句点(くてん)と読点(とうてん)は、日本語の文章において重要な役割を果たす記号であり、その由来と歴史は興味深いものです。
由来
句点と読点は、元々中国から伝わった漢文の読み下しに使用されていた記号が起源とされています。特に、句点は文の終わりを示す「。」、読点は文の途中での区切りを示す「、」として機能します。これらの記号は、漢文訓読の際に必要不可欠なものであり、平安時代には既に存在していたと考えられています14。
歴史的発展
- 江戸時代: この時期には、句読点の使用が試行錯誤されていました。例えば、「・」や「﹆」などの符号が使われていましたが、必ずしも統一された使用法は確立されていませんでした4.
- 明治時代: 明治20年代以降、句点と読点の使い分けが徐々に定着し始めます。特に1906年(明治39年)には文部省が「句読法案」を発表し、これが日本語における句読点の使用基準となりました。この法案では、句点と読点の使い方が初めて公に示されました5.
- 戦後: 戦後には「くぎり符号の使い方」が制定され、より現代的な表記法が確立されました。この時期には、句読点の使用が一般的になり、教育現場でも広く浸透しました5.
現代における使用
現代では、句点と読点は日本語文章において不可欠な要素となっています。特に新聞や書籍などでは、その使い方が厳密に定められており、読みやすさを重視した表記が求められています。また、インターネットやSNSの普及に伴い、新たな表現方法や句読点の使い方も模索されています5.
このように、句点と読点は日本語の歴史と共に進化してきた重要な記号であり、その背景には文化的な影響や社会的な変化があります。