編集後記の書き方のコツ

編集後記(エディトリアル)の内容に迷うときは、次の3つの視点を意識するだけでスムーズに書けるようになります。


1. 「今日のテーマ」と「背景」の接続

どう書くか

  1. その日のニュースレターで扱ったメイントピック(AI新技術や市場動向など)を、要約しながら振り返る。
  2. トピックの背景や、自分がどう感じたかといった「編集者自身の視点・感想」を少しだけ加える。

ポイント

  • ニュースレター本文を読んでいなくても分かるように、必要最低限の背景情報も入れる。
  • 自分の意見や考えをちょっと盛り込むことで親近感を与える。
  • 「AIニュース自体はこういう内容だったが、実はこうした歴史的経緯や裏話がある」と背景を補足するだけでも読み応えが増す。

2. 「個人的エピソード」と「学び」の融合

どう書くか

  1. 自分の体験談(うまくいったこと、失敗したこと、感じたことなど)を短いエピソード形式で紹介。
  2. そこから得られる学びや発見を、読者に向けて一般化してあげる。

ポイント

  • 単なる自慢話や愚痴で終わらないように注意。できるだけ「読者が得るメリット」「読者も共感できる学び」に繋げる。
  • AIに関するデモ作成で苦労した話や、プログラムが思わぬバグを引き起こした話などを短く書いて、「そこから何を得たか」を示す。
  • 「AIが間違いを起こすのは当たり前なので、そこからどう発想を広げるかがポイント」というように、読者が前向きになれる学びを提供。

3. 「未来展望」と「問いかけ」の提示

どう書くか

  1. 「今後、AIはこういう方向に進むかもしれない」という未来予測や展望を一文でまとめる。
  2. 最後に読者へ向けた問いかけやアクションを1つ投げかける(例:「皆さんならこの課題、どう解決しますか?」など)。

ポイント

  • 読者が一緒に考えたくなるテーマを選ぶと、コミュニティとして盛り上がる。
  • 問いかける内容は軽いものでもOK。「次回はこんなテーマを深掘りします、楽しみにしていてください」でも、読者の関心を引きつけられる。
  • 自分が次のニュースレターで取り上げる内容への伏線を張るのも効果的。

書籍化レベルに高めるコツ

  1. 一貫した“語り口”を確立する
    • 文章の長さ・構成をある程度パターン化することで、編集後記を量産しやすくなる。同時に「このエディトリアルはこういう文体だ」と読者が認識しやすくなり、ファンが付きやすい。
  2. 他者の視点を取り入れる
    • 社内の同僚や読者から寄せられた質問、SNS上の反応などを引用する。自身の考えとの対比や新しい視点を盛り込みやすくなる。
    • 書籍化オファーを受けるような連載は、常に読者を巻き込んで「対話しながら育てる」特徴を持つことが多い。
  3. 「つい気になってしまう終わり方」を意識する
    • あえて結論を100%書かず、読者に考えさせる余白を残す。
    • 次回へのヒントを提示するなど、「続きを読みたい」と思わせる仕掛けを作る。
  4. タイトルと装飾を工夫する
    • 文章の内容がすばらしくても、「どんなテーマで何が得られるのか」を端的に示す見出しがないと読まれにくい。
    • 強調文字(太字、斜体)や短い段落分け、箇条書きを使い、読みやすさを最優先する。

例:3ステップを意識した編集後記のミニサンプル

今日のテーマを振り返る
今日ご紹介した「大規模言語モデルの最新トレンド」は、まさにAI界の新しい転換点だと感じます。モデルサイズの肥大化に加え、効率化や省電力化にも注目が集まっているのが面白いですね。

個人的な体験談を絡める
実は先日、国内外の研究者とオンラインイベントでディスカッションした際に「モデルが大きすぎることで研究が難しくなる」というリアルな声が挙がりました。リソースが限られる中小企業や個人開発者にとっては辛い部分もあります。けれど逆に、小型モデルに特化した研究やハック手法が盛り上がりを見せていて、実はそこにイノベーションの種があるんですよね。

未来へのヒントや問いかけを入れる
今後は大規模モデルと小規模モデルの“共存”こそが鍵になるかもしれません。皆さんなら、この共存をどう実現できると思いますか? 次回は事例ベースで、小規模モデルの活用戦略を深掘りしてみます。どうぞお楽しみに。

こうした流れで書けば、単なる総括にならず、読者も「次回を読みたい」と思ってくれます。


まとめ

  1. 本編の振り返り+背景や自分の視点
  2. 個人的エピソード+読者が得る学び
  3. 未来展望+問いかけや次回予告

この3ステップさえ押さえておけば、毎日すらすらと編集後記を書けるようになります。習慣的に続けているうちに「あなたらしい文体」「読者を惹き込む独自ネタ」が蓄積され、結果的に書籍化レベルのまとまったコンテンツとして評価される可能性も高まるでしょう。ぜひ試してみてください。