脚本と台本は、どちらも演劇や映像作品を作るために必要な資料ですが、実は微妙な違いがあります。
脚本は、作品全体の構成や設定、登場人物、セリフなどを詳細に書き込んだものです。監督やスタッフが作品全体のイメージを共有し、制作を進めるための資料として使われます。
一方、台本は、俳優が実際に演技する際に必要な部分のみを書き出したものです。セリフだけでなく、ト書き(舞台の動きや表情などを指示する文章)なども含まれます。
つまり、脚本は作品全体の設計図のようなもので、台本はその設計図に基づいて実際に建てるための施工図のようなものです。
以下、表にまとめました。
項目 | 脚本 | 台本 |
---|---|---|
目的 | 作品全体のイメージを共有し、制作を進める | 俳優が実際に演技する |
対象 | 監督やスタッフ | 俳優 |
内容 | 作品全体の構成、設定、登場人物、セリフなど | セリフ、ト書きなど |
形式 | 詳細 | 簡潔 |
用途 | 映画、ドラマ、舞台演劇など | 映画、ドラマ、舞台演劇など |
補足
- 日本では、映画やテレビドラマの脚本をシナリオと呼ぶこともあります。
- 戯曲の場合は、台本ではなく脚本と呼ばれることが多いです。
参考資料