何が動いているのか
点は個体、色は −1 から +1 の連続的な意見、線は交流相手です。中央から意見を指示する存在はありません。各個体の対話と関係の選び直しだけで、社会全体の意見分布とネットワークが変化します。「似た声を選ぶ」「細かく分断」はその傾向を観察する設定名であり、結果を固定する演出ではありません。
1回の対話のルール
個体 i を一様に選び、通常はその交流相手から j を選びます。「偶然の出会い」の確率では、既存の関係にかかわらず社会全体から相手を選びます。孤立個体も全体から相手を選びます。
意見差 d = |xᵢ − xⱼ|
d ≤ ε のとき、同時に更新:
xᵢ ← xᵢ + μ(xⱼ − xᵢ)
xⱼ ← xⱼ + μ(xᵢ − xⱼ)
右辺は両方とも更新前の値。ε は「受け入れる意見差」、μ は「意見の動きやすさ」です。対話による全体の平均意見は保存されます。反発によって意見を極端に押し出すルールは入れていません。
意見差が許容幅を超えた場合、既存の交流リンクなら「相手を選び直す確率」でつなぎ替えます。新しい相手は、未接続かつ許容幅内の候補から一様に選びます。候補がなければ変更しません。自己リンクと重複リンクは禁止し、リンク総数は保ちます。偶然出会っただけの未接続の相手に、新しいリンクを自動生成することはありません。
見た目と計算を分けています
「つながり」表示は、全個体の反発と交流リンクのばねによる配置です。意見の色を理由に左右へ振り分けてはいません。「意見マップ」では、横方向の目標位置が明示的に意見の値になります。配置のアニメーションには追従の遅れがあります。画面上の距離やドラッグは、意見の更新・相手選びに影響しません。
| 同質的なつながり | 両端の意見差が0.25以下のリンクの割合。固定基準であり、許容幅スライダーとは別です。全員の合意でも、互いに分断された同質集団でも高くなります。 |
| 意見のばらつき σ | 全個体の意見の標準偏差。0なら全員同じ意見。多様な意見と二極化を、この値だけでは区別できません。ヒストグラムを併せて確認してください。 |
| 独立した集団 | リンクでたどれる範囲ごとに数えた、グラフの連結成分数。孤立個体も1集団です。意見の近さによるグループ数とは異なります。 |
2種類の介入の違い
「接点だけをランダムに混ぜる」は、リンクの約30%を無作為につなぎ替えるだけです。意見の許容幅は変えないので、再び関係が切れる場合があります。「対話の橋を架ける」は、全体の約20%を仲介役として選び、各仲介役に意見差0.35以上の相手とのリンクを最大1本つくります。そのリンクを15秒間保護し、仲介役が参加する対話では、両者の許容幅を2.0にします。単なる異論への接触とは異なる、対話を受け入れるという追加の仮定を持つ介入です。
時間・再現性・操作
実験時間1秒は30ステップ。1ステップの対話試行数は個体数 × 0.055 を切り上げた回数です。秒は計算上の単位であり、現実の経過時間に換算するものではありません。速度を変えても、同じ実験時間なら同じ更新回数になります。介入や設定変更を同じステップで行えば、同じシードから意見・リンクの経過を再現できます。
Space:再生・停止、R:同じ初期状態に戻す、V:配置切替、F:全画面、Esc:個体の選択解除。矢印キー(ネットワークにフォーカス中):観察する個体を変更。シナリオ変更時は同じシードでリセットされ、実験時間が0に戻ります。スライダーはリセットせず、現在の実験に適用します。
CSVは0.5秒ごとの指標と、その時点の設定・シードを保存します。各ステップ内の細かな介入時刻を復元するための完全なイベントログではありません。表示グラフは直近90秒、CSVは現在の実験の直近10,000サンプルまで保存します。PNGは現在のネットワークと2つのグラフをまとめて保存します。
参考にした研究・この実装の位置づけ
有界信頼(bounded confidence)と適応的ネットワークの考え方を参考にした、独自の教育用簡略モデルです。下記論文のアルゴリズムや結果を厳密に再現する実装ではありません。初期意見は約−0.95〜+0.95に均等配置した値をシャッフルし、初期の交流関係とは独立に割り当てます。初期グラフは連結した環状リンクとランダムリンクで、平均次数は6です。
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