私たちはよく「インプットが大事だ」「アウトプットが大事だ」と言います。
しかし、そこでイメージされるのは多くの場合、
- 本を読む
- 人の話を聞く
- 話す
- 書く
といった「行為レベル」の話にとどまっています。
ここでは一歩引いて、インプットとアウトプットを、
「自分のものの見方(世界観)と、外の世界をつなぐ入出口の仕組み」
として整理し直してみます。
インプット/アウトプットには「6つの層」がある
インプットもアウトプットも、次の6つの層を通るプロセスだと考えます。
| レイヤー | インプット側 | アウトプット側 | 役割 |
|---|---|---|---|
| L5 | 価値観・世界観(内面のOS) | 成果物・実績(外に見えるアウトカム) | 最上位 |
| L4 | 理解された意味・中心メッセージ | 伝えたい意味・メインメッセージ | 意味 |
| L3 | 解釈の筋道(理由・前提・関係づけ) | 説明の筋道(ロジック・構成) | 骨格 |
| L2 | 受け取る形(文章・図・音声などの形式) | 表現する形(文章・図・音声などの形式) | 器 |
| L1 | データそのもの(文字列・画像・音声) | 生成された生データ | 生データ |
| L0 | 実際に起こった出来事 | 実際に出した行動・発言 | 出来事 |
インプットの流れ(外 → 内)
インプットは、外の世界から入ってきた出来事が、
- L0:出来事そのものに触れ
- L1:文字・画像・音声などのデータとして受け取り
- L2:本・動画・スライドなどの「形式」を通じて
- L3:自分なりの筋道・解釈がつき
- L4:一つの「意味」としてまとまり
- 最終的に L5:自分の価値観・世界観が少しずつ書き換わる
というプロセスです。
アウトプットの流れ(内 → 外)
逆にアウトプットは、内側にあるものが外に出ていく流れです。
- L5:自分の価値観・世界観から
- L4:伝えたいメッセージが決まり
- L3:話の筋道・構成を組み立て
- L2:文章にするのか、図にするのか、口頭で話すのかという形式を選び
- L1:具体的な言葉や図、スライドの中身などのデータを作り
- L0:実際に発言したり、資料として公開したりする
このとき、外に残るのが L5側の「成果物・実績」です。
ひとことでまとめると
ここまでを一文でまとめると、次の命題になります(これは概念整理としての仮説です)。
インプットとアウトプットとは、 自分の世界観(頭の中のOS)が、外の世界とやり取りするための「入出口システム」である。
つまり、
- インプットは「世界観を書き換えるための入り口」
- アウトプットは「世界観を形にして残すための出口」
という関係にあります。
実務でのチェックポイント
この考え方は、現場で次のように使えます。
- インプットについての問い
- 「このインプットは、L3(筋道)や L4(意味)まで到達しているか?
それとも、L1〜L2(ただ見聞きしただけ)の段階で止まっていないか?」 - アウトプットについての問い
- 「このアウトプットは、
L5(自分の価値観・判断基準)と一貫した
L5(外に残る成果物・実績)になっているか?」
この2つを自問するだけで、
- なんとなく情報を眺めているだけのインプット
- とりあえず量だけこなしているアウトプット
をかなり減らすことができます。
まとめ
- インプットとアウトプットは、別々の行為ではなく、同じ6層構造を通る「双方向の流れ」である。
- インプットは世界観(L5)を更新し、アウトプットは世界観を外の成果物として残す。
- 「どのレイヤーまで届いているか?」を意識することで、学びと仕事の質をコントロールできる。
このフレームを一つの「ものさし」として持っておくと、
日々のインプット/アウトプットの精度を、意識的に上げていけるはずです。



