1. コミュニケーションの性質・スタイル
1-1. リアルタイム性
- LINEトーク
- スマートフォンとの親和性が高く、ユーザーの多くは日常的にLINEを使っています。通知が届けばすぐにチェックする傾向が強く、リアルタイムかつタイムリーなコミュニケーションが可能です。
- 1対1のトーク感覚が強いため、ユーザーとしては「友達や知人と同じ感覚でやり取りしている」錯覚や親近感が生まれやすいという特徴があります。
- メルマガ
- 受信トレイにメールが届く仕組みなので、ユーザーがメールを開くまでにはタイムラグが生じやすくなります。通知をオンにしていない人や、PCでしかメールを見ない人もまだまだ一定数います。
- ただし、「じっくり読ませる」ことを目的にする場合は、ある程度の時間的な距離感があったほうが都合のいい場合もあり、必ずしもリアルタイム性の高さが正義とは限りません。
1-2. カジュアル度・フォーマル度
- LINEトーク
- LINEは友達や家族との連絡ツールという色が非常に強いメディアです。そのため、ユーザー側としては「気軽に返信しやすい」「カジュアルな印象」を受けやすいです。
- ビジネス的な文章よりも、スタンプや短文でのやり取りに慣れているため、プロモーションとしても親しみやすさや即時性を重視する企業には相性が良いといえます。
- メルマガ
- テキスト中心の文章でしっかりと情報を伝えることができる一方、文字の羅列がメインでフォーマルな印象になりやすいです。
- ビジネス感が強いという意味で、使い方によっては「信頼感・専門性を伝える」という目的にもフィットしやすいです。堅実な企業イメージを演出しやすいとも言えます。
2. 到達率・開封率の違い
2-1. 到達率(Deliverability)
- LINEトーク
- LINE公式アカウントの場合、ユーザーが「友だち登録」した時点でそのメッセージはほぼ確実に相手のLINEアプリに届きます。迷惑フォルダという概念がほぼなく、届きやすさは非常に高いです。
- ただし、ユーザーが受信を拒否したりブロックしたりした場合、以後は一切届かなくなります。また、通知が届く設定にしていても、実際には「既読スルー」されることもあるため、“開封率が高い=すべての人が内容をしっかり読む” とは限りません。
- メルマガ
- メールの場合、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、プロバイダやメールクライアントのフィルタリングに引っかかったりする可能性が存在します。
- また、メールアドレスの有効性が失われたまま放置されている場合など、実際にユーザーが読める状態に届いていないケースもあります。
- 一般的に、到達率が100%になることはまずありませんが、適切な配信サービスやドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC等)を行い、リストをきちんとメンテナンスしていれば、ある程度高い到達率を維持できます。
2-2. 開封率(Open Rate)
- LINEトーク
- 到達率と同様に、通知が来ればユーザーの多くはトークを開くため、非常に高い数値を示すことがあります。例として、一般的なLINE公式アカウントであれば、開封率が50~80%という高い水準になることも珍しくありません。
- ただし、見た目上「開封」とカウントされても、実際にテキストをすべて読まれているかは別の問題です。LINEは“1秒で既読が付く”こともあるため、必ずしも内容が深く読まれているわけではない点に留意が必要です。
- メルマガ
- メールマーケティングの平均的な開封率は業界にもよりますが、10~30%程度が一般的と言われます。(あくまでも目安)
- 件名の付け方や配信タイミング、セグメントの適切さなどにより大きく変動します。LINEより低めの数値になりがちですが、一方で一度開かれた場合にはしっかり読まれる傾向があるのも特徴です。
3. コンテンツの表現力・情報量
3-1. メッセージの長さ・レイアウト
- LINEトーク
- 長文を送ることも不可能ではありませんが、実際にはユーザーの画面がチャット形式で流れていくため、長すぎる文章は読みにくい・嫌われやすいです。
- 画像やスタンプ、リッチメッセージ(画像やボタンを大きく表示する形式)などを活用すると、視覚的に情報を伝えやすくなります。一方で、文章量を多くすると離脱率が上がりやすい点は注意が必要です。
- メルマガ
- 基本的にテキスト主体である一方、HTML形式でレイアウトを整えたり画像を挿入したりといった拡張が可能です。
- 長文の読み物、記事風コンテンツ、詳細な商品紹介、顧客の声の掲載などを1通に盛り込みやすいのも特徴。顧客に時間をかけて読んでもらえる(読んでもらいやすい)心理状態を作り出せれば、深い情報提供が可能です。
3-2. マルチメディア対応
- LINEトーク
- シンプルなテキストの他、画像、動画、スタンプ、リンクボタンなどを挿入できます。リッチメッセージ(画像全体がリンクになっていて、誘導する)の活用でスピーディにユーザーをLPやショップサイトへ誘導できます。
- ただし、動画を直接送る場合はファイルサイズの制限やユーザー側の通信環境に左右されることがあるため、長尺動画はYouTubeや自社サイトへのリンクに誘導する形が多いです。
- メルマガ
- HTMLメールを使って画像やリンクを配置すれば、ある程度視覚的に訴求できますが、動画を直接再生できる仕組み(インライン動画)は限定的です。多くの場合はリンクで外部サイトへ誘導するしかありません。
- さらに、受信者のメール環境によってはHTMLメールが正しく表示されなかったり、画像がブロックされたりするリスクもあるため、テキストと画像の比率には注意が必要です。
4. パーソナライゼーションとセグメンテーション
4-1. セグメント配信
- LINEトーク
- LINE公式アカウントの場合、友だちを属性ごとにタグ分けしてセグメント配信が可能な機能があります。たとえば「購入履歴のある人だけ」「特定のキャンペーンに参加した人だけ」などに絞って配信できるので、精度の高いターゲティングができます。
- ただし、メールアドレスなどの詳細な情報よりもユーザーがLINE上でどのようにアクションしたか(ブロック・アンケート回答など)が中心になるため、取得できるデータの種類や深さがサービスによって制約されることがあります。
- メルマガ
- メールマーケティングオートメーション(MAツール)を導入している企業であれば、ユーザーの購買履歴やサイト閲覧履歴を元にかなり細かいセグメント配信が可能です。
- 会員データベースとの連携がしやすく、一度メールアドレスを中心とするデータベースを構築してしまえば、性別、年代、居住地、購入金額、興味のあるカテゴリーなど、多角的にセグメントを切ってパーソナライズドなメールを送ることができます。
4-2. パーソナライズの度合い
- LINEトーク
- 一斉配信メッセージでも友だちの「表示名」を差し込む程度のパーソナライズは可能ですが、メールと比べると細かいユーザー情報を差し込む仕組みは限定的です。(ツールやプランによって機能が変わる)
- 個別チャットで対応する場合は、担当者が手動でパーソナライズしたやり取りが可能ですが、それはスケールしにくいというデメリットがあります。
- メルマガ
- 名前の差し込みや、購買履歴に応じたレコメンド商品、過去のクリック履歴に応じたコンテンツなどを1通1通個別にカスタマイズして配信することができます。
- 「誕生日のお祝いメールを送る」「〇〇さんが前に購入した商品が再入荷しました」など、かなり高度なパーソナライゼーションを自動化できる点が強みです。
5. コスト・運用面の違い
5-1. 運用コスト
- LINEトーク
- LINE公式アカウントの場合、無料プランや有料プランがあります。配信通数や登録者数に応じて月額費用が変動する課金体系が一般的です。
- 無料プランでは配信数に上限があるため、大量配信を行う場合は有料プランの契約が必須となります。また、セグメント配信やリッチメニューの作成などもプランによって機能制限がある場合があります。
- メルマガ
- メール配信システム(ESP:Email Service Provider)の導入コストや、MAツールの利用料がかかりますが、メール数の上限が高めに設定されているプランが多く、1通あたりの配信コストは比較的低い傾向にあります。
- 一方で、HTMLメールやステップメールなど高度な配信を行う場合には、設定やデザインの手間、運用管理コストがかかります。
5-2. 制作コスト
- LINEトーク
- 文章は短めでOKですが、リッチメッセージやカードタイプのメッセージを制作する際は、バナー画像やデザイン作業が発生します。
- 運用担当者がチャット感覚でメッセージを作りやすい反面、「公式アカウントをブランディングの一環としてどう表現するか」「友だち追加時のセグメント設定」などのシナリオ設計も必要です。
- メルマガ
- 基本的にテキストベースであればコピペで送ることも可能ですが、ブランドイメージを高めるためには、HTML形式でレイアウトを整えたり、CTAボタンや画像を効果的に配置したりするデザイン作業が発生します。
- また、マーケティングオートメーションを活用する場合はステップメールやシナリオ構築に相応のノウハウと時間が必要で、その分のコストがかかります。
6. 法的規制やユーザーのプライバシーへの配慮
6-1. 日本の法規制(特定電子メール法など)
- LINEトーク
- 特定電子メール法は主にメール配信(電子メール)を規制対象としていますが、LINEなどのSNSやメッセンジャーでの販促行為についても、「迷惑行為」にあたる場合はユーザーからクレームが入ればプラットフォーム規約によるアカウント停止などの制裁を受ける可能性があります。
- ただし法的にはメールほど厳格な規制は受けていない傾向にあり(2025年現在も大きくは変わりません)、どちらかといえばプラットフォームルールへの準拠とユーザー体験を損なわない配慮が求められます。
- メルマガ
- 日本では特定電子メール法や、EU向けの配信であればGDPRなどに準拠しなければなりません。配信停止(オプトアウト)の方法を明記する、無断でメールを送らない(オプトイン原則)などを守る必要があります。
- メールマーケティングでは法的規制やガイドラインへの対応が厳格であることが一般的で、違反があれば行政処分や罰則を受ける可能性があります。
6-2. ユーザーのプライバシー意識
- LINEトーク
- 友だち登録しているからといって、頻繁に通知を送られるとユーザーにとっては「プライベートな空間に踏み込まれた」ように感じ、ブロックされる原因となりやすいです。
- 「パーソナライズ」として個人情報を過度に送りすぎると抵抗感が増す可能性もあります。LINEはあくまで“プライベートチャット”という感覚が強いため、節度のある配信が求められます。
- メルマガ
- ユーザーがメールマガジンに登録する際は、ある程度「メールが来ること」を覚悟しているのが前提です。ただし、どの程度の頻度や内容で配信されるかによっては、配信停止されることも珍しくありません。
- メールアドレスという個人情報を扱うため、セキュリティ対策や個人情報保護の観点での安心感を与える必要があります。
7. 効果測定とデータ活用
7-1. 計測指標(KPI)の違い
- LINEトーク
- メインとなる指標は「メッセージの開封率」「クリック率」「ブロック率」など。
- ユーザーがどのボタンをタップしたか、あるいはメッセージのやり取り数などを細かく追跡できるツールもありますが、メールと同レベルでの詳細なトラッキングは難しいケースもあります。
- メルマガ
- 「開封率」「クリック率」「コンバージョン率」などを詳細に測定でき、UTMパラメータ(URLパラメータ)との組み合わせでWebサイト上の行動を追跡しやすいです。
- メールマーケティングオートメーションであれば、メールを開封したユーザーだけに次のメールを送る、といったシナリオベースの高度なトラッキングと自動化が可能。
7-2. データの活用方法
- LINEトーク
- キャンペーンごとのクリック率やブロック率から、ユーザーがどんな情報を求めているかを推測したり、配信タイミングを検証したりします。
- Chatbot機能やステップ配信機能を組み合わせると、ある程度の自動化も可能ですが、メールほどの長期的かつ複雑なシナリオ設計は難易度が高めです。
- メルマガ
- WebサイトやECとの連動データが蓄積しやすく、ユーザーセグメントを細分化することで効果的な再アプローチが可能です。
- Google Analytics(GA)などとの連携もしやすく、配信後の導線をトラッキングして、売上データまで含めた効果測定を行うことが標準的な運用フローとなっています。
8. ユーザー体験(UX)の側面
8-1. ユーザーの心理と「通知の重み」
- LINEトーク
- LINEの通知は「親しい人からの連絡」という心理が働きやすく、通知が鳴るとつい見たくなる人が多いです。ただし同時に、企業からの通知に対しては「頻繁に来るとウザい」と感じやすいというデメリットがあります。
- そのため、配信頻度を適切にコントロールしなければ、あっという間にブロックされて関係が断たれてしまうリスクもあります。
- メルマガ
- メールの通知は、ビジネス上のやりとりや広告メールなど多岐にわたるため、「また来たな」程度で済むユーザーも少なくありません。
- ただし、受信トレイに大量のメールが埋もれる現代では開封すらされないことも多く、目に留めてもらうための工夫(件名やプレビューの最適化、適切な配信時間の選定など)がより重要になります。
8-2. 双方向コミュニケーションのしやすさ
- LINEトーク
- ユーザーが気軽に返信しやすく、チャットボットやスタッフがリアルタイムで対応できる点は大きな強みです。疑問点をすぐに解消し、購入や予約などに導きやすくなります。
- 一方で返信が来るとその分、運用担当者側も対応が必要になります。想定以上に質問が殺到した場合、キャパシティオーバーを起こすこともあり、運用体制を整備する必要があります。
- メルマガ
- 基本的に一方通行のコミュニケーションになりがちですが、メール本文に問い合わせ先やフォームへのリンクを用意しておけば、購読者は必要に応じて自発的にアクセスしてくれます。
- メールへの直接返信を想定していない企業も多いですが、返信できる形にしておけば「ステルスニーズ」を拾うことも可能。とはいえ、LINEほど気軽にやり取りできるチャット感はありません。
9. ブランドイメージ・運用目的別の使い分け
9-1. ブランドイメージとの相性
- LINEトーク
- カジュアルで親近感を重視するブランドや、若年層に強い商材(ファッション、コスメ、エンタメ、飲食店など)との親和性が高いです。
- クイックレスポンスが欲しいカスタマーサポート的な役割を兼ねる場合も有効です。
- メルマガ
- 落ち着いた雰囲気のブランドや、高額商品を扱うような企業、BtoB向けのサービスなどで信頼感・専門性を演出しやすいです。
- じっくりと読み込んでもらいたい情報(ホワイトペーパー、専門記事、研究結果、導入事例など)を配信するのにも適しています。
9-2. 運用目的での選択
- 即時性が大事なキャンペーン(セールやイベント告知など)
- LINEトーク は通知の開封率の高さも相まって効果的。ただし何度も通知するとユーザーに嫌われるリスクがある。
- メルマガ はメールチェックのタイミング次第で、即時性が薄れる可能性がある。一方で詳細情報をしっかり書き込めるため、高単価商品や限定セールの価値をきちんと訴求できる。
- 商品やサービスの使い方を解説する、継続的な教育コンテンツ
- LINEトーク は細切れ情報を適度な頻度で届けるのには向いているが、深い理解を必要とする内容は分割配信を工夫する必要あり。チャットボットでQ&A形式にする等、工夫次第では効果的。
- メルマガ はステップメールの形でシナリオを組むことが容易で、1通ごとにしっかりと説明・紹介しながら教育していくスキームを作りやすい。長文にも適している。
10. 総合的なまとめと活用戦略
- LINEトークのメリット
- 通知による高い開封率・即時性
- ユーザーとの距離感が近く、カジュアルな印象
- 双方向コミュニケーションがスムーズ
- リッチメッセージやスタンプなどで視覚的訴求がしやすい
- LINEトークのデメリット
- 配信のしすぎはブロックのリスク大
- 長文コンテンツや複雑な情報提供にはやや不向き
- 個別チャット対応が必要な場合、運用リソースの確保が必須
- 取得できるデータがメールより限定的な場合が多い
- メルマガのメリット
- 法的に確立された仕組みがあり、信頼感を損ないにくい
- 長文や詳細情報の提供が可能
- マーケティングオートメーションとの相性が良く、高度なセグメント配信が容易
- 開封率やクリック率、コンバージョンなどを精緻に計測できる
- メルマガのデメリット
- 迷惑メールフォルダへの振り分けリスク
- 開封率がLINEよりも低めになりがち
- リアルタイム性やカジュアルなやり取りにはあまり向かない
- 制作や運用にある程度の専門知識や手間が必要
- 両者の使い分け
- 即時性・双方向性が必要な施策:LINEトークを中心に展開しつつ、ブロックされないよう配信頻度に注意。
- 深い情報提供やBtoB商材など信頼を重視する施策:メルマガを活用し、ロングフォームのコンテンツやホワイトペーパーへの誘導を行う。
- ユーザーと段階的に関係を構築したいとき:メルマガのステップ配信で育成(ナーチャリング)を行い、タイミングを見てLINEトークでもアクション促進のサポートを行う。
- キャンペーン告知の拡散:LINEで素早く集客をし、メルマガで詳しい情報提供やフォローアップを行うといったハイブリッド運用が効果的。
- 理想的なシナリオ
- 新規リードを獲得した際に、LINE公式アカウントへの登録もメールアドレスの登録も両方促し、ユーザーが希望するコミュニケーション手段を選んでもらう。
- LINEでは短く直接的な告知・個別サポートを行い、メールでは深い説明や教育・ブランドストーリーを配信する、といった棲み分けを行う。
- 離脱や未購入のユーザーにはメールでステップ教育を行い、LINEでカジュアルに「フォローアップクーポン」を配信するなど、チャネル間で役割を分担させると最大効果が期待できる。
まとめ
- LINEトークとメルマガは、役割や得意分野が異なるが、どちらもリード(見込客)との関係構築において重要なチャネルである。
- LINEトーク は高い開封率と即時性、カジュアルで双方向なコミュニケーションが魅力。
- メルマガ は信頼感・専門性を伝えやすく、長文や複雑な情報を提供しやすく、より緻密なデータ分析・セグメント配信が可能。
- 両者をうまく組み合わせることで、リードのニーズや状況に応じた最適なアプローチが実現 し、コンバージョン率やLTVの向上につながる。
以上が、プロモーション活動におけるリードに対する「LINEトーク」と「メルマガ」の違いや特徴を多角的に掘り下げた解説となります。特に日本ではLINEの普及率が高いため、多くの企業が注目していますが、メルマガ(Eメールマーケティング)も未だに高いROIを誇る定番チャネルです。目的や対象ユーザーに合わせて、上手に使い分け・併用することがマーケティング成果を最大化する秘訣といえるでしょう。



