市場全体の成長ポテンシャルを示している。

現時点では、両社は相互依存と競争の複雑なダンスを続けている。マイクロソフトはOpenAIの最先端技術へのアクセスから多大な利益を得ている一方、OpenAIはマイクロソフトの膨大な計算資源と市場リーチに依存している。しかし、両社がそれぞれ独自のAI能力を強化し、戦略的選択肢を多様化するにつれて、このバランスは変化し続けるだろう。長期的には、OpenAIが真のAGIを達成した場合のAGI条項の発動や、マイクロソフトが自社モデルでOpenAIの技術を完全に代替できるようになる可能性など、根本的な関係変化の引き金となる要因が複数存在する。その帰趨は、技術の進歩、市場の力学、そして両社の戦略的判断によって左右されるだろう。

VI. 結論と展望

マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップは、AI業界の黎明期における最も象徴的かつダイナミックな提携関係の一つとして、その様相を絶えず変化させてきた。初期の戦略的投資とAzureを中心とした技術的共生関係から始まり、OpenAIの組織構造の変革、マイクロソフト独自のAI開発戦略の進展、そして「スターゲイト」プロジェクトのような野心的な共同事業に至るまで、両社の関係は相互依存と戦略的自立性の模索という二つの力の狭間で揺れ動いてきた。

OpenAIが非営利団体傘下の公益法人(PBC)へと移行し、マイクロソフトがその新たな枠組みにおける出資比率や影響力について交渉を継続している現状は、両社が新たな均衡点を模索していることを示している。OpenAIは、その創設以来の「全人類のためのAGI」というミッションと、AI開発の莫大な資金需要という現実との間で、常に綱渡りを強いられてきた。上限付き利益モデルからPBCへの移行は、より大規模な資金調達を可能にする一方で、ミッションの純粋性をいかに維持するかという根本的な問いを改めて突きつけている。特に、投資家リターンの上限撤廃は、商業的圧力の増大を招きかねない。

一方、マイクロソフトは、OpenAIとの提携を通じてAI分野で先行者利益を享受しつつも、長期的には技術的独立性を確保し、コストを最適化するために、自社AIモデル(MAI、Phiシリーズなど)の開発とAIパートナーの多様化を積極的に進めている。Azure OpenAI Serviceはエンタープライズ市場におけるAI導入の強力な推進力となっているが、その根幹技術へのアクセスにおいてOpenAIに依存し続けることは、マイクロソフトにとって戦略的リスクとなり得る。このため、OpenAIとの関係は、協力と競争が入り混じる「フレネミー」的な性質を帯びつつある。

「AGI条項」、特にその発動条件とされる「1000億ドルの利益達成」という報道は、両社の契約関係の特異性と複雑さを象徴している。これは、OpenAIの究極的なミッション達成と、マイクロソフトの投資回収という双方の利害を調整しようとする試みであるが、AGIの定義自体の曖昧さとも相まって、将来的な火種となる可能性を秘めている。

規制当局による監視の目も、両社の関係に影響を与える重要な外部要因である。独占禁止法上の懸念から、パートナーシップの透明性やOpenAIの独立性に対する要求は今後も続くと予想され、両社はこれに慎重に対応していく必要がある。マイクロソフトによるOpenAI取締役会オブザーバー議席の放棄や、Azureの排他性緩和(優先拒否権への移行)は、こうした外部環境への配慮を示唆している。

今後の展望として、いくつかのシナリオが考えられる。短期的には、両社は相互利益のために協調関係を維持しつつ、それぞれの戦略的目標を追求するだろう。マイクロソフトは引き続きOpenAIのモデルをAzureやCopilot製品群に活用し、OpenAIはマイクロソフトの計算資源と資金提供に依存する部分が残る。しかし、中長期的には、以下の可能性が考えられる。

  1. 戦略的自立性の向上と関係の希薄化: マイクロソフトが自社AIモデルでOpenAIの技術を代替できるようになり、OpenAIもスターゲイトプロジェクトなどを通じて計算インフラの多様化・自立化を達成した場合、両社の依存度は低下し、より距離を置いた関係へと移行する可能性がある。直接的な競争が一層激化することも考えられる。
  2. 新たな形の共生関係の構築: AGIが現実味を帯びてくる中で、両社がAGI条項を再交渉し、AGI開発とその利益分配に関する新たな枠組みを構築する可能性もある。これは、技術の進展と市場環境の変化に応じた、より持続可能な協力関係の模索となる。
  3. 規制による関係性の変容: 規制当局の介入がさらに強まれば、両社の契約条件や協力範囲に大きな変更が加えられる可能性もある。これは、AI市場全体の競争環境にも影響を与えるだろう。

いずれのシナリオにおいても、マイクロソフトとOpenAIの関係は、AI技術の未来、倫理、そして社会への影響を考える上で、引き続き中心的な役割を果たし続けることは間違いない。両社が、それぞれのミッションと商業的目標、そして社会全体の利益との間で、いかにしてバランスを見出し、進化していくのか、今後も注視が必要である。

引用文献

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  31. OpenAI dials back conversion plan, nonprofit to retain control – DD News https://ddnews.gov.in/en/openai-dials-back-conversion-plan-nonprofit-to-retain-control/
  32. Key Legal Considerations in Nonprofit Spinout Transactions https://corpgov.law.harvard.edu/2025/03/24/key-legal-considerations-in-nonprofit-spinout-transactions/
  33. Legal Considerations for Nonprofits with For-Profit Affiliations – Dalton and Tomich https://daltontomich.com/legal-considerations-for-nonprofits-with-for-profit-affiliations/
  34. Elon Musk Challenges OpenAI’s Shift to For-Profit: The Courtroom Showdown | AI News https://opentools.ai/news/elon-musk-challenges-openais-shift-to-for-profit-the-courtroom-showdown
  35. Here’s why OpenAI clarified that Microsoft is not … – Windows Central https://www.windowscentral.com/microsoft/openai-sneaks-out-website-update-no-longer-lists-microsoft-as-minority-owner
  36. OpenAI – Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/OpenAI
  37. Our structure | OpenAI https://openai.com/our-structure/
  38. OpenAI’s Valuation Conundrum: Microsoft’s Stake in the Spotlight … https://opentools.ai/news/openais-valuation-conundrum-microsofts-stake-in-the-spotlight
  39. Microsoft Is Key Holdout for OpenAI Restructuring Plan – Articles – Advisor Perspectives https://www.advisorperspectives.com/articles/2025/05/06/microsoft-key-holdout-openai-restructuring-plan
  40. Microsoft’s Silent Role in OpenAI’s Restructuring Plan Explained – Outlook Business https://www.outlookbusiness.com/explainers/microsofts-silent-role-in-openais-restructuring-plan-explained
  41. OpenAI Restructuring 2025: For-Profit Plan Scrapped Amid Crackdown! What Does This Mean? – The USA Leaders https://theusaleaders.com/news/openai-restructuring-2025/
  42. Microsoft has this ‘Kill Switch’ for OpenAI that Elon Musk has been wishing for a long time https://timesofindia.indiatimes.com/technology/tech-news/microsoft-has-this-kill-switch-for-openai-that-elon-musk-has-been-wishing-for-a-long-time/articleshow/120764085.cms
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  61. Microsoft and OpenAI’s AGI Profit Benchmark: A $100 Billion Goal? | AI News – OpenTools https://opentools.ai/news/microsoft-and-openais-agi-profit-benchmark-a-dollar100-billion-goal
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  63. REPORT: OpenAI will hit AGI when it develops a system that can generate $100 billion in profit | Windows Central https://www.windowscentral.com/software-apps/a-leaked-document-suggests-openai-will-hit-agi-when-it-builds-an-ai-system-that-can-generate-up-to-usd100-billion-in-profit-but-the-chatgpt-maker-could-endure-a-massive-usd44-billion-loss-before-seeing-profit-in-2029-partly-due-to-microsoft-tie-up
  64. What is Azure OpenAI Service? – Learn Microsoft https://learn.microsoft.com/en-us/azure/ai-services/openai/overview
  65. Azure OpenAI Service https://azure.microsoft.com/en-us/products/ai-services/openai-service
  66. Azure OpenAI Data privacy – Microsoft Q&A https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/2074567/azure-openai-data-privacy
  67. How to sign a Data Processing Agreement( DPA) with Microsoft … https://learn.microsoft.com/en-ie/answers/questions/2236249/how-to-sign-a-data-processing-agreement(-dpa)-with
  68. Data, privacy, and security for Azure OpenAI Service – Learn Microsoft https://learn.microsoft.com/en-us/legal/cognitive-services/openai/data-privacy
  69. Azure OpenAI: data management and Abuse Monitoring – Learn Microsoft https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/2156579/azure-openai-data-management-and-abuse-monitoring
  70. Azure OpenAI Data Retention Privacy 2025 – Learn Microsoft https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/2181252/azure-openai-data-retention-privacy-2025
  71. GDPR & Generative AI – Microsoft’s Public Sector https://wwps.microsoft.com/wp-content/uploads/2024/04/GDPR-and-Generative-AI-A-Guide-for-the-Public-Sector-FINAL.pdf
  72. Snowflake Securely Integrates Microsoft Azure OpenAI Service to Provide Access to the Latest OpenAI Models with Expanded Microsoft Partnership https://www.snowflake.com/en/news/press-releases/snowflake-securely-integrates-microsoft-azure-openai-service-to-provide-access-to-the-latest-openai-models-with-expanded-microsoft-partnership/
  73. Microsoft and OpenAI: A Timeline | MyLens AI https://mylens.ai/space/carlaaadas-workspace-dt5k00/microsofts-journey-with-openai-dbzn2z
  74. Connect your data to Azure OpenAI for generative answers (preview) – Microsoft Copilot Studio https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-copilot-studio/nlu-generative-answers-azure-openai
  75. Integrating Azure OpenAI with Copilot Studio – Power Platform Community https://community.powerplatform.com/galleries/gallery-posts/?postid=26902632-3caa-4377-81d1-cfafa91f75c5
  76. Microsoft Breaks Away from OpenAI: Inside the Tech Giant’s Bold … https://www.ctol.digital/news/microsoft-ai-breaks-away-from-openai/
  77. Microsoft Looks Beyond OpenAI – Perplexity https://www.perplexity.ai/page/microsoft-looks-beyond-openai-xcvmz0JyTiipf0BCk8BWgA
  78. Satya Nadella says AI performance is doubling every 6 months … https://www.windowscentral.com/microsoft/satya-nadella-microsoft-ai-model-performance-is-doubling-every-6-months
  79. Salesforce CEO Marc Benioff’s prediction about Microsoft and OpenAI’s partnership may have just manifested — and it’s not a pretty look for the ChatGPT maker – Windows Central https://www.windowscentral.com/microsoft/salesforce-ceo-marc-benioffs-prediction-about-microsoft-and-openais-partnership-may-have-just-manifested
  80. Microsoft’s AI masterplan: Let OpenAI burn cash, then build on their successes – Reddit https://www.reddit.com/r/OpenAI/comments/1jul2xk/microsofts_ai_masterplan_let_openai_burn_cash/
  81. “We are below them, above them, around them. ” -Satya on OpenAI : r/singularity – Reddit https://www.reddit.com/r/singularity/comments/1biyek5/we_are_below_them_above_them_around_them_satya_on/
  82. The key quote in the article is “The actual contract Microsoft has with OpenAI i… | Hacker News https://news.ycombinator.com/item?id=38367405
  83. Microsoft clarifies OpenAI relationship after Stargate megadeal, has cloud right of first refusal https://www.datacenterdynamics.com/en/news/microsoft-clarifies-openai-relationship-after-stargate-megadeal-has-cloud-right-of-first-refusal/
  84. Inside Microsoft’s AI Bet: Satya Nadella on Leadership, Innovation … https://www.madrona.com/inside-microsofts-ai-bet-satya-nadella-on-leadership-innovation-and-the-future/
  85. OpenAI’s nonprofit keeps control as startup pivots for more capital | Capacity Media https://www.capacitymedia.com/article/openais-nonprofit-keeps-control-as-startup-pivots-for-more-capital
  86. Microsoft and OpenAI tweak the terms of their cloud deal, enabling … https://www.geekwire.com/2025/microsoft-and-openai-tweak-the-terms-of-their-cloud-deal-enabling-500b-stargate-ai-project/
  87. Stargate AI: further reacceleration of the AI compute wave – Janus Henderson Investors https://www.janushenderson.com/en-us/offshore/article/stargate-ai-further-reacceleration-of-the-ai-compute-wave/
  88. What’s new with Microsoft Azure for 2025 – Console Connect Blog https://blog.consoleconnect.com/whats-new-with-microsoft-azure-for-2025
  89. Updated 2025! Azure OpenAI Service – an introduction – LicenseQ https://licenseq.com/azure-openai-service-an-introduction/
  90. OpenAI, Microsoft, Oracle Working On $500 Billion Stargate Project: 100,000 Americans Can Get Jobs – Trak.in – Indian Business of Tech, Mobile & Startups https://trak.in/stories/openai-microsoft-oracle-working-on-500-billion-stargate-project-100000-americans-can-get-jobs/
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  117. MSFT Stock Prediction: Will Microsoft Hit $600 Amid Cloud and AI Boom? – Valley Springs Farmers Coop – https://valleyspringsfarmerscoopsd.com/news/story/32162760/msft-stock-prediction-will-microsoft-hit-600-amid-cloud-and-ai-boom
  118. Wall Street Is Bullish on Microsoft Stock for 2025. Time to Buy? – Nasdaq https://www.nasdaq.com/articles/wall-street-bullish-microsoft-stock-2025-time-buy
  119. Gartner Forecasts Worldwide GenAI Spending to Reach $644 Billion in 2025 https://www.businesswire.com/news/home/20250331176525/en/Gartner-Forecasts-Worldwide-GenAI-Spending-to-Reach-%24644-Billion-in-2025
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  121. Microsoft reports 85% of Fortune 500 using its AI solutions; IDC study shows US$3.70 return for every US$1 invested in generative AI – Industry Intelligence https://www.industryintel.com/news/microsoft-reports-85-of-fortune-500-using-its-ai-solutions-idc-study-shows-us-3-70-return-for-every-us-1-invested-in-generative-ai-168112159776
  122. How real-world businesses are transforming with AI — with 261 new stories https://blogs.microsoft.com/blog/2025/04/22/https-blogs-microsoft-com-blog-2024-11-12-how-real-world-businesses-are-transforming-with-ai/
  123. Unlocking unprecedented growth from AI in 2025 – Microsoft Partner Network https://partner.microsoft.com/en-us/blog/article/unlocking-unprecedented-growth-from-ai-in-2025