絵画・写真・デジタルアート・AI画像の多様なスタイルのリスト

絵画(歴史的な芸術スタイル)

写真の技法・スタイル

  • モノクロ写真(Monochrome/B&W) – 白黒の濃淡だけで表現する写真スタイルです。被写体の色彩を排し、明暗(光と影)の階調で構成された映像で、光の強弱やコントラストによって質感や造形美を強調します (モノクロフィルム – Wikipedia)。タイムレスでクラシックな雰囲気を持ち、被写体の本質的な形や陰影に注目させる効果があります。
  • セピア調写真(Sepia Tone) – 古写真のように画像全体が茶色がかった単色の濃淡で表現されるスタイル。モノクロ写真の一種ですが、その名の通り茶色系統(セピア色)で統一され (セピア写真 – Adobe)、懐かしく温かみのある雰囲気を演出します。
  • HDR写真(High Dynamic Range) – ハイダイナミックレンジ合成による写真表現技法です。露出の異なる複数の写真を合成することで、肉眼では難しい明部と暗部の両方にディテールが残った高コントラストな画像を得ます (High Dynamic Range (HDR) Photography for Beginners – PRO EDU)。結果として非常に鮮明でドラマチックな風景描写が可能になります。
  • ピクトリアリスム(Pictorialism) – 19世紀後半~20世紀初頭に流行した芸術写真の潮流で、「絵画のように美しい写真」を目指したスタイルです。単なる現実記録ではなく写真家の創造性を重視し、ソフトフォーカスや手作業の加工によってわざと不鮮明で夢幻的な効果を与えた芸術写真全般を指します (〖美術解説〗ピクトリアリスム「ソフトフォーカスで撮影された芸術写真」 – Artpedia アートペディア/ 近現代美術の百科事典・データベース)。絵画的な雰囲気と詩情をたたえた写真表現が特徴です。
  • ホルガ写真(Holga Photography) – トイカメラ「Holga」で撮影されたローファイな写真スタイル。Holga特有のプラスチックレンズによるピントの甘さや、四隅の暗い影(トンネル効果) (HOLGAとは? – HOLGAの使い方)、光漏れによる独特のにじみなど、低画質ながらも味わい深い効果が生まれます。ノスタルジックで芸術的な風合いを持つ写真表現です。
  • ストリートフォトグラフィ(Street Photography) – 街頭で日常の一瞬を切り取る写真ジャンル。都会の雑踏や路上の人々を被写体に、被写体に演出を加えず即興的・隠し撮り的に捉えることで、日常生活の本質や社会のリアルな雰囲気を写し出します (Street Photography: A Captivating Chronicle of Everyday Life)。モノクロで撮られることも多く、その場の空気感や決定的瞬間を重視したドキュメンタリー性が特徴です。
  • ローキー写真(Low-Key) – 全体に暗いトーンでまとめられた写真スタイル。背景をほぼ黒く落とし、被写体の一部にだけ光を当てて強い陰影を作り出すことで、ドラマチックでミステリアスな雰囲気を醸し出します (Low Key Photography Defined and Explained – Photzy)。暗闇の中から浮かび上がる形状や質感が印象的で、ポートレートや静物撮影でよく用いられます。
  • ハイキー写真(High-Key) – 全体に明るいトーン(白飛び寸前のハイライト中心)でまとめた写真スタイル。影を極力抑えた柔らかな光で被写体を包み込み、爽やかで夢のような明るい雰囲気を作ります (High key photography Midjourney style | Andrei Kovalev’s Midlibrary)。高調なトーンにより陰影のコントラストが低く、ポートレートでは被写体を優しく美しく表現する効果があります。
  • マクロ写真(Macro Photography) – 昆虫や花など小さな被写体に極端に近寄って撮影するクローズアップ写真。肉眼では捉えられない微細なディテールや質感を大きく写し出すことにより、新たな美を発見するスタイルです (Mastering The Art of Capturing Stunning Close-Up Shots – Prazzle)。被写界深度が浅く背景が大きくボケるため、被写体が際立ち神秘的な印象を与えます。
  • 赤外線写真(Infrared Photography) – カメラに赤外フィルターを装着したり改造したりして、可視光ではなく赤外線によって撮影した写真表現です。植物の葉が白く発光するように写るなど(クロロフィルの赤外反射)、現実とは異なる独特のトーンや超現実的な風景描写が得られます (How to Capture the Invisible with Infrared Photography)。非日常的で幻想的な雰囲気を醸し出す特殊なスタイルです。

デジタルアートのスタイル

  • ピクセルアート(Pixel Art) – コンピュータの低解像度なドット絵で描かれるデジタルアート (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。マス目状の大きなピクセルで構成されたグラフィックで、8bitや16bitゲーム機のレトロな画風を想起させます。限られたドットと色数で表現する制約ゆえの抽象化されたデザイン美とノスタルジーが魅力です。
  • ボクセルアート(Voxel Art) – 3次元のピクセル(ボクセル=体積素)で構成される立方体ブロック風のデジタル表現。マインクラフトのように立方体ブロックを積み重ねて立体物を作るスタイルで、ドット絵の3D版とも言えます。低解像度ながら立体的な可愛らしさがあり、ゲームやCGで親しまれる表現です。
  • ベクターアート(Vector Art) – 数学的なベクターデータ(座標とパス情報)で描かれたデジタルイラスト。滑らかでシャープな輪郭線と均一でフラットなベタ塗り色が特徴で、ロゴやアイコン、イラストレーションに多用されます (How to Create Vector Art Using Midjourney – Imagine with Rashid)。解像度に依存せず拡大縮小しても劣化しないため、非常にクリーンでモダンな印象を与えるスタイルです。
  • フラクタルアート(Fractal Art) – フラクタル(自己相似形)数学に基づくアルゴリズムで自動生成される抽象芸術 (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。コンピュータ計算によって生み出された繰り返し模様や渦巻きなど、無限に細分化される複雑で神秘的なパターンが特徴です。鮮やかな色彩のグラデーションと幾何学模様による幻想的なビジュアル表現となります。
  • ジェネレーティブアート(Generative Art) – アルゴリズムやプログラムを用いて自動生成されるデジタルアート全般を指すスタイル (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。乱数や方程式によって図形や色彩が半ばランダムに構成され、人間の制御を離れた予測不能な美を追求します。コンピュータならではの偶然性と構築美が融合した現代的なアート表現です。
  • シンセウェーブ(Synthwave) – 1980年代のレトロフューチャーな視覚様式を現代に甦らせたデジタルアートの一形態。ネオンカラーのグリッド地平線、夕焼けの太陽、スポーツカーやピクセル風グラフィックなど (Synthwave | Aesthetics Wiki | Fandom)、80年代のSFやゲームを思わせるモチーフを多用し、“アウトラン”とも呼ばれる派手でノスタルジックな美学を特徴とします。
  • グリッチアート(Glitch Art) – デジタルの偶発的な故障やノイズ(グリッチ)を意図的に発生させ、その歪みを美的表現に昇華するスタイル (Glitch Art: Exploring the Aesthetics of Digital Error and Distortion)。画像データを破壊・改変して生じるカラープレやノイズ、ズレたピクセル列などの効果を作品に取り入れ、テクノロジーの狂いやデジタル時代の不安定さを逆手にとった独特の審美性を生み出します。
  • ネオンパンク(Neonpunk) – サイバーパンク的な近未来世界観に、ネオンサインのような強烈な極彩色要素を融合させたアートスタイル。暗い都市風景の中にピンクやシアンのネオン光が輝くようなコントラストが特徴で、未来的かつ退廃的な雰囲気を強調します。サイバーパンクの亜種として、ビビッドな色彩で夜の都市を彩る表現スタイルです。
  • セルシェーディング(Cel Shading) – 3DCGのレンダリング技法の一つで、陰影を段階的なベタ塗りで表現しアニメやコミックのような平面的スタイルに仕上げる手法 (Cel Shading: A Comprehensive Guide – GarageFarm)。ポリゴンモデルの輪郭線を描き起こし、明暗を数色の平坦な色調で塗り分けることで、手描きイラストのようなビジュアルを得ます。ゲームやアニメ調CGで広く用いられるスタイルです。
  • ローポリ(Low-Poly) – ポリゴン数(面の数)が非常に少ない3Dモデルで構成されたアートスタイル。荒削りな多面体でオブジェクトを表現し、わざと角ばったポリゴンの形状を強調することで独特の幾何学的美しさを生み出します (Low Poly | Aesthetics Wiki | Fandom)。1990年代の3Dゲームを思わせるシンプルな造形とフラットな陰影が、ミニマルかつ懐かしい印象を与えます。
  • アスキーアート(ASCII Art) – ASCII文字などテキストの文字組み合わせによって図像を描くデジタル表現。画面上に並んだ文字の濃淡や形状で人物・風景などを表現し、コンピュータやタイプライター文化から生まれたスタイルです。インターネット掲示板発祥の「顔文字」や「AA(アスキーアート)」文化としても日本では定着しており、文字による独特の可読性と視覚性が魅力です。

AI生成画像のスタイル

  • アニメ風 – 日本のアニメーション風のビジュアルスタイル (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。はっきりしたアウトライン(輪郭線)と鮮やかなセル画調の塗り、デフォルメされたキャラクター表現が特徴です。AI画像生成では二次元の美少女キャラクターなど、アニメ風イラストを高精細に描く用途で広く使われています。
  • ビジュアルノベル風 – 日本のビジュアルノベルゲームに登場するイラストのようなスタイル。美少女ゲームのCGに代表される、繊細なラインと陰影で描かれたキャラクター、美麗な背景美術などを特徴とし、まるでライトノベルの挿絵やゲームの一場面のような雰囲気を持ちます。物語性を感じさせる華やかなスタイルです。
  • サイバーパンク – 高度な未来技術と退廃した都市を舞台にしたSF的スタイル。「ハイテク×ローライフ(高度技術と荒廃社会)」をテーマに、ネオン瞬く都市の夜景やサイバーな義体人間などを描きます (Cyberpunk | Aesthetics Wiki | Fandom)。暗がりにネオン光が映えるコントラストと、近未来的ガジェットの描写が特徴のダークな美学です。
  • スチームパンク – 19世紀ヴィクトリア朝風のレトロ未来スタイル。蒸気機関や歯車仕掛けの機械技術が発達した架空世界を描き、真鍮や革で装飾されたゴーグルや機械義肢、蒸気汽船などが登場します。古風だが高度な機械文明という独特の対比が魅力で、茶褐色基調のクラシカルな未来像を提示する美術スタイルです。
  • ダークファンタジー – ダーク(暗黒)な雰囲気を持つファンタジーアートのスタイル。ゴシック調の建築や不気味な森、悪魔やアンデッドの怪物など、ファンタジー世界の中でも陰鬱で恐怖感のあるモチーフを描きます。重厚な色彩と強いコントラストで神秘的かつダークな世界観を表現し、見る者に畏怖や幻想を抱かせるスタイルです。
  • トゥーンレンダリング風 – 3DCGを用いた画像をアニメやコミック風に見せるレンダリングスタイル。先述のセルシェーディング技法によりアウトラインを強調し色面をべた塗りしており、立体物でありながら手描き漫画のコマのような平面的でポップな印象を与えます (Cel Shading: A Comprehensive Guide – GarageFarm)。キャラクターを3Dモデルで起こしつつイラスト調に仕上げたい場合によく使われるスタイルです。
  • フォトリアル(写真風) – 出力結果が写真と見紛うほど現実的な質感・光沢を持つスタイル (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。陰影や質感を物理ベースで忠実に再現し、肌の質感や光の反射など細部まで緻密に表現されます。高品質な3DCGレンダリング画像や実写風の合成画像として、現実そのもののような説得力を持つAI生成スタイルです。
  • 油絵風 – 伝統的な油彩画の質感を再現したスタイル。厚く盛られた絵具のタッチや筆致、独特の混色感が表れた表現で、キャンバスに描いたような重厚な雰囲気があります。名画のようなクラシックな風合いから印象派風のタッチまで、AIで多彩な油絵調表現が可能です (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。
  • 水彩画風 – 透明水彩のにじみや淡い色合いを再現したスタイル。紙の上に水彩絵具が滲んだような柔らかく優しいタッチで、輪郭もふんわりと消え入りそうな表現になります (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)。風景画や人物画を詩情豊かにソフトな印象で描きたい場合に好まれるAI画像の画風です。
  • コミックブック風 – アメコミ(アメリカン・コミックス)調のスタイル。力強い黒のアウトラインとカラフルなベタ塗り、場合によってはドットによるハーフトーン(網点)で陰影を表現し、ポップで力強い印象を与えます。スーパーヒーローもののアメコミの一コマのようなダイナミックさとグラフィカルな魅力を持つスタイルです。
  • 浮世絵風 – 江戸時代の日本の浮世絵版画のようなスタイル。平面的でデフォルメされた構図、美しく簡潔な輪郭線、限られた色数による色面分割などが特徴で (〖画像生成AI〗Midjourneyで使える138種類のスタイルのアイデア!|Midjourney(ミッドジャーニー)の使えるプロンプト集!)、伝統的な和の情緒を感じさせます。AIでは葛飾北斎や歌川国芳の版画風の画像生成も可能で、異国情緒あふれるアートスタイルとして人気があります。