TSMCのSWOT分析

エグゼクティブサマリー

本報告書は、台湾積体電路製造(TSMC)の包括的なSWOT分析を提供するものである。TSMCは、半導体ファウンドリ業界において圧倒的な市場リーダーシップ、最先端の技術力、堅調な財務実績を背景に、その地位を確立している。特に、AI、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)分野の成長が同社の業績を牽引しており、3ナノメートル(nm)、5nmといった先端プロセス技術への需要が旺盛である。研究開発への継続的な巨額投資と、顧客との信頼に基づく純粋なファウンドリモデルが、同社の競争優位性の源泉となっている。

しかしながら、TSMCはいくつかの課題と脆弱性も抱えている。特定の大口顧客への高い収益依存度、地政学的リスク、特に台湾を巡る緊張の高まりは、事業継続における大きな懸念材料である。また、先端プロセス開発とグローバルな製造拠点拡大に伴う莫大な設備投資は、財務上の負担となり得る。さらに、環境負荷、人材確保、サプライチェーンの脆弱性といった問題も顕在化している。

機会としては、AI、HPC、自動車、5G/IoTといったメガトレンドが、引き続き半導体需要を押し上げることが期待される。2nm、A16、さらには1.4nmといった次世代プロセス技術の開発は、同社の技術的優位性をさらに強固にするだろう。アリゾナ、日本、ドイツでの製造拠点新設は、地政学的リスクの分散と市場アクセス向上に寄与する。各国政府による半導体製造誘致のための補助金も、これらの投資を後押しする要因となる。

脅威としては、サムスンやインテルといった競合他社による追撃が挙げられる。特にインテルは、米国政府の強力な支援を受け、ファウンドリ事業への本格参入を目指している。地政学的緊張の激化や保護主義的な通商政策は、サプライチェーンの分断やコスト増を招く可能性がある。マクロ経済の不確実性や半導体市場の循環的な需要変動も、業績に影響を与えるリスク要因である。

TSMCは、これらの強み、弱み、機会、脅威を総合的に勘案し、技術的リーダーシップを維持しつつ、地政学的リスクを巧みに管理し、持続的な成長を追求していく必要がある。グローバルな事業展開とサプライチェーンの強靭化、そして絶え間ない技術革新が、今後の成功の鍵を握るであろう。

I. 強み:TSMCの支配的地位を支える柱

本セクションでは、TSMCが現在の半導体ファウンドリ業界におけるグローバルリーダーシップを確立する上で中核となる能力と市場での優位性について詳述する。

A. 他を寄せ付けない市場リーダーシップと財務力

TSMCは世界最大の半導体ファウンドリであり、2023年第2四半期には世界のファウンドリ市場シェアの約54%を占め 1、2024年第3四半期にはさらに圧倒的な64.9%のシェアを確保している 2。これは、独立系ファウンドリで製造される全半導体チップのほぼ3分の2がTSMC製であることを意味する 2。2024年には、TSMCは「ファウンドリ2.0」産業(ロジックウェハ製造、パッケージング、テスト、マスク製造などを含む)の生産額の34%を占め、2023年の28%から上昇した 4。この圧倒的な市場シェアは、著しい規模の経済、価格決定力、半導体サプライチェーンへの影響力をもたらし、TSMCを世界の電子産業にとって不可欠なボトルネックかつイネーブラーとして位置づけている。

財務実績も一貫して堅調である。2022年には13年連続で過去最高収益を達成し、米ドルベースで前年比33.5%増となった 6。2022年度の収益は2兆3000億台湾ドル(約740億米ドル)、純利益率は38.4%であった 1。2024年もまた傑出した年となり、収益は米ドルベースで前年比30%増の900億8000万米ドル、純利益は365億2000万米ドルに達した。売上総利益率は56.1%、営業利益率は45.7%、純利益率は40.5%であった 4。2025年第1四半期もこの傾向は続き、収益は255億3000万米ドル、純利益は3615億6000万台湾ドル、1株当たり利益(EPS)は13.94台湾ドルであった。売上総利益率は58.8%、営業利益率は48.5%、純利益率は43.1%であった 7。このような強力な財務基盤は、技術的リーダーシップ維持に不可欠な研究開発と設備投資への巨額な投資を可能にしている。一貫した収益性と増配 4 は、投資家の信頼も醸成している。

表1:TSMCの主要財務実績(2022年~2024年、2025年第1四半期)

指標2022年2023年2024年2025年第1四半期
収益(台湾ドル)2兆2638億9000万 62兆1617億4000万 42兆8943億1000万 48392億5000万 7
収益(米ドル)758億8000万 6693億 4900億8000万 4255億3000万 7
純利益(台湾ドル)1兆165億3000万 68385億 41兆1732億7000万 43615億6000万 7
純利益(米ドル)340億7000万 6268億8000万 4365億2000万 4
EPS(台湾ドル)39.20 632.34 445.25 413.94 7
売上総利益率(%)59.6 654.4 456.1 458.8 7
営業利益率(%)49.5 642.6 445.7 448.5 7
純利益率(%)44.9 638.8 440.5 443.1 7

データソース:4

TSMCの持続的な財務的アウトパフォーマンスは、業界の低迷期(例:2022年下半期の在庫調整 6、2024年の非AI分野の緩やかな回復 4)においても顕著であり、これは単なる生産能力以上の、高価値製品に対する技術的な不可欠性に基づいた、深く根付いた競争上の堀を示唆している。半導体業界は循環性で知られているが 6、TSMCは市場の一部が軟調な時でも力強い成長と過去最高の利益を報告し続けている 4。これは、特にAIのような分野からのTSMCの最先端サービスへの需要が非弾力的であるか、TSMCが価格決定力を持っていることを意味する。したがって、その強みは規模だけでなく、顧客がプレミアム価格を支払う意思がある、あるいは他では必要な品質/量で調達できない独自の技術提供にある。

さらに、「ファウンドリ2.0」におけるシェアの増大 4 は、TSMCがウェハ製造だけでなく、パッケージングやテストといった隣接するバリューチェーンセグメントへも支配力を拡大しており、より統合され、模倣困難なサービス提供を構築していることを示している。「ファウンドリ2.0」は、すべてのロジックウェハ製造、パッケージング、テスト、マスク製造などと定義されており 4、この広範な定義におけるTSMCのシェアは2023年の28%から2024年には34%に増加した 4。これは、TSMCが3DFabric/CoWoSのような先進パッケージングソリューションを通じて 6、シリコンウェハだけでなく、より多くの価値を獲得していることを示唆している。アウトソース製造モデル内でのこの垂直統合は、その競争上の地位と顧客の定着を強化する。

B. 技術革新の最前線(先端ノードと研究開発力)

TSMCは先端プロセスノードにおけるリーダーシップを誇る。3nmプロセス技術を成功裏に開発・製造し、この先端ノードを利用した最初の企業の1つとなった 1。3nmは2025年第1四半期にウェハ収益の22% 7、2024年には18%を占めた 4。5nm技術は広く使用されており、2025年第1四半期にはウェハ収益の36%を占め 7、N5ファミリーは2022年に26%を貢献した 6。先端技術(7nmおよびそれ以上の先端技術)は、2025年第1四半期に総ウェハ収益の73% 7、2024年に69% 4、2022年に53%を占めた 6。将来のノードへのロードマップも明確で、2nm(N2)は2025年下半期に量産開始予定 5、A16(バックサイドパワーデリバリー搭載)は2026年下半期予定 4、さらに1.4nmの開発も進行中である 9。この技術的リードはTSMCの主要な差別化要因であり、特にAIやHPC分野で最高の性能と電力効率を求めるアップル、NVIDIA、AMDといったプレミアム顧客を引き付けている 1

研究開発への投資も旺盛である。2022年の研究開発費は36億米ドル(収益の15%)1、別の情報源によれば同年に54億7000万米ドル(収益の7.2%)6、2024年には63億6100万米ドルに達した 4。一貫した大規模な研究開発投資がイノベーションのパイプラインを支え、TSMCがプロセス技術において競合他社に対して約2年のリードを維持することを可能にしている。

先端パッケージング技術(3DFabric™、CoWoS®)も強みの一つである。TSMC 3DFabric™デザインソリューションを拡大しており、ウェハレベル3D(TSMC-SoIC®チップオンウェハ、ウェハオンウェハ)や先進パッケージング(CoWoS®、InFO)が含まれる 6。CoWoSの生産能力はAI処理需要に対応するため2025年までに倍増すると予想されている 8。ムーアの法則によるスケーリングがより困難になるにつれて、先端パッケージングはシステムレベルの性能、電力効率、フォームファクタを改善するための代替手段として重要性を増している。これは複雑なAIチップにとって不可欠である。

表2:TSMCの先端技術収益貢献度(2025年第1四半期 / 2024年度)

技術ノード総ウェハ収益に占める割合(%)
3nm22 (2025年Q1) 7 / 18 (2024年) 4
5nm36 (2025年Q1) 7
7nm15 (2025年Q1) 7
先端技術計 (7nm以上)73 (2025年Q1) 7 / 69 (2024年) 4

データソース:4

TSMCの研究開発戦略は、トランジスタスケーリング(nm競争)だけに焦点を当てるのではなく、先端パッケージング(3DFabric、CoWoS)を通じた総合的なシステムレベルの性能向上にも注力している 6。これは、フロントエンドとバックエンド両方のプロセスにおける専門知識を必要とするため、競合他社が追いつくのがより困難な多次元的な技術的堀を築いている。ムーアの法則が減速し、従来のスケーリングがより困難かつ高価になる中で、TSMCは3DFabricとCoWoSに重点的に投資している 6。これらの技術は、ヘテロジニアスインテグレーションとチップレット設計を可能にし、トランジスタの縮小だけに頼ることなく性能を向上させる。この(ノード+パッケージングの)二重の焦点は、顧客により多くのイノベーションへの道筋を提供し、TSMCのエコシステムへの顧客の囲い込みをさらに強化する。

N4X(HPC特化型)6 やA16(バックサイドパワー供給HPC向け)4 といった特定用途向けノードの導入は、単一の汎用ノード戦略を超えて、特定の高成長アプリケーション向けに技術を調整する戦略的転換を示している。これにより、これらの特定セグメントで最適化された性能と潜在的により高い利益率が期待できる。汎用ノードは広範な市場に対応するが、HPCとAIには独自の性能と電力要件がある 5。TSMCはこれらの市場向けにN4XとA16を特別に開発している。このターゲットを絞ったアプローチは、汎用ノードと比較してこれらのアプリケーションで優れた性能を提供し、主要なHPC/AI企業からのデザインウィンを確保し、プレミアム価格を正当化する可能性が高い。また、ノードポートフォリオを多様化し、すべての先端アプリケーションに対して単一の「ヒーロー」ノードへの依存を減らすことにも繋がる。

C. 製造エクセレンスとオペレーションの優位性

TSMCは高い生産能力とスケーラビリティを誇る。2023年半ば時点で、総ウェハ製造能力は年間約1400万枚(12インチ換算)に達し 1、2024年には年間約1700万枚(12インチ換算)となった 5。総ウェハ出荷枚数は2022年に1530万枚 6、2024年には1290万枚(2023年の1200万枚から増加)であった 4。2022年には288の異なるプロセス技術を展開し、532社の顧客向けに12,698製品を製造 6、2024年には522社の顧客向けに11,878製品を製造した 4。この巨大な生産能力により、TSMCは最大手の顧客に対応し、スマートフォンやAIといった産業における需要急増に対応できる。スケーラビリティはコスト効率の鍵となる。

高い生産効率と歩留まり率もTSMCの強みである。ほとんどのプロセスノードで一貫して90%を超える高い製品歩留まり率を達成している 1。アリゾナの新N4ファブの歩留まりも台湾のファブに匹敵する 4。高い歩留まりは、TSMCと顧客双方の収益性、そして新技術のタイムリーな立ち上げにとって極めて重要である。これは、先端ノードで歩留まりに苦慮している競合他社(サムスンの歩留まり問題 2)に対する大きな運用上の利点である。

TSMCはデジタライゼーションとスマートマニュファクチャリングにも注力している。従業員の接続性と生産性を維持するためにデジタルトランスフォーメーションを加速し 6、ファブの「デジタライゼーション」を通じて製造オペレーションを最適化している 6。スマートマニュファクチャリングは効率を高め、欠陥を減らし、より良いプロセス制御を可能にする。これは、先端半導体生産の複雑性に対処する上で不可欠である。

TSMCがアリゾナN4ファブのような新しいファブを迅速に立ち上げ(予定より早く 4)、当初の懐疑論にもかかわらず、確立された台湾の施設に匹敵する歩留まりを達成する能力は、非常に移転可能で堅牢な製造方法論を示している。これは、同社のグローバルな多様化戦略にとって重要な実現要因である。製造拠点のグローバルな拡大は複雑でリスクが高く、本拠地の効率を再現できるか懸念があった 10。しかし、TSMCのアリゾナFab 1は、予定より早くN4の大量生産に入り、同等の歩留まりを達成した 4。これは、TSMCが国際的に効果的に展開できる高度に標準化されたプロセス、トレーニングプログラム、運用計画を開発したことを示唆している。この能力は、将来のグローバル展開のリスクを大幅に軽減し、顧客へのサプライチェーンの回復力という約束を強化する。

製造される膨大な数の異なるプロセス技術と製品 4 は、比類のない運用上の柔軟性と極度の複雑性を管理する能力を浮き彫りにしている。この「ハイミックス・ハイボリューム」能力は、ファウンドリを目指す企業にとって大きな参入障壁となっている。TSMCは何百もの顧客に、多数の技術ノードにまたがる何千もの異なる製品を提供している 4。各製品と技術には独自の製造要件がある。このレベルの多様性を大規模かつ高歩留まりで成功裏に管理するには、非常に洗練された計画、物流、実行システムが必要である。この運用上の熟達は、競合他社、特にファウンドリサービスへの新規参入者が模倣するのが困難な中核的な強みである。

D. 堅牢な顧客エコシステムと永続的な信頼

TSMCは、アップル(収益の約25%)、NVIDIA(約6%)、クアルコム(約10%)1、AMD 1 といった主要ハイテク企業を含む、多様で注目度の高い顧客基盤を有している。2022年には532社 6、2024年には522社の顧客にサービスを提供した 4。優良な顧客基盤は、TSMCの技術と信頼性を裏付けている。集中リスクは存在するものの(弱みの項を参照)、異なるセクターにまたがる幅広い顧客層が一定の安定性を提供している。

純粋なファウンドリモデルもTSMCの強みである。顧客の製品を専門に製造し、決して顧客と競合しない 4。このモデルは深い信頼を築き、顧客が機密性の高いIPや将来のロードマップを共有することを奨励し、強力で長期的なパートナーシップを育む。これは、自社ブランドのチップも販売するインテルやサムスンのようなIDMとの主要な差別化要因である。

信頼性と品質に対する強力なブランド評価も確立している。複数の調査で最も信頼される半導体メーカーとして評価されており 1、顧客調査でも高いスコアを獲得している 6。製品の故障が大惨事につながりかねないハイステークスな業界において、評判は極めて重要である。TSMCの品質と信頼性への信頼は、特に重要なアプリケーションにおいて顧客がTSMCを選ぶ大きな理由となっている。

Open Innovation Platform® (OIP) は、IP、技術ファイル、プロセスデザインキットの広範なライブラリを提供し、コラボレーションを促進し、顧客の設計サイクルを加速する 6。これにはTSMC 3DFabric™ Allianceも含まれる 7。OIPはファブレス企業の参入障壁を下げ、TSMCのプロセスを顧客の設計フローに深く統合し、定着性を生み出すのに役立っている。

純粋なファウンドリモデルとOIPの組み合わせは、強力な好循環を生み出している。顧客の信頼がより深い協力と共同イノベーションにつながり、それがTSMCに実世界のアプリケーション向けに技術を最適化する機会を与え、その提供内容をさらに強化し、より多くの顧客を引き付ける。純粋なファウンドリモデルは顧客との競争を排除し 4、信頼を構築することで顧客がロードマップを共有し共同設計を行うようになる。OIPはこの協力をツールとIPを提供することで促進する 6。TSMCは将来のチップ要件に関する早期の洞察を得て、研究開発と新しいノードを効果的に調整できるようになる。より良く、より顧客に適合した技術が、より多くのビジネスを引き付け、関係を深める。

多くの顧客にサービスを提供する一方で、最先端の設計(特にOIPと先端パッケージング)に必要な深い関与は、TSMCのリソースが最大かつ最先端の顧客を支援するために不均衡に集中している可能性を意味する。これはハイエンド市場でのリーダーシップを強化するが、古いノードを利用する小規模な顧客は直接的なサポートが少なくなる可能性がある。最先端のチップ設計は非常に複雑であり、ファウンドリとの緊密な協力が必要である 6。アップルやNVIDIAのような主要顧客が、最先端のノードとパッケージングの需要を牽引している 1。TSMCの成功は、これらの主要顧客が製品を成功裏に発売できるかどうかにかかっている。したがって、TSMCのトップエンジニアリングおよびサポートリソースのかなりの部分が、これらの主要顧客に割り当てられ、新技術での成功を確実にしていると考えられる。これは合理的な配分であるが、顧客体験の階層化を生み出す可能性がある。

II. 弱み:内在する課題と脆弱性

本セクションでは、TSMCの業績を妨げる可能性のある、あるいはリスクにさらす可能性のある内部的な制約と外部要因を分析する。

A. 集中リスク:主要顧客への過度な依存

TSMCは、特定の大口顧客への収益依存度が高いという課題を抱えている。2022年の収益の約60%は上位5社の顧客からもたらされており 1、アップル1社だけで約25%を占めている 1。これらの顧客は強力ではあるものの、注文の減少、主要顧客による調達戦略の変更(例:デュアルソーシング、内製化)、あるいは主要顧客の市場における不振は、TSMCの収益と稼働率に不均衡な影響を与える可能性がある 1

この顧客集中はリスクであると同時に、先端半導体の最終市場(例:スマートフォン、ハイエンドGPU)における極端な集約化の反映でもある。TSMCの運命は、一握りのハイテク大手の成功と戦略的決定に密接に結びついている。プレミアムスマートフォン市場は少数の企業(アップル、クアルコム搭載Android端末)が支配しており、AI GPU市場も少数の企業(NVIDIA、AMD)が支配している。これらの企業は最先端ノードを必要としており、これを大量に確実に供給できるのはTSMCだけである。したがって、TSMCの最先端技術の顧客基盤は本質的に集中することになる。これにより、TSMCはこれら少数の支配的プレイヤーの運命や戦略の転換に対して脆弱になる。

さらに、この依存関係は、非常に大規模な顧客に対してTSMCに対する相当な交渉力を与える可能性があり、価格設定、利益率に影響を与えたり、特に彼らがアンカークライアントである最先端ノードにおいて優先的な生産能力配分を要求したりする可能性がある。アップルのような顧客は、TSMCが新しいノードを立ち上げ、巨大なファブを埋めるために不可欠である 1。そのような顧客を失うことは大きな打撃となるだろう。この力関係により、これらの顧客は有利な条件を交渉できる可能性がある。TSMCは技術的な優位性を持っているが、巨大顧客を失うことによる財務的影響は、これらの関係を慎重に管理しなければならないことを意味する。

B. 莫大な資本集約度と投資需要

TSMCは、極めて高い設備投資要件に直面している。2024年の設備投資計画は280億~320億米ドルであり 13、2025年には380億~420億米ドルを計画している 8。これは収益のかなりの部分を占める(例:2022年の研究開発費は収益の15% 1、設備投資はさらに大きい)。アリゾナのファブ(当初650億米ドル、現在はより大規模な1650億米ドルの米国計画の一部)のようなグローバルな拡張プロジェクトは非常にコストがかかる 15。半導体製造の最先端を走り続けるには、新しいファブ、装置、研究開発への継続的かつ大規模な投資が必要である。これは他社にとって高い参入障壁となるが、TSMCにとっても絶え間ない財務的圧力となる 12

アリゾナのような海外の新ファブは、建設費や運営費の高さ、労働力不足によるスケジュールの遅延などから、当初は損失を計上している(アリゾナ工場は2024年に4億4000万米ドルの損失、2021年からの累積損失は13億米ドル超)11。これは企業全体の利益率を希薄化させる可能性がある。多様化と市場アクセスには戦略的に必要であるが、グローバル展開は短期から中期的な収益性に影響を与え得る重大な財務的負担と実行リスクをもたらす。

次世代ファブのコスト上昇は、「勝者総取り」の力学を生み出している。TSMCのような規模と財務力を持つ企業だけが最先端で競争できるが、それはまた、需要予測や技術移行におけるいかなる誤算も、莫大な費用をかけた遊休資産につながる可能性があることを意味する。ファブのコストは急騰しており 17、TSMCの設備投資は年間数百億ドル規模である 13。このレベルの投資は小規模なプレイヤーには持続不可能である。しかし、TSMCはそのような支出を正当化するために、何年も先の需要を正確に予測しなければならない。エラー(例えば、特定のノードの需要を過大評価する)は財務的に損害を与える可能性がある。

グローバル展開の財務的負担 11 は、短期的な収益性が大幅に圧迫された場合、古い国内ファブの技術アップグレードのペースに関する戦略的選択を余儀なくされたり、より投機的で長期的な研究のための研究開発予算に影響を与えたりする可能性がある。海外ファブは建設・運営コストが高く 11、資本と経営陣の焦点を奪う可能性がある。全体の利益率が圧迫されれば、TSMCは投資の優先順位を付けなければならないかもしれない。これは、成熟ノードのアップグレードが遅れたり、商業的に実行可能な次世代ノードに焦点を当てるため、非常に長期的な研究開発に対してより保守的なアプローチをとったりすることを意味する可能性がある。

C. 地政学的感受性と事業運営上の逆風

TSMCの主要な製造拠点と研究開発ハブが台湾にあることは、特に中台関係や米中対立に関する地政学的緊張にさらされており、これが同社の最も重大な脆弱性の一つとなっている 12。これはサプライチェーンの混乱、事業運営への干渉、あるいは紛争のリスクをもたらし、世界的に壊滅的な結果をもたらす可能性がある。このリスク要因が、グローバルな多様化努力の主な推進力となっている。

米国の台湾からの輸入品に対する潜在的な関税 11 や、より広範な貿易戦争の激化 7 は、コスト増、サプライチェーンの混乱、顧客需要への影響を引き起こす可能性がある。TSMCのアリゾナへの進出は、これらの関税リスクを軽減する目的も一部にはある 8。予測不可能な通商政策は不確実性を生み出し、グローバルな製造・調達戦略にコストのかかる調整を強いる可能性がある。

地政学的リスクはTSMCの評価に「リスクプレミアム」として作用し 11、経済的に最適とは言えない決定(例:より高価な海外ファブの建設)を強いている。同社は事実上、グローバル市場へのアクセスを維持し、事業運営のリスクを軽減するために地政学的な税金を支払っている。投資家はTSMCの地政学的エクスポージャーに対してより高いリターンを要求し 11、米国や日本でのファブ建設は台湾よりもコストがかかる 11。TSMCがこれらの投資を行うのは、一部には地政学的圧力と顧客からの多様化要求によるものである 4。したがって、これらの投資が戦略的に必要であったとしても、地政学的要因はTSMCのコスト構造と潜在的な長期的財務リターンに直接影響を与えている。

「半導体主権」を求める世界的な動き(例:米国のCHIPS法 14、EUチップ法、日本の補助金 18)は、TSMCがインセンティブを提供する一方で条件も課す政府によって多方向に引っ張られていることを意味する。これらの多様な国益を、中核的なビジネスモデルやIPを損なうことなく乗り切ることは、複雑なバランス感覚を必要とする。複数の国が国内チップ生産の確保を目指しており(米国、日本、ドイツ 14)、TSMC誘致のために補助金を提供している 14。これらの補助金にはしばしば付帯条件(例:現地での雇用創出、技術移転への期待)が付随する。TSMCは、資金調達と市場アクセスを確保しつつ、中核的な競争優位性(先端研究開発は台湾に残すなど 10)を保護するために、これらの関係を管理しなければならない。

D. 新たな懸念:持続可能性、人材、サプライチェーンの脆弱性

半導体製造は水とエネルギーを大量に消費する産業であり 15、TSMCは1日に約15万トンの水を使用している 19。環境フットプリントに対する監視が強まり、世界の持続可能性目標との整合性を求める圧力が高まっている 15。水不足(例:台湾の干ばつ 19)やエネルギーコストの上昇は、操業に直接影響を与える可能性がある。より厳しい環境規制は、コンプライアンスコストを増加させる可能性がある。

世界的に、特に米国の新しいファブ拠点のような場所で、熟練した半導体製造人材が不足している 10。米国はチップ設計に注力してきたため、製造ノウハウを失っている 21。米国の事業所設立には困難が伴い、労働慣行や文化の違いに関する懸念があり、アリゾナ工場では差別的な雇用慣行の疑惑も浮上している 11。台湾から労働者を呼び寄せる必要性も生じている 22。熟練労働者の不足は、ファブの建設や立ち上げを遅らせ 10、コストを増加させ、新しい場所で望ましい生産性と歩留まりレベルを達成することを困難にする可能性がある。

特殊な原材料(例:中国が大きな市場シェアを持つガリウム、ゲルマニウム 23)や複雑な製造装置への依存も脆弱性である。自然災害(地震、台風、干ばつ)が主要な製造拠点や材料サプライヤーに影響を与える可能性もある 19。重要な材料や装置の供給途絶は生産を停止させる可能性がある。特に台湾のような地理的に集中した生産地域における自然災害は、絶え間ない脅威である。

先端製造における人材不足 10 は、特に西側諸国において、循環的な問題ではなく構造的な問題である。これはTSMCのグローバル展開計画に対する長期的な制約となる可能性があり、自動化へのさらなる投資や根本的に異なるトレーニングパラダイムを強いるかもしれない。米国や他の西側諸国は何十年もの間、製造業の教育やキャリアを軽視してきた 21。先端半導体製造には高度に専門的なスキルが必要であり、TSMCの新しいファブは何千人ものそのような労働者を必要としている 10。これらの役割を埋めることは困難であり、遅延やコスト増につながっている 11。この構造的なギャップは、大規模なトレーニングイニシアチブや自動化のブレークスルーによって対処されない限り、将来の多様化の速度と規模を制限する可能性がある。

環境の持続可能性 15 は、企業の社会的責任(CSR)の問題から、中核的な運用上および戦略上のリスクへと移行しつつある。水とグリーンエネルギーへのアクセス、および廃棄物管理は、新しいファブをどこに建設できるか、どのように運営されるかをますます左右し、将来の投資場所と技術選択に影響を与える可能性がある。チップ製造は資源集約型であり 15、気候変動は資源の希少性を高めている(例:干ばつ 19)。持続可能性に対する公的および規制上の圧力も高まっている 15。したがって、TSMCの将来のファブの立地選定と運用計画は、資源効率と環境影響を優先しなければならず、それがコスト増または選択肢の制限につながる可能性がある。これは長期的な戦略計画における重要な要素となる。

サプライチェーンが兵器化される可能性のある特定の原材料への依存(例:中国によるガリウム/ゲルマニウムの管理 23)は、ファブの場所に関連する地政学的リスクを反映した脆弱性を示している。これは、TSMCが戦略的調達に従事し、潜在的に材料サプライヤーの多様化を支援する必要性を浮き彫りにし、サプライチェーン管理にさらなる複雑性の層を加える。先端チップには特殊な材料が必要であり 23、中国はこれらの重要な鉱物の一部の供給を支配している 23。これらの材料に対する輸出規制は生産を混乱させる可能性がある 23。これは、TSMCのサプライチェーンがファブレベルだけでなく、さらに上流でも脆弱であることを意味する。これらの原材料源を確保または多様化するための戦略的イニシアチブがますます重要になるだろう。

III. 機会:将来の成長と拡大への道筋

本セクションでは、TSMCが継続的な成長と市場開拓のために活用できる外部要因と内部能力を探る。

A. メガトレンドの活用:AI、HPC、自動車、次世代コネクティビティ(5G/IoT)

AIおよびHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)分野の爆発的な成長は、TSMCにとって大きな機会である。AI関連の需要は主要な事業ドライバーであり 4、AIチップの需要は2025年に1500億米ドルを超えると予想されている 8。TSMCは、AIワークロードに不可欠な先端ノード(3nm、2nm)により、この需要を捉えるのに理想的な立場にある 17。2025年の設備投資の70%は、HPC/AI向けの先端プロセスに割り当てられている 8。AIとHPCは、TSMCの中核的な強みである最先端の半導体技術を必要とする長期的な構造的成長ドライバーであり、最先端の生産能力に対する持続的な需要パイプラインを提供する。

自動車分野における半導体搭載量の増加も機会となる。自動車市場への拡大機会があり 12、日本のJASMファブは自動車用途向けチップを生産し 18、ドイツのファブも自動車分野をターゲットにしている 4。自動車は「車輪の上のコンピューター」となりつつあり、MCU向けの成熟ノードからADASやインフォテインメント向けの先端チップまで、幅広いチップの需要を牽引している。これは大規模で成長している市場である。

5GおよびIoT(モノのインターネット)デバイスの拡大も追い風となる。5GおよびIoTデバイスへの需要が増加している 12。個々のIoTデバイスは成熟ノードを使用するかもしれないが、その膨大な量と5Gインフラストラクチャは、TSMCの技術ポートフォリオ全体にわたる広範な需要を生み出す。

AIブームは、最先端ロジックだけでなく、先端パッケージング(CoWoS、SoIC)の需要も牽引している 6。これにより、TSMCは「AIチップ」あたりの価値をより多く獲得でき、技術的差別化と潜在的な生産能力の制約/機会という新たな次元を生み出す。AIチップは複雑で、しばしばチップレットアーキテクチャを使用する。先端パッケージングは、最適な性能と電力のためにこれらのチップレットを統合するために不可欠である。TSMCはCoWoSやその他の3Dパッケージング技術のリーダーであり 4、CoWoSの需要はAIにより急増している 8。これは、TSMCのAIにおける成長がファブだけでなく、戦略的資産となる先端パッケージング能力にも結びついていることを意味する。

AI/HPCが最先端の需要を牽引する一方で、自動車およびIoT市場はTSMCの成熟および特殊ノードに大量の機会を提供する(JASMは40nmから6/7nmを提供、ドイツのファブは28/22nmおよび16/12nm 4)。異なるノードタイプにわたるこの需要の多様化は、ポートフォリオ全体のファブ稼働率を最適化し、より安定した収益源を提供するのに役立つ。すべてのアプリケーションが絶対的に最新で最も高価なノードを必要とするわけではない。自動車やIoTは、しばしばより成熟し、費用対効果が高く、堅牢なノードを使用する 4。TSMCは幅広い技術ポートフォリオを持っており 6、これらの市場にサービスを提供することで、TSMCは古いファブの収益性を維持し、多様な顧客基盤を維持し、競争の激しい最先端への依存を減らすことができる。

B. 現在のノードフロンティアを超える未来技術の開拓

TSMCは、先端ノード技術の継続的な開発を通じて、将来の技術を開拓する機会を有する。N2(2nm)は2025年下半期に実用化予定で、N3Eと比較して10~15%の速度向上または25~30%の電力削減を実現する 5。HPC向けのバックサイドパワーデリバリーを備えたA16(1.6nm)は、2026年下半期に予定されている 4。さらに、1.4nmプロセスの研究も進んでおり、試作ラインの準備が進められている 9。ノード技術における絶え間ない革新は、リーダーシップを維持し、AIのような高成長市場の進化する要求に応えるための鍵となる。

3DFabric™および先端パッケージングの強化も進められている。SoIC、CoW、WoWなどのパッケージングソリューションを継続的に拡大し、システムレベルの性能を向上させている 6。従来のスケーリングが減速するにつれて、パッケージングは性能向上、電力効率、機能密度のための重要な手段となる。

A16でのバックサイドパワーデリバリーの導入 4 は、単にトランジスタの寸法を縮小するだけでなく、重要なアーキテクチャ上の革新である。これは、将来の進歩がリソグラフィだけでなく、新しいチップ構造や材料からもたらされることを示しており、差別化のための新たな道を開く。従来のトランジスタスケーリングは物理的な限界に直面している。バックサイドパワーデリバリーは、電力の完全性とトランジスタ密度を向上させる新しいアプローチである。TSMCはこれをA16で導入する 4。これは、TSMCの研究開発がチップアーキテクチャの根本的な変化を探求しており、純粋なスケーリングがより困難になる中でも持続的な性能向上を提供する可能性があることを示している。

2nmとA16の直後に1.4nmへの積極的な推進 9 は、TSMCが計り知れない技術的課題を克服する自信と、3nmや2nmの習得にまだ取り組んでいる競合他社に対して大きなリードを維持する決意を示している。この絶え間ないペースは、競合他社が追いつくことを法外に高価で困難にすることを目指している。TSMCはN2とA16の明確なロードマップを持っており 4、同時に1.4nmの準備も進めている 9。新しいノード世代はそれぞれ指数関数的に複雑でコストがかかる。常にフロンティアを押し進めることで、TSMCは競合他社を継続的でハイステークスな研究開発競争に追い込み、どんな遅れもさらに遅れをとることを意味する。これは競争上のギャップを広げる。

C. 戦略的なグローバル拠点拡大とサプライチェーンの多様化

TSMCは、複数の地域での新しいファブ建設を通じて、グローバルなフットプリントを拡大し、サプライチェーンを多様化する機会を有する。

  • 米国アリゾナ州: 最初のN4ファブが量産開始(2024年第4四半期、予定より早く)、2番目のファブ(3nm)は建設完了、システム設置中、3番目のファブ(2nm以上)も計画されている。先端パッケージングおよび研究開発センターを含む米国の総投資額は1650億米ドルに達する見込み 4
  • 日本熊本県(JASM): 最初のファブ(特殊技術:40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nm)が2024年末に量産開始。2番目のファブ(より先端、AI/自動車向け6nmの可能性)も計画されており、2025年に建設開始予定(ただし遅延の可能性も報告されている 94
  • ドイツ・ドレスデン: 自動車/産業向けの特殊技術ファブ(28/22nm、16/12nm FinFET)が2024年8月に起工 4

これらの動きは、台湾以外の製造拠点を多様化し、地政学的リスクを軽減し、地理的柔軟性に対する顧客の要求に応え、現地の才能プールと市場にアクセスすることを目的としている 4

表3:TSMCの主要グローバル拡張プロジェクト概要

所在地計画技術推定投資額(該当する場合)生産開始予定時期主な政府補助金(該当する場合)
米国アリゾナ州N4、3nm、2nm以上、先端パッケージング、研究開発センター総額1650億米ドル 10Fab1 (N4): 2024年Q4稼働 4CHIPS法により66億米ドル 14
日本熊本県 (JASM)40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nm(Fab1)、6nmなど先端技術(Fab2)JASM総投資額200億米ドル超 5Fab1: 2024年末稼働 4 Fab2: 2025年建設開始予定(遅延の可能性あり 9Fab2向けに追加48.6億米ドル、総額67億米ドル超 18
ドイツ・ドレスデン28/22nmプレーナーCMOS、16/12nm FinFET(自動車・産業向け)TSMC投資額35億ユーロ 18ドイツ政府およびEUによる支援期待(プロジェクト総額約100億ユーロの半分程度が補助金との報道 16

データソース:4

グローバル展開戦略は段階的なアプローチをとっているように見える。最先端の研究開発と初期の量産は台湾に残し 10、海外のファブは実績のある大量生産技術(米国のN4、3nm)や特殊ノード(日本、ドイツ)を受け入れる。これは、地政学的リスクヘッジと中核的な技術的優位性の保護を両立させる。TSMCは、研究開発本部と最先端プロセスの量産優先は台湾に残すと述べている 10。アリゾナはN4、次に3nm、そして2nmを取得する予定であり 4、これらは確立済みまたは間もなく確立されるノードである。日本とドイツは、自動車のような特定の産業向けの特殊/成熟ノードに焦点を当てている 4。この段階的なアプローチにより、TSMCは技術移転と運用上の複雑性のリスクを管理しつつ、地域供給の要求に応えることができる。

これらの海外ファブの成功は、TSMCが独自の運用文化と効率性を移転し、現地の労働市場と規制環境を乗り切る能力に大きく依存するだろう 10。アリゾナからの初期の良好な歩留まり報告 4 は有望であるが、すべての新しい拠点で持続的なパフォーマンスを達成することが重要となる。TSMCの台湾における製造エクセレンスは重要な強みであるが、これを海外で再現することは、異なる労働文化、コスト、規制のために困難である 10。アリゾナファブのN4歩留まりにおける初期の成功 4 は良い兆候であるが、複数のグローバル拠点で長期的な成功を収めるには、コスト競争力と品質を維持するためにこれらの継続的な課題を克服する必要がある。

D. 政府支援と戦略的提携の活用

TSMCは、各国政府による半導体製造誘致のためのインセンティブを活用する機会を有する。米国のCHIPS法(アリゾナのファブに66億米ドルを授与 14)、日本政府による熊本のファブへの補助金(2番目のファブにさらに48億6000万米ドル、総額67億米ドル超 18)、ドイツ政府によるドレスデンのファブへの支援(期待される 16)などが挙げられる。補助金は、特に台湾以外のより高コストな地域でのファブ建設・運営コストを相殺し、グローバル展開を財務的により実行可能にするのに役立つ 12

ハイテク大手や現地企業とのパートナーシップや提携も機会となる。日本のJASMはソニー、デンソー、トヨタとの合弁事業であり 4、グローバルに拡大するにつれてさらなる提携の可能性がある 12。パートナーシップは、現地の市場専門知識を提供し、財務的負担を分担し、顧客コミットメントを確保し(特に自動車分野)、新しい地域への円滑な参入を促進することができる。

政府の補助金は大きな機会であるが、同時に、現地の雇用創出、技術共有、国家戦略目標への貢献に関する暗黙の(時には明示的な)期待も伴う。これはTSMCにとって複雑なステークホルダー管理の課題を生み出す可能性がある。政府は国家目標(例:サプライチェーンのセキュリティ、雇用創出 10)を達成するために補助金を提供し 14、TSMCはこれらの資金を受け取る。TSMCにはこれらの現地の目標を達成するよう圧力がかかるだろう。これは、TSMCのグローバルな企業戦略や効率目標と時折対立する可能性があり、慎重な対応が必要となる。

日本の合弁事業モデル(ソニー、デンソー、トヨタとのJASM 4)は、特に自動車や産業セクターにおける他の特殊ファブ投資のテンプレートとなる可能性がある。これは投資リスクを軽減し、アンカー顧客を確保するが、同時に支配権と潜在的な利益を共有することも意味する。JASMは、主要な自動車プレイヤーを含む日本の主要企業との合弁事業であり 4、このモデルは現地のパートナーとファブの生産能力の引き受け手を確保する。長い認定サイクルと深い業界統合を必要とする自動車のような市場にとって、この合弁事業アプローチは完全子会社よりも効果的かもしれない。成功すれば、TSMCは他の地域の特殊ファブにもこのアプローチを適用する可能性がある。

IV. 脅威:複雑で競争の激しい環境の航行

本セクションでは、TSMCの市場での地位と収益性を脅かす可能性のある外部の課題と競争圧力を検証する。

A. グローバル半導体プレイヤーとの競争激化

TSMCは、サムスンやインテルといった強力な競合他社からの脅威に直面している。サムスンはファウンドリ市場における主要な競争相手であり、市場シェアではTSMCに遅れをとっているものの(2024年第3四半期で9.3% 2)、先端ノードへの大規模投資を行い、ファウンドリ事業の成長を目指している 3。ただし、先端ノードでの歩留まり問題に直面しているとの報告もある 2

インテルは歴史的にリーダーであったが、現在は政府の強力な支援(米国のCHIPS法 2)を受けてファウンドリサービス(IDM 2.0戦略)を積極的に推進している。18A(1.8nm)のような将来のノードで製造リーダーシップを取り戻すことを目指しているが 2、依然として実行上の課題に直面している 2。サムスンとインテルはいずれも、強力な研究開発能力を持つ手ごわい資金力のある競合相手である。競争の激化は、価格圧力、市場シェアの低下、技術的リードの早期の侵食につながる可能性がある 12

表4:グローバルファウンドリ市場シェア比較(2024年第3四半期 / 2024年度)

企業名市場シェア(%) – 2024年Q3市場シェア(%) – 2024年(推定/報告)
TSMC64.9 262 2 (2024年全体)
Samsung9.3 210 2 (2024年全体)
Intel Foundry Servicesトップ10圏外 2 (ただし成長中)
GlobalFoundries
SMIC

データソース:2

(注:GlobalFoundries、SMICの具体的な2024年Q3/2024年シェアは提供された資料からは明確に特定できなかったため空欄としています。Intel Foundry ServicesはQ3 2024時点でトップ10圏外とされていますが、市場での存在感は増しています。)

主な競争上の脅威は、インテルとサムスンが国家産業戦略と多額の政府補助金(特にCHIPS法によるインテル 2)を活用する能力から生じている。これにより、競争が技術的メリットや運用効率だけでなく、地政学的支援にも基づく不均等な競争条件が生まれる。インテルとサムスンはそれぞれ米国と韓国のナショナルチャンピオンであり、各国政府は台湾/TSMCへの依存を減らすために国内半導体産業に多額の補助金を出している 2。これにより、競合他社は純粋に商業的な観点からは正当化できないかもしれない大規模な設備投資を行うことができる。したがって、TSMCは企業だけでなく、国家支援の産業政策とも競争しなければならない。

TSMCは現在、先端ノードの実行と歩留まりでリードしているが 2、いかなる重大なつまずき(例:N2またはA16の遅延や歩留まり問題)も、サムスンやインテルが特定のノード世代で追いつく、あるいは追い越すための重要な機会を提供し、競争バランスを変える可能性がある。TSMCのリードは一貫した実行に基づいており 2、競合他社は同等性を積極的に追求している 2。新しいノードの複雑性は、予期せぬ技術的課題のリスクを高める。TSMCによる主要な実行上の誤りは、競合他社がその世代の主要な顧客デザインを獲得するための大きな機会となるだろう。

B. 地政学的変動と保護主義的通商措置

米中間の緊張と台湾の地位を巡る継続的な地政学的摩擦は、不安定な事業環境と混乱のリスクを生み出している 12。半導体輸入に対する新たな関税の可能性(例:米国の台湾製品に対する関税、あるいはトランプ政権が示唆する広範な関税 7)や、半導体技術・装置に対する輸出規制は、コスト増、複雑なグローバルサプライチェーンの混乱、市場アクセス制限、非効率な生産の現地化を強いる可能性がある。TSMCのCFOは、潜在的な関税政策による不確実性を指摘している 7

政府支援の不確実性も脅威である。トランプ政権はCHIPS法に反対を表明し、その終了を要求した。もし廃止されれば、発表されたCHIPS投資の運命は不確かになる 14。グローバル展開のための政府補助金への依存は、政治的風向きが変わり、その支援が撤回または変更された場合、リスクとなる。

半導体サプライチェーンの兵器化は、TSMCが単なる商業的存在ではなく、戦略的な地政学的資産であることを意味する。これにより、TSMCは国際的なパワーダイナミクスの焦点となり、典型的なビジネス上の懸念を超える圧力とリスクにさらされる。ファブの場所や技術アクセスに関する決定は、複数の政府によって精査される。半導体は国家安全保障と経済競争力にとって不可欠であり 24、TSMCは最先端の製造を支配している 1。したがって、TSMCの技術と生産能力へのアクセスは地政学的な手段となる 24。これにより、TSMCは相反する国益を乗りこなしつつグローバルな顧客にサービスを提供しようとする困難な立場に置かれる。

保護主義と「テクノナショナリズム」への傾向は、協力が妨げられた場合、基準の相違、コスト増、イノベーション速度の低下を伴う断片化されたグローバル半導体市場につながる可能性がある。TSMCは、潜在的にサイロ化された地域エコシステムで事業を行うために適応しなければならないだろう。各国は補助金や関税を通じて国内チップ産業を推進しており 14、これは冗長な投資と非効率なグローバルな資源配分につながる可能性がある。地域が独自の優先技術や基準を開発すれば、市場が断片化する可能性がある。グローバルサプライヤーであるTSMCは、複数の相互運用性の低い地域の要求に応えなければならない場合、複雑性が増し、潜在的に規模の経済が縮小する可能性がある。

C. マクロ経済の不確実性と需要変動

景気後退や経済成長の鈍化は、消費者や企業の電子機器への支出を抑制し、全体的なチップ需要を減少させる可能性がある 12。2024年にはマクロ経済状況が消費者心理に重くのしかかった 4。半導体業界は好不況のサイクルに陥りやすく、在庫調整(2022年下半期に見られた 6、2025年にはIoT/自動車/産業分野で予想される 4)は、一時的な需要の落ち込みとファブの稼働率低下につながる可能性がある。

AI需要は現在好調であるが、顧客によるAIへの過剰投資やAI導入の減速は、ハイエンドチップの需要急減につながり、TSMCの最先端ファブに影響を与える可能性がある 11。これらの変動は、特にTSMCのファブに関連する高い固定費を考慮すると、生産能力計画を困難にし、収益性に影響を与える可能性がある。

TSMCが成長のためにAIセクターへの依存度を高めていること 4 は、現在強みである一方で、AI業界内のボラティリティと潜在的な誇大広告サイクルに対してより脆弱になることも意味する。大幅なAIの低迷は、一般的なエレクトロニクス不況よりもTSMCに大きな打撃を与えるだろう。AIはTSMCの先端ノードの主要な成長ドライバーであり 4、AI業界自体は比較的新しく、好不況サイクルや技術的アプローチの変化を経験する可能性がある。AI需要が低迷したり、現在のハードウェアアーキテクチャから移行したりした場合、TSMCのAIに焦点を当てた生産能力への多額の投資がリスクにさらされる可能性がある 11。これは、AI市場に特有の新たな需要変動の層を生み出す。

地政学的な不確実性、潜在的な貿易戦争、マクロ経済の弱さの合流は、複数の負の要因が同時に需要と事業の安定性に影響を与える「パーフェクトストーム」を生み出す可能性があり、孤立した循環的な不況よりもTSMCの回復力をより厳しく試すことになる。地政学的緊張は貿易と投資を混乱させる可能性があり 11、関税はコストを増加させ需要を減少させる可能性がある 24。経済の減速は全体の購買力を低下させる 4。これらが同時に発生した場合、TSMC(および業界全体)への累積的な影響は、孤立して発生した場合よりもはるかに大きくなる可能性がある。これには堅牢な危機管理計画が必要となる。

D. サプライチェーンの混乱と資源制約

台湾は地震や台風の影響を受けやすく、干ばつはファブに不可欠な水供給に影響を与える可能性がある 19。主要な材料・装置サプライヤーからの供給途絶や、材料に対する地政学的規制(例:中国によるガリウム/ゲルマニウムの管理 23)は、生産を停止させる可能性がある。急速な技術変化は、新しい装置やプロセスへの継続的なアップグレードと投資を必要とし、迅速に適応できなければ陳腐化につながる 12。半導体サプライチェーンは長く、複雑で、脆弱である。いかなる混乱も連鎖的な影響を及ぼし、生産遅延やコスト増につながる可能性がある。

気候変動は自然災害のリスクを悪化させており 19、TSMCの台湾における地理的に集中した製造拠点をさらに大きな負債としている。これは、コストがかかるとしても、グローバルな多様化努力に緊急性を加える。TSMCの主要ファブは台湾にあり 8、台湾は地震活動や異常気象にさらされている 19。気候変動はこれらの事象の深刻さと頻度を増大させている 19。したがって、TSMCの中核事業に対する物理的リスクは増大しており、サプライチェーンの多様化は地政学的ヘッジだけでなく、気候適応戦略でもある。

半導体製造装置の複雑性の増大(例:ASMLのEUVリソグラフィ装置)は、ごく少数の高度に専門化されたサプライヤーへの重大な依存を生み出す。これらの主要サプライヤーにおけるいかなる混乱(技術的問題、販売に対する地政学的規制、または自社の生産能力の制約)も、TSMCの生産と拡大能力に直接影響を与えるだろう。先端チップ製造は超専門的な装置(例:ASML EUV)に依存しており、そのような重要な装置のサプライヤーは非常に少ないか、時には1社しか存在しない。これはボトルネックとTSMCの脆弱性のポイントを生み出す。例えば、ASMLが十分なEUV装置を納入できない、またはTSMCへの販売を制限された場合、TSMCのロードマップは深刻な影響を受けるだろう。この依存関係は重大な構造的リスクである。

V. 戦略的統合と将来展望

TSMCは、半導体ファウンドリ業界における卓越したリーダーであり、その強みは最先端技術、製造能力、そして堅固な財務基盤に深く根ざしている。AIやHPCといったメガトレンドは、同社の先端ノードに対する旺盛な需要を生み出し、成長の強力なエンジンとなっている。研究開発への継続的な投資と、顧客との信頼に基づく純粋なファウンドリモデルは、競合他社に対する明確な差別化要因として機能し続けている。

しかしながら、その成功の裏には看過できない脆弱性と脅威が存在する。特に、台湾を中心とした地政学的リスクは、事業継続における最大の懸念材料であり、グローバルな製造拠点の多様化を急務としている。この多様化は、米国、日本、ドイツでの新ファブ建設という形で具体化しているが、これには莫大な資本支出と、現地での人材確保や文化の違いといった運営上の課題が伴う。特定の大口顧客への高い収益依存度も、依然としてリスク要因である。

環境問題への対応も、水やエネルギーを大量に消費する半導体製造の持続可能性を確保する上で、ますます重要性を増している。サプライチェーンにおける原材料調達の脆弱性や、自然災害のリスクも、常に念頭に置くべき課題である。

競争環境も厳しさを増している。サムスンや、特に国家的な支援を受けるインテルは、TSMCの牙城を崩そうと積極的な投資と技術開発を進めている。保護主義的な通商政策の台頭やマクロ経済の不確実性は、市場の予測を困難にし、需要の変動リスクを高める。

これらの複雑な要因を踏まえ、TSMCが今後も持続的な成長を遂げるためには、以下の戦略的方向性が重要となる。

  1. 技術的リーダーシップの堅持と深化: 2nm、A16、さらには1.4nmといった次世代プロセス技術の開発を加速し、競合他社に対する技術的優位性を維持・拡大する。同時に、3DFabric™に代表される先端パッケージング技術への投資を強化し、システムレベルでの性能向上という付加価値を提供することで、顧客の囲い込みを強化する。AIやHPCといった特定用途に最適化された特殊ノードの開発も、収益性と競争力向上に寄与するだろう。
  2. グローバルな製造フットプリントの戦略的最適化: アリゾナ、日本、ドイツでの新ファブプロジェクトを着実に推進し、地政学的リスクの分散と顧客ニーズへの対応を図る。ただし、各拠点の立ち上げにおいては、コスト効率、人材育成、現地文化との融合、そしてTSMC本社の製造ノウハウの円滑な移転が鍵となる。初期の損失を最小限に抑え、早期の収益化を目指す必要がある。台湾では引き続き最先端技術の研究開発と初期量産に注力し、技術流出のリスクを管理しつつ、海外拠点との連携を密にする。
  3. サプライチェーンの強靭化と持続可能性の追求: 重要原材料の調達先の多様化や、代替材料の研究開発を推進する。自然災害リスクの高い地域における事業継続計画(BCP)を強化する。水資源の効率的な利用や再生可能エネルギーの導入を積極的に進め、環境負荷の低減と持続可能な製造体制の構築を目指す。これは、企業の社会的責任を果たすだけでなく、長期的なコスト削減とリスク管理にも繋がる。
  4. 人材育成と組織能力の強化: グローバルな事業展開に伴い、多様な文化背景を持つ人材の採用と育成が不可欠となる。特に海外拠点においては、現地の労働市場の特性を理解し、魅力的な労働環境を提供することで、高度な技術を持つ人材を確保・維持する必要がある。TSMCの企業文化と技術力をグローバルに展開できる人材育成プログラムの構築が求められる。
  5. 顧客との強固なパートナーシップの維持・発展: 純粋なファウンドリモデルを堅持し、顧客との信頼関係をさらに深める。Open Innovation Platform® (OIP) を通じた共同開発を促進し、顧客の製品開発を初期段階からサポートすることで、長期的な関係を構築する。大口顧客への依存リスクを認識しつつも、これらのキープレイヤーとの戦略的連携は不可欠である。同時に、成長が期待される新規顧客や多様なアプリケーション分野への展開も視野に入れるべきである。

結論として、TSMCは依然として強力な競争優位性を有しているが、その前途は平坦ではない。地政学的な逆風、激化する競争、そして内部的な課題を克服し、新たな成長機会を捉えるためには、卓越した技術力と製造能力を基盤としつつ、よりグローバルで、より強靭で、そしてより持続可能な企業へと変革していく必要がある。その巧みな戦略実行こそが、TSMCが今後も半導体業界のリーダーとして君臨し続けられるかの試金石となるであろう。

引用文献

  1. Taiwan Semiconductor Manufacturing Company SWOT Analysis … https://canvasbusinessmodel.com/products/taiwan-semiconductor-manufacturing-company-swot-analysis
  2. Samsung vs. TSMC vs. Intel: Who’s Winning the Foundry Market … https://patentpc.com/blog/samsung-vs-tsmc-vs-intel-whos-winning-the-foundry-market-latest-numbers
  3. TSMC, Samsung, and Intel: Who’s Leading the Semiconductor Race … https://patentpc.com/blog/tsmc-samsung-and-intel-whos-leading-the-semiconductor-race-latest-market-share-data
  4. Annual Report 2024 – TSMC Investor Relations – Taiwan … https://investor.tsmc.com/sites/ir/annual-report/2024/2024%20Annual%20Report_E.pdf
  5. TSMC 2024 Annual Report Website https://investor.tsmc.com/static/annualReports/2024/english/index.html
  6. TSMC 2022 Business Overview – TSMC Investor Relations – Taiwan … https://investor.tsmc.com/sites/ir/annual-report/2022/2022_Business_Overview_E.pdf
  7. TSMC Reports First Quarter EPS of NT$13.94 – Taiwan Semiconductor https://pr.tsmc.com/english/news/3222
  8. TSMC to focus on expansion, tariff impact at investor meeting – Tech in Asia https://www.techinasia.com/news/chipmaker-tsmc-invest-100b-expansion
  9. [News] TSMC’s Kumamoto Fab 2 Reportedly Delayed Again Amid Weak Auto Demand and Strategic U.S. Shift – TrendForce https://www.trendforce.com/news/2025/04/14/news-tsmcs-kumamoto-fab-2-reportedly-delayed-again-amid-weak-auto-demand-and-strategic-u-s-shift/
  10. TSMC’s massive US expansion tests Trump’s labor strategy, says DIGITIMES analyst https://www.digitimes.com/news/a20250305VL207/tsmc-us-investment-talent-labor.html
  11. Why Taiwan Semiconductor Manufacturing Stock Is Sinking Today: Geopolitics, Costs, and Valuation Pressures – AInvest https://www.ainvest.com/news/taiwan-semiconductor-manufacturing-stock-sinking-today-geopolitics-costs-valuation-pressures-2504/
  12. TSMC – SWOT Analysis | Updated 2025 – AskYourCourse! https://askyourcourse.com/tools/swot-analysis/tsmc
  13. Taiwan Semiconductor’s Capex Plans Boost These Chip Stocks, Jim Cramer Says – AInvest https://www.ainvest.com/news/taiwan-semiconductor-s-capex-plans-boost-these-chip-stocks-jim-cramer-says-25011010d7d60112a9790e25/
  14. Semiconductor CapEx Down in 2024, up in 2025 https://www.semiconductorintelligence.com/semiconductor-capex-down-in-2024-up-in-2025/
  15. How TSMC Must Balance Growth with Sustainability https://sustainabilitymag.com/articles/the-story-behind-tmscs-profit-uptick
  16. How will new TSMC Fabs in AZ, Germany and Japan impact NVDA? – Reddit https://www.reddit.com/r/NVDA_Stock/comments/1gwueng/how_will_new_tsmc_fabs_in_az_germany_and_japan/
  17. TSMC (NYSE:TSM) at $82: A Strong Buy or a Risky Move in 2025? – Trading News https://www.tradingnews.com/news/tsmc-nyse-tsm-at-82-usd-a-strong-buy-or-a-risky-move
  18. Japanese government grants further subsidies to TSMC for second chip fab – SDx Central https://www.sdxcentral.com/news/japanese-government-grants-further-subsidies-to-tsmc-for-second-chip-fab/
  19. The Five Biggest Disruptions to the Semiconductor Supply Chain in 2024 – Z2Data https://www.z2data.com/insights/5-disruptions-to-the-semiconductor-industry
  20. Corporate Sustainability (ESG) – TSMC Investor Relations https://investor.tsmc.com/static/annualReports/2024/english/pdf/2024_tsmc_ar_e_ch7.pdf
  21. U.S. Semiconductor Talent Shortage: How Chip Companies Overcome It – Actalent https://www.actalentservices.com/en/insights/articles/semiconductor-talent-shortage-how-chip-companies-overcome-it
  22. TSMC accused of discriminatory hiring practices – Capacity Media https://www.capacitymedia.com/article/tsmc-discriminatory-hiring-practices
  23. Mineral Demands for Resilient Semiconductor Supply Chains – CSIS https://www.csis.org/analysis/mineral-demands-resilient-semiconductor-supply-chains
  24. Semiconductors Under Fire as Trump Touts New Tariff Plan – Sourceability https://sourceability.com/post/semiconductors-under-fire-as-trump-touts-new-tariff-plan